人間ドックって何をするの?基本内容や検査項目、受ける意味を解説

人間ドックという言葉は知っているけれど、実際にどのような検査を受けるのか、健康診断とどう違うのかを詳しく知らないという方もいるでしょう。
人間ドックは、自覚症状のない段階で身体の異常を発見し、病気の予防や早期発見につなげる大切な検査です。本記事では、人間ドックの基本的な内容や検査項目、受診する意味について解説します。

監修医師:
荒木 進(モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR)
以後、オーストラリア・メルボルン大学助手(難聴の基礎研究)、東京警察病院医員、厚生中央病院医長、東京医科大学霞ヶ浦病院科長を歴任
2008年 東京医科大学准教を退職し、千葉県流山市内で開業
2009年1月 東京医科大学兼任准教授就任
2017年12月 東京医科大学兼任准教授就任を退職し、都内六本木に「モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR」開院
目次 -INDEX-
人間ドックとは?健康診断との違い

人間ドックは、予防医療の重要な柱です。まずは、人間ドックの概要と健康診断との違い、推奨される年齢層やタイミングについて解説します。
人間ドックは"予防のための精密検査"
人間ドックは、現在の健康状態を総合的に評価し、将来的な疾病リスクを予測するための精密検査です。症状が出る前の段階で全身を詳しく調べることにより、がんや生活習慣病などの早期発見が可能になります。
検査結果をもとに、医師から生活習慣の改善や定期的な経過観察のアドバイスを受けることができるため、単なる検査にとどまらず、健康維持に向けた総合的なサポートが期待できます。
健康診断との違い
一般的な健康診断は、法律で定められた基本的な項目を短時間で確認する検査で、職場や自治体が実施しています。
一方、人間ドックは個人の希望や年齢、健康状態に応じて検査項目をカスタマイズできる点が大きな違いです。検査時間も半日から一日程度かけて実施されることが多く、精密な画像診断や詳細な血液検査などが含まれます。
健康診断が最低限の健康状態を確認する場であるとすれば、人間ドックはより踏み込んだ健康状態の把握と予防策の提案を受ける場といえるでしょう。
人間ドックが推奨される年代とタイミング
人間ドックの受診が推奨される年代は、一般的に40歳以降とされています。これは、40歳以降に生活習慣病やがんの発症リスクが高まる傾向があるためです。
しかし、家族に特定の病気が多い方や、食生活や運動習慣に不安がある方は、30代からでも定期的に受診することが推奨されます。
また、定期的な受診間隔としては1年から2年に一度が目安です。継続して受診することで、身体の変化を経年的に把握でき、より正確な健康管理につなげることができます。
人間ドックの基本内容と検査項目

人間ドックにはさまざまな検査項目が含まれており、それぞれが身体の異なる部位や機能を評価する役割を担っています。ここでは、基本検査、画像検査、オプション検査の三つに分けて、具体的な内容を紹介します。
基本検査(身体測定・血液・尿検査など)
基本検査は人間ドックの中核をなす項目で、身体測定から始まります。身長や体重、腹囲、血圧といった基本的なデータを測定し、肥満度や高血圧の有無を評価します。
血液検査では肝機能や腎機能、脂質、血糖値、甲状腺機能、感染症の有無など多岐にわたる項目を、尿検査では腎臓や尿路の状態、糖尿病の有無などが確認できます。
さらに、視力検査と眼底検査、眼圧検査によって目の健康状態を、聴力検査によって耳の状態をそれぞれ評価します。心電図検査は心臓のリズムや異常を確認し、呼吸機能検査では肺の機能を測定します。
これらの基本検査は、全身の健康状態を網羅的に把握するための重要な土台となります。
画像検査(胸部X線・胃部内視鏡・腹部エコーなど)
画像検査は、身体の内部構造を可視化して異常の有無を確認する検査です。
胸部X線検査では、肺や心臓の状態、肺がんや肺炎などの早期発見に役立ちます。胃の検査としては、バリウムを飲んで撮影するX線検査と、内視鏡を用いた検査があります。内視鏡検査(胃カメラ)は、胃や食道、十二指腸を直接観察できるため、胃がんや胃潰瘍などの病変を詳しく調べることができます。
腹部エコー検査は、超音波を利用して肝臓や胆のう、膵臓、脾臓、腎臓などの臓器を画像化し、腫瘍や結石、脂肪肝などの異常を発見します。
これらの画像検査により、目に見えない身体内部の状態を詳細に把握することが可能です。
オプション検査(脳ドック・心臓ドック・婦人科検査など)
基本的な人間ドックに加えて、オプション検査を追加することで、より専門的で個別的な健康管理が実現できます。
脳ドックでは、MRI検査やMRA検査により、脳梗塞や脳腫瘍、脳動脈瘤などのリスクを調べます。心臓ドックでは心臓の血管や機能を詳しく評価し、心筋梗塞や狭心症のリスクを確認できます。
婦人科検査には、マンモグラフィーや乳腺エコーといった乳がん検査、子宮がん検査、女性ホルモン検査が含まれます。男性向けには、前立腺がんマーカーや肺CT検査などが用意されています。
ほかにも骨密度測定やアレルギー検査、睡眠に関する検査など幅広いオプションがあり、気になる部位やリスク要因に応じてオプションを選択することで、より安心感のある健康管理につながります。
人間ドックで見つかる主な病気と早期発見の重要性

人間ドックは単に検査を受けるだけでなく、重大な疾患を早期に発見し、適切な治療や予防につなげる重要な機会です。ここでは、人間ドックによって見つかりやすい病気と、早期発見がもたらす利点について解説します。
がん・生活習慣病などの早期発見につながる
人間ドックで発見される代表的な疾患として、がんや生活習慣病が挙げられます。
胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんなどは、早期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、内視鏡検査や画像検査、腫瘍マーカーなどを組み合わせることで、症状が出る前に発見することが可能です。早期に見つかったがんは治療選択肢が広がり、完治する可能性が高まります。
生活習慣病についても同様で、高血圧や糖尿病、脂質異常症などは、放置すると心筋梗塞や脳卒中といった重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。
人間ドックでこれらの兆候を早めに捉え、生活習慣の改善や適切な治療を開始することが、将来の健康維持に貢献します。
無症状のうちにわかる「隠れた異常」
多くの病気は、初期段階では明確な症状を示しません。この無症状期間に身体の異常を見つけることができるのが、人間ドックのメリットです。
肝機能障害や腎機能の低下、動脈硬化の進行、骨密度の低下などは、日常生活では気づきにくい変化です。しかし、血液検査や画像検査によって数値やデータとして客観的に評価されるため、自覚のない段階で対処が可能になります。
また、良性の腫瘍やポリープ、胆石、結石なども、将来的に症状を引き起こすリスクがあるため、早期に発見して経過観察や治療方針を決定することが大切です。
検査結果をどう活かすか
人間ドックを受けて検査結果を受け取ったら、その内容をどう活かすかが重要です。
異常が指摘された場合は専門の医師に相談し、精密検査や治療計画を立てることが必要です。異常がなかった場合でも、今後の予防のために生活習慣を見直すきっかけとなります。
また、継続的に人間ドックを受けることで検査結果の推移を把握し、健康状態の変化を早期に察知できます。医師からのアドバイスをもとに、食事や運動、睡眠といった生活の質を向上させることが、長期的な健康維持につながります。
目的に合わせた人間ドックの選び方

人間ドックには多様なコースやオプションがあり、自分の年齢や健康状態、リスク要因に応じて選択することが大切です。ここでは、ライフステージ別のおすすめ検査項目や、オプション検査の選び方、さらに信頼できるクリニックを選ぶポイントについて説明します。
ライフステージ別おすすめの検査項目
年齢や性別、家族歴によって、重点的に調べるべき項目は異なります。
- 30代から40代前半:生活習慣病の芽を見つけるため、基本的な血液検査や腹部エコー、胃カメラを含むコースがおすすめ
- 40代後半から50代:がんのリスクが高まる時期なので、腫瘍マーカーや精密な画像検査を含むプランを検討
- 60代以降:必要に応じて心臓や脳血管の状態を詳しく調べる脳ドックや心臓ドックを追加
- 女性:乳がん検査や子宮がん検査
- 男性:前立腺がんマーカーや肺CT検査
また、年齢にこだわらず、家族に特定の疾患歴がある場合はそれに応じたオプション検査を検討することも大切です。
オプション検査の選び方
オプション検査は、自分の気になる部位や症状、家族歴を考慮して選択することが重要です。
例えば、家族にがんや心疾患、糖尿病などの既往がある場合は、自身も遺伝的なリスクを抱えている可能性があります。通常コースに加えて腫瘍マーカーや心電図、血糖・脂質検査などを早めに受けておくことで、病気の予防や早期発見につながります。
また、日常的に喉や声の不調を感じる方は、音声検査や咽頭内視鏡検査を含むオプションを選ぶとよいでしょう。めまいや耳鳴りが気になる方は聴力検査や平衡機能検査を加えることで、原因の特定につながります。睡眠に問題を感じる方には、睡眠時無呼吸症候群などを調べる睡眠検査がおすすめです。
このように、自分自身の身体の状態やライフスタイルに合わせてオプションをカスタマイズすることで、よりパーソナライズされた検査が実現します。
信頼できるクリニックを選ぶポイント
人間ドックを受ける際には、クリニック選びも重要な要素です。
まず、検査機器が整備されていて精度の高い検査が受けられる環境かどうか、各分野の専門性が高い医師が在籍しているかどうかを確認してみましょう。
さらに、異常が見つかった際に適切な診療科への紹介や継続的な治療が受けられるかなど、検査後のフォローアップ体制が整っているかどうか確認しておくのも大切です。
立地やアクセスのよさも、継続的な受診を考えるうえで無視できない要素です。
人間ドックを受けるクリニックを選ぶ際は、これらの点について総合的に判断して選びましょう。
人間ドックならモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORにご相談を

東京都港区六本木にあるモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORは、内科と耳鼻咽喉科を中心に、幅広い診療と人間ドックを提供しているクリニックです。ここでは、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの特徴や強みを紹介します。
内科・耳鼻咽喉科の専門の医師による精密な健康管理
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORには、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 耳鼻咽喉科専門医や日本アレルギー学会 アレルギー専門医(耳鼻咽喉科)、日本内科学会 認定医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医などさまざまな資格を有する医師が在籍しています。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症、頭頸部のがんや腫瘍、めまい、音声障害、眼科領域、消化器内科など、各分野の専門性が高い医師が連携し、専門的な視点から健康状態を総合的に評価するよう心がけられています。
短時間・少ない負担で受けられる質の高い人間ドック

個々のニーズに合わせた検査を受けられるよう、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORには多様な人間ドックコースが用意されています。
ベーシックプランでは、身体測定や血液検査、尿検査、心電図、胸部X線などの基本項目に加え、胃がんのリスクを評価するABC検査にも対応しています。ABC検査は、血液検査によるピロリ菌検査とペプシノゲン検査で胃の状態を把握することで胃がんリスクを評価できるので、胃カメラやバリウムが苦手な方でも受けやすいのが特徴です。
腹部エコーを含むベーシック人間ドックや、胃カメラを組み合わせたプラン、耳鼻科の症状別検査を受けられる耳鼻科セレクトプラン、アレルギー検査、発声機能検査など、症状に応じた項目を選べます。
さらに、耳鼻科ドックプレミアムでは、胃カメラや腹部エコー、詳細な耳鼻科検査、頭頸部CT検査などを含む包括的な検査を受けることができます。
検査結果は各分野の医師が判読と診断を行い、画像診断は医師2名のダブルチェック体制で確認されています。適切な診断と治療方針の提案、わかりやすい説明を心がけられており、必要に応じてほかの医療機関に紹介する体制も整っています。
所要時間が1〜3時間程度に抑えられているので、できるだけ短時間で人間ドックを受けたいという方も相談しやすいのではないでしょうか。
六本木駅すぐの好立地で幅広い診療内容で健康をサポート
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORは、仕事や予定に合わせて通いやすい東京メトロ六本木駅の近くにあります。WEB予約やLINEからの予約にも対応しており、空き状況を確認しながら都合に合わせた予約が可能です。
また、人間ドックだけでなく一般的な耳鼻咽喉科診療や内科診療、蓄膿症や鼻中隔湾曲症、鼓膜形成術、喉仏の手術などに対応しています。症状によって日帰り手術(※)が可能で、術後処置などのフォローにも注力されています。
病気の発見から治療までを完結できるワンストップの医療サービスを目指し、患者さんの未来の健康を守るために包括的な医療の提供が心がけられているので、健康に関する不安や気になる症状がある方、人間ドックを通して定期的な健康管理を始めたい方は、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORに相談してみてはいかがでしょうか。
※術前検査・術後の経過観察が必要です
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
東京メトロ 六本木駅3番出口より徒歩1分
| 耳鼻科の診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ● | 手術 | ● | ● | ● | ● | - | - |
| 14:00〜17:00 | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - |
| 内科・消化器科の診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:00〜12:00 | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 14:00〜17:00 | ● | - | ● | - | ● | - | - | - |
| 眼科の診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:00〜12:00 | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 14:00〜17:00 | - | - | - | ● | - | - | - | - |
※予約制
【費用(税込)】
ベーシック人間ドック 21,600円
ベーシック人間ドック腹部エコーあり 24,840円
胃カメラ(経鼻内視鏡)ベーシック人間ドック 32,400円
耳鼻科セレクト+ベーシック人間ドック 48,600円
耳鼻科セレクト+胃カメラ人間ドック 59,400円
耳鼻科ドックプレミアム 80,000円
人間ドック採血オプションプラン
腫瘍マーカー 12,000円
婦人科(女性ホルモンやリウマチ、妊娠の有無) 5,800円
アレルギー13種 15,000円
ニンニク注射 2,160円
コロナ抗体検査 5,500円
【治療期間】1日~2日
【治療回数】検査のため1回




