1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 医科病気Q&A
  4. アトピー性皮膚炎の対策方法を解説|原因や外用薬以外の対策方法もご紹介

アトピー性皮膚炎の対策方法を解説|原因や外用薬以外の対策方法もご紹介

公開日:2022/05/14  更新日:2022/05/13
鏡を見て悩む女性

アトピー性皮膚炎を改善するには、原因を知ること・正しい対策をしていくことが大切です。

アトピー性皮膚炎は症状が出ると皮膚がカサカサしたり、強いかゆみでストレスになったりとつらい状況になります。

つらい症状で悩んでいる方に向けて、アトピー性皮膚炎の特徴と正しい対策方法を紹介します。

アトピー性皮膚炎になる原因や気をつけた方がよい習慣なども紹介するため、参考にしてみてください。

松澤 宗範 医師

監修医師
松澤 宗範(医師)

プロフィールをもっと見る
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

アトピー性皮膚炎の特徴

頬に手を当てる女性

アトピー性皮膚炎の具体的な症状は?

  • 主な症状は皮膚が赤くなる・ブツブツができる・乾燥してカサカサする・皮が剥ける・かさぶたができる・強いかゆみなどです。特にストレスにつながりやすい症状はかゆみで、無意識にもしくは我慢できずに掻いてしまうことでさらなる悪化を招くことがあります。
  • アトピー性皮膚炎は軽症・中等症・重症・最重症に分類され、最重症になると強い炎症が体の面積の30%以上を占めます。
  • 特に湿疹が出やすい部分は口まわり・耳まわり・関節部・手・足の裏・頭・顔で、外気に触れる部分は皮膚の水分が蒸発しやすいため、悪化しやすいのが特徴です。

アトピー性皮膚炎になる原因は何ですか?

  • アトピー性皮膚炎になる原因は1つではなく、さまざまな要因が重なることで発症します。主な原因として挙げられるのは「体質的要因」と「環境的要因」です。
  • 体質的な要因としては、アトピー性素因を持っている・特異的lgE抗体を作りやすい体質等が関連しています。アトピー性素因とは本人または家族がアレルギー性の病気(気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎・結膜炎など)を持っていることを指します。特異的lgE抗体とは特定のアレルギー(ほこりやダニなど)に強く反応するかどうかです。つまりこのようなアレルギー体質となり得る要因が揃っていると、アトピー性皮膚炎を引き起こしやすいのです。
  • また外部からの刺激や乱れた生活習慣・ストレスなどの環境的な要因も密接に関係します。

アトピーになりやすい人の特徴はありますか?

  • アトピー性皮膚炎の多くは乳幼児期に発症しますが、環境要因によって大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する方もいます。
  • 大人になってから発症しやすい方の特徴は不規則な生活を送っている・ストレスをためやすい方です。これらの特徴がある方は肌のバリア機能が低下し、アレルゲンが体内に侵入しやすい状況を作り出してしまいます。睡眠不足やお酒などの習慣はアレルギー素因を暴走させるきっかけとなり、突如アトピー性皮膚炎を発症させてしまうのです。
  • 一見関係ないと思われがちなストレスも、アトピー性皮膚炎と密接に関わっています。ストレスが強いとかゆみの症状が出た時に無意識に掻いてしまう可能性もあり、さらに状態を悪化させる場合もあります。

検査はどこで受けられますか?

  • アレルギー全般を調べる場合はアレルギー科を受診するのが良いといわれていますが、アレルギー科を標榜しているクリニックは非常に少ないのが現状です。
  • まずはアレルギー検査をしてくれる皮膚科や内科を受診しましょう。乳幼児の場合は小児科でも検査を実施してくれる病院があるため、チェックしてみてください。
  • アトピーの検査は血液検査で「TARC」(thymus and activation-regulated chemokine)という物質の量を検査し、アトピーの重症度を確認します。同時にアレルギー検査を実施し、ダニ・カビ・動物などアトピーを悪化させる要因があるかどうかをチェックします。

アトピー性皮膚炎の対策は?

考える女性

外用薬を塗布する際に注意すべきことはありますか?

  • 外用薬は医師が指示した用量・期間を守って使用するようにしましょう。外用薬を使用する際は塗る量が重要です。具体的には軟膏を塗った部位にティッシュペーパーを押し当て落ちてこないくらいの量が必要です。
  • また、外用は擦り込まずに塗るのが重要です。量が少なすぎるとなかなか良くならなかったり、逆に多すぎると副作用が出やすくなったりするからです。アトピー性皮膚炎で処方される薬は主にステロイド系の外用薬ですが、ステロイドに抵抗がある方も少なくありません。抵抗があるからといって量を少なくしてしまうと、炎症が抑えきれずなかなか良くならない場合があります。
  • 再発を防ぐためには一定期間塗り続けることも重要です。表面上治ったからといって薬を塗るのを止めてしまうと、皮膚の下で続いている炎症が大きくなり悪い状態を繰り返す悪循環ができてしまいます。まずは薬で炎症を抑えることがポイントです。

家でのスキンケアはどのようにしたら良いでしょうか?

  • スキンケアは皮膚を清潔に保ち、うるおいのある肌状態をキープするということを意識しながら行いましょう。
  • 入浴の際には刺激にならないように気をつけながらよく洗い、しっかりすすぐことが大切です。すすぎが不十分だと石鹸の成分が刺激となり、炎症を引き起こす可能性があるからです。
  • また入浴後は保湿剤を全身に塗り、肌が乾燥しないようにします。入浴後は特に肌が乾燥しやすい状態なため、なるべく時間を置かずにすぐ保湿するようにしましょう。

保湿剤と外用薬の重ね塗りはNGですか?

  • 強い炎症を起こしている場合には外用薬のみにしておきましょう。皮膚が炎症している間に保湿剤を重ねてしまうと血行が促進されて、かゆみが増してしまう可能性があります。
  • 炎症がおさまってきたら保湿剤をプラスして肌をうるおいで満たしてあげましょう。保湿剤と外用薬では塗布する目的や役割が異なり、外用薬は炎症を鎮める効果のみで保湿効果はほとんどないためです。保湿剤を塗るときのポイントは湿疹があるところだけではなく全身に塗ることです。
  • 保湿剤としてよく使われている白色ワセリンはベタベタする質感ですが、皮膚に油膜を張ってくれるため水分が蒸発されるのをしっかりと防いでくれます。

タオルで体を洗っても大丈夫ですか?

  • タオルを使うと刺激となるため、なるべく使わずに洗うことをおすすめします。アトピー性皮膚炎の炎症中は、ほんの少しの刺激でも炎症を悪化させるきっかけとなり得ます。
  • 刺激を避けるため、手のひらを使って優しく丁寧に洗うようにしましょう。

外用薬以外の対策方法

指を立てて笑う女性

歳をとるとアトピーは落ち着くと聞きますが…。

  • 乳幼児期のアトピー性皮膚炎は治るケースが多いです。
  • しかし大人になってから再発することもあり、大人になってから発症したアトピー性皮膚炎は治りにくいといわれています。
  • 昨今では大人になってから突如症状が出るケースも増加しています。

掃除・寝具の交換はどのくらいの頻度で行うべきでしょうか。

  • 本来は寝具の交換は毎日、1週間に1回の丁寧な掃除が理想といわれています。難しい場合には1年に1回布団の丸洗いをし、1.2ヶ月に1回掃除をするという方法もあります。
  • 寝具自体を変えるという方法もおすすめです。防ダニタイプの寝具や高密度繊維布団カバーを使用することでダニやノミの侵入を防げます。
  • ライフスタイルに合わせて無理なく清潔を保てる掃除方法を確立していきましょう。

食物アレルギーなどの配慮は必要ですか?

  • 乳児の場合は食物アレルギーがアトピー性皮膚炎と関連している場合がありますが、小児や成人のアトピーは食物アレルギーとの関連がないケースが多いです。
  • 食物アレルギーが心配な場合は、検査で食物アレルギーの有無を明らかにします。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

  • アトピー性皮膚炎はさまざまな要因が重なって発症するため、「自分の行動のせいだ」などと自分を責めることはありません。もともとの体質やアレルギー素因によって突然発症してしまうことがあるのです。
  • 気になる症状がある方は、検査を行っている皮膚科・内科・アレルギー科で検査を受けてみましょう。

編集部まとめ

両手を頬に当てて目を閉じる女性
アトピー性皮膚炎とは「体質」と「環境」が要因となり、皮膚が赤くなる・カサカサする・ブツブツができる・かゆみなどの症状を引き起こす病気です。

適切な検査を行いアトピー性皮膚炎を表す数値が高く出た場合は、医師の処方によって外用薬を使いながら改善していきます。

外用薬以外にも皮膚を清潔に保つ・保湿をする・寝具をまめに掃除するなどの対策ができます。

アトピー性皮膚炎は正しい対策を行えば改善し得る病気です。症状が出る原因を知り、自分にできる対策をしていくことで症状が出にくい肌を目指していきましょう。