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オーラルケア(口腔ケア)はメリットがいっぱい! デンタルケアとの違いやおすすめホームケアグッズを歯科医が解説

 更新日:2023/04/29
オーラルケア(口腔ケア)はメリットがいっぱい! デンタルケアとの違いやホームケアおすすめグッズを歯科医が解説

皆さんは「オーラルケア」という言葉をご存じでしょうか? 近年は歯ブラシや歯磨き剤のCMなどでもよく耳にしますが、実際にオーラルケアとはどのようなケアなのか、さらにデンタルケアとどう違うのかも気になるところです。そこで、オーラルケアの概要やメリット、ホームケアとオフィスケアの違いなどを「柏 なかよし歯科・口腔外科」の好岡先生に解説してもらいました。

好岡 夢貴

監修歯科医師
好岡 夢貴(柏 なかよし歯科・口腔外科)

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日本歯科大学卒業。神奈川歯科大学、横須賀市内歯科医院での勤務を経てその後、医療法人社団カムイ会理事長に就任し、「柏 なかよし歯科・口腔外科」並びに「柏 なかよし矯正歯科・小児歯科」開業。一人ひとりのニーズに合った治療計画を立案し、最善の治療を行うことを重視した地域密着型の歯科診療に従事。全ての診療科を併設する事でお口の悩みのトータルケアを可能にしている。日本心理学アカデミー心理カウンセラー。日本顕微鏡歯科学会会員。日本ACLS協会BLSヘルスケアプロバイダー。インビザライン認定医。

「オーラルケア」はどういう意味? デンタルケアとは違う?オーラルケアのメリットや重要性を歯科医が解説

「オーラルケア」はどういう意味? デンタルケアとは違う?オーラルケアのメリットや重要性を歯科医が解説

編集部編集部

「オーラルケア(口腔ケア)」とは、どのようなケアでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

オーラルケアはお口全体の健康のために行うケアのことです。私たちが普段やっている歯磨きもオーラルケアの1つですが、そのほかに食生活や生活習慣の見直し、さらに歯科医院での定期的なケアなどが含まれます。

編集部編集部

いわゆる「デンタルケア」とはどこが違うのでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

広義の意味ではどちらも同じです。しいて言うなら、デンタルケアは歯の健康に焦点を当てたケアで、むし歯や歯周病、歯の着色、歯ぎしり・食いしばりなどの予防やケアを中心に行います。対するオーラルケアは歯も含めたお口全体のケアで、デンタルケアに舌や粘膜、口臭に対するケアがプラスされます。

編集部編集部

オーラルケアにはどのようなメリットがありますか?

好岡 夢貴先生好岡先生

1つは、むし歯や歯周病、口臭といったお口の中に起こるトラブルを改善、予防できるのが大きなメリットです。また、審美面では歯の表面の着色や黄ばみを予防し、見た目に美しい歯が維持できます。さらに、オーラルケアの効果はお口の健康のみならず、全身の健康維持にもメリットをもたらします。

編集部編集部

オーラルケアは、全身の健康にも良い影響があるのでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

はい。歯や歯ぐきなど口内が健康であれば、食べ物をしっかり噛んで消化を促すことができます。反対に、お口が健康でないと食べ物がうまく食べられず、消化不良や栄養の偏りを招いてしまうでしょう。これは、体の健康にとって大きなマイナスです。また、近年は歯周病が心臓病や糖尿病、肺炎など全身の病気に悪影響を及ぼすこともわかっています。このように、オーラルケアの実践は全身の健康維持にもつながります。

オーラルケアは自宅と歯科医院とで必要? 「ホームケア」と「オフィスケア」のそれぞれで行うこと

オーラルケアは自宅と歯科医院とで必要? 「ホームケア」と「オフィスケア」のそれぞれで行うこと

編集部編集部

オーラルケアは自宅で行うケアと、歯科医院で行うケアの2つがあると聞いています。

好岡 夢貴先生好岡先生

はい。オーラルケアはご自宅で行う「ホームケア」歯科医院で行う「オフィスケア(プロフェッショナルケア)」の2つがあります。

編集部編集部

ホームケア(自宅で行うオーラルケア)には、具体的にどのようなケアがありますか?

好岡 夢貴先生好岡先生

基本は、毎日の歯磨きです。近年、日本人の約8割が1日2回以上は歯を磨いており、生活習慣の1つとして根付いています。ただ、歯磨きは歯ブラシを使った歯面清掃にくわえ、デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯間清掃も必須です。ご家庭でのオーラルケアではこの歯磨きにくわえ、舌の清掃やマウスウォッシュの活用、さらに食生活・生活習慣の見直しなどが含まれます。

編集部編集部

歯科医院のオフィスケア(プロフェッショナルケア)では、どのようなオーラルケアを行うのでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

歯科医院ではホームケアのアドバイス、ならびにホームケアではできないオーラルケアを実践していきます。具体的には、ブラッシング指導、むし歯・歯周病の早期発見、歯石や着色の除去を含むお口のクリーニング、フッ化物の塗布などです。また、超音波洗浄やデンタルフロスを活用した歯間ケアもしっかり行います。そのほかに、普段の食習慣や生活習慣の中でむし歯や歯周病のリスクに関連するものがあれば、注意をうながしながら改善に向けた取り組みについてアドバイスします。

編集部編集部

ホームケアとオフィスケアは両方とも行ったほうがよいのでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

オーラルケアはホームケアとオフィスケアの両立が基本です。歯に付着する汚れのうち、プラーク(歯垢)はホームケアでもある程度は落とせますが、歯石や着色汚れは歯科医院のオフィスケアでしか除去できません。つまり、ホームケア単体でお口の健康を維持するのは非常に難しいわけです。また、オフィスケアでは普段の歯磨きで磨き残しの多い所や汚れが溜まりやすい所なども指摘します。歯医者さんでそのような指摘を受けると自身でその部分を認識できるため、ホームケアのレベルもあがってオーラルケア全体の効果が向上します。

自宅で行うオーラルケアの実践法 ホームケアのやり方や順番、おすすめグッズも知りたい

自宅で行うオーラルケアの実践法 ホームケアのやり方や順番、おすすめグッズも知りたい

編集部編集部

ホームケアの中心は「歯磨き」だと思いますが、歯磨きは1日何回、いつ行うのがよいでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

1日3回、毎食後に行うのが理想的ですが、難しい場合は1日に朝・晩の2回は必ず行うようにしてください。昼食後の歯磨きが難しい場合は、うがいをするだけでも効果はずいぶん変わってきます。さらに、就寝中はお口の中に細菌が最も繁殖しやすい時間帯なので、「就寝前」の歯磨きはしっかり行うようにしてください。

編集部編集部

ホームケアで必ず使っておきたいおすすめのオーラルグッズを教えてください。

好岡 夢貴先生好岡先生

デンタルフロスや歯間ブラシに代表される「歯間清掃器具」は必ず使うようにしてください。また、フッ素(フッ化物)入り歯磨き剤はむし歯予防の効果が科学的に認められているので、こちらも併せて使っていきましょう。

編集部編集部

歯ブラシによる「ブラッシング(歯面清掃)」と、デンタルフロスや歯間ブラシによる「歯間清掃」は、どちらを先に行ったらよいでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

優先順位が高いのは、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間清掃です。したがって、先に「歯間清掃」を行い、そのあとに歯ブラシを使った「歯面清掃」を行うとよいでしょう。

編集部編集部

なぜ「歯間清掃」は優先順位が高いのでしょうか?

好岡 夢貴先生好岡先生

歯の表面の汚れはうがいなどでもある程度は落ちますが、歯間の汚れはうがいをするだけでは取れません。つまり、歯間清掃を行わないと、想像以上にお口の中に汚れが残ってしまうわけです。したがって、優先順位の高い「歯間」のお掃除を最初にやって、歯ブラシで全体を仕上げるイメージで行っていただければと思います。

編集部編集部

最後に、読者へメッセージをお願いします。

好岡 夢貴先生好岡先生

お口の健康を維持するうえでホームケアは欠かせませんが、なかでも歯と歯の間、歯間の清掃が非常に重要であることはぜひ知っていただきたいと思います。デンタルフロスや歯間ブラシは使い方にコツがあるため、うまく使えない・汚れが取れないという場合は、正しい使い方を歯医者さんで指導してもらいましょう。

編集部まとめ

オーラルケアはむし歯や歯周病の予防を目的とした従来のケア(デンタルケア)にくわえ、舌や粘膜、口臭などお口全体の健康を見据えたケアであることがわかりました。そのオーラルケアには自宅でのホームケアと歯科医院でのオフィスケアの2種類があり、この2つの両立がケアの効果をさらにUPさせる秘訣のようです。「オフィスケアの習慣はまだ」という方は、ぜひ本記事をきっかけに歯科医院での定期的なオフィスケアをはじめていきましょう。

医院情報

柏 なかよし矯正歯科・小児歯科

柏 なかよし歯科・口腔外科
所在地 〒277-0843 千葉県柏市明原4-12-21-1F
アクセス JR「東武野田線柏」駅東口より徒歩8分
診療科目 歯科・矯正歯科・小児歯科

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