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がん予防は「正しい情報を知る」ことから。ROLANDと学ぶ20〜30代も油断できないがんリスク がん予防は「正しい情報を知る」ことから。ROLANDと学ぶ20〜30代も油断できないがんリスク

世界には、私たちがまだ知らない未知の病気が多く存在します。その中で「がん」は、日本人が生涯で罹る確率は2人に1人といわれており、誰でもなる可能性がある反面、新しい治療法などまだ知られていないことも多くあります。また、日本における「がん」の患者数は右肩上がりに上昇しており、知っておくべきことも多いはずです。今回は、ROLANDさんの生活習慣や人間ドックの経験をもとに、がんを予防するために重要なこと、私たちが知っておくべきことについて、腫瘍内科医の明星智洋先生とともに考えていきます。

ROLANDさん
インタビューROLAND(ホスト、実業家)
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1992年東京生まれ。株式会社ROLAND GROUP HD代表取締役。高校卒業後、大学を中退し18歳でホストデビュー。8年の現役ホスト期間を経て26歳で独立し、起業。
明星智洋先生
監修医師明星智洋(日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本血液学会認定血液専門医)
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2001年熊本大学医学部卒業。その後、国家公務員共済組合連合会 呉共済病院、国家公務員共済組合連合会 虎の門病院、癌研究会有明病院にて血液悪性腫瘍およびがんの化学療法全般について学ぶ。2009年より江戸川病院 腫瘍血液内科にて勤務。
chapter01 「生活習慣か?遺伝か?」がんを発症する主な要因とは!? chapter01 「生活習慣か?遺伝か?」がんを発症する主な要因とは!?

明星先生明星智洋先生

ROLANDさんは普段からタバコに触れることが多いと思うのですが、ROLANDさんの喫煙習慣を教えていただいてもよろしいですか?

ROLANDさんROLANDさん

シガレットタイプのタバコは吸ったことがないですね。

明星先生明星智洋先生

まずタバコに関しては、百害あって一利なしです。タバコの煙は気管と食道を通り、気管の先には肺、食道の先には胃が存在します。タバコを吸うと両方に煙が行くので、肺がんだけでなく、食道がんや胃がんのリスクも上がると言われています。さらに、喉の周りの咽頭がんや喉頭がんのリスクも上がるので、タバコは絶対にダメですね。

ROLANDさんROLANDさん

僕は、葉巻を吸う機会があるのですが、葉巻は口腔喫煙なので、体に悪くないと聞いたことがあります。そこに関してはどうですか?

明星先生明星智洋先生

おっしゃる通り、煙を肺の中に入れないので、香りを楽しむ嗜好品のレベルであれば、それほどがんのリスクは上がらないと思います。ただし、葉巻とがんの関係性は分かっていないことが多いです。※癌のリスクを上げるという報告もあります。

ROLANDさんROLANDさん

僕が長生きすれば、葉巻とがんの関係性はあまりないということになりますかね。

明星先生明星智洋先生

そうなるかもしれないですね。葉巻だけではなく電子タバコも、がんとの関係性については詳しく分かっていません。ただし、タバコによる悪影響は明らかです。具体的には、1日に吸うタバコの本数と吸っている期間(年)の掛け算で表される喫煙指数が400を超えると、急激にがんの発症率が上がると言われています。

ROLANDさんROLANDさん

タバコで汚れた肺が元通りになることは難しいとは思いますが、ある程度きれいな状態に戻るにはどれくらい禁煙が必要ですか?

明星先生明星智洋先生

一般的には喫煙期間と同じ期間の禁煙をすると、ある程度きれいになると言われています。ただし、喫煙指数が400を超えた後では、禁煙してももう後戻りはできないので注意が必要ですね。

ROLANDさんROLANDさん

喫煙指数が400になる前に禁煙を始め、喫煙期間と同じ期間の継続をすることが大事なんですね。

明星先生明星智洋先生

その通りですね。ROLANDさんの職業は、アルコールとも深い関係がありますよね。

ROLANDさんROLANDさん

そうですね。この仕事をしていると飲酒の量は普通の人に比べて多いので、スタッフの健康は気になりますね。僕は接客中は飲まないことが多いですが、プライベートではたしなむ程度に飲むので、飲酒についても詳しく聞きたいです。

明星先生明星智洋先生

たしなむ程度とは、具体的にどれくらいですか?

ROLANDさんROLANDさん

頻度で言うと、週に1回〜2回程度です。飲む量で換算すると、ワインボトル1本半〜2本くらいは飲みますね。

明星先生明星智洋先生

なるほど。実は厚生労働省が推奨している節度あるアルコール摂取の目安は、1日あたり純アルコールで20g程度と言われています。純アルコールは、アルコール度数と内容量の掛け算でおおよその計算が可能です。例えば、ビールはアルコール度数が5%なので、500mlであれば25gになります。ワインの場合はアルコール度数が15%くらいになりますよね?

ROLANDさんROLANDさん

そうですね。ボトル1本はだいたい750mlでしょうか。

明星先生明星智洋先生

掛け算すると出てきますが、ROLANDさんの飲んでいる量で計算すると、純アルコールは100g以上になります

ROLANDさんROLANDさん

もう完全にアウトじゃないですか。

明星先生明星智洋先生

ワインであればグラス1〜2杯が適正量ということになりますね。アルコールをたくさん飲むと、肝臓に蓄積したダメージが原因で肝硬変になり、結果として肝細胞がんのリスクが上がります。さらには食道がんのリスクも上がると言われています。

ROLANDさんROLANDさん

なるほど。お酒に強い人は、発がんに対して耐性があると考えていいですか?

明星先生明星智洋先生

肝臓に関しては、耐性があるかもしれませんね。ただ、食道はアルコールによる直接の刺激を受けるので、そのリスクは変わらないと思います。

ROLANDさんROLANDさん

なるほど。予防する方法はありますか?

明星先生明星智洋先生

肝細胞がんになると、今のところ特効薬がないため、アルコールの適正摂取量を守ることが重要です。食道に関しては、アルコールのほかに熱いものや辛いものが、食道を刺激し食道がんのリスクを上げることも知っておいて欲しいです。

ROLANDさんROLANDさん

熱いものや辛いものが好きな人は、摂取量を考えたり、定期的に検査をしたりした方が良さそうですね。

明星先生明星智洋先生

そうなりますね。ROLANDさんご自身は、病気の予防のために普段生活で気をつけていることはありますか?

ROLANDさんROLANDさん

そうですね。ビジュアル的に太りたくないという思いもあるので、運動は結構やっています

明星先生明星智洋先生

運動は大事ですね。肥満も明らかながんのリスクだと言われています。特に昨今は食生活の欧米化によって、日本人の肥満者が増えています肥満によって、大腸がんや乳がん、子宮体がんのリスクが上がると言われていますが、痩せすぎも良くないので、適正体重を保つということが重要だと思いますね。

ROLANDさんROLANDさん

なるほど。太らないように運動することや、食べる量をセーブすることが重要ってことですね。

明星先生明星智洋先生

おっしゃる通りですね。ROLANDさんのご家族や親族の方で、がんを発症された方はいますか?

ROLANDさんROLANDさん

祖父や祖母、父、母も今のところがんは発症していないので、がん家系ではないかなと思っています。

明星先生明星智洋先生

がん家系という言葉はよく聞くフレーズだと思いますが、親からがんが遺伝する確率はどれくらいだと思いますか?

ROLANDさんROLANDさん

がんには遺伝的要素が大きいと思っていたので、50%くらいでしょうか。

明星先生明星智洋先生

実は科学的に回答すると、親から受け継いだ遺伝子を原因としてがんを発症する人は、すべてのがんの中で5%程度と言われています。

ROLANDさんROLANDさん

僕のイメージの1/10ですね。ほとんど関係ないってことですか?

明星先生明星智洋先生

そうなんです。残り95%のがんの発症にも遺伝子が深く関わっていることは間違いないです。ただ、それは親から受け継いだ遺伝子ではなく、タバコやお酒などによる遺伝子変異が原因です。

ROLANDさんROLANDさん

後天的なものということですね。

明星先生明星智洋先生

はい。親から受け継いだ遺伝子が原因となるがんはある程度特定されており、特に有名なのは乳がんや卵巣がんの発症につながるBRCA遺伝子です。男性にも深く関係しており、前立腺がんの一部もBRCA遺伝子が原因だと言われています。

ROLANDさんROLANDさん

じゃあ、祖父や父が前立腺がんになった場合は、少し警戒する必要があるということですね。

明星先生明星智洋先生

その通りですね。さらに、大腸がんも一部は遺伝する可能性があると言われています。これは家族性大腸ポリポーシスというものが原因であり、大腸に100個以上のポリープができ、最終的に大腸がんになります。遺伝子変異の有無は、血液検査で調べることが可能であり、遺伝子検査によってがんの発症を抑えることや早期発見に繋がります。

ROLANDさんROLANDさん

遺伝子検査で遺伝子変異の有無を知っておくことが重要なんですね。

明星先生明星智洋先生

はい。通常の人間ドックでは遺伝子検査はやらないことがほとんどですが、民間でも遺伝子検査は可能となってきています。がんの予防には生活習慣の改善が大事ですが、それに加えて遺伝子変異の有無など、自分の体について知っておくことは、病気を予防する上で極めて重要なことだと思います。

ROLAND(ホスト、実業家)、明星智洋(日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本血液学会認定血液専門医)インタビュー
chapter02 細菌とウイルスががんを引き起こす?ROLANDも知らないがんの意外な原因とは? chapter02 細菌とウイルスががんを引き起こす?ROLANDも知らないがんの意外な原因とは?

明星先生明星智洋先生

感染症を原因とするがんが存在するのですが、聞いたことはありますか?

ROLANDさんROLANDさん

感染症に関しては知識がなく、恥ずかしながらあまりリンクしないですね。詳しく教えてください。

明星先生明星智洋先生

既に明らかになっているものがいくつかあり、皆さんも一度は耳にしたことがあると思うのですが、ヘリコバクターピロリという菌がそのひとつです。

ROLANDさんROLANDさん

ピロリ菌は聞いたことがありますね。井戸水を飲むことで感染すると聞いたことがあります。

明星先生明星智洋先生

その通りですね。今は上水道が整備され、井戸水を飲む人は少なくなっていますが、現代においてもハイキングやキャンプで小川の水を飲むことで、ピロリ菌に感染する人は存在します。だいたい40〜50%くらいの人が、ピロリ菌に感染していると言われています。
(年齢によってピロリ菌の保菌率が変わります。10~80%まで幅があります)

ROLANDさんROLANDさん

そのピロリ菌が原因で、がんになるのですか?

明星先生明星智洋先生

はい。特にこの20〜30年で疫学的調査が進み、胃がんの9割以上がピロリ菌の感染が原因と言われています。

ROLANDさんROLANDさん

そうなんですね。

明星先生明星智洋先生

つまりこれは、ピロリ菌を駆除すれば、胃がんの確率を1/10以下にできるということにもなります。

ROLANDさんROLANDさん

確かに逆説的に考えると、そうなりますよね。

明星先生明星智洋先生

ピロリ菌は、抗生物質と胃薬を1週間服用することで、8割の人が除菌可能だとされています。

ROLANDさんROLANDさん

手術など大がかりな治療は必要ないんですね。ピロリ菌の感染を調べる方法はあるのですか?

明星先生明星智洋先生

ピロリ菌の感染を調べるには、血液検査や風船みたいなものに、息をフーッと膨らまして検査する方法があります。もちろん胃カメラで直接調べることも可能です。

ROLANDさんROLANDさん

一度感染して治療した後に、再度感染する可能性はあるのでしょうか?

明星先生明星智洋先生

はい。何度も感染する可能性はあり、ピロリ菌を除菌しても0.22%は再発すると言われています。

ROLANDさんROLANDさん

手軽に除菌はできるので、定期的に検査をすることも重要ですね。

明星先生明星智洋先生

その通りですね。ピロリ菌は細菌の一種ですが、ウイルスにもがんと深く関係しているものが存在します。ヒトパピローマウイルスやEB(エプスタイン・バール)ウイルスという名前を聞いたことはありますか?

ROLANDさんROLANDさん

まったく存じ上げないです。

明星先生明星智洋先生

ヒトパピローマウイルスは感染することにより、中咽頭がんの原因の一つになります。さらに女性の場合は、子宮頸がんの原因にもなると言われています。そのほか、EBウイルスは、上咽頭がんや悪性リンパ腫という血液のがんの原因になります。

ROLANDさんROLANDさん

治療法や感染を予防する方法はあるのでしょうか?

明星先生明星智洋先生

子宮頸がんワクチンといって、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するためのワクチンが存在します。しかし、EBウイルスに関しては、薬やワクチンが存在しません。感染している場合は、定期的にがんの発症をチェックするしかありません。

ROLANDさんROLANDさん

なるほど。ウイルスへの感染はどうやって確認するんですか?

明星先生明星智洋先生

血液検査が主になります。細胞の組織をとってチェックすることも可能ですが、結構大変です。

ROLANDさんROLANDさん

それは大変ですよね。

明星先生明星智洋先生

女性の場合は自治体から子宮頸がん検診のハガキが来ると思いますので、定期的にがん細胞や細胞の変性がないかを調べることが重要です。

ROLANDさんROLANDさん

ヒトパピローマウイルスの感染の原因はなんですか?

明星先生明星智洋先生

感染の原因は、性交渉です。そのため、初めての性交渉をする前にワクチンを打っておくことが重要です。女性だけでなく、男性もワクチンを接種することで感染リスクを低下させることが可能となることを、知っていただきたいです。

ROLANDさんROLANDさん

何歳から打てるんでしょうか?

明星先生明星智洋先生

子宮頸がんワクチンを公的補助で接種できるのは、小学6年生から高校1年生までの女児となります。

ROLANDさんROLANDさん

その間にすぐ行くべきですね。

明星先生明星智洋先生

20歳以上の方でも、性交渉の経験がない場合はワクチンの効果が十分にあります。また、ヒトパピローマウイルスの中には、子宮頸がんを起こしやすいタイプのウイルスとそうでないウイルスが存在するので、前者タイプのウイルスに感染していない場合にも効果があるとされています。なかなか大声では言いにくいことではありますが、非常に重要なことだと思います。

ROLANDさんROLANDさん

確かに言いにくいことですが、予防が可能となるのであれば接種したほうがいいですね。男性も知っておくべきことですね

chapter03 人間ドックと検診の重要性にROLANDがせまる。がんはもはや高齢者の病気ではない!? chapter03 人間ドックと検診の重要性にROLANDがせまる。がんはもはや高齢者の病気ではない!?

明星先生明星智洋先生

ROLANDさんは今何歳でしょうか?

ROLANDさんROLANDさん

今年30歳になりました。

明星先生明星智洋先生

既に検診などは受けていらっしゃいますか?

ROLANDさんROLANDさん

30歳を節目として、去年2泊3日で本格的な人間ドックを受け、バリウムを飲む検査やMRIをやりましたね。

明星先生明星智洋先生

結果はどうでしたか?

ROLANDさんROLANDさん

悪いところは特に無かったのですが、生活上気をつけたほうがいい点はいくつか教えていただきました。実際に行ってみて、もっと早いうちから行くべきだったと実感しました。

明星先生明星智洋先生

私は普段、がん患者の抗がん剤治療をしているのですが、最近がんになる年齢がどんどん若くなっていることを実感します。20代や30代でも、がんが全身転移している状態で来院されるケースが多くなっています。

ROLANDさんROLANDさん

そんな方もいらっしゃるんですね。原因はなんなのでしょうか?

明星先生明星智洋先生

食生活の欧米化や遺伝、感染の影響が強いと思います。がんといえば、高齢者の病気とイメージする人が多いですが、若い人でも他人事ではない時代となっていますね定期的に検診を受けることの重要性も高まっていると実感します。

ROLANDさんROLANDさん

20代や30代の人って、元気じゃないですか。予兆はあるのでしょうか?

明星先生明星智洋先生

早期がんの場合は予兆がほとんどなく、体調の変化が表れた時は、既に全身にがんが散らばっているというケースも少なくありません。だからこそ、定期的そして積極的な検診が重要です。検査項目はたくさんありますが、あまり意味のない検査もあれば、やっておいた方が良い検査もあります。それを、視聴者限定でお伝えしていきたいと思います。

ROLANDさんROLANDさん

それは嬉しいですね。みんな知りたいと思います。

明星先生明星智洋先生

先ほどバリウムを飲んだとのお話がありましたが、それは上部消化管X線検査というものです。バリウムはまずいし、レントゲン台の上でクルクル踊らされましたよね?あれはほとんど意味がありません

ROLANDさんROLANDさん

ないんですか!?あれが一番大変でした。もう少し早く先生に会いたかったです。

明星先生明星智洋先生

胃バリウム検査はいっぺんに多くの人を検査できるという意味では有用ですが、精密さに欠けます。なぜかというと、バリウムと一緒に飲み込んだ空気や泡もポリープのように映ってしまう可能性があるからです。そういった場合は、精密検査のために胃カメラの検査をしていきますので、最初から胃カメラの検査をした方がいいですよね。

ROLANDさんROLANDさん

確かにそうですね。

明星先生明星智洋先生

さらに、胃カメラでは胃がんだけでなく、食道がんのチェックやピロリ菌への感染も一緒に調べることが可能です。胃カメラをやったことがない人は、一度くらいはやっておくべきだと思いますね。

ROLANDさんROLANDさん

じゃあ若い人でも積極的に胃カメラを受けるべきなんですね?

明星先生明星智洋先生

はい。次に、MRIについてお話しさせていただきます。MRIは動く臓器の撮影が難しいため、主に脳梗塞や脳腫瘍のチェックが目的となります。若い人は高頻度の検査の必要性は低く、一度検査して問題がなければ、5年に一度ぐらいの検査頻度で良いと思います。

ROLANDさんROLANDさん

5年に一度ですね。

明星先生明星智洋先生

ほかにも、検診で撮ることが多い胸のレントゲンは、二次元の撮影となるので、心臓や横隔膜の裏に隠れたがんは発見できません。そのため、肺がんのチェックには、レントゲンはあまり意味がなく、CTの方が確実ですね。放射線による被ばくが心配な方は低線量CTというものもあるので、それを活用してみるのも良いでしょう。また、大腸がんは、今日本人で最も増えているがんです。大腸がん検診は、便潜血といって便の中に血が混じっているかどうかを調べるのですが、大腸がんでも便に血が混じらないこともあるため、100%発見できるとは言えません。最も確実なのは、大腸カメラをやることです。大腸カメラはやりましたか?

ROLANDさんROLANDさん

いいえ、やっていないと思います。

明星先生明星智洋先生

大腸カメラは、2Lぐらいの下剤を飲んで腸を空にした後、お尻からカメラを入れる検査方法です。そうすることで、小さいポリープも全部見つけることが可能です。大腸がんには、いきなりがん細胞が出現するわけではなく、まず良性のポリープが発生し、それが育ってがんになるという特徴があります。極端な話にはなりますが、毎年大腸カメラをやって、ポリープの状態で切除していれば、大腸がんは予防できるということになります。ただし、2Lの下剤を飲むのが結構大変なんです。

ROLANDさんROLANDさん

毎年やるのは大変かもしれないですね。

明星先生明星智洋先生

大腸カメラの検査は医者側も大変です。大腸は長いため、検査に10〜20分くらいかかり、大量に検査ができないという欠点があります。ただ、大腸がんのリスクが高い人はある程度分かってきていますので、そういう方は定期的に大腸カメラをやることが重要と言えますね。

ROLANDさんROLANDさん

やるべきですね。

明星先生明星智洋先生

治療に関しても、抗がん剤や手術は日進月歩でより良いものが出てきており、救命できるがん患者も増えてきています。もちろん早期発見・早期治療に越したことはないので、定期的に検診に行くことが、やはり大事だと言えますね。

ROLANDさんROLANDさん

その通りですね。

明星先生明星智洋先生

特に若い人に受けていただきたいがん検診も存在します。女性の場合は、やはり子宮頸がんと乳がん検診です。比較的若い年齢でもがんになり得ますので、定期的に検診を受けていただいた方がいいと思います。

ROLANDさんROLANDさん

毎年受けた方がいいということでしょうか?

明星先生明星智洋先生

はい。男性に関しては、特に若いうちから受けておいた方がいいという検査はないのですが、タバコを吸っている人は、肺がん・食道がん・胃がんのリスクが上がるので、肺のCTと胃カメラは受けたほうが良いです。お酒をたくさん飲む人は、血液検査とお腹のエコーで肝臓のチェックをして、肝細胞がんの早期発見をしていく必要があると思います。

ROLANDさんROLANDさん

なるほど。そのほかに重要な検査は何かありますか?

明星先生明星智洋先生

血液検査では、主に腫瘍マーカーというものも調べる方法もあります。

ROLANDさんROLANDさん

腫瘍マーカーとはなんですか?

明星先生明星智洋先生

これはがんになった時に上がる血液検査項目の一つです。例えば大腸がんであればCEAとかCA19-9、肝細胞がんの場合はAFPという腫瘍マーカーが上がります。このように上がってくる腫瘍マーカーによって、どこにがんがあるか分かるようになっています。

ROLANDさんROLANDさん

重要な検査ですね。

明星先生明星智洋先生

腫瘍マーカーが上がっていれば、がんの可能性が高いということになりますが、結局はCTや胃カメラでがんのある部位をチェックする必要があります。逆に、腫瘍マーカーが上がっていないからといって絶対にがんがないとも言い切れないので、腫瘍マーカーはあくまで補助的な立場の検査になります。先ほど申し上げた通り、CTや超音波、胃カメラなどを駆使してその人に合った人間ドックを実施する必要があると思います。

ROLANDさんROLANDさん

腫瘍マーカーはあくまで目安ということですね。本当に知らない事ばかりでしたが、がんについて少し理解ができたと思います。ありがとうございます。

編集部より

「がん」については、よく聞く病気なので、なんとなく知っている。それが皆さんのがんに対するイメージではないでしょうか?医療の進歩にともない、「がん」に関する情報は常にアップデートされています。がんが発生する部位や原因や部位ごとにあった検査方法、また新しい治療方法など、私たちが知っておくべき情報は多くあるようです。
がんを予防し健康を維持するためには正しい情報を知り、自分の体の状態や生活習慣に気を配るという姿勢が何より重要なのだと再認識しました。
また、がん予防には定期的な検診を受けることも大切です。
この記事が、読者の生活習慣改善や体の状態を知ることのきっかけとなることを願います。

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この記事の監修医師