「血液検査」でわかる項目と基準値とは?子供から高齢者まで医師が解説!

血液検査の各項目の基準値はどのくらい?メディカルドック監修医が、成人・小児・高齢者の年齢層別に設定された代表的な項目の基準値や分類について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血液検査における各項目の基準値」はどれくらい?発見できる病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
血液検査とは?
血液検査とは、採取した血液を用いて行う検査全般を指します。身体の状態を評価し、病気の診断や治療をするために大切な検査です。血液検査でわかる項目はたくさんありますが、大まかに3種類に分かれています。
・生化学検査
タンパク質、糖、カルシウムやカリウムなどの電解質といった色々な成分について、血液中にどれくらい含まれているか調べる検査です。高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や、甲状腺機能などの内分泌機能の異常、肝臓、腎機能の異常などの病気がわかります。
・血球系検査
赤血球、白血球、血小板を調べる検査です。貧血や炎症、感染症や血液に関わる病気などがわかります。
・免疫検査
体の中での炎症の有無や、自己免疫疾患の有無、肝炎などの感染症の有無を調べる検査です。
血液検査の基準値
ここで、血液検査でわかる主な項目の基準値を紹介します。基準値は受診する医療機関によって異なりますので、結果に記載された基準値をご確認ください。
以下では、日本人間ドック・予防医療学会に掲載されている項目・基準値をご紹介します。
成人の基準値
健康診断で測定されることが多い項目の基準値は以下のようになっていますが、検査を受ける医療機関によって多少前後することがあります。ここでは、日本人間ドック・予防医療学会または日本臨床検査医学会が示す項目・基準値をご紹介します。
| 項目 | 基準値(基準範囲) |
|---|---|
| 総タンパク(TP) | 6.5~7.9(g/dL) |
| アルブミン(ALB) | 3.9以上(g/dL) |
| AST(GOT) | 30以下(U/L) |
| ALT(GPT) | 30以下(U/L) |
| γ-GTP | 50以下(U/L) |
| クレアチニン(CRE) | 男性1.00以下、女性0.70以下(㎎/dL) |
| eGFR | 60.0以上(mL/分/1.73㎡) |
| 尿酸(UA) | 2.1~7.0以下(㎎/dL) |
| 中性脂肪(TG) | 30~149(㎎/dL) |
| HDLコレステロール | 30~39(㎎/dL) |
| LDLコレステロール | 60~119(㎎/dL) |
| Non-HDLコレステロール | 90~149(㎎/dL) |
| 血糖値(空腹時) | 99以下(㎎/dL) |
| HbA1c | 5.5以下(%) |
| 赤血球(RBC) | 男性4.35~5.55、女性3.86~4.92(106/μL) |
| ヘモグロビン(Hb) | 男性13.1~16.3、女性12.1~14.5(g/dL) |
| ヘマトクリット(Ht) | 男性40.7~50.1、女性35.1~44.4(%) |
| 白血球(WBC) | 3.1~8.4(103/μL) |
| 血小板(PLT) | 14.5~32.9(104/μL) |
| CRP | 0.30以下(㎎/dL) |
小児の基準値
小児の年齢は明確な定義がありませんが、医学的には15歳未満を指すことが多いです。小児の中でも発達段階によって基準値が違いますが、ここでは「小児臨床検査基準値」として公表されているもののうち、12歳の基準値をご紹介します。
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| 総タンパク(TP) | 6.3~7.8(g/dL) |
| アルブミン(ALB) | 3.8~4.7(g/dL) |
| AST(GOT) | 男性15~31、女性15~30(IU/L) |
| ALT(GPT) | 男性9~32、女性9~28(IU/L) |
| γ-GTP | 男性8~37、女性8~34(IU/L) |
| 赤血球(RBC) | 男性4.15~5.40、女性4.07~5.10(106/μL) |
| ヘモグロビン(H) | 男性12.2~15.7、女性11.9~14.9(g/dL) |
| ヘマトクリット(Ht) | 男性35.8~45.0、女性35.0~43.0(%) |
| 白血球(WBC) | 男性4.0~10.7、女性3.8~10.1(103/μL) |
| 血小板(PLT) | 18.0~44.0(104/μL) |
高齢者の基準値
高齢者は、成人の上限を超えた65歳よりも上の年齢を指します。ここでは、70歳の基準値として示されているものをご紹介します。
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| アルブミン(ALB) | 男性3.7~4.3、女性3.8~4.4(g/dL) |
| AST(GOT) | 男性8~20、女性8~16(U/L) |
| ALT(GPT) | 男性21以下、女性17以下(U/L) |
| γ-GTP | 男性40~90、女性15~45(U/L) |
| クレアチニン(CRE) | 男性1.1~1.5、女性0.8~1.4(㎎/dL) |
| 尿酸(UA) | 男性4.4~6.4、女性3.7~5.9(㎎/dL) |
| 中性脂肪(TG) | 男性51~167、女性70~154(㎎/dL) |
| HDLコレステロール | 男性40~60、女性45~65(㎎/dL) |
| LDLコレステロール | 男性90~150、女性105~145(㎎/dL) |
| 血糖値(空腹時) | 男性92~116、女性104~130(㎎/dL) |
| HbA1c | 男性4.4~6.6、女性4.8~6.6(%) |
| 赤血球(RBC) | 男性3.47~4.63、女性2.74~3.44(106/μL) |
| ヘモグロビン(Hb) | 男性11.1~14.5、女性10.6~13.6(g/dL) |
| ヘマトクリット(Ht) | 男性32.3~42.7、女性31.7~40.9(%) |
| 白血球(WBC) | 男性4.9~7.5、女性4.7~7.1(103/μL) |
| 血小板(PLT) | 男性15.6~26.6、女性16.3~28.7(104/μL) |
「血液検査の基準値」についてよくある質問
ここまで血液検査の基準値について紹介しました。ここでは「血液検査の基準値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血液検査ヘマトクリットの基準値を教えてください。
伊藤 陽子(医師)
日本臨床検査医学会のガイドラインによると、
男性: 40.7% ~ 50.1%
女性: 35.1% ~ 44.4%
とされています。医療機関ごとに若干異なる場合がありますので、ご自身が検査を受けた医療機関の基準値をご確認ください。
血液検査でがんを発見できますか?
伊藤 陽子(医師)
前述の血液検査で調べる項目は、スクリーニング検査です。がんを発見するきっかけになる可能性もありますが、必ず見つけられる保証はありません。血液検査として腫瘍マーカーが調べられますが、腫瘍マーカーが高値だからと言ってがんであると言い切れず、特に早期の場合はがんであっても高値にならないとされています。よって、確実にがんを発見できるとは言えません。
編集部まとめ
血液検査ではさまざまな項目を調べており、それぞれに基準値が設定されています。肝臓、腎臓、糖尿病、貧血、感染症など多くの病気の可能性がわかるのが血液検査です。精密検査の指示を受けたら、どの項目が当てはまっているか確認して早めに受診しましょう。自覚症状がなくても病気が進行している可能性もありますので、早期発見・早期治療につなげましょう。
「血液検査」の異常で考えられる病気
「血液検査」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
腎臓の病気
- 慢性腎障害
上記の病気は考えられる病気のごく一部です。また、血液検査だけでは診断できない場合も多いため、健康診断などで異常を指摘された場合には再検査を受診しましょう。




