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「大豆イソフラボンが多い食品」は豆腐と味噌どっち?注意点も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/04/02
「大豆イソフラボンが多い食品」は豆腐と味噌どっち?注意点も管理栄養士が解説!

大豆イソフラボンとは?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

神尾 澄恵

監修管理栄養士
神尾 澄恵(管理栄養士)

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病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームにて15年にわたり給食管理業務に従事。管理栄養士取得後は病院で栄養管理業務に従事。栄養指導、特定検診保健指導、他NST、褥瘡回診など幅広く活躍中。東京都糖尿病療養指導士取得。患者さん、入居者さんが楽しめる食事提供を心がけています。

「大豆イソフラボン」とは?

大豆イソフラボンとは?

大豆イソフラボンとは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種です。女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていることから、「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。大豆イソフラボンの含有量は、品質や栽培環境により変動しますが、通常は乾燥した子実の0.2〜0.3%程度です。大豆に含まれるイソフラボンには、糖が結合した「配糖体」(ダイジン、ゲニスチン、グリシチン)と、糖が外れた「アグリコン」(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)の2つの形態があります。味噌、納豆などの大豆発酵食品には、糖が外れた「アグリコン」が多く含まれているのが特徴です。

大豆イソフラボンの一日の摂取量

大豆イソフラボンの一日の摂取量

大豆イソフラボンの一日の摂取量は、日本人の食事摂取基準2025年版では摂取量の基準は記載されていませんでした。平成14年国民健康・栄養調査(厚生労働省)による大豆食品等摂取量からの試算で示されています。平均的な日本人(15歳以上)の大豆イソフラボン摂取量は1日あたり18㎎(大豆イソフラボンアグリコン換算値)と推定されます。内閣府の食品安全委員会では、大豆イソフラボンの安全な一日の摂取目安量の上限値として、70〜75㎎(大豆イソフラボンアグリコン換算値)を設定しています。アグリコン換算値とは、糖の重さを除いたイソフラボンそのものの重さのことです。

項目 量(アグリコン換算値)
平均的な日本人の摂取量 1日あたり 18㎎
安全な摂取目安量の上限値 70〜75㎎ / 日
サプリ等による追加摂取の上限 30㎎ / 日

大豆イソフラボンの効果

大豆イソフラボンの効果

大豆イソフラボンの作用についてはさまざまな研究が行われていますが、ヒトにおける有効性や影響については個人差があり、明確に確立されていない点もあります。以下では、これまでに報告されている知見をもとに、期待されている働きを紹介します。

骨の健康維持

エストロゲンは骨の代謝に関与し、骨の分解を抑える働きがあります。大豆イソフラボンも同様の作用が期待され、骨吸収の抑制や骨形成への関与が示唆されています。ただし、骨密度への影響については研究結果が一様ではなく、食事全体や生活習慣の影響も大きいため、総合的な健康管理が重要です。

更年期に多い悩みをやわらげる

40〜50歳代にかけて卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が減少傾向になります。ホルモンバランスの変化により、顔のほてりやのぼせ、発汗、肩こり、耳鳴り、精神的な不調などの更年期特有の症状がみられることがあります。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た構造を持つことから、これらの症状に対して緩和が期待されるとする研究もありますが、作用の程度には個人差があります。

口腔内の健康維持

女性ホルモン(エストロゲン)の減少は、唾液分泌の低下や口腔内の乾燥と関連することがあります。大豆イソフラボンはエストロゲン様作用を持つことから、口腔環境への関与が示唆されていますが、唾液分泌の促進や歯周病予防に対する効果については限定的な報告にとどまっており、さらなる研究が必要とされています。

大豆イソフラボンの多い食品

大豆イソフラボンの多い食品

大豆イソフラボンは、大豆を原料とする加工食品のほとんどに含まれています。「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に大豆イソフラボン含有量が掲載されていないため、下記の数値は農林水産省による試算値を参考にしています。

大豆

大豆100gに大豆イソフラボンは約161.4〜352.0㎎含まれています。食品の種類、製品や調理工程によっても数値は変動します。

豆腐

豆腐の大豆イソフラボン含有量は、種類や食品の製造方法などにより異なります。木綿豆腐100gには約32〜56㎎、絹ごし豆腐100gには約26〜61㎎、充填豆腐100gには約20〜52㎎含まれています。充填豆腐とは、豆乳と凝固剤を容器に密閉してから加熱して固めるため、大豆の栄養成分が逃げにくいことがメリットです。保存性も高く、ストックしやすいです。豆腐1丁を300gとすると、1/3丁で一日の摂取目安量の半分程度を補える計算です。

味噌

味噌は、食品の種類(赤・白・合わせ)、製造工程、熟成期間によって含有量が異なります。調味料として毎日無理なく取り入れられることがメリットです。味噌100gに大豆イソフラボンは約19.6〜92.6㎎含まれています。味噌汁1杯(味噌約20g使用)で数㎎〜20㎎程度が摂取できます。

食品名 含有量目安(100gあたり) 備考
大豆 約161.4〜352.0㎎ 乾燥状態の値
豆腐 約20.0〜61.0㎎ 絹・木綿・充填により変動
味噌 約19.6〜92.6㎎ 味噌汁1杯(味噌20g)で数㎎〜20㎎

大豆以外でイソフラボンを摂取できる?

大豆以外でイソフラボンを摂取できる?

大豆イソフラボンは主に大豆および大豆を原料とする食品に含まれる成分であり、黒豆や大豆もやしも大豆由来の食品に含まれます。そのため、一般的な食事においては大豆以外の食品から多く摂取することは難しく、主な供給源は豆腐、納豆、味噌、豆乳などの大豆製品となります。なお、サプリメントを利用することで補うことも可能ですが、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

大豆イソフラボンが不足すると現れる症状

大豆イソフラボンが不足すると現れる症状

大豆イソフラボンは人の健康維持に必須の栄養素とはされておらず、特定の欠乏症が確認されているわけではありません。そのため、ここで紹介する内容は「イソフラボンが不足すると必ず起こる症状」ではなく、摂取量が少ない食生活と関連してみられる可能性が指摘されている事柄や、女性ホルモンの変化と関連する体調変化を踏まえた参考情報です。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造を持ち、体内で似た働きをすることから、摂取量が少ない場合にはホルモンバランスに関連したさまざまな影響と関連がみられる可能性が考えられます。

更年期特有の不調

閉経後の女性において、エストロゲンの分泌が減少すると、のぼせ、ほてり、発汗、肩こり、耳鳴りといった更年期特有の不調がみられることがあります。構造の似た大豆イソフラボンの摂取は、こうした状態に対するサポートとして検討されることがあります。

ホルモンバランスの乱れによる影響

大豆イソフラボンは、ホルモンバランスの維持に関与する可能性が示唆されています。摂取量が極端に少ない食生活では、このバランスに関連した体調変化がみられる可能性があります。

骨密度の低下と関連する可能性

エストロゲンには、骨からカルシウムが溶け出すことを抑える働きがあります。そのため、特に閉経後の女性では、食生活全体の影響の中で大豆イソフラボンの摂取状況が骨密度の低下と関連する可能性が指摘されています。

大豆イソフラボンが不足しやすい人の特徴

大豆イソフラボンが不足しやすい人の特徴

外食や加工食品が多い人

外食や加工食品中心の食生活では、大豆食品を摂取する機会が少なくなることがあります。日本の伝統的な食事に比べると、大豆食品の摂取量が減少する傾向があります。

極端な食事制限をしている人

ダイエットなどで、食品の制限をしている場合、大豆製品を避けていると大豆イソフラボンの摂取量が少なくなる可能性があります。特に主菜として、肉や魚のみを選ぶ食生活では摂取機会が減ることがあります。

和食をあまり食べない人

味噌汁や、豆腐料理、納豆などの大豆食品は、日本の食文化に多く含まれています。和食を食べる機会が少ない場合、大豆イソフラボンの摂取量が少なくなる傾向があります。

大豆イソフラボンを過剰摂取すると現れる症状

大豆イソフラボンを過剰摂取すると現れる症状

ホルモンバランスに影響する可能性

大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持つため、極端な多量摂取は、自らの体が持つホルモンバランスを乱す原因となることがあります。

月経周期の変化

食品安全委員会の研究では、サプリメント等で大豆イソフラボンを大量に摂取し続けた場合、月経周期が遅れる(延長する)などの変化がみられた例が報告されています。そのため、製品ごとの摂取目安量を守ることが大切です。

乳腺・子宮などのホルモン感受性組織への影響

乳腺や子宮などホルモンの影響を受けやすい組織(感受性組織)に作用する可能性が指摘されています。過剰な摂取は、これらの組織への影響が懸念されております。サプリメントによる摂取には製品ごとの摂取目安量を守ることが大切です。

大豆イソフラボンの効率的な摂取方法

大豆イソフラボンの効率的な摂取方法

発酵食品から摂取する

納豆や味噌などの発酵食品では、大豆イソフラボンが体内で吸収されやすい形に変化している場合があります。発酵によって、大豆イソフラボンの一部が「アグリコン型」に変化し、体内で利用されやすいと考えられています。朝食に納豆、夕食に味噌汁など、こまめに取り入れることをおすすめします。

大豆食品を組み合わせて摂取する

豆腐、納豆、味噌など複数の大豆製品を組み合わせることで、大豆イソフラボンをバランスよく摂取できます。また、大豆製品には、たんぱく質や食物繊維などの栄養素も含まれているため、食事の栄養バランスを整えることにもつながります。

サプリメントは過剰摂取に注意する

大豆イソフラボンは通常の食事からの摂取を推奨しています。サプリメントで摂取する場合には、過剰摂取に注意が必要です。食品安全委員会では、通常の食事に追加して摂取する大豆イソフラボン(アグリコン換算)の上限量を1日30㎎程度としています。

「大豆イソフラボンが多い食品」についてよくある質問

「大豆イソフラボンが多い食品」についてよくある質問

ここまで大豆イソフラボンなどを紹介しました。ここでは「大豆イソフラボンが多い食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

納豆と豆乳どちらが大豆イソフラボンを効率的に摂取できますか

神尾 澄恵神尾 澄恵

大豆イソフラボンの含有量で比較しますと、納豆1パック(40〜50g)では約35.5㎎、豆乳200gでは約41㎎ですので、数値上は豆乳の方が若干ですが、摂取量が多く効率的です。効率を考えた視点では、「吸収のしやすさ」です。納豆は発酵の過程でイソフラボンが「アグリコン型」という吸収されやすい形に変化します。一方で豆乳は飲料として手軽に摂取できるため、忙しい朝や間食の代わりに向いています。どちらかに偏るのではなく、その場に合わせて使い分けることも効率的といえます。

妊娠中の大豆イソフラボンの摂取量を教えてください

神尾 澄恵神尾 澄恵

食品安全委員会では、妊婦、胎児、乳幼児、小児については過剰摂取は推奨されていません。1日の摂取目安量上限値70〜75㎎を超えないように摂取することをおすすめします。

まとめ

大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きを持つことから、更年期特有の不調や食習慣の乱れにともなう不調、骨の健康維持に関わる成分とされています。しかし、サプリメントなどでの過剰摂取や外食や加工食品中心による摂取不足など、いずれもホルモンのバランスが乱れる可能性が考えられます。食事以外での摂取は、用量を確認することが大切です。大豆イソフラボンを無理なく適量を摂取するには、日々の食事の中に取り入れることがおすすめです。

「大豆イソフラボン」と関連する病気

「大豆イソフラボン」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器・骨の病気

産婦人科の病気

歯科の病気

「大豆イソフラボン」と関連する症状

「大豆イソフラボン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肩こり
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  • 骨の健康
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この記事の監修管理栄養士