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「子宮頸がんの検査費用」はご存知ですか?検査の流れも解説!医師が監修!

 公開日:2024/05/22
「子宮頸がんの検査費用」はご存知ですか?検査の流れも解説!医師が監修!

子宮頸がんとは子宮の入り口にできる女性特有のがんです。20代・30代の若年層で増加傾向にあり、年間2,894人が死亡している病気です。

発症すると初期のがんを除いて子宮全摘が必要で、排尿障害などの後遺症が残るケースもあります。しかし、定期的な検査で早期発見しやすい特徴もあります。

今回は子宮頸がん検査はどの程度の費用で受けられるのか、検診の流れ・重要性と一緒に解説しましょう。

子宮頸がんの検査費用

子宮頸がんの検査費用は検診の種類によって異なります。

  • 市町村による住民検診
  • 職場での検診
  • 個人で受ける検診

以上の具体的な費用を解説します。なお会社での検診は労働安全衛生法第66条に基づき、すべての事業者が雇用する労働者に実施しなければならないと義務付けられています。
ただし法定項目のなかには婦人科系がん検診は含まれません。勤めている会社が実施している検診内容・費用は各自確認してください。

対策型検診として受ける場合

対策型検診とは集団全体のがん死亡率を減少させるために自治体が実施している検診です。
より多くの市民が検診を受けられるよう、費用は無料あるいは少額の自己負担に抑えられます。自己負担額は約2,000円以内に収まるのが一般的です。
検診費用・受診券の受け取り方法は、各自治体のホームページなどから確認できます。
すでに症状が出て診療の対象となっている人は、対策型検診を受けられないため注意しましょう。

自分で希望して受ける場合

各病院が提供している人間ドックなど、個人が希望して受ける検診は任意型検診と呼ばれます。
一般的な費用は保険適用で約5,000~6,000円、保険適用外で約18,000円(税込)です。
保険適用とされるのは自覚症状がある診療対象者に限り、無症状での定期検診を希望する場合は保険適用外で全額自己負担となります。

子宮頸がん検査が推奨されるタイミング

子宮頸がん検診を受けることが推奨されるタイミングはいつなのか解説します。
子宮頸がんは一生のうちにおよそ76人に1人が診断され、年間で2,894人が亡くなる病気です。
以下で紹介するタイミングに合うならばぜひ検診を受けて、子宮頸がんの早期発見・治療に努めましょう。

20歳以上で性交渉の経験がある方

20歳以上で性交渉の経験があるなら、子宮頸がん検査を受けることを検討しましょう。
その理由は、がんがヒトパピローマウイルス(HPV)の持続的な感染により発生すると考えられているためです。
ヒトパピローマウイルスはごくありふれたウイルスで、主に性交渉で感染するといわれています。性交経験がある女性の約8割が、一度は感染経験があるそうです。
感染したヒトパピローマウイルスのほとんどは免疫機能によって排除されますが、まれに排除されず長時間感染が続くことで一部の人の細胞ががん化するといいます。
そのため性交渉の経験がある女性であれば、子宮頸がんを発症するリスクがあるでしょう。
一方で性交渉の経験がない方でもごくわずかな確率ながら、子宮頸がん発症の可能性があります。

前回の子宮がん検診受診から2年が経過している方

前回の子宮頸がん検診ではがんの疑いがないと結果が出ても、2年経過したら再検診が推奨されます。
がん検診にはメリットだけではなく、デメリットもあります。がん検診のメリットは以下のとおりです。

  • がんによる死亡を防ぐ
  • 早期発見により治療が軽度ですむ
  • がん疑いの不安が解消する
  • がんの前段階の病変を治療できる

一方で以下のようなデメリットもあります。

  • がんを見逃し治療が遅れる
  • がん疑いに対する不要な医療行為で負担がかかる
  • 本来不要な治療で身体的・心理的・経済的負担がかかる
  • 医療行為で合併症が起こる

がん検診は定期的に受けることが求められますが、がん検診を受ける間隔が短いと患者さんの負担が増えます。
短期間に何度も受けたからと得られるメリットが増えるわけではないため、適切な間隔での受診が大事です。
子宮頸がんは進行スピードがゆっくりなため、子宮頸がん検診の頻度は2年に一度が望ましいとされています。
一度の受診で安心するのではなく、継続して受診を続けていくことが重要です。

子宮頸がん検査の流れ

子宮頸がん検査の診察時間は10〜20分です。子宮頸がん検査の流れを知って、受診のイメージをつかみましょう。

問診

問診ではまず問診票に以下のような内容を記入します。

  • 月経周期
  • 直近の月経の様子
  • 生理痛の有無
  • 月経血の量
  • 妊娠歴
  • 閉経した年齢など

月経が始まった日・月経の日数・月経周期を事前に確認しておくとスムーズです。その後、診察室で医師からの質問に答えます。

視診・内診

視診・内診は診察台に上がって行います。
視診では医師がクスコ(膣鏡)を挿入して子宮頸部の状態を確認します。観察するポイントはおりものの状態・炎症の有無などです。
内診では子宮全体・卵巣・卵管などを触診で調べます。左手の指を腟の中に入れ、右手でお腹を押して子宮・卵巣の大きさを確認する方法が一般的です。
ゆったりしたスカートなどで行くと検診を受けやすいでしょう。

細胞診

細胞診では初めにヘラ・ブラシのような専用器具を膣内に挿入して、子宮頸部の粘膜を軽くなでるようにして細胞を採取します。
少し出血する可能性もありますが、痛みを感じることはほとんどありません。採取した細胞は細胞診の専門家によって顕微鏡で調べられます。
結果は基本的に1ヵ月以内でわかり、郵送・医師からの説明のいずれかの方法で知らされます。

HPV検査

HPV検査とは細胞の一部を採取して行うウイルス検査です。細胞診と組み合わせることで前がん病変の発見率を高めるといいます。
前がん病変とはがんになる前の病変であり、この段階で治療を開始できれば、子宮を温存した治療が可能です。HPV検査は一部の自治体で導入が始まっています。
各自治体がHPV検査を導入しているかは、ホームページなどから確認できます。

子宮頸がん検査の重要性について

子宮頸がん検査の重要性を解説します。子宮頸がんを受けることでどのようなメリットが得られるか知っておくことは大切です。

早期治療で治る可能性が高まるから

がんが発症しても、早期段階で検査を受け精密検査でがんを発見できれば、早期治療に取り組めて死亡リスクも下げられるメリットがあります。
自覚症状が発生する前に定期検診でがんを発見することがポイントです。

多くの子宮頸がんは早期治療で治る可能性が高まるから

がんになる前の病変CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)・AIS(上皮内腺がん)が異形成を経て子宮頸がんを発症します。
そのため定期検診でがんになる前に発見しやすい疾患です。
初期段階の子宮頸がんで治療開始できれば、子宮頸部の異常な組織を取り除く円錐切除術で8割以上が治り、子宮も温存できます。

子宮頸がんの検査についてよくある質問

ここまで子宮頸がんの診療科や治療方法・検査方法などを紹介しました。ここでは「子宮頸がんの検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

子宮頸がんの検査はなぜ2年に1回の間隔でよいのでしょうか?

検査の頻度が少ないように感じられるかもしれませんが、子宮頸がんはゆっくりと進行するがんです。前がん状態から進行がんに移行するまでには2〜3年はかかるため、予防効果を得るには2年に1回の検査で十分と考えられます。

検診の日と生理が重なった場合でも検査は受けられますか?

検査は不可能ではありませんが、正しい結果が得られない可能性があります。また自治体によっては生理期間中の受診はできないため、生理期間を避けて検査を申し込むほうが無難でしょう。

編集部まとめ

子宮頸がん検査の費用は自治体・職場の補助を受け受診するか・個人で受診するかで異なります。

補助を受ける際は無料もしくは約2,000円以内、個人で受診する際は保険適用で約5,000~6,000円、保険適用外で約18,000円(税込)となるのが一般的です。

子宮頸がんは検査を受ければ早期発見しやすい疾患です。2年に一度の検査を継続して、死亡リスクを抑えましょう。

子宮頸がんと関連する病気

「子宮頸がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 子宮がん
  • 子宮頸部上皮内腫瘍
  • 上皮内腺がん

子宮頸がんやそれに関連する病気は検査で早期発見しやすい病気です。自治体の補助を受ければ安価で受けられるため、ぜひ定期的な検査を習慣にしましょう。

子宮頸がんと関連する症状

「子宮頸がん」と関連している、似ている症状は6個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

子宮頸がんの初期症状は無症状です。以上の症状が出ている際はがんが進行していると疑われるため、早急に産婦人科で相談しましょう。

この記事の監修医師