「声がかすれる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

声がれや声が変わった、声が出にくいという状態のことを指します。医学用語では、嗄声(させい)という症状になります。声がかすれると言っても種類がいくつかあり、粗造性(ゴロゴロしたガラガラ声)、気力性(力のない声)、努力性(力んだ声)、気息性(息もれのする声)に分けられます。
声がかすれる症状が、急に起こったものなのか、どの程度の期間続いているのか、年齢や職業などという要素によってその原因は大きく異なります。
急に声がかすれる症状が出現する最も多い原因は、いわゆる風邪症状の一つであって急性喉頭炎によるものです。これは、上気道炎の改善とともに軽快します。
他の代表的な疾患を、声をだす声帯自体に異常がある場合と、声帯を動かす神経に異常がある場合とで分けて記載します。声帯の異常としては、声帯ポリープや声帯結節、ポリープ様声帯、喉頭癌などが挙げられます。声帯の神経障害としては、反回神経麻痺を起こす甲状腺腫瘍、肺がん、食道がん、胸部大動脈瘤などが挙げられます。
年齢や職業で分けて考えると、学童期には、声帯結節(小児結節)がみられることがあり、中高年では、喉頭がんや声帯ポリープがみられることが多くなります。教師や歌手、インストラクターの様な声を過度に使う傾向にある職業では、声帯ポリープや声帯結節が疑われます。
喉頭がんの初期では、嗄声が唯一の症状です。声がかすれるのみで、本人の苦痛もなく全身状態も良好な場合には、病状を軽く考えてしまいがちになるという注意点があります。すぐに声のかすれがよくならない場合は一度受診することをお勧めします。
すぐに病院に行った方が良い「声がかすれる」症状は?
- よだれも飲み込めない、喉が痛い場合
- 顔や唇が腫れている、呼吸が苦しい場合
- 激しい胸痛を伴う場合
このような場合はすぐに病院を受診しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な診療科目は耳鼻咽喉科です。
問診、診察、喉頭ファイバー検査、画像検査(レントゲン、CT)などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、他にも気になる症状があるのかなどを医師に伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。