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【闘病】「糖尿病」で足指を切断した父に続き私も「合併症」の入り口に(1/2ページ)

 更新日:2025/04/10
【闘病】「糖尿病」で足指を切断した父に続き私も「合併症」の入り口に

糖尿病の家族歴があった高橋さん(仮称)は「自分は糖尿病なんて関係ない」とたかを括っていたところ、職場の健康診断で糖尿病の初期症状を指摘されました。現在もHbA1cの数値を気にしながら治療を続け、やがては服薬治療の必要のない状態になれるように努力を続けています。そんな高橋さんに、糖尿病との付き合い方を教えてもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年5月取材。

高橋さん

体験者プロフィール
高橋さん(仮称)

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高知県在住、1958年生まれ。結婚し2児を設けるも、1997年に夫が他界。2013年頃糖尿病予備軍の診断を受けた。2014年頃2型糖尿病と診断され服薬治療を開始。糖尿病外来と眼科を受診しながら糖尿病治療を継続中。祖母、父、姉に糖尿病歴ありという家庭の中で生い立つ。

久高 将太

記事監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

健康診断で糖尿病予備軍と診断されて

健康診断で糖尿病予備軍と診断されて

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

高橋さん高橋さん

2013年頃、職場の健康診断で糖尿病予備軍と診断され、内科を受診するよう勧奨がありました。その後、近所の病院の総合内科を受診。そこで1年ほど様子を見ていましたが、HbA1cの数値が好転せず、かえって悪化していったので、総合内科の先生に糖尿病外来に転科を勧められ、2014年頃に転科しました。糖尿病外来では軽度の2型糖尿病と診断されました。その後、転職を契機に現在の職場近くの病院に転院し、現在もその病院の糖尿病外来で治療を継続しています。

編集部編集部

医師からはどのような治療方針を伝えられましたか?

高橋さん高橋さん

糖尿病は合併症を併発する怖い病気なので、1か月に1度の受診、服薬治療の継続、運動をすること、栄養士による食事指導を受けることを勧められ、一も二もなく承諾しました。

編集部編集部

病気が判明した時の心境について教えてください。

高橋さん高橋さん

祖母、父、姉が糖尿病だったので「ついに私も罹ってしまったか」と気落ちしましたね。しかし、落ち込んでばかりではいられないので、食生活や運動に気を付け、重症化しないようにしなければならないと、糖尿病に向き合う覚悟を決めました。

糖尿病を患っていた祖母や父の姿が治療を続ける原動力に

糖尿病を患っていた祖母や父の姿が治療を続ける原動力に

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

高橋さん高橋さん

食生活に気を付けるようになりました。それまでは昼食のお弁当は職場で扱っている注文のお弁当を食べていましたが、糖尿病と診断されてからは、お昼にはキュウリと人参と大根のスティックと小さいおにぎりを1個食べるだけにとどめるようにしましたね。なるべく甘いものも控えるように心がけました。くわえて、朝食をサプリメントに替えるなど、ダイエットを心がけるようにしています。食生活の変化に伴い、結果として体重も落ちてきました。

編集部編集部

運動も行っていますか?

高橋さん高橋さん

運動療法として近くの公園で一定時間歩いてみたり、なるべくエレベーターやエスカレーターを使わず階段を昇り降りしたりするよう心がけるようになりました。

編集部編集部

運動療法や食事療法の効果は表れているということでしょうか?

高橋さん高橋さん

治療の甲斐あって、HbA1cの数値が6.3~6.5と良い状態にまで下がってきていました。「この調子ならお薬の量も減らしてもらえるかな」と、闘病生活にも「慣れ」が出てきていました。そんな中、2022年の暮れから2023年の正月にかけてつい気持ちが緩んでしまい、食生活が乱れてお菓子やパン、餅を食べたり、ビール、日本酒、ワインなどを嗜んだりしました。すると、体調も少しおかしくなり、けだるいような変な違和感がある日が続きました。検査を受けた結果は、HbA1cが9.7にまで上昇し、かかりつけの病院の先生に眼科受診を勧められ眼底検査をしなければならなくなりました。

編集部編集部

眼底検査の結果はどうでしたか?

高橋さん高橋さん

右目の血管が1か所、高血糖により障害され、膨隆して小さい瘤ができているとのことでした。出血にまでは至っていませんでしたが、糖尿病網膜症の初期症状と聞かされ、愕然としました。先生には3か月後にもう一度受診するように言い渡され、糖尿病ハンドブックを手渡されました。それを転機に、生活を改め3月に眼科を再受診して眼底検査を受けたところ、瘤のようになっていた血管は、正常な状態に戻っていました。あの時は先生の「治っているよ」という言葉を聞き、心底嬉しかったです。

気のゆるみ、一時の生活の乱れから合併症の怖さを感じることに

この記事の監修医師

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