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「唇が腫れる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「唇が腫れる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

唇が腫れる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

久高 将太 医師

監修医師
久高 将太 医師

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琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

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「唇が腫れる」症状で考えられる病気と対処法

唇(くちびる)は、紫外線やリップクリーム、口紅などさまざまな刺激を受けやすい部位です。刺激による炎症や、アレルギーが原因で唇が腫れることがあり、場合によっては急いで医療機関を受診したほうが良い場合もあります。
これから唇の腫れたときの注意すべき症状や対処法を紹介していきます。

唇が腫れる症状で考えられる原因と治し方

唇が腫れる症状で考えられる原因はまず、口唇炎です。
口唇炎は唇の炎症が起きている状態を指し、唇の腫れや痛み、場合によっては皮がむけ出血する場合もあります。
原因は夏場の紫外線や、冬の乾燥、リップクリームがあわない、などさまざまです。
口唇炎の治療は、保湿や塗り薬で炎症を抑えること、紫外線などの原因を取り除くことで行います。
症状が悪化する場合は皮膚科で相談しましょう。受診する際は、症状が現れた時期やその原因と考えられるものなどをメモしたり、直接持参すると診断に繋がりやすくなります。

急に唇が腫れる症状で考えられる原因と治し方

急に唇が腫れたとき、考えられる原因にクインケ浮腫というものがあります。
クインケ浮腫は唇やまぶたが突然腫れる病気で、アレルギー反応や薬剤などが原因と言われています。
腫れ方は人により様々で、唇全体が腫れたり、一部分のみが腫れることもあり、パンパンに腫れ上がります。数時間で自然と症状が改善し始めることが多く、大抵は数日で治ります。アレルギー反応を抑える薬を使用することも効果的で、何度も症状を繰り返すこともあり、皮膚科で相談することをおすすめします。

唇が腫れてかゆい症状で考えられる原因と治し方

食後に唇のはれやかゆみがあるとき、口腔アレルギー症候群の可能性があります。口腔アレルギー症候群は、花粉症により誘発される、野菜や果物に対するアレルギー反応です。
野菜や果物を食べたあと数分で唇のはれやかゆみが現れ、口の中や喉でも同様の症状が現れます。口や唇の症状のみで自然と改善することが多いですが、稀にアナフィラキシーという状態に移行することもあります。
アナフィラキシーは場合によっては、命に関わることもあり、何度も繰り返さないように医療機関で適切な診断をうけることが非常に重要です。
気になる症状がある際は早めに医療機関を受診しましょう。専門は皮膚科です。

唇が腫れてヒリヒリする症状で考えられる原因と治し方

唇が腫れてヒリヒリするとき、ヘルペス口唇炎かもしれません。
ヘルペス口唇炎は、ヘルペスウイルスが原因で唇の炎症などを起こした状態です。
唇の腫れや、ヒリヒリとした痛み、水疱という水ぶくれができることがあります。
ヘルペス口唇炎は、過度な疲労やストレスなど免疫機能が低下した時に体内のヘルペスウイルスが活性化して症状を表します。
症状は1〜2週間で自然と軽快することが多いですが、症状が強い場合もあり、塗り薬などで治療を行う場合もあります。
症状が辛い場合や症状が悪化していくようなときは早めに皮膚科でご相談ください。

唇が腫れてしびれる症状で考えられる原因と治し方

唇が腫れてしびれも伴うときは、肉芽腫性口唇炎かもしれません。肉芽腫性口唇炎では、唇や顔の片側のしびれも伴うことがある、原因不明の病気です。歯科金属に対するアレルギーや、歯周病などが関与していると言われています。
唇で生じた腫れなどの症状に対して、ステロイドなど飲み薬や塗り薬で対処します。
一度症状がなおっても、再発することも多く専門的な診断、治療を受けることが非常に重要です。専門は皮膚科になりますので、気になる症状があるときは早めに受診しましょう。

上唇や下唇が腫れる症状で考えられる原因と治し方

唇の一部が腫れているとき、アナフィラキシーの可能性もあります。
アナフィラキシーとはアレルギー症状の重症化したもので、食べ物や薬剤などに対するアレルギー反応により生じ、唇のはれやかゆみに加え、全身の蕁麻疹や腹痛などの症状が出る場合があります。
アナフィラキシーは場合によっては命に関わることもあり、急いで医療機関を受診することが重要です。

すぐに病院へ行くべき「唇が腫れる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

唇のはれ以外に息苦しさもある場合は、救急科へ

先ほど紹介したアナフィラキシーの症状が更に悪化し、アナフィラキシーショックという状態に陥ることもあり、この場合はすぐに医療機関を受診しないと命に関わります。
アナフィラキシーショックでは、唇の腫れや、全身の蕁麻疹、腹痛などに加え、息苦しさや気分の悪さなどが現れ、血圧が下がるなど命に関わる状態を指します。
すぐに救急車を呼び、救急病院を受診する必要があります。

受診・予防の目安となる「唇が腫れる」時のセルフチェック法

  • ・唇が腫れる以外に乾燥がある場合
  • ・唇が腫れる以外に痛みがある場合
  • ・唇が腫れる以外に水ぶくれがある場合
  • ・唇が腫れる以外にかゆみがある場合
  • ・唇が腫れる以外に目の腫れがある場合
  • ・唇が腫れる以外に腹痛、息苦しさがある場合

「唇が腫れる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「唇が腫れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

ヘルペス

ヘルペスにより唇が腫れる病気を口唇ヘルペスといいます。
口唇ヘルペスでは、唇の腫れや痛みに加え、水疱などの症状が現れます。
疲れやストレスなどで免疫機能が低下した際にヘルペスウイルスが活性化することで生じるもので、自然と症状が改善することもありますが、症状が悪化するなど治療が必要な際は、抗ウイルス薬という薬を使用します。
皮膚科が専門です。まずは医師にご相談ください。

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックはアレルギー反応の最も重篤な状態です。
食べ物や薬剤などに対するアレルギー反応が重症化し、唇の腫れだけでなく、全身の蕁麻疹、腹痛、息苦しさなどが生じて、血圧が下がって血流が保てない状態になります。
アナフィラキシーショックは、早急に治療しなければ命に関わる状態ですので、このような症状が見られた際は躊躇せずに救急車を呼ぶようにしましょう。

血管性浮腫

血管性浮腫は別名クインケ浮腫ともいい、唇やまぶたのはれが起きる病気です。
原因は、薬やアレルギー反応などと言われています。
みためにも明らかなほどパンパンに腫れ上がり、腫れによりしびれたような感じを伴うこともあります。
症状は数時間で自然と引いていくことが多く、数日以内に治ることがほとんどです。ただし、何度も同様の症状を繰り返すこともあり、飲み薬や注射でアレルギー反応を抑える薬剤を使うほうが望ましいこともあります。
気になる症状がある場合は、皮膚科を受診してください。

肉芽腫性口唇炎

肉芽腫性口唇炎は、唇の腫れを生じる病気で、痛みはないが再発を繰り返しやすい病気です。顔面神経麻痺と言って、しびれや顔の表情筋の麻痺などの症状を伴うこともあります。舌が特徴的な変化を示すこともあります。
歯周病や歯科金属アレルギー、他には遺伝なども関与しているとされていますが、はっきりとした原因は不明です。
症状に対してそれを緩和するためのお薬などを使い、症状が改善するのを待つというような治療を行います。アレルギーなど疑われる原因があるときはそれを除去することも治療となります。再発の可能性もあり、皮膚科での治療をご相談ください。

「唇が腫れる」ときの正しい対処法は?

唇が腫れるとき、紫外線や乾燥、外傷など何か原因として思い当たるものがある場合はその原因を取り除くのが望ましい対処法です。症状をすぐに緩和させたい場合、ステロイドを含んだ塗り薬が効果的な場合があります(市販のデンタルピルクリームなどが販売されています)が、使い方を誤ると症状がかえって悪くなることもあり、注意が必要です。
先述したように、日焼けや乾燥が唇の腫れや炎症の原因となることがあり、日焼け止め成分を含んだものや保湿機能の高いリップを使用することは一定の効果が期待されます。洗顔やメイクの際に使用するものを変えた際は、値段に関わらず自身の肌に合わず軽いアレルギー反応のような炎症が起きることがありますので、注意が必要です。洗顔の際にごしごしとこするようなやり方は肌に微小な傷をつけてしまい、炎症を起きやすくしますので泡で優しく洗うのが良いでしょう。
唇が腫れて熱くなっているようなときは冷やすことが症状改善に繋がります。
応急処置をしても症状が治まらない、余計に悪くなる場合にはすぐに医療機関を受診することをおすすめします。唇の症状だけであれば、皮膚科を受診しましょう。唇以外に、息苦しさなどや腹痛などの症状も同時にある場合は救急病院を受診しましょう。

「唇が腫れる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「唇が腫れる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

唇が腫れているのですが何科に行けばいいのでしょうか。

久高 将太 医師久高 将太 医師

皮膚科でご相談ください。

突然、唇が腫れるのはストレスが原因でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

ストレスが原因の可能性もありますが、病気が隠れていることもあり、医療機関の受診をおすすめします。

食後に唇が腫れるのですがアレルギーなのでしょうか。

久高 将太 医師久高 将太 医師

口腔アレルギー症候群という病気の可能性があります。皮膚科を受診しましょう。

唇の内側が腫れて痛いです。口内炎でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

口内炎や口唇炎の可能性があります。皮膚科でご相談ください。

くちびるとまぶたが腫れてヒリヒリします。蕁麻疹でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

血管性浮腫という病気の可能性があります。

唇が腫れているのですがリップを塗っても問題ないでしょうか。

久高 将太 医師久高 将太 医師

唇が腫れている間はできるだけ刺激を与えないことが望ましいため、リップを塗らないようにしましょう。

まとめ

唇がはれるときの病気や他の症状を解説しました。
時に唇が腫れるだけでなく、命に関わる病気につながることもあり、気になる症状があるときは医療機関を受診しましょう。

「唇が腫れる」で考えられる病気と特徴

「唇が腫れる」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

日焼けや乾燥、ストレスは唇の腫れや炎症の原因となることがあります。また、アレルギー反応にも注意が必要です。

「唇が腫れる」と関連のある症状

「唇が腫れる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「唇が腫れる」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「口唇炎」「ヘルペス口唇炎」「肉芽腫性口唇炎」「血管性浮腫」「アナフィラキシー」「口腔アレルギー症候群」「アナフィラキシーショック」などの疾患の可能性が考えられます。
全身に見られる症状も併発している場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。