「盲腸がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?初期症状や好発年齢も医師が解説!

盲腸がんになりやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が盲腸がんになりやすい人の特徴・症状・原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。
目次 -INDEX-
「盲腸がん」とは?
盲腸がんは、大腸の一番口側にある盲腸にできるがんです。大腸がんの中でも比較的まれな種類で、症状が現れにくいため、早期発見が難しいとされています。
盲腸がんになりやすい人の特徴
現段階では盲腸がん特有の原因として指摘されているものはなく、一般的な大腸がんになりやすい人の特徴をここではご紹介します。
遺伝的要因
家族に大腸がんの既往歴がある方は、盲腸がんのリスクが高まります。特に濃厚な家族歴がある方は遺伝性の大腸がんの疾患もあるので、積極的な健診や大腸がん検診の受診がおすすめです。家族歴がある方ではより若いうちから大腸がんの発生がみられやすいです。このため、若い時から大腸がん検診や大腸カメラでの定期的なチェックが勧められます。
生活習慣
肉類や加工食品の過剰摂取、野菜や果物の摂取不足、喫煙、過度な飲酒、肥満などは、盲腸がんのリスクを高める可能性があります。バランスのとれた食事や生活習慣の是正によって大腸がんのリスクを減らすようにしましょう。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)を患っている方は、盲腸がんのリスクが高まることがわかっています。主治医の指示に従って、定期的な検査を受けることをおすすめします。
大腸ポリープ
大腸ポリープ、特に腺腫性ポリープがあると、大腸がん、盲腸がんのリスクが高まります。大腸ポリープがある方は定期的に検査を受けて、適切な治療を受けましょう。
年齢
50歳以上の方に大腸がんの罹患率が上昇し、70代〜80代でピークを迎えます。40歳以上で大腸がん検診が受けられるので、該当する方は積極的に検診を利用しましょう。
盲腸がんの代表的な症状
盲腸がんは、初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると様々な症状が現れることがあります。ここでは、盲腸がんの代表的な症状とその対処法について、症状の特徴、すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方、どんな病院・科に行くべきか、受診時の注意点、緊急性について解説します。
腹痛
盲腸がんでは鈍い痛みや間欠的な腹痛が現れることがあります。場所は、右下腹部(盲腸がある場所)が多いですが、みぞおちや腰回りに痛みを感じることもあります。痛みが続く場合は、安静にして様子を見ましょう。医療機関は消化器内科を受診し、痛みの種類、場所、程度、いつから始まったかなどを医師に伝えましょう。激しい腹痛や、痛みが悪化する場合は、緊急性が高い可能性があります。すぐに救急外来を受診しましょう。
吐き気・嘔吐
盲腸がんにより腸閉塞を起こすと、吐き気や嘔吐が現れることがあります。吐き気や嘔吐が続く場合は、脱水症状に注意が必要です。診療科は消化器内科を受診しましょう。吐き気や嘔吐の回数、内容などを医師に伝えましょう。吐き気や嘔吐が激しい場合や腹痛を伴う場合は緊急性が高い可能性があります。すぐに救急外来を受診しましょう。
食欲不振
盲腸がんの影響で食欲が低下することがあります。無理に食べる必要はありませんが、栄養バランスの取れた食事を少量ずつ食べるようにしましょう。診療科は内科や消化器内科を受診して、食欲不振が続く期間、体重の変化などを医師に伝えましょう。急激な食欲不振や、体重が大幅に減少した場合は、緊急性が高い可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。
便通異常
盲腸がんによって便秘や下痢が続く、便が細くなる、血便が出るといった症状が現れることがあります。便秘の場合は、なるべく消化のいいものを摂取して、水分を十分に摂るようにしましょう。下痢の場合は、脱水症状に注意し、水分補給を心がけましょう。医療機関は消化器内科を受診して、便の状態、回数、血便の有無などを医師に伝えましょう。大量の血便や、便通が完全に止まってしまった場合は、緊急性が高い可能性があります。すぐに救急外来を受診しましょう。
血便・貧血
盲腸がんにより消化管出血を起こして、血便が認められたり、慢性的な出血によって貧血になったりすることがあります。そのような症状があればすぐに内科・消化器科を受診して、血便の詳細な情報や貧血の症状(動悸、息切れ、めまいなど)の有無、程度などを医師に伝えましょう。
貧血の症状が強い場合は、輸血が必要となることがあります。早めに医療機関を受診しましょう。
盲腸がんの主な原因
盲腸がんの主な原因は、まだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や生活習慣、炎症性腸疾患などが関与していると考えられています。
肥満
肥満も、大腸がんのリスクであり、ひいては盲腸がんのリスク要因の一つです。食事管理や運動を行うことで肥満を予防しましょう。減量は大腸がんの予防だけでなく、生活習慣病の予防にも効果的です。健診などで異常が見つかった方は医療機関で医師や看護師、栄養士の保険指導を受けることも有用です。
喫煙者・過剰飲酒者
喫煙は、盲腸がんだけでなく、さまざまながんのリスクを高めることが知られています。
また過度な飲酒は、大腸がんのリスクを高める可能性があります。喫煙者の方はすぐに禁煙することをおすすめします。過度の飲酒をしてしまう方も節酒をおすすめします。自分で禁煙や節酒が困難な場合は医療機関でご相談ください。条件が適していれば、禁煙外来で禁煙の治療をすることもできます。禁煙をする意思が固まった場合、禁煙外来で相談をしてみましょう。
家族歴
家族に大腸がんの既往歴がある方は、大腸がん・盲腸がんのリスクが高まります。家族歴がある方は積極的に大腸がん検診をうけましょう。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)を患っている方は、大腸がんや盲腸がんのリスクが高まることがわかっています。炎症性腸疾患の方は定期的に大腸内視鏡検査を受けましょう。
盲腸がんの予防法
盲腸がん単独の予防法は確立されているわけではなく、一般的な大腸がんの予防法が盲腸がんの予防にもつながるため、ここでは大腸がんの予防法についてご紹介します。大腸がんを100%予防することは難しいですが、リスクを低減させることで発症率を下げることができます。
食生活の改善
バランスの取れた食事を心がけ、肉類や加工食品の摂取を控えめにする、野菜や果物を積極的に摂取するのがおすすめです。
禁煙・節酒
喫煙や過度のアルコール摂取は大腸がんのリスクを上昇させます。禁煙や節酒を心がけましょう。ご自身での取り組みが難しい場合は医療機関を受診しましょう。
適度な運動
習慣的な運動が大腸がんリスクを下げることがわかっています。適度な運動を心がけ、肥満を解消しましょう。
定期的な検診
大腸がん検診を定期的に受け、早期発見・早期治療につなげましょう。
「盲腸がんになりやすい人」についてよくある質問
ここまで盲腸がんになりやすい人の特徴を紹介しました。ここでは「盲腸がんになりやすい人」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
盲腸がんの初期症状について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
盲腸がんは、初期には自覚症状がないことが多いです。初期でも大腸がん検診の一つである便潜血の検査では陽性になることがあります。盲腸がんが進行すると、腹痛、便通異常、食欲不振、体重減少などの全身の症状が現れることがあります。
盲腸がんの好発年齢について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
盲腸がんは、50歳以上で年齢が上がる毎に罹患率が増え、70代〜80代でピークを迎えます。
盲腸がんの生存率はどれくらいなのでしょうか?
齋藤 雄佑 医師
盲腸がんの生存率は、進行度や治療法によって異なります。早期発見・早期治療を行うことで、生存率を高めることができます。
編集部まとめ 定期的な大腸がん検診で盲腸がんを予防しよう!
盲腸がんは、早期発見が難しいがんですが、大腸がん検診などを受けることで早期発見が可能です。また日頃から予防法を実践することでリスクを減らすことができます。近年は生活習慣の変化もあり大腸がんが増加しています。生活習慣を見直すことから始めてみましょう。また、気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
「盲腸がん」と関連する病気
「盲腸がん」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの疾患には大腸がんのリスクを上昇させるものがありますので、適切な検査や検診によって、経過観察が必要です。
「盲腸がん」と関連する症状
「盲腸がん」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの症状は盲腸がん以外の良性疾患でも見られる症状ですが、気になる症状は放置せずに医療機関を受診して、医師にご相談ください。
参考文献




