「大腸がん」を発症すると体のどこに「痛み」を感じるの?医師が徹底解説!
大腸がんを発症すると体のどこに痛みを感じる?Medical DOC監修医が大腸がんの初期症状・痛みを感じる部位・原因・検査法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「大腸がん」を発症すると体のどこに「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。
目次 -INDEX-
「大腸がん」とは?
大腸がんは、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に発生するがんです。大腸がんは2019年の統計では、部位別のがんの罹患数が男女別ではそれぞれ2位ですが、男女を合わせると1位となる罹患率の高いがんです。大腸がんは食の欧米化とともに増加し、年齢層では40歳から増加し始めます。大腸がんとその初期症状や痛みの部位を理解して、適切な検査を受けることが重要です。
大腸がんを発症すると体のどこに痛みを感じる?
大腸がんに特徴的な痛みの部位や典型的な症状と言えるものは少なく、他の疾患に由来するものの可能性もあります。お腹の痛みだけでは確定診断ができませんので、気になる症状があるときはお近くの医療機関への受診がおすすめです。
お腹の左右片側の痛み
大腸のうち、右側に位置するのは盲腸と上行結腸、左側には下行結腸があります。それぞれの部位にがんができた場合はお腹の左右、片側に痛みを生じる可能性があります。前述のような波のある腹痛には注意をしましょう。いずれにしても、痛みが気になる場合は内科・消化器科を受診しましょう。
みぞおち・下腹部の痛み
みぞおちには大腸のうち横行結腸が、下腹部にはS状結腸が位置しています。横行結腸やS状結腸は可動性が高いので、人によっては臍付近を走行している場合もあります。横行結腸がんではみぞおちの痛みが、S状結腸では下腹部の痛みが生じる可能性があります。ただし、痛みだけでは疾患の確定には至りません。心窩部痛は胃や心臓などの病気、下腹部は膀胱や女性では婦人科臓器もあります。みぞおちや下腹部の気になる痛みの症状がある場合は、まずはお近くの内科を受診しましょう。
肛門部痛
大腸がんの中でも肛門に近い直腸がんでは、肛門部の痛みがでることがあります。肛門部の痛みは痔核でも生じるので、ご自身でがんかどうか見分けるのは難しいです。肛門部の痛みについては内科や肛門科、外科で相談しましょう。
「大腸がんの痛み」についてよくある質問
ここまで大腸がんの痛みなどを紹介しました。ここでは「大腸がんの痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
手遅れとなる大腸がんの症状について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
腹部の強い張りや嘔吐を繰り返す、食事が摂れないような症状が出るときは、大腸がんが進行して腸閉塞を起こしている可能性があります。このような症状が出た場合にはすぐに内科救急を受診しましょう。
大腸がんを発症すると便はどんな色になりますか?
齋藤 雄佑 医師
大腸がんの特徴的な症状に血便があります。大腸がんによる血便の色は鮮やかな赤色の場合が多いとされています。対照的に、胃などの口に比較的近い部位からの出血では便が黒色になることが多いので、知っておきましょう。
編集部まとめ
大腸がんは日本人の男女で罹患率が高いことで今日注目されているがんです。その原因の全てがわかっているわけではありませんが、飲酒や喫煙、食生活などの生活習慣を避けることでリスクを下げられます。また、大腸がんは早期に発見できれば非常に良好な予後が期待できるがんです。40歳以上の方は大腸がん検診や定期的な健康診断により、なるべく早期で大腸がんが発見できる体制を整えておくことが重要です。
「大腸がんの痛み」と関連する病気
「大腸がんの痛み」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
血液科の病気
- 貧血
- 体重減少
婦人科の病気
大腸がんによくみられる症状の腹痛は、大腸がん以外の病気でも起こることもあります。痛みが出現し長引く場合には、我慢せず内科もしくは消化器科を受診することをお勧めします。
「大腸がんの痛み」と関連する症状
「大腸がんの痛み」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
痛みとともに上記のような症状が出現した場合には大腸がんによる痛みかもしれません。特に症状が持続している場合には早めに医療機関を受診することをお勧めします。