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【闘病】「糖尿病」で足指を切断した父に続き私も「合併症」の入り口に

 更新日:2023/08/07
【闘病】「糖尿病」で足指を切断した父に続き私も「合併症」の入り口に

糖尿病の家族歴があった高橋さん(仮称)は「自分は糖尿病なんて関係ない」とたかを括っていたところ、職場の健康診断で糖尿病の初期症状を指摘されました。現在もHbA1cの数値を気にしながら治療を続け、やがては服薬治療の必要のない状態になれるように努力を続けています。そんな高橋さんに、糖尿病との付き合い方を教えてもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年5月取材。

高橋さん

体験者プロフィール
高橋さん(仮称)

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高知県在住、1958年生まれ。結婚し2児を設けるも、1997年に夫が他界。2013年頃糖尿病予備軍の診断を受けた。2014年頃2型糖尿病と診断され服薬治療を開始。糖尿病外来と眼科を受診しながら糖尿病治療を継続中。祖母、父、姉に糖尿病歴ありという家庭の中で生い立つ。

久高 将太

記事監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

健康診断で糖尿病予備軍と診断されて

健康診断で糖尿病予備軍と診断されて

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

高橋さん高橋さん

2013年頃、職場の健康診断で糖尿病予備軍と診断され、内科を受診するよう勧奨がありました。その後、近所の病院の総合内科を受診。そこで1年ほど様子を見ていましたが、HbA1cの数値が好転せず、かえって悪化していったので、総合内科の先生に糖尿病外来に転科を勧められ、2014年頃に転科しました。糖尿病外来では軽度の2型糖尿病と診断されました。その後、転職を契機に現在の職場近くの病院に転院し、現在もその病院の糖尿病外来で治療を継続しています。

編集部編集部

医師からはどのような治療方針を伝えられましたか?

高橋さん高橋さん

糖尿病は合併症を併発する怖い病気なので、1か月に1度の受診、服薬治療の継続、運動をすること、栄養士による食事指導を受けることを勧められ、一も二もなく承諾しました。

編集部編集部

病気が判明した時の心境について教えてください。

高橋さん高橋さん

祖母、父、姉が糖尿病だったので「ついに私も罹ってしまったか」と気落ちしましたね。しかし、落ち込んでばかりではいられないので、食生活や運動に気を付け、重症化しないようにしなければならないと、糖尿病に向き合う覚悟を決めました。

糖尿病を患っていた祖母や父の姿が治療を続ける原動力に

糖尿病を患っていた祖母や父の姿が治療を続ける原動力に

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

高橋さん高橋さん

食生活に気を付けるようになりました。それまでは昼食のお弁当は職場で扱っている注文のお弁当を食べていましたが、糖尿病と診断されてからは、お昼にはキュウリと人参と大根のスティックと小さいおにぎりを1個食べるだけにとどめるようにしましたね。なるべく甘いものも控えるように心がけました。くわえて、朝食をサプリメントに替えるなど、ダイエットを心がけるようにしています。食生活の変化に伴い、結果として体重も落ちてきました。

編集部編集部

運動も行っていますか?

高橋さん高橋さん

運動療法として近くの公園で一定時間歩いてみたり、なるべくエレベーターやエスカレーターを使わず階段を昇り降りしたりするよう心がけるようになりました。

編集部編集部

運動療法や食事療法の効果は表れているということでしょうか?

高橋さん高橋さん

治療の甲斐あって、HbA1cの数値が6.3~6.5と良い状態にまで下がってきていました。「この調子ならお薬の量も減らしてもらえるかな」と、闘病生活にも「慣れ」が出てきていました。そんな中、2022年の暮れから2023年の正月にかけてつい気持ちが緩んでしまい、食生活が乱れてお菓子やパン、餅を食べたり、ビール、日本酒、ワインなどを嗜んだりしました。すると、体調も少しおかしくなり、けだるいような変な違和感がある日が続きました。検査を受けた結果は、HbA1cが9.7にまで上昇し、かかりつけの病院の先生に眼科受診を勧められ眼底検査をしなければならなくなりました。

編集部編集部

眼底検査の結果はどうでしたか?

高橋さん高橋さん

右目の血管が1か所、高血糖により障害され、膨隆して小さい瘤ができているとのことでした。出血にまでは至っていませんでしたが、糖尿病網膜症の初期症状と聞かされ、愕然としました。先生には3か月後にもう一度受診するように言い渡され、糖尿病ハンドブックを手渡されました。それを転機に、生活を改め3月に眼科を再受診して眼底検査を受けたところ、瘤のようになっていた血管は、正常な状態に戻っていました。あの時は先生の「治っているよ」という言葉を聞き、心底嬉しかったです。

気のゆるみ、一時の生活の乱れから合併症の怖さを感じることに

気のゆるみ、一時の生活の乱れから合併症の怖さを感じることに

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

高橋さん高橋さん

私は糖尿病の合併症の網膜症や右足薬指の壊死、体調の悪さで苦しむ父を見ていました。母の家庭料理の味付けも砂糖をふんだんに使った濃いめの味付けでしたし、糖尿病を罹患しやすい家庭環境だったと思います。だからこそ、「自分で食生活と運動には気を付けないといけないよ」という言葉を昔の私に言ってやりたいです。また、「糖尿病について積極的に情報収集して、予防につながる発言を家庭の中でして、家族のみんなが糖尿病にかからないように啓蒙していかないといけないよ」と昔の私に伝えたいですね。

編集部編集部

治療中の心の支えは何でしたか?

高橋さん高橋さん

心の支えが必要なほどの重さを感じていませんでしたが、親しい友人の励ましに後押しされて、治療を続けることができたと思います。

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

高橋さん高橋さん

食生活に気を付けていますし、階段の昇り降りを心がけて生活しながら、おかげさまでHbA1cの値も降下してきて、ちょっと気だるいような体の違和感もなくなりました。何より眼科の診察の結果がよかったのがうれしいですね。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

高橋さん高橋さん

医療従事者の方々には特に望むことはありません。皆さんにはよくしていただいたという印象を持っています。強いて言うなれば、糖尿病外来はいつも混みあっていて待ち時間が長いので、予約の取り方も考えていただきたいということぐらいでしょうか。

編集部編集部

読者に向けてのメッセージはありますか?

高橋さん高橋さん

糖尿病初期の頃、私は自覚症状など一切感じていませんでした。私はたまたま健康診断がきっかけで発覚したのですが、私の父は病院に行かず健康診断も受けていなかったので発見が遅れてしまいました。父は糖尿病による足壊疽のため右足薬指を切断しなければならなかったり、視界に異常が出て眼球の血管をレーザーで照射することにもなりました。さまざまな症状が出て辛そうだったのをはっきり覚えています。私自身も患ったからこそ、父の姿を思い出すにつれ、早期発見・治療が第一だと感じます。

編集部編集部

お二人の病気の進行の分岐点とも言えますね。

高橋さん高橋さん

現在、治療の甲斐あって私の糖尿病の症状も軽快しつつあります。さらにHbA1cの数値が下がるように努めて、今よりも薬の量も減らしたいと願っています。読者の方々には、父や祖母や姉や私がたどった道を辿らないように、定期的に健康診断を受け、食生活や運動に気を付けて糖尿病にならないようにしてほしいと願わずにはいられません。

編集部まとめ

一度快方に向かっていた糖尿病が気のゆるみで悪化したという高橋さんの体験は、糖尿病との闘いが決して簡単ではないことを物語っています。まずは、糖尿病にならないよう予防することが大切で、そのためには「定期的な健康診断を受ける」「食生活に気を付ける」「適度な運動を行う」ということが欠かせません。ここで高橋さんが語った言葉を、自分の健康、家族の健康、周りの人の健康のために、ぜひとも生かしたいところです。

この記事の監修医師