「便潜血検査(2日法)は何日前の便」まで大丈夫?医師が分かる病気や注意点も解説!

便潜血検査の2日法は何日前に採取すべき?メディカルドック監修医が、正しい採取のタイミング、保存方法、2回分採れない時の対処法を解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
大腸がん検査・便潜血検査とは
便潜血検査は、大腸がん死亡率減少効果があるとされ、大腸がん検診として行うことが勧められています。このため、現在日本では、大腸がん検診として、便潜血検査を行うことが一般的です。大腸がん検診、大腸がん検査は便潜血検査を意味すると考えていただいて良いでしょう。
便潜血とは、通常見た目にはわからないものの、便に血液が含まれている状態を指します。便潜血検査は、便に混じった血液を調べる検査です。がんは毎回出血しているわけではないため、1回より2回検査をした方が、検出率が上がることが分かっています。このため、一般的に2回法という方法を行うことが多いです。
便潜血とは?血便との違いは?
便潜血とは、便の中に含まれる微量の血液(ヒトヘモグロビン)が検出される状態です。多くの場合は、見た目上わからないことが多いです。一方、出血が目に見えるようになったもので、鮮やかな赤色から暗赤色の、肛門に近い大腸や直腸からの出血を血便と言います。
便潜血検査は何を調べる検査?
便の中のヘモグロビンを検出する検査が便潜血検査です。日本では、便潜血検査の検査法として、免疫法が主流となっています。免疫法はヒトヘモグロビンに対する抗体を用いて潜血の有無を調べる方法です。免疫法は、人のヘモグロビンにのみ反応し、豚や牛、魚類の血液には反応しません。このため、食事に影響されず消化管出血を検出することが可能です。また、胃酸や胃・膵液由来の消化液によりヘモグロビンが変性すると反応しにくくなるため、主に大腸での出血の有無を調べることができます。このため、便潜血が陽性になった場合には、大腸がんを含めた大腸からの出血の可能性が考えられます。
便潜血検査(2日法)は何日前から採取して良い?
便潜血検査(2日法)とは
便潜血検査(2日法)では、2日にわたり、便潜血検査を行います。大腸がんやポリープは自覚症状はほとんどありません。また、出血も初期では少量のみで常に出血が続いているとは限りません。このため、1回だけでは便の潜血反応の検出率が悪いため、2回便を採取し、検出率を上げているのです。
便潜血検便は何日前の便まで検査が可能?
通常、便を検査キットで採取した後、4〜7日以上経過すると検査の精度が低くなってしまうため検査を行った当日を含む4日以内が勧められています。また、できれば採取後の検体は冷蔵庫で保管する事が勧められています。
また、検査機関により採取後してから検体を提出までの期限が異なり、施設ごとに決められていることが多いです。検査をする際に、必ず確認をしましょう。
2日分の便を採取する際の間隔はどのくらい?
毎日排便があるのであれば、続けて翌日も便を採取し、早めに検体を提出しましょう。前述したように、採取後4日以上経過した便では、正確な結果が出ないこともあります。このため、早めに2回採取するようにしましょう。万が一、便が出ない場合には、1回だけでも提出することをおすすめします。また、検査機関に後から2回目を提出することが可能か問い合わせてみましょう。
便潜血検査の正しい採取方法と保存のコツ
便潜血検査は自宅でできる簡単な検査です。正しいやり方で検査をして、正確な結果が出るようにしましょう。
便潜血検査で失敗しないための便の採取方法と目安は?
便潜血検査は、医療機関から便潜血検査キットをもらい、行います。キットに採便シートが同封されている場合には、洋式トイレ、和式トイレともにお尻側に浮かべるようにシートを敷きます。採便シートがない場合には、トイレットペーパーを重ねて敷いたり、新聞紙を使う方法もあります。この場合には、洋式トイレでは水が溜まっていない方にシートをひき、逆に座ると採取しやすいです。
排便後は、専用スティックで便の表面をまんべんなく何度もこすり取るようにして採取します。採取量は、先端の溝が埋まるくらいの量としましょう。また、トイレットぺーパーなど、便以外のものが混じらないようにしましょう。
検便を採取した後の正しい保存方法
採取後は、容器をしっかりと閉めて、冷蔵庫もしくは25℃以下の冷暗所に保管しましょう。高温の室内や直射日光にさらすと、せっかく採取した検体が劣化してしまい、検査が正確にできない可能性があります。
もし検査日までに2回分の便が採れなかったら?
万が一、検査日までに2回分便が採取できない場合にはどうすればよいでしょうか?このような場合、ご自身が受けた検査の条件によって対応は異なる可能性があります。
便潜血検査2日法の検便が1回分しか採れなかった時の対処法
便潜血検査2日法の場合、2回分の便の検査を行わなければなりません。しかし、4日以内に2回分の検査ができない場合にはどうすれば良いでしょうか?
まず1回だけでも検査を提出しましょう。1回だけでも検査をすることはできます。この時に医療機関に確認をして、2回目を後で提出することが可能か聞いてみましょう。検査の条件によっては、後日もう1回提出することもできますが、期限内でないと検査ができない場合もあるため、どちらであるか確認する必要があります。
便秘などで全く検便が採れなかった場合はどうする?
便秘などで全く排便がなく、検査ができなかった場合にはどうすれば良いでしょうか?何とか前日までに気が付く場合には、下剤などを内服して排便をし、当日までに採便をして提出しましょう。人間ドックなどで期限が決まっていることもありますが、検査の条件によっては先に延ばすことができます。悩まず、医療機関に問い合わせをしてみましょう。
「便潜血検査(2日法)」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「便潜血検査(2日法)」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
便潜血検査2回分の採取は、必ず2日連続で行う必要がありますか?
伊藤 陽子(医師)
便潜血の検査は、必ずしも2日連続で行う必要はありません。採取後は4日以内で検査することが勧められるため、この期限内で排便したときに採取すれば問題ありません。
誤った検便の保存方法をしてしまった場合、再検査になりますか?
伊藤 陽子(医師)
高温状態で保管していたり、推奨される保管期限を過ぎて検体を保管したりする場合には正確な検査ができない可能性があります。再検査となる場合もあれば、検査の条件によっては、中止となってしまうこともあるため検査機関に確認をしましょう。
便潜血検査前に便秘で前日と当日の採取できない可能性があるとき、便秘薬を飲んでも大丈夫ですか?
伊藤 陽子(医師)
便潜血検査の前に、便秘があり検査ができない可能性がある時には、便秘薬を内服しても良いでしょう。特に検査に影響することはありませんので、期限内に排便できない可能性があれば検討しましょう。
まとめ 便潜血検査の採取日は4日以内を目安に!
便潜血検査は、簡単に自宅で検査ができ、近年多くなっている大腸がんを早期で発見することに役立ちます。しかし、正しい方法で採取しないと正確な結果が出ません。長時間保管をすると便が変性してしまうため、4日以内を目安に提出しましょう。(検査機関により指示がある場合には、その指示に従いましょう。)また、高温や直射日光が当たる場所で保管すると検体が変性し、正確な判定ができません。正しい採取をして、正確な判定が出るように気をつけましょう。
また、1回でも便潜血が陽性となった場合、大腸カメラなどで詳しく検査をすることが勧められます。大腸がんの早期発見のためにも、便潜血の陽性を放置せず消化器内科を受診しましょう。
「便潜血検査(2日法)」に関連する病気
「便潜血検査(2日法)」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
婦人科系の要因
- 月経
一言:便潜血検査で陽性が出た場合は、多くは消化器系の病気が考えられます。また、女性の場合には月経血が混じってしまうこともあるため注意しなければなりません。しかし、便潜血が1回でも陽性となった場合には、大腸がんの可能性もあり必ず消化器内科を受診して相談をしましょう。
「便潜血検査(2日法)」に関連する症状
「便潜血検査(2日法)」から医師が考えられる症状は7個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
一言:便潜血が陽性の場合、貧血によりさまざまな症状が出る可能性があります。また、腹痛がみられることもあります。しかし、多くは症状がないことが一般的です。症状がなくとも、便潜血が陽性の場合には消化器内科で相談をしましょう。
参考文献




