【米国医師発表】子どもの新型コロナ無症状患者が感染拡大に重要な役割

公開日:2020/09/04  更新日:2020/10/28

新型コロナウイルス感染症は、大人だけではなく、子どもも感染拡大に大きな影響を与えている可能性があるという研究結果が発表されました。今回は、発表の詳細と、低年齢のコロナ感染者を警戒すべき理由について中島先生に詳しくお伺いしました。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の発表の詳細は?

今回の発表の詳細について詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

マサチューセッツ総合病院とマサチューセッツ小児総合病院の医師が、0~22歳の192人の患者を対象に調査を実施しました。192人中49人が新型コロナウイルスに感染しており、そのうち18人は小児多臓器系炎症性症候群(MIS-C)を発症していました。

新型コロナウイルス感染症にかかった大人と気道内のウイルス量を比較したところ、入院が必要になった大人よりも子どもの方がウイルス量の多さが明らかになりました。また、感染から2日目にウイルス量が最も増えることもわかっています。

新型コロナウイルス感染症にかかった子どもの気道内のウイルス量については、米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された研究結果と内容が一致しています。研究結果には、5歳未満の軽度~中程度の新型コロナウイルス感染症患者は、5歳以上の子どもや大人よりも気道内のウイルス量が10~100倍だったことが示されています。

子どもは周りの人に新型コロナをうつしやすい?

子どもが新型コロナウイルス感染症の感染拡大に大きな影響を与えているとの見方について、詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

ウイルスが人に感染するときに最初に結合する細胞表面の分子のことを受容体といいます。子どもは、ウイルス受容体の数が少ないため、大人と比べて感染しにくく、重症化しにくい傾向があります。しかし、感染時の気道内のウイルス量が大人よりも多いため、大人よりも周りの人にうつしてしまいやすいという可能性が今回の研究で示唆されました。感染リスクが高い高齢者と子どもが同居している世帯では、特に警戒が必要でしょう。

高齢者と子どもが触れ合う時間を短くしたり、家の中でもマスクをしたりと、十分に対策することが大切です。

まとめ

高齢者など重症化しやすい人と同居している場合は、少しでも感染のリスクを下げるために十分に対策してください。また、新型コロナウイルスに感染していても症状が現れないケースもあるため、症状の有無にかかわらず警戒が必要です。子どもも手洗い習慣やマスクの着用など、可能な範囲で対策を実施しましょう。