【今が旬!】「小松菜の栄養素」はご存じですか食べすぎると現れる症状も解説!

小松菜の栄養素は?健康効果・食べすぎると現れる症状・保存方法と期間などを解説します。

監修管理栄養士:
曽田 久美子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
小松菜とは?

小松菜に含まれる栄養素

カルシウム
小松菜生100g中にカルシウムは170mg含まれています。 カルシウムは体重の1〜2%を占め、その99%は骨及び歯に存在し、残りの約1%は血液や組織液、細胞に含まれます。血液中のカルシウム濃度は比較的狭い範囲に保たれていて、濃度が低下すると骨からカルシウムが溶けだし血中濃度を保とうとします。骨から溶け出すカルシウムが多くなると、骨の健康が損なわれることになります。カルシウムは骨の健康のために大切な栄養素です。 カルシウムは乳製品に多く含まれるイメージがあると思いますが、小松菜100gあたりのカルシウム量は牛乳100g中110mgより多く含まれています。鉄
小松菜生100g中に鉄は2.8mg含まれています。 鉄は、ヘモグロビンや酵素を構成し、欠乏すると貧血や運動機能、認知機能等の低下を招きます。体内鉄の総量は成人で3〜4gで、その70%は赤血球中のヘモグロビン鉄です。体内の鉄はヘモグロビンのように生理的な役割を持つ機能鉄と、鉄を貯蔵や運搬する役割をもつ貯蔵鉄に分けられます。貯蔵鉄であるフェリチンは鉄の栄養状態を反映する指標になっています。 ほうれん草も同じように鉄の多い野菜と言われていますが、ほうれん草100g中には鉄が2.0mg含まれています。ビタミンK
小松菜生100g中にビタミンKは210μg含まれています。 天然に存在するビタミンKには2種類あり、緑黄色野菜、海藻類などに含まれるビタミンK₁と、動物性食品と納豆、また腸内細菌によっても合成されるビタミンK₂があります。 ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一種で、出血時に血液を固める血液凝固因子を作るのに不可欠な栄養素です。成人の男性女性共に150μg/日の目安量が設定されています。カリウム
小松菜生100g中にカリウムは500mg含まれています。 カリウムは、体液の浸透圧を決定する重要な因子です。また神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。健常人において、下痢や多量の発汗などがない場合以外は、カリウムが不足することはありませんが、日本人はナトリウムの摂取量が多いため、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と言われています。成人の男性で3,000mg以上、成人の女性で2600mg以上の目標量が設定されています。ビタミンC
小松菜100gには、約39mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素を抑える働きがあります。これにより、細胞を健やかに保つことに役立ち、動脈硬化など酸化ストレスに関連するトラブルの予防に寄与する可能性があるとされています。また、ビタミンCはコラーゲンの合成に必須の栄養素です。コラーゲンは皮膚や血管などの結合組織を保つうえで重要なため、肌の健康維持にも役立ちます。なお、ビタミンCの一日の推奨量は、成人男女ともに100mgと定められています。小松菜の健康効果

骨粗鬆症の予防効果
小松菜生100g中には170mgのカルシウムが含まれています。牛乳は100g中110mgのカルシウムが含まれています。比べてみても小松菜のカルシウムは多く含まれていることが分かります。日本人はカルシウムの摂取量が不足していますので、意識して摂取するようにしてみてください。同時にビタミンDを摂取するとカルシウムの吸収率をあげることができます。貧血の予防効果
小松菜生100g中に鉄は2.8mg含まれています。赤血球の材料となる鉄を摂取することができます。鉄はビタミンCや、たんぱく質の多い食品と一緒に摂取すると鉄の吸収率をあげることができます。高血圧症の予防効果
小松菜生100g中にカリウムは500mg含まれています。日本人はナトリウムの摂取量が多いことも原因となり高血圧症も多くなっています。ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と言われています。動脈硬化の予防効果
小松菜生100gにビタミンCは39mg含まれています。ビタミンCの抗酸化作用により有害な活性酸素の働きを抑えて細胞の老化を防ぐことから、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、がんなど酸化ストレスに由来する疾患の予防効果が期待されています。お肌の美容効果
小松菜生100gにビタミンCは39mg含まれています。細胞の組織にあるコラーゲンの合成に不可欠なビタミンで、コラーゲンには肌に張りをもたせる働きがありますので、お肌を健康に保つ効果が期待されます。小松菜を過剰摂取すると現れる症状

下痢、吐き気、腹痛
小松菜には食物繊維、特に不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けずに腸内でかさを増し、便通を整える働きがありますが、一度に大量に摂りすぎると、消化が追いつかずにお腹が張る・腹痛・下痢などの不快症状が出ることがあります。これらは小松菜に限ったものではなく、食物繊維の多い食品を急にたくさん食べた場合に起こりやすい一般的な症状です。日常的な量であれば問題なく、適量を継続的に摂取することで腸内環境の改善にも役立ちます。しびれ、心電図異常
小松菜にはカリウムが多く含まれますが、健康な腎機能を持つ人が食品からのカリウムだけで高カリウム血症になることはほとんどありません。腎臓が正常に働いていれば、余分なカリウムは尿として排泄されるためです。 ただし、腎機能が低下している場合、カリウムを含むサプリメントを大量に摂取している場合などでは、カリウムが体内に蓄積し、高カリウム血症を引き起こすことがあります。高カリウム血症になると、筋肉の働きがうまく調節できなくなり、手足のしびれや心電図異常などの症状が現れることがあります。便秘、胃部不快感
小松菜に含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、体内への吸収率が低く、食品だけで過剰摂取になることはほとんどありません。そのため、小松菜を食べすぎたことが直接の原因で、鉄の過剰症が起こる可能性は極めて低いとされています。ただし、鉄サプリメントの大量摂取や、鉄の吸収制御に関わる遺伝子異常(ヘモクロマトーシスなど)がある場合には、便秘や胃部不快感といった症状があらわれることがあります。小松菜自体は鉄過剰の原因になりにくいため、安心して日常的に取り入れられる食品です。小松菜を食べるときの注意点

水に長くさらさない
水溶性のビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、葉酸)が多く含まれるため、水にさらすと溶けだしてしまいますので、切る前に洗うようにして調理することをお勧めします。加熱しすぎない
水溶性のビタミンは、熱にも弱いので、さっと炒める程度がお勧めです。または、溶けだした汁物も一緒に摂取できると、水溶性のビタミンをうまく摂取できます。他の具材と一緒に食べる
小松菜には、多くの栄養素が含まれていますが、それだけでの摂取より他の食品と一緒に摂取することにより、それぞれの栄養素の吸収率を上げることができます。 ビタミンCと一緒にとると鉄の吸収があがります。ビタミンDと一緒にとるとカルシウムの吸収があがります。小松菜を効率的に摂取する方法

油で炒める
小松菜には、体内でビタミンAに変換されるβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは脂溶性の栄養素のため、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。そのため、炒め物など、少量の油を使う料理は小松菜の栄養を効率よく取り入れられる調理法です。たんぱく質と一緒に摂取する
鉄はたんぱく質と一緒に摂取すると吸収率が上がります。主菜となる肉や魚、卵等のたんぱく質と一緒に料理すると小松菜に含まれる鉄を効率よく摂取できます。鮭やキノコ類と一緒に摂取する
カルシウムはビタミンDを多く含む食品と一緒に摂取すると吸収率があがります。ビタミンDを多く含む鮭やキノコ類と小松菜を一緒に摂取するとカルシウムの吸収率が上がります。小松菜の保存方法と期間

野菜室で保存
冷蔵の場合は、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、立てて野菜室で保存しましょう。すぐに食べきれない場合は、軽く茹でて冷水に取り、水気を絞ってから食べやすい大きさにカットして、冷蔵保存します。また、冷凍保存もできます。 冷凍の場合は、全体をきれいに洗い、根元をカットしてざくざく切ってからキッチンペーパーで水分を拭き取り、使う分ずつフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存します。保存期間
湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、立てて野菜室で保存した場合の保存期間は約3〜4日程度です。 軽く茹でて冷水に取り、水気を絞ってから食べやすい大きさにカットして、冷蔵保存する場合の保存期間は約2〜3日程度です。 全体をきれいに洗い、根元をカットしてざくざく切ってからキッチンペーパーで水分を拭き取り、使う分ずつフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存する場合の保存期間は、約3週間程度です。 茹でて冷凍保存するときの保存期間は、約1ヵ月程度です。「小松菜の栄養」についてよくある質問

ここまで小松菜の栄養について紹介しました。ここでは「小松菜の栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
小松菜は1日何束食べて良いでしょうか?
曽田 久美子
ここでいう1束とは、スーパーで販売されている1袋分(一般的に約200g前後)を指します。小松菜に「1日何束まで」という明確な上限はありませんが、毎日の野菜摂取量のバランスを考えることが大切です。厚生労働省が推奨するのは、
・野菜類:1日350g以上
・うち緑黄色野菜:120g以上
という基準であり、必ずしも小松菜だけを120g食べる必要はありません。その日の食事内容に合わせて、緑黄色野菜120gの一部として小松菜を取り入れる形で問題ありません。小松菜は栄養豊富な野菜ですが、単独で大量に食べるよりも、他の食材と組み合わせてバランスよく摂ることで、鉄やカルシウムなどの吸収率も高まります。主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がけるとよいでしょう。
小松菜を毎日食べたらどのような効果が現れるでしょうか?
曽田 久美子
小松菜は、鉄、カルシウム、βカロテン、ビタミンCなどたくさんの栄養素が含まれています。鉄は貧血の予防、カルシウムは骨粗鬆症の予防、βカロテンやビタミンCはお肌のうるおいを保ちます。




