「唇に水ぶくれ」ができる原因とは？痛くない場合も併せて解説！

唇に水ぶくれがある時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
マイマイテイリ イマム（新宿アイランド内科クリニック 院長）

「唇に水ぶくれ」があるときに考えられる病気と対処法

突然唇に水ぶくれができた、こんな経験ございませんか。唇は人目に付く・目立つ場所なので気になるという人もいれば、うつる病気かどうか気になるという人もいるのではないでしょうか。放っておいていいのか、治療を急ぐべきなのかも含めて原因や対処法を解説していきます。

唇に水ぶくれがあり、痛くない症状で考えられる原因と治し方

唇に水ぶくれがあって、痛みやかゆみがない場合、ざ瘡（ニキビ）の可能性があります。厳密には唇ではなく、唇周囲の皮膚に生じます。原因は皮脂腺の詰まりであり、そこに古い皮膚細胞や細菌が増殖して炎症を起こすことで腫れたり、膿が出たりします。清潔に保ち自然治癒を待つことで回復を期待できますが、トレチノインクリームなどを使用して治療することもできます。気になるようなら皮膚科を受診してください。

唇に水ぶくれがあり、かゆい症状で考えられる原因と治し方

唇に水ぶくれがあって、かゆみがある場合、蕁麻疹の可能性があります。

蕁麻疹

蕁麻疹はアレルギー症状の1つで、出現部位はさまざまですが、唇にできることもあります。食品や薬など原因も多岐にわたります。自然治癒を待っても良いのですが、抗ヒスタミン薬などアレルギー薬の内服で治療することができます。
アレルギーの場合、アナフィラキシーという緊急性の高い病態（病気の状態）に注意する必要があります。蕁麻疹のほかに、血圧が下がったり、呼吸が苦しくなったり、お腹がいたくなったりする症状が現れます。自分で判断するのは難しいので、アレルギー症状が出た場合は内科や皮膚科を受診することをお勧めします。

唇に水ぶくれができて痛い症状で考えられる原因と治し方

唇に水ぶくれがあって痛みを感じる場合、口唇炎や口角炎、口唇ヘルペスの可能性があります。

口唇炎・口角炎

口唇炎や口角炎の原因は物理的刺激（噛んだり、火傷したり）の他に、ストレスなどでもできます。自然治癒まで1-2週間かかることもあり、痛みが強いため食事がとりにくいといった問題があります。鎮痛薬、もしくは市販の口内炎に対する塗り薬などで痛みを和らげることで対応できます。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因で発症します。詳しくは後述します。
水ぶくれの個数や大きさは病気の種類や病状の程度には大きく関係ありませんが、同時に複数できたり、2週間以上たっても治らない場合は注意が必要です。体調がすぐれず免疫力が弱っており何らかの病気も発症していることが見つかる可能性もありますので皮膚科等を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「唇の水ぶくれ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

唇に水ぶくれがあり、ピリピリした強い痛みがある場合は、皮膚科へ

ピリピリした強い痛みがある場合は、帯状疱疹の可能性があります。神経に沿って現れるのが特徴的で、帯状に発赤（赤み）が見られます。水痘・帯状疱疹ウイルス（VZV）が原因で、多くの人は子供の頃に水ぼうそうにかかっている、もしくは、ワクチンをうっていると思います。免疫の低下により再活性化し症状が現れます。治療には抗ウイルス薬が有効です。放置すると帯状疱疹後疼痛など慢性的な痛みの原因となりますので、早めに皮膚科を受診して治療を受けることをお勧めします。

「唇に水ぶくれができる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「唇に水ぶくれ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

口唇ヘルペス

単純ヘルペスウイルス（HSV-1）が原因となります。小さいころに感染して、体内にウイルスを持っている人が多いのですが、免疫の低下や再感染を機に活性化することで症状が現れます。小さな発赤（赤み）が1個～数個見られます。感染力があるので、粘膜接触は控え、タオルや皿などの使いまわしなども控える必要があります。抗ウイルス薬を使用して治療します。口唇ヘルペスかな？と思ったら皮膚科を受診してください。

「唇に水ぶくれができた」ときの正しい対処法は？

火傷や噛んだりなど明らかに原因がわかる場合は、市販の口内炎の治療薬を塗るなどの対応でも構いません。ですが、思い当たる原因がない場合は、病院を受診してください。唇の水ぶくれの状態を診て、ウイルス検査をすることもあります。また、場合によっては人にうつす可能性もあるので早めの病院受診をしてください。

まとめ

唇の水ぶくれといっても、口唇炎などのよくある疾患から、帯状疱疹やアナフィラキシーなど注意が必要な疾患まで様々です。自分で診断するのは難しいので、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。

「唇に水ぶくれができる」で考えられる病気と特徴

「唇に水ぶくれ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

多くの原因はウイルス感染症あるいは細菌感染症によるものですので、悪化しないうちに早めに対応するのが良いでしょう。

「唇に水ぶくれができる」と関連のある症状

「唇に水ぶくれ」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「唇に水ぶくれ」の他に、これらの症状が見られる際は、「帯状疱疹」「口唇ヘルペス」「口角炎」「ざ瘡（ニキビ）」などの疾患の可能性が考えられます。痛みがひどい場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。