「手のひらに透明のぶつぶつ」はどんな病気が考えられる?医師が解説!
手のひらに透明のぶつぶつがある時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「手のひらに透明のぶつぶつ」ができる原因をご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修皮膚科医:
伊藤 礼司(松江市立病院)
日本医師会認定産業医。卒後臨床研修指導医。緩和ケア研修修了。
目次 -INDEX-
「手のひらに透明のぶつぶつ」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「手のひらに透明のぶつぶつ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
汗疱 (かんぽう)
汗疱とは、夏から春にかけて多く見られる、手のひらや足のうら、手足の指の側面に水ぶくれができる病気です。汗を大量にかいて汗腺が詰まり、皮膚内に溜まった汗が炎症を起こすことが原因と考えられています。水疱が破れて炎症を起こすと激しいかゆみや痛みを引き起こすこともあります。
患部をかかないようにし、早めに皮膚科を受診しましょう。ステロイド外用薬などが治療に使用されます。水虫と勘違いして水虫用の市販薬を使用すると症状が悪化することがあるので気を付けましょう。
手白癬(てはくせん)
手白癬とは、手に白癬菌が感染する病気です。白癬菌とは水虫とも呼ばれ、カビの一種です。水ぶくれができる、手のひらの皮膚がガサガサになるなどの症状が現れます。足の水虫や爪の水虫から感染して発症することも多くあります。手白癬が疑われる場合は、足の指や爪が白くなったり、ジュクジュクしていないか、水疱ができていないかなどをチェックしましょう。
対処法は水虫用の抗菌薬の使用ですが、水虫が原因でないのに誤って水虫用の薬を使用すると症状が悪化してしまうことがあるため、疑わしい場合は自力で対処せずまず皮膚科を受診し、白癬かどうかを調べてもらいましょう。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症とは、手のひらや足の裏に水ぶくれや膿が繰り返しできる病気です。スネや膝などに症状が現れることもあります。水ぶくれはでき始めにかゆみを伴うことが多く、その後茶色っぽいかさぶたになり、剥がれ落ちるという経過をたどります。発症の原因は詳しく分かっていませんが、喫煙や扁桃炎や歯周炎、ストレスと関わりがあるのではないかと考えられています。対処法は、水疱や膿を潰したりしないようにしましょう。また剥がれてくる角層を無理に剥がさないようにしましょう。禁煙をすることも大切です。治療法にはステロイド外用薬などの使用、紫外線療法などがあります。水虫と見た目が似ているため、疑わしい場合は早めに皮膚科を受診しましょう。掌蹠膿疱症であれば感染する可能性はありません。
手湿疹
手湿疹とは手のひらや手の甲、指などに赤みのある腫れや水ぶくれ、かゆみ、ひび割れなどの症状が現れるものです。ブツブツとした発疹ができたり、広範囲に広がることもあります。お湯や洗剤などの刺激により手の油分や水分を保つ機能が失われることや、金属やゴムなどのアレルギーによって発症する場合などがあります。刺激となる物質やアレルギーを引き起こす物質を特定・除去することが大切です。
食器洗いの際には木綿の手袋をしてからゴム手袋を使用するなどの方法があります。治療法としては、ステロイド外用薬の使用やかゆみ止めの内服などがあります。ステロイドは強い薬なので、医師の管理のもと使用しましょう。症状が気になる場合、良くならない場合は皮膚科を受診しましょう。
「手のひらに透明のぶつぶつ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「手のひらに透明のぶつぶつ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
掌に透明な水ぶくれがあるとき、何科を受診したら良いですか?
伊藤 礼司 医師
主な診療科は皮膚科です。
手のひらの透明のぶつぶつは皮膚の乾燥と相関関係はありますか?
伊藤 礼司 医師
乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、炎症や皮膚のトラブルを起こしやすくなります。皮膚が乾燥しないよう保湿剤を使用することは大切です。
ストレスが原因で手のひらに透明のぶつぶつができることはありますか?
伊藤 礼司 医師
ストレスは肌の状態と深く関連していると言われています。ストレスを感じると分泌されるホルモンは肌を乾燥させてしまうため、肌の乾燥は肌のバリア機能の低下を招き外部からの刺激に弱くなり、少ない刺激やアレルゲンで症状が現れやすくなります。ストレスを溜めないよう、また肌の保湿を心がけましょう。
指にできた透明なぶつぶつは病院できれいに治療できますか?
伊藤 礼司 医師
指にできた透明なぶつぶつは、どの程度きれいに治療できるかは個人差があり何とも言えません。できるだけ軽症のうちに治療を開始すると予後(経過)も良いので、症状がひどくなる前に受診しましょう。
子供の手のひらに透明のぶつぶつがある場合の原因を教えて下さい。
伊藤 礼司 医師
子供の手のひらに透明のぶつぶつがある場合は、接触皮膚炎、汗疱、イボ、虫さされなどが考えられます。
まとめ
手のひらの症状は非常に再発を繰り返しやすいことが知られています。きちんと治し切ることや、アレルギーが原因の場合はアレルゲンをしっかり除去すること、治った後も手指を清潔に保ち、手洗い後などは保湿をするなどのケアも重要でしょう。
手のひらの透明なぶつぶつは専門家でも原因を特定するのには顕微鏡検査が必要であることが多く、肉眼で見ただけでは非常に判別の難しい症状です。特に水虫かそうでないかは治療方針が大きく異なります。疑わしい場合はまず皮膚科を受診した方が良い症状と言えるでしょう。
「手のひらに透明のぶつぶつ」で考えられる病気と特徴
「手のひらに透明のぶつぶつ」から医師が考えられる病気は16個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
多くは皮膚科で対応可能な病気ですので、改善しない場合や気になる場合には皮膚科で相談しましょう。
「手のひらに透明のぶつぶつ」と関連のある症状
「手のひらに透明のぶつぶつ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 手の皮がむける
- 手のひらがかゆい
- 腕 ぶつぶつ
- 手のひらに赤いぶつぶつができる
- 手のひらに膿ができる
- 小さな水ぶくれ・かゆみ
- 湿疹・発疹