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「腕にぶつぶつ」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

腕のぶつぶつが気になっている方も多いでしょう。特に二の腕はぶつぶつが出やすい場所で、白や茶色のぶつぶつが出ることが少なくありません。

触るとザラザラしていることが多いものの、激しい痛みや痒みを伴うことはあまりありません。

ただ、自覚症状がほとんどない場合でも「人に見られたくない」と感じるのも無理はないでしょう。

できれば、ぶつぶつのないつるつるのお肌にするのが理想的です。ここでは、腕のぶつぶつが出やすい皮膚疾患や対策方法についてお伝えさせて頂きます。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。現在は「竹内内科小児科医院」の院長。日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医。

腕のぶつぶつの症状の特徴

カルテを指す医師
腕にぶつぶつが出た場合、色やかゆみの有無も、病気の種類を特定する判断材料になります。
適切な治療を受けるためにも、病気の特定が先決です。
腕にぶつぶつが出ていることに気づいたら、いつからどのようなぶつぶつが出ているのか情報をメモしておきましょう。診察のときに役立ちます。
腕にぶつぶつが出る皮膚疾患は何種類かあるので、気になるときは病院で診察を受けるのが一番です。

白・茶色の小さなぶつぶつが出る

腕のぶつぶつは原因となる皮膚疾患によって、色にも違いが出ます。例えば、アトピー性皮膚炎やニキビの場合は、赤みを伴う症状が出現しやすくなるのが特徴の1つです。
一方毛孔性苔癬の場合は、白や茶色の目立たない色をしているケースが目立ちます。
少しだけ赤くなっていることもありますが、アトピー性皮膚炎やニキビの赤みに比べると色は濃くありません。
多くの場合は健康な皮膚と同じ色をしていることが多いので、近くに寄ってはじめて症状に気づくことが多いでしょう。

かゆみ・痛みの有無

同じ腕のぶつぶつでも、かゆみや痛みの有無は皮膚疾患によって異なります。
もしアトピー性皮膚炎による湿疹が腕に出ている場合は、かゆみを伴うことが大半です。症状が悪化すると、皮膚をかき壊してしまうほど強烈なかゆみを伴うことも珍しくない皮膚疾患です。
また、患部は腕に限らず顔など全身に及ぶのが一般的なパターンになります。
子どもの頃に発症して、成人になってから自然に症状が落ち着くこともあります。ただ、多くの場合、かゆみを伴う湿疹など辛い症状が長年に渡り出現する慢性疾患です。
しかし毛孔性苔癬の場合、激しいかゆみを伴うことはほとんどありません。
なかにはかゆみを訴える患者さんもいらっしゃいますが、かゆみの度合いは軽いことが大半です。

腕のぶつぶつが出やすい皮膚疾患

ぶつぶつが出てきいる足
二の腕にぶつぶつが出た場合、いくつかの皮膚疾患を疑うことができます。そのため、実際の症状を診ないと、具体的な病名を診断することはできません。
小児性乾燥性湿疹・魚鱗癬・アミロイド苔癬・アトピー性皮膚炎・毛嚢炎など、腕にぶつぶつが出ることのある皮膚疾患は色々あります。

毛孔性苔癬

毛孔性苔癬は、腕にぶつぶつが出る代表的な皮膚疾患です。とても身近な症状で、健康な方でもちょっとしたぶつぶつが出ることがあります。
皮膚の毛穴に角栓が詰まってしまい、角化性の病変が出現すると毛孔性苔癬と診断されることが多いでしょう。
ちょうど毛穴のところにぶつぶつができることが特徴的で、触るとザラザラしていることがわかります。
また、ぶつぶつは左右対称に出現するのも特徴の1つで、どちらか片側だけに症状が出ることはありません。特に病変が出やすいのは二の腕ですが、患者さんによっては太ももの外側や臀部に出ることもあります。
顔に出現するケースも報告されていますが、ごく稀です。アトピー性皮膚炎のように全身にぶつぶつが出ることはなく、腕や太ももなど部分的に症状が現れます。
ほとんどの患者さんは、症状が出始めるのが子どもの頃です。思春期を迎える年代でぶつぶつがよく目立つようになります。
年齢が若い頃は見た目も気になるので、毛孔性苔癬の症状がひどくなるとコンプレックスになってしまう可能性もあるかも知れません。
ただし症状のピークを迎えた後は、年齢を重ねるにつれてぶつぶつは徐々に目立たなくなります。成人してもぶつぶつが残るケースはありますが、少しずつ消滅するパターンを辿ることが少なくありません。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎も腕にぶつぶつが出る皮膚疾患ですが、症状は腕に限定されず顔など全身に及ぶケースが大半です。
子どもの頃から発症しやすいところと症状が左右対称に出るところは毛孔性苔癬と似ていますが、アトピー性皮膚炎のぶつぶつはかゆみを伴うのが特徴です。
また、大人になって自然に治ることもありますが、専門の治療を受けない限りひどくなるケースも少なくありません。
その他、腕の外側にぶつぶつが出る毛孔性苔癬とは異なり、アトピー性皮膚炎の湿疹は肘の内側に出やすい特徴もあります。
年齢によって湿疹が出やすい部位が変わるところなど、毛孔性苔癬とは異なる特徴は他にも色々あり、違いは歴然です。皮膚科を受診すれば、どちらの皮膚疾患なのか診断してもらえるでしょう。

毛嚢炎

毛嚢炎は、毛穴が細菌に感染することで発症する感染症の1つです。抗生物質の内服剤を服用して治療することになるでしょう。
毛を剃ったときにばい菌が入り込み、炎症を起こすケースもよくありますが、糖尿病などの合併症として発症するケースも報告されています。
何らかの理由で免疫機能が落ちているときに、発症率が高くなる傾向があるので要注意です。もし発症してしまった場合も、免疫力の低下の影響で重症化しやすくなることが指摘されています。

毛孔性苔癬による腕のぶつぶつの対策方法

タオルで胸を覆っている女性の肩
毛孔性苔癬が原因で腕にぶつぶつが出てしまったら、春や夏など腕を露出する季節に少し気になることもあるでしょう。どんな対策方法でケアすれば良いのでしょうか。

保湿

毛孔性苔癬による腕のぶつぶつが気になる場合は、保湿対策に励むと効果的です。病院を受診した患者さんにも、角質が水分を保持できるよう促すための成分を配合した外用薬を処方します。
ヘパリン類似物質などの成分の働きの1つは、角質が水分不足に陥らないよう手助けする役割です。
多くの皮膚疾患にとって乾燥は大敵ですが、毛孔性苔癬も例外ではありません。
保湿成分を配合した外用薬を塗り続けると、次第に患部のザラザラした感触が落ち着いていく可能性があります。市販されているクリームのなかには、ヘパリン類似成分が入ったクリームなどもあります。
特に秋や冬は空気が乾燥しやすく、毛孔性苔癬の症状がひどくなりやすいシーズンです。ぶつぶつが気になる方は、まず保湿対策を取り入れてみて下さい。

ピーリング

毛孔性苔癬による腕のぶつぶつは、角栓のトラブルによって出現しています。従って、サリチル酸や尿素などピーリング作用のあるクリームでケアすることも、おすすめです。
尿素やサリチル酸などの成分には、増えすぎた角質を柔らかくして溶かす作用が期待できます。
同時に、角質が水分をたっぷり保持できるよう促す役割も担っているので、毛孔性苔癬の症状の緩和に役立つと考えられます。
セルフケアの方法では、お風呂に入ったときに専用のスポンジなどで優しく患部を擦って角質を取り除いてみて下さい。症状が良くなる可能性があります。

日焼け対策

毛孔性苔癬は乾燥によって症状がひどくなる傾向があるため、日焼け対策も欠かせません。暑い季節は、乾燥しやすい上に紫外線の被害が心配です。
ぶつぶつがある部分に紫外線が直接当たらないよう、長袖の衣類や上着などでカバーすると症状の悪化を予防しやすくなります。
半袖やノースリーブを着るときは、日焼け止めを塗って紫外線の影響をダイレクトに受けないよう注意しましょう。
もし日焼けしてしまったときは肌が普段より乾燥し、毛孔性苔癬の症状も悪化することが予想できます。いつも以上に、保湿クリームなどで水分を補う対策に励んで下さい。

毛孔性苔癬による腕のぶつぶつは自然に治るのか

保湿クリームをすくい上げる手
腕のぶつぶつが毛孔性苔癬なら、症状のピークを思春期頃に迎えた後、少しずつ目立たなくなっていく可能性大です。
多くの患者さんは20代、30代以降自然に症状が軽くなり、やがてぶつぶつがなくなるパターンを辿っています。
ただし、年齢が若くてもぶつぶつが気になる場合や重症化している場合は、医療機関で治療を受けることを検討してみても良いでしょう。見た目を気にして受診する女性患者さんも少なくありません。
毛孔性苔癬と診断された場合、外用薬など健康保険が適用される治療を受けることが可能です。
患者さんには、肌を柔らかくする成分や保湿成分が配合された外用薬を処方することになるでしょう。
こういった外用薬で改善が見られない場合、密封療法など他の治療法を検討することになります。

まとめ

タンクトップの女性の二の腕
腕のぶつぶつに悩んでいる方は大勢いらっしゃいます。触るとザラザラしているので、ふと触れたときに気になる方も多いでしょう。

特に女性は見た目の問題で気にされている方が少なくないので、悩んでいる場合は医療機関に相談して下さい。

30代以降になれば自然に治る可能性もありますが、医療機関で治療を受けた方が早く改善できる可能性があります。

重症の場合は特にセルフケアだけで改善するのが難しいため、専門家に相談するのがおすすめです。

この記事の監修医師