緊急事態宣言解除で懸念される第2波を小さくするには? 2020/06/03

5月25日に全面解除された緊急事態宣言。

わずか1週間後の6月2日には東京の感染者数が再び30人を超え「東京アラート」が発動されるなど、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の第2波が懸念されています。海外ではすでに再流行している国もありますが、日本は大丈夫なのでしょうか。また、第2波の被害を小さくするためにはどうすべきかを日本感染症学会専門医の國島先生に伺いました。

國島 広之

監修医師
國島 広之(聖マリアンナ医科大学 感染症学講座 教授、日本感染症学会感染症専門医・指導医)

編集部編集部

緊急事態宣言が解除されて、主要都市でも外出自粛が少しずつ緩和されそうですが、海外では外出制限の解除で感染再拡大しているところもあり不安です。日本では大丈夫でしょうか?

國島 広之國島先生

日本では新型コロナウイルス感染症の発生以降の様々な対策の効果が見られ、幸い新規罹患者数の減少が見られています。新型インフルエンザでは季節性があるため第2波がみられたものの、新型コロナウイルス感染症で第2波がみられるかは分かりません。一定の再流行やクラスターは発生すると予想します。

編集部編集部

第2波がくることが想定されますが、第1波と同じように感染者は爆発的に増加してしまうのでしょうか?

國島 広之國島先生

新型コロナウイルス感染症で第2波がみられるかは分かりません。不明な点もまだまだあるものの、新型コロナウイルス感染症がどのような感染症で、どのような伝播経路が重要かが明らかになってきました。したがって、再流行やクラスターが発生したとしても、手指衛生の励行マスク着用、いわゆる3密「密集・ 密閉・密接」を避けるテレワークやオフセット通勤などを中心とした 「新しい生活様式」などによって、より小さな患者数になることを期待します。

編集部編集部

引き続き感染症対策に努めることが重要というわけですね。一方で、新型コロナウイルス感染症の解明につれて徐々に検査キットが普及していますが、抗原検査や抗体検査を受けることは第2波にどのような影響を及ばしますか?

國島 広之國島先生

有症状者に対しては、抗原検査や抗体検査、PCR検査などの適切な検査を行い、有効な治療法の開発を行うことは重要です。一方で、抗原検査や抗体検査を受けることで罹っていないことを保証することはできません。新型コロナウイルス感染症は、軽症の方も多く、発症前の方も含めて感染性があることが分かっていますので、第2波の波を小さくするためには、症状のない方を含めた適切な感染予防がより重要と考えます。

編集部編集部

第2波の時期やピークがインフルエンザの流行と同じ冬との予想が多いようですが、先生はどのように予測されていますか?

國島 広之國島先生

現在のところ、新型コロナウイルス感染症は北半球・南半球の季節に関わらず流行していますので、季節性があるかは分からないため、冬に再流行するかは分かりません。ただし、もしインフルエンザシーズンと同時に流行した場合は、区別に苦慮することがあるかもしれません。

編集部編集部

段階的に制限を解除する施策が主流になりそうですが、コロナショック以前と同じ生活を送ることは当面の間は難しいのでしょうか?

國島 広之國島先生

当面は手指衛生の励行やマスク着用、いわゆる3密「密集・ 密閉・密接」を避ける、働く方であればテレワークなどの「新しい生活様式」を継続する必要があると考えます。

編集部編集部

ワクチンの開発などが挙げられると思いますが、新型コロナウイルス感染症の収束の条件はなんでしょうか?

國島 広之國島先生

国内・地域で新規の患者が発生しないこと有効な治療法ならびにワクチンの開発に加えて、グローバル化の時代では、海外を含めた収束が必要不可欠と考えます。そのためには、国民一人一人の理解と協力のもとに、感染予防に努めることが重要です。