口の中が苦い
何も食べていないのに口の中が苦い味がする、何を食べてもまずく感じる、何か味がおかしい気がする、というような症状のことを指します。
舌や口の中の粘膜には食べ物の味を感じる感覚器官である味蕾(みらい)があります。味の情報は、この味蕾から脳内へ伝わります。この味蕾から脳内へと伝わる過程で異常が起こると味覚異常が生じます。これは、一つの原因とは限らず、いくつかの要素が重なっていることも多いため、原因を特定することは簡単ではありません。
原因としては、亜鉛などの微量元素といわれる体内に必要な物質が不足すること、薬剤によるもの、糖尿病や肝臓病などの全身疾患、歯周病などの歯科関連の病気が挙げられます。
亜鉛を普段の生活で意識することは少ないと思いますが、味覚と密接に関与しています。鉄不足も同様に、必須元素が不足すると口の中が苦い、味覚の低下(味がしない)など味覚異常が出現します。採血検査で亜鉛値を測定したり、補充療法を検討します。
薬剤の副作用により味覚異常を呈する可能性があります。比較的よく処方される薬として、ラベプラゾール(胃薬)、オロパタジン(抗アレルギー薬)などのような薬によって口の中が苦く感じることがあります。
その他、糖尿病や腎不全、肝臓病などのような全身疾患でも味覚異常が出現します。また、脳神経障害でも味覚の伝達経路に異常をきたす可能性があります。虫歯や歯周病などによって、口腔内環境の悪化も味覚異常の原因になります。
すぐ病院に行ったほうが良い「口の中が苦い」の症状は?
口の中が苦さがなかなかよくならない場合には、夜間休日受診は不要ですが、早めに病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、内科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科です。
問診、診察、血液検査、味覚検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、きっかけになる思い当たるエピソードはあるか、他にも気になる症状があるのかなどを医師に伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。