「血圧が高い時の過ごし方」はご存じですか?おすすめの食べ物や注意点も医師が解説!

血圧が高い時の過ごし方は?メディカルドック監修医が血圧を下げるための生活習慣や食事・運動などの対処法や治療について解説します。

監修医師:
藤井 弘敦(医師)
目次 -INDEX-
なぜ血圧が上がるのか?
血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す時に血管壁にかかる圧力のことです。血圧が上がる仕組みは主に2つあります。心臓が送り出す血液量が増えることと、血管が収縮して血液の通り道が狭くなることです。
運動時は全身に酸素を届けるため心臓の動きが活発になり血圧が上がります。寒い場所では体温を逃がさないよう血管が収縮し、血圧が上昇します。緊張時は交感神経が働いて心拍数が増え、血管も収縮するため血圧が上がります。
こうした一時的な血圧上昇は体が環境に適応する正常な反応ですが、安静時にも高い状態が続く場合は高血圧症と診断されます。
血圧が上がる主な原因は?
高血圧の重要な原因の一つは塩分の摂りすぎです。塩分を多く摂ると、腎臓が塩分濃度を元に戻そうとして水分を体に溜め込み、血液量が増えて血管壁にかかる圧力が高まります。日本人は塩分摂取量が多く、1日の塩分を1g減らすだけで収縮期血圧が1mmHg下がることが分かっており、注意しなければなりません。ラーメンのスープを残す、漬物を控えるといった小さな工夫でも血圧改善につながります。
そのほか、肥満、運動不足、飲酒、ストレス、睡眠不足、遺伝などが複雑に絡み合って高血圧を引き起こします。
血圧の一時的な上昇と危険な高血圧の違いは?
寒さや緊張、運動の直後などで血圧が上がるのは一時的な反応で、安静にしていれば自然と元に戻ります。一方、自宅で測った血圧が135/85mmHg以上の高い値が安静時にも繰り返し続く状態は、高血圧症とよばれます。高血圧は血管に慢性的な負担をかけ続け、自覚症状が出にくいまま進行するのが特徴です。そのため、普段から自宅で血圧を測り、自分の「いつもの値」を把握しておくことが大切です。
血圧が高い時はどう過ごせば良い?
自宅で血圧を測って高めの数値が出ると、不安になってしまうものです。血圧が高いときにまず大切なのは、慌てず安静にして気持ちを落ち着かせることです。
血圧は緊張や刺激によってさらに上がることがあるため、落ち着いた環境で過ごすことを意識しましょう。
高血圧で安静にするべき状況は?
血圧を測定して高い値が出た時は、静かな場所で椅子に座るか横になり、20〜30分ほど安静に過ごしてください。携帯電話やテレビはできるだけ見ず、深呼吸を繰り返すことがポイントです。
安静にしても高い血圧が続く場合は、その日は飲酒や激しい運動、長時間の入浴は避けましょう。
高血圧で横になると良いケース・良くないケースは?
軽いめまいや頭痛がある時は、横になって安静にすることで血圧が落ち着いてくることがあります。
ただし、横になると息苦しさが強くなる場合は注意が必要です。心不全の初期症状の可能性があるため、体を起こした状態でできるだけ早く医療機関を受診してください。
血圧が高いときは急激に血圧を下げないほうが良い?
自己判断で急激に血圧を下げようとするのは危険です。血圧が急に下がりすぎると、脳や心臓に十分な血液が届かなくなることがあります。血圧の治療は医師の管理のもとで、時間をかけて安全に行うことが基本です。焦らず、適切な方法で対処していきましょう。
【高齢者】血圧が高い時に注意すべきポイントは?
高齢者は血圧の変動が大きくなりやすいため、数値だけを見るのではなく、体調全体を観察しながら対応することが大切です。
高齢者の血圧変動が大きくなりやすい理由・原因
年齢とともに血管が硬くなり、柔軟性が失われていきます。若い頃は血管が柔らかく、血圧の変化を吸収できていましたが、加齢により血管壁が硬くなると、気温の変化や立ち上がる動作、排便時のいきみといったちょっとした刺激でも血圧が大きく変動しやすいため気をつけなければなりません。特に、暖かい部屋から寒いトイレや脱衣所への移動、朝の起床時など、日常生活の中で血圧が急激に上下することが増えてきます。こうした血圧の乱高下は、心臓や脳の血管に繰り返し負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることにつながります。
高齢者の血圧が高い時の健康リスクとは
高齢者では高血圧が続くことで脳出血や脳梗塞のリスクが高まるほか、認知機能の低下につながる可能性も指摘されています。
ただし、高齢者の場合は血圧を下げすぎると、立ちくらみやふらつきによる転倒の危険性も高まります。そのため、数値だけを見て無理に下げようとするのではなく、日常生活を安全に送れることを第一に考えながら、医師と相談して管理していくことが大切です。
【妊婦】血圧が高い時に注意すべきポイントは?
妊娠中の血圧上昇は、母体と赤ちゃんの両方に影響する可能性があるため、特に注意が必要です。
妊娠高血圧症候群とは?
妊娠20週以降の妊婦に初めて高血圧が現れるのが妊娠高血圧症候群です。原因は完全に解明されていませんが、胎盤の血流調節がうまく働かないことで赤ちゃんに十分な栄養・酸素が届きにくくなり、母体が子宮や胎盤への血液量を増やそうとして血圧が上昇すると考えられています。この状態が進行すると、けいれんや脳出血、赤ちゃんの発育に影響が出ることもあります。
妊婦の血圧が高くて病院受診が必要な症状とは?
むくみ、頭痛、めまい、目が見えにくいといった症状がある場合は要注意です。自宅で測った血圧が140/90mmHg以上になった場合は、早めに産婦人科に相談しましょう。
血圧が高い時のお風呂・入浴はどうすべき?
入浴は血圧を大きく変動させるため、血圧が高い日は無理に入浴しない判断をすることも大切です。
入浴で血圧はどう変動するか?
脱衣所の寒さや熱いお湯の刺激で皮膚の血管が反射的に収縮し、血圧が一時的に上昇します。その後、お風呂に入ると血液循環が改善され血管が拡張すると血圧が下がりますが、この急激な変動が心臓や脳に負担をかけます。
入浴を避けるべき血圧の範囲・体調は?
血圧の数値は年齢や持病、服薬の有無などによって大きく異なるため、「この数値なら入浴してよい・避けるべき」と一律にはいえません。ガイドラインにも明確な基準は設けられていませんが、普段より血圧が高めのときや、めまい・動悸・息切れなどの体調の変化を感じる場合は、無理をせず入浴を控えるのが安心です。
高血圧で入浴する場合の安全な入り方は?
お湯の温度は40-41℃以下、鎖骨の下までの深さの半座位浴で、入浴時間は10分以内を目安にし、湯船から立ち上がる時はゆっくり動くようにしましょう。
血圧が高い時の食事のポイントは?
食事の改善は高血圧治療の柱の一つです。
血圧が高いときに避けた方がいい食品は?
塩分の多い加工食品や外食、脂身の多い肉料理、習慣的な飲酒は血圧を上げやすいため控えましょう。
血圧を下げるのにおすすめの食べ物はある?
高血圧対策として、世界的に推奨されているのがDASH食です。以下の成分を意識しましょう。
- カリウム(野菜・果物・海藻):体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる働きがあります。
- カルシウム・マグネシウム(大豆製品・乳製品):血管の収縮と拡張を調整し、血圧を安定させます。
- 食物繊維(玄米・きのこ類):脂質や糖の吸収を穏やかにし、動脈硬化の予防に役立ちます。
味付けは塩や醤油を控えめにして、お酢・レモン・香辛料・だしを活用することで、無理なく減塩ができます。ただし、腎機能が低下している方はカリウム制限が必要な場合があるため、医師の指導に従ってください。
血圧が高いときは水分を多めに摂取した方が良い?
脱水状態になると血液が濃くなり、血栓や脳梗塞のリスクが高まるため、適切な水分補給は重要です。目安としては1日1.5L前後を、コップ1杯ずつこまめに摂取しましょう。
ただし、心不全や腎機能が低下している場合は、水分の摂りすぎが体に負担となることがあるため、かかりつけ医の指示に従ってください。
「血圧」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「血圧」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
高血圧
安静時でも慢性的に血圧が高い状態です。塩分の摂りすぎや肥満、遺伝などが原因で、放置すると動脈硬化が進みます。食事療法や運動療法、必要に応じて降圧薬を用いた治療が行われます。
心筋梗塞
冠動脈が詰まり心筋が壊死する病気です。高血圧は最大の原因の一つです。激しい胸痛や冷や汗がある場合は直ちに救急車を呼んでください。循環器内科でのカテーテル治療などが行われます。
脳出血
高血圧により脳の血管が破れる病気です。激しい頭痛や片麻痺、ろれつが回らないなどの症状が特徴です。緊急の手術や保存的治療が行われ、脳神経外科での対応となります。
「血圧が高い時の過ごし方」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧が高い時の過ごし方」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧が高いときはどのように過ごせば良いですか?
藤井 弘敦(医師)
第一に安静です。30分ほど静かに座るか横になり、深呼吸を繰り返しましょう。慌てて何度も測り直すと、不安でかえって血圧が上がります。その時の数値と症状をメモして、落ち着いたら必要に応じて医療機関に相談しましょう。
血圧はどうすれば下がりますか
藤井 弘敦(医師)
急な血圧上昇に対してはまず安静が効果的ですが、根本的には「減塩」「減量」「有酸素運動」「筋力トレーニング」「禁煙」「十分な睡眠」が基本です。生活習慣の改善で10mmHg程度下がることも珍しくありません。
血圧測定でいつもより数値が高いとき、NGとなる生活習慣はありますか?
藤井 弘敦(医師)
熱いお湯への入浴、サウナ、激しい筋力トレーニング、飲酒、喫煙、コーヒーの飲みすぎは、さらに血圧を跳ね上げるため避けてください。
血圧の上が140以上になった場合、高血圧の治療が必要ですか?
藤井 弘敦(医師)
140/90mmHg以上は医学的に「高血圧」と定義されます。すぐに薬による治療が始まるとは限りませんが、医師の診断を受けて、生活習慣の見直しや合併症の有無を確認することが強く推奨されます。
まとめ 血圧が高い時の過ごし方はまず安静!
血圧が高いと気づいたときは、体からの大事なサインです。慌てず安静にして数値をメモし、必要なら医療機関に相談しましょう。毎日の血圧記録が何より重要です。高血圧は適切な対処と生活習慣の改善でしっかりコントロールできます。小さな心がけの積み重ねで、健康を維持できます。
「血圧」で考えられる病気と特徴
「血圧」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
脳神経外科・脳血管系の病気
腎臓・泌尿器系の病気
産婦人科関連の病気
血圧の異常は、循環器の病気だけでなく、脳・腎臓・内分泌系、妊娠に関連する疾患など、さまざまな診療科にまたがる病気のサインであることがあります。持続する場合は循環器内科を受診しましょう。
「血圧」の異常に関連する症状
「血圧」から医師が考えられる症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
血圧の異常は、自覚症状がまったくないこともあれば、頭痛や動悸など日常的な不調として現れることもあります。気になる不調が続く場合は血圧を測定し、医師に相談することが大切です。



