「口内炎が治らない」原因とは?白い場合も医師が解説!


監修歯科医師:
上之郷 奈菜 歯科医師
目次 -INDEX-
「口内炎が治らない」症状で考えられる病気と対処法
誰しも口の中に口内炎ができて痛いという経験をしたことがあるのではないでしょうか。 多くの場合、1週間から10日間で口内炎は治りますが、2週間以上も症状が続く場合には、注意を要する病気にかかっている可能性があるのです。 今回は口内炎がなかなか治らない場合、どう対処したらいいのか、どの診療科を受診したらいいのか解説していきます。なかなか口内炎が治らず痛い症状で考えられる原因と治し方
口内炎がなかなか治らず痛みが続くような場合には、一般的な口内炎ではない可能性があります。 例えば、入れ歯などがこすれて潰瘍ができる褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう)や、天疱瘡(てんぽうそう)、口腔カンジダ症、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)などの粘膜疾患が考えられます。 病気によって治療方法が異なるため、口内炎が2週間以上経っても治らない場合は歯科(口腔外科)の受診をお勧めします。口内炎が治りにくいが痛くない症状で考えられる原因と治し方
一般的に口内炎は痛みを伴いますので、口内炎のような症状でも痛くない場合は、ほかの病気も疑う必要があります。 例えば、腫瘍や白板症の可能性が考えられます。命に関わる病気が隠れている可能性もあるため、口内炎か区別できない場合は歯科(口腔外科)を受診しましょう。白い口内炎が治りにくい症状で考えられる原因と治し方
白い口内炎が治りにくい場合、一般的な口内炎ではなく、口腔粘膜に生じる白色病変の可能性があります。 例えば、扁平苔癬、白板症、口腔カンジダ症が考えられます。 2週間以上経っても症状が改善しない場合は、歯科(口腔外科)で精査をお勧めします。薬を飲んでも口内炎が治らない症状で考えられる原因と治し方
一般的な口内炎に対しては、ステロイド軟膏というお薬を使って治療します。 しかし、ウイルス性疾患ではステロイドで症状が悪化します。そのため、ステロイド軟膏を使用中に口内炎が治らない場合には、ウイルス性疾患やほかの病気が考えられます。早めに歯科(口腔外科)を受診しましょう。舌や歯茎など唇以外の口内炎がなかなか治らない症状で考えられる原因と治し方
唇にできる口内炎の多くは、いわゆるヘルペスと呼ばれる口唇疱疹(こうしんほうしん)です。口唇疱疹は、単純疱疹ウイルス(単純ヘルペスウイルス)が原因であり、治療薬は抗ウイルス薬です。そのため、舌や歯肉にできる口内炎はその他の疾患が考えられます。すぐに病院へ行くべき「口内炎が治らない」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。痛みの悪化や、硬いしこり、腫れ、ただれがある場合は、口腔外科へ
2週間以上経っても口内炎が改善しない場合は、他の原因が考えられます。 入れ歯や尖った歯が原因の場合は歯科医院にて、入れ歯や歯の形の修正が必要です。 痛みが悪化したり、硬いしこりができたり、腫れやただれてきたりする場合は腫瘍が疑われますので、早めに歯科(口腔外科)の受診を受診しましょう。「口内炎が治らない」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「口内炎が治らない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。アフタ性口内炎
アフタとは、円形または類円形の境界明瞭な痛みを伴う潰瘍のことです。灰白色をしており、周囲に発赤がみられます。原因はさまざまで、ストレスや栄養不足、噛んでしまったなどの刺激などにより発症します。舌や歯肉、唇の裏側に出来やすく、一般的な口内炎はこれに該当します。 基本的には、1、2週間で自然治癒するため病院を受診する必要はありません。2週間たっても症状が改善しにくい場合は歯科(口腔外科)の受診をお勧めします。潰瘍性口内炎(かいようせいこうないえん)
潰瘍性口内炎とは、口の中にさまざまな形の潰瘍がみられる口内炎の総称です。原因を除去すれば基本的には、1、2週間で自然治癒します。入れ歯や尖った歯で擦れて潰瘍ができている場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で発症する口内炎があります。 例えば、単純疱疹ウイルス(単純ヘルペスウイルス)の感染による口唇疱疹(口唇ヘルペス)です。初めに痛みやかゆみを感じ、続いて唇の周りに発疹ができ、後に水疱(すいとう)になります。 安静にしていれば、基本的には自然治癒しますが、抗ウイルス薬の軟膏や飲み薬を使用すると早く治りやすいです。市販薬もありますが、心配な場合は歯科(口腔外科)の受診をおすすめします。 他にも、帯状疱疹は水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスの感染により発症します。発症すると、発疹が出来た場所に強い痛みを感じ、治癒後もまれに痛みが残ることがあります。また、発熱する場合もあります。この場合は早期の治療が必要ですので歯科(口腔外科)を受診してください。アレルギー性口内炎
金属アレルギーなどが原因で口内炎ができる場合があります。この場合は、アレルギーの原因となるものの除去が必要です。 アレルギーであるかの精密検査は皮膚科に相談しましょう。「口内炎が治らない」症状の正しい対処法は?
一般的な口内炎の薬は、ステロイドです。 軟膏、内服、貼付膜等いろいろな形が存在します。。まずは軟膏を試してみて、使いづらい場合は内服薬や貼るタイプを試してみましょう。 市販薬では、第一三共ヘルスケアからトラフルという商品や、大正製薬から口内炎治療薬が様々な形で販売されています。 歯科医院では、多くの場合、軟膏を使用します。 ただし、ウイルス性の口内炎の場合は、ステロイドによって悪化するため注意が必要です。「口内炎が治らない」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「口内炎が治らない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
口内炎が治りにくいのですが、そもそも口内炎ができる原因について詳しく教えて下さい。
上之郷 奈菜 歯科医師
口内炎の原因は様々です。疲労やストレス、菌やウイルスへの感染など免疫力が低下したときや、女性では性周期も関係します。他にも、粘膜を噛んでしまった等の刺激により生じることがあります。また、口内炎が再発しやすい場合はベーチェット病という自己免疫疾患の可能性も考えられます。 一般的な口内炎ではなく、なかなか治らない場合は腫瘍、扁平苔癬、天疱瘡などの可能性が考えられます。
口内炎が続く症状で疲れやストレスが原因ということは考えられますか?
上之郷 奈菜 歯科医師
慢性的に疲れやストレスがあると、身体の免疫力が下がってしまうため、口内炎が治りにくいです。
口内炎がずっと治らないのは虫歯や歯周病が原因ということは考えられますか?
上之郷 奈菜 歯科医師
プラークなどの口の中の汚れや不適切な被せ物の治療により口内炎ができる場合があります。歯科医院で清掃や被せ物の調整を行い、自宅ではうがい薬を使用していただき様子を見ていきます。
口内炎予防のために食生活で何か気をつけることはありますか?
上之郷 奈菜 歯科医師
ビタミンB6やB12が不足していると口内炎が発症しやすいと言われています。予防のためにバランスのとれた食事を意識して摂取するようにしましょう。
口内炎が治りにくい場合、やはり口腔内を清潔に保つことは大切ですか?
上之郷 奈菜 歯科医師
とても大切です。口内炎が治りにくい場合に限らず、口腔内を清潔に保つことで、口内炎の治りを良くするだけでなく、むし歯、歯周病予防、口臭予防、誤嚥性肺炎予防(ごえんせいはいえん)につながります。
抜歯後に1ヶ月以上口内炎が治らない場合、歯医者を再診すべきでしょうか?
上之郷 奈菜 歯科医師
抜歯したところに1か月以上炎症がある場合は治癒不全と考えられます。歯科医院を再診しましょう。