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「蕁麻疹(じんましん)」を発症する原因はご存知ですか?

公開日:2022/06/22  更新日:2022/10/12
「蕁麻疹(じんましん)」を発症する原因はご存知ですか?

食べ物や温度、衣類の擦れなど何らかの刺激によって起こる蕁麻疹は、痒さを我慢できずにかきむしって悪化させてしまうこともあります。繰り返し起こることで、ストレスや睡眠不足を招き、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
今回は蕁麻疹の特徴や症状、原因、代表的な病気、受診科目などを解説します。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(国家公務員共済組合連合会大手前病院)

プロフィールをもっと見る
2007年大阪市立大学医学部医学科卒業、2009年大阪急性期総合医療センター外科後期臨床研修医、2010年大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、2012年国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、2013年大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、2014年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医員、2021年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長。 著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など多数。 日本外科学会専門医 日本病院総合診療医学会認定医など。

蕁麻疹とは

蕁麻疹とは?

蕁麻疹とはどのような病気ですか?

蕁麻疹は突発的に皮膚の一部が赤く盛り上がって、しばらくすると跡形もなく消えてなくなる病気です。痒みが特徴で、チクチクとした痒みや患部が焼けるような感じ(灼熱感)を伴うこともあります。
蕁麻疹はウイルス性の発疹とは異なり、人から人へ感染することはありません。
症状が出始めて1か月以内の蕁麻疹を急性蕁麻疹、1か月以上続く蕁麻疹を慢性蕁麻疹と区別します。
原因が分かっている蕁麻疹は全体の1〜3割程で、多くの場合原因がはっきりと分かっていません。

蕁麻疹の症状

蕁麻疹はどのような症状が現れるのでしょうか?

蕁麻疹は、蚊に刺されたような赤みと膨らみ(膨疹)などの症状が特徴です。蕁麻疹の大きさは大小さまざまで、膨疹が繋がると地図のように身体中に広がって見えることもあります。
蕁麻疹は強い痒みが起こることが多く、チクチクしたり、焼けるように感じたりする灼熱感を伴うこともあります。慢性蕁麻疹の場合、夕方から夜間にかけて症状が出やすく、決まった時間に蕁麻疹が出ることもあります。
蕁麻疹が続くときは医療機関を受診し、内服などで症状を抑えましょう。

蕁麻疹が出るとどのくらい持続しますか?

蕁麻疹は通常は24時間以内に、跡形もなく消えてしまいます。このうち、多くは数時間以内に消えるのが蕁麻疹の特徴です。
しかし、24時間以上経っても蕁麻疹が消えないことがあります。この場合は、蕁麻疹様紅斑と呼び、別の病気として区別します。

蕁麻疹は身体のどの部位に現れますか?

蕁麻疹が起こる部位はさまざまで、顔を含めて全身どの部位にも起こります。特に起こりやすい部位には、大腿や腹部、お尻、膝のうしろ、頬、首などの皮膚がやわらかい部位に発症しやすいことが分かっています。
そのほかには、足の裏や手の甲、頭皮にも発疹が起こることもあるようです。ただし、蕁麻疹は、かきむしることで、蕁麻疹の範囲が広がることもあります。口のなかや咽頭、気道にできると、痒みと同時に息苦しくなったり、声がかれたりすることもあります。
刺激を与えると一時的に痒みは治まりますが、蕁麻疹の範囲は広がるため悪循環に陥ることもあるため、患部を刺激しないことが大切です。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹の原因は?

蕁麻疹はなぜできるのですか?

蕁麻疹はアレルギー性蕁麻疹と、そうではない非アレルギー性蕁麻疹、特発性蕁麻疹があります。アレルギー性蕁麻疹と非アレルギー性蕁麻疹は、食べ物や薬剤などに含まれる特定のアレルゲンに反応して起こるのが特徴です。
卵や小麦、甲殻類などの食べ物のアレルギー反応の場合もあれば、薬剤の抗生物質や解熱鎮痛剤が原因で起こる場合もあります。
また、汗や日光、衣類の擦れや圧迫などの刺激も原因となって起こる場合もあれば、ストレスや過労が原因になる場合もあります。
蕁麻疹は原因により対処法も異なるため、症状を繰り返すときは医療機関に相談しましょう。

アレルギー性蕁麻疹

アレルギー性の蕁麻疹はどのようにして起こるのですか?

蕁麻疹の原因としてよく知られているのが、「I型(即時型)アレルギー」です。抗原やアレルゲンなど、アレルギーの原因となる物質が体内に侵入することで、アレルゲンに対抗する抗体が活性化し、蕁麻疹反応が起こります。
アレルギー性の蕁麻疹の代表は、食べ物やほこり、花粉などです。

非アレルギー性蕁麻疹

非アレルギー性蕁麻疹はどのようにして起こるのですか?

身体の中でアレルゲンに対抗する抗体が、アレルギー性蕁麻疹とは異なる仕組みで活性化することで症状が起こります。非アレルギー性蕁麻疹は温度や身の回りの環境が該当します。しかし、その仕組みはほとんど解明されていません。

特発性蕁麻疹

特発性蕁麻疹とはどのようにして起こるのですか?

蕁麻疹は、特定の食品や寒さ・暑さによる刺激、機械的な刺激のような特定の原因があったときにも起こる。しかし、約7割以上の蕁麻疹は直接的な原因がはっきりと分かっていません。何日にもわたり症状が出たり治まったりするものを特発性蕁麻疹と呼んでいます。

蕁麻疹が起こる代表的な病気

蕁麻疹が現れる代表的な病気を教えてください。

蕁麻疹が起こる代表的な病気には、ウイルス性肝炎、甲状腺疾患、胃炎などがあります。これらは蕁麻疹が起こりやすくなっていることで知られています。
そのほかに、膠原病や血清病、血管炎などのように、皮膚を含む全身の病気の一部として蕁麻疹が起こることもあります。
蕁麻疹が出ると、ほかの病気との関連性が気になりますが、蕁麻疹が数時間以内に消えて皮膚症状以外に自覚症状がなければすぐに病気を疑わなくてもよいでしょう。

蕁麻疹の受診科目

蕁麻疹が出たら何科を受診すればいいですか?

基本的には皮膚科を受診しましょう。蕁麻疹のなかには、膠原病が原因で蕁麻疹が出ていることもあるため、症状を繰り返すようであれば内科で詳しい検査を受けましょう。

蕁麻疹の検査

蕁麻疹はどのような検査が必要ですか?

アレルギー性蕁麻疹の場合は、血液検査または皮膚を用いた検査で比較的簡単に検査できます。

皮膚を用いた検査とはどのような検査ですか?

皮膚を用いる場合は、皮内テストと呼ばれる原因かもしれないと疑われる物質を皮膚に注射するテストや、皮膚の上に原因物質をのせて針で突くプリックテストなどの詳しい検査を行います。
ただし、この方法で検査の結果が陽性でも、症状すべてが蕁麻疹の原因とは限りません。最終的な診断では、これまでに出ている症状や経過などを総合的に判断します。

非アレルギー性の場合はどのような検査を行うのですか?

温熱や寒冷、光線など物理的な刺激が原因となって特発性の刺激で蕁麻疹が起こっている場合は、蕁麻疹を誘引している刺激を与えて、実際に蕁麻疹が起こるかを確認します。
それ以外の非アレルギー性蕁麻疹の場合は、これまでにかかったことのある病気や皮膚以外に出ている症状から疑わしい病気の検査を進め、蕁麻疹があるかどうかを判断します。

蕁麻疹の性差・年齢差

蕁麻疹は性別差や年齢差はありますか?

蕁麻疹は比較的よくある病気で、15〜20%の人は一生のうちに一度は経験します。
蕁麻疹が起こる原因やアレルゲンは個人差があるため、赤ちゃんからお年寄りまで男女差はなく幅広い人に起こります。

編集部まとめ

蕁麻疹は、食べ物や温度、衣類の擦れなど何らかの刺激によって起こります。強い痒みが特徴で灼熱感を伴うこともあり、痒みから掻きむしってしまい症状を悪化させるなど、悪循環に陥りやすいのが特徴です。
繰り返し起こることで、ストレスや睡眠不足を招き、日常生活に支障をきたすこともあるため、内服で症状を抑えることもあります。皮膚がやわらかい場所にできやすいため、症状がでても掻きむしらないことが大切です。
症状を繰り返すときは皮膚科や内科を受診して、早めに治療を行いましょう。