「疲れと吐き気」は”脳卒中”の前兆?他の考えられる病気や対処法も医師が解説!


監修医師:
関口 雅則(医師)
目次 -INDEX-
疲れて吐き気がある症状で考えられる病気と対処法
疲れて吐き気を感じるとき、単なる一過性の体調不良と思いがちですが、身体が限界を迎えているサインの可能性もあります。まずは症状の特徴やすぐに行える対処法を知っておきましょう。疲れて吐き気がある症状で考えられる原因と対処法
長時間の仕事や緊張が続くと自律神経のバランスが乱れて胃腸の動きが低下し、胃のむかつきや食欲不振を伴う吐き気が出やすくなります。まずは作業を中断して静かな場所で休み、深呼吸をしながら安静にし、冷たい飲み物は避けて常温の水やお茶を少量ずつ摂りましょう。 背景には自律神経失調症や慢性胃炎、機能性ディスペプシア、ストレス性胃腸炎、脱水や低血糖などが隠れていることがあり、症状が続く場合や嘔吐の繰り返し・強い腹痛・意識低下を伴うときは早急に内科・消化器内科を受診する必要があります。疲れすぎて吐き気がある症状で考えられる原因と対処法
「疲れすぎ」の状態では、強い倦怠感に加えて吐き気やめまい、動悸が出て休んでも回復しにくくなります。仕事量や残業を見直し、睡眠時間を確保しつつ、就寝前のスマホ・パソコン使用を控えるなど生活リズムを整えることが重要です。 過労による自律神経の乱れや慢性疲労症候群、うつ病や適応障害が背景にあることもあるため、「気のせい」「甘え」と決めつけず、内科や心療内科・精神科への受診を早めに検討してください。疲れで気持ち悪くて吐き気がある症状で考えられる原因と対処法
疲れが重なったときの「なんとなくずっと気持ち悪い」吐き気は、胃の不快感や胸やけ、食欲低下を伴い、ストレスの多い時期に悪化しやすくなります。脂っこい食事や飲みすぎ、夜遅い食事を控え、消化にやさしいものを少量ずつ摂り、食後すぐ横にならないことが大切です。自律神経の乱れやストレス性胃腸炎、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎などが原因となることがあり、症状が続く、体重減少や黒い便、吐血などがあれば消化器内科を受診してください。目が疲れて吐き気がある症状で考えられる原因と対処法
パソコンやスマホの長時間使用で目が疲れると、肩や首のこりが加わり、頭の重さや吐き気を伴う眼精疲労になることがあります。画面から目を離して遠くを見る、目を閉じて休ませる、蒸しタオルで目の周りを温めて血流を整えることが大切です。 ドライアイや合っていないメガネ・コンタクト、長時間の前かがみ姿勢が原因となることもあり、症状が続く場合は眼科でチェックし、問題がなければ内科や神経内科で全身の状態を確認してもらいましょう。目が疲れて吐き気と頭痛がある症状で考えられる原因と対処法
目の疲れに頭痛と吐き気が重なると、デスクワークや画面作業の継続が難しくなります。 こめかみや後頭部を締めつける痛みなら緊張型頭痛が疑われ、入浴やストレッチ、ホットタオルで首・肩を温めると楽になることがあります。ズキズキする片側頭痛に光や音への過敏、吐き気を伴う場合は片頭痛が考えられ、暗く静かな場所で安静にし、痛む部分を冷やすと落ち着きやすくなります。 症状が繰り返す場合は眼科だけでなく神経内科や頭痛外来も受診し、市販薬の飲みすぎによる悪化を防ぎましょう。寝不足で疲れて吐き気がある症状で考えられる原因と対処法
寝不足が続くと自律神経が乱れ、消化機能低下や血圧・心拍数の変動から、吐き気や朝の倦怠感、集中力低下などさまざまな不調が出やすくなります。慢性的な睡眠不足は、ストレスへの抵抗力も弱め、胃腸症状や頭痛、不眠、全身の倦怠感、抑うつ傾向など多彩な症状につながることがあります。 十分眠っても吐き気や強い眠気が続く、いびきや無呼吸が疑われる場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害や循環器・内分泌の病気が隠れている可能性があるため、早めに内科や睡眠外来で相談しましょう。すぐに病院へ行くべき「疲れと吐き気」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。疲れがあって吐き気と強い頭痛・意識の異常がある場合は、救急科・脳神経外科・神経内科へ
疲れと吐き気に加え、突然の激しい頭痛、ろれつが回らない、片側の手足のしびれ・脱力、意識がもうろうとする場合は、脳出血・くも膜下出血・脳梗塞などの脳疾患が疑われます。 こうした脳卒中は発症からの時間で治療成績や後遺症が大きく変わるため、「いつもと違う頭痛」「急におかしくなった」と感じたら迷わず救急対応可能な総合病院や脳神経外科・神経内科を受診してください。 受診時には、症状が出始めた時刻や経過、内服薬(特に抗凝固薬・抗血小板薬)の有無をできるだけ正確に伝えることが重要です。病院受診・予防の目安となる「疲れて吐き気」ときのセルフチェック法
・吐き気が数日以上続き、食事や水分があまりとれない場合・強い頭痛、胸の痛み、激しい腹痛など、どこか一カ所に強い痛みを伴っている場合
・ふらつき、冷や汗、動悸、息苦しさ、意識がぼんやりするなど全身状態の悪化がある場合
「疲れと吐き気」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「疲れと吐き気」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。自律神経失調症
自律神経失調症は、ストレスや生活リズムの乱れ、睡眠不足などで自律神経のバランスが崩れ、全身に不調が出る状態です。主な症状は、だるさ・疲労感、吐き気、めまい、頭痛、動悸、発汗、下痢や便秘、不眠、ほてり、抑うつ感など多岐にわたります。 治療はストレス対策や生活習慣の改善、カウンセリングなどの心理療法に加え、必要に応じて薬物療法を行うため、症状が長引き日常生活に支障がある場合は内科や心療内科・精神科に相談しましょう。機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは、胃や腸に明らかな異常がないのに、慢性的な胃もたれや吐き気、膨満感、みぞおちの痛み・不快感などが続く病気です。ストレスや食生活の乱れ、ピロリ菌感染、運動不足、加齢などがきっかけになります。 治療は、食生活の見直し、ストレスコントロール、消化管の動きを改善する薬、胃酸分泌抑制薬、時に抗不安薬や漢方薬などが選択されます。短期間で症状が強まる、体重減少や嘔吐・出血がある時は、消化器内科を早めに受診しましょう。十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は、胃酸などの刺激によって十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍を形成する疾患です。ピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の服用、強いストレス、喫煙や過度の飲酒が主な原因です。上腹部の痛み、吐き気や嘔吐、時に黒色便や貧血を伴うことがあります。 治療は制酸薬や胃粘膜保護薬、ピロリ菌がいる場合は除菌治療も必要です。強い腹痛や黒色便、吐血、意識消失があれば、消化器内科や救急外来をすぐに受診してください。脳卒中
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の一部が深刻な障害を受ける病気です。突然の激しい頭痛やめまい、吐き気や嘔吐、手足のしびれや力が入らない、ろれつが回らない、意識レベルの低下やけいれんなど多様な症状が現れます。高血圧や糖尿病、脂質異常症、不整脈、喫煙・過度な飲酒が主な危険因子です。 治療は迅速な診断と薬物治療または手術を要します。上記の症状が突然現れた場合は、ためらわず救急外来へ受診し、専門的治療を早急に受けることが重要です。「疲れて吐き気」があるときの正しい対処法は?
疲れて吐き気があるときは、まず作業を中断して静かな場所で身体を休め、衣服やベルトをゆるめて上半身を少し起こした姿勢で深呼吸し、常温の水やお茶を少量ずつ飲みながら様子をみましょう。 市販薬は胃腸薬や吐き気止めが選択肢になりますが、自己判断で飲み合わせず用法・用量を守り、数日で改善しない・痛みや発熱を伴う場合は受診を検討します。 食事は吐き気が落ち着くまでは無理をせず水分中心とし、食べられるようになったらおかゆやうどん、具の少ないスープ、ゼリー飲料など消化にやさしいものから始め、脂っこい料理や香辛料、アルコール・大量のカフェインは控えるようにしましょう。「疲れて吐き気」がある症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「疲れと吐き気」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
なぜ疲れると吐き気が起きるのでしょうか
関口 雅則(医師)
強い疲労やストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れて胃腸の動きが低下し、胃酸分泌も不安定になります。その結果、胃のむかつきや消化不良が起き、脳が「気持ち悪い」「吐きたい」というサインとして吐き気を感じるようになります。また、寝不足や食事の乱れ、脱水なども重なると、より吐き気が出やすくなります。
体の疲労感と吐き気でつらいとき、何科の病院を受診したら良いでしょうか?
関口 雅則(医師)
迷ったときは、まず一般内科か消化器内科の受診がおすすめです。全身状態や胃腸、脱水、血圧・血糖などを広くチェックしてもらえます。検査の結果、メンタル不調や自律神経失調症が疑われれば、心療内科や精神科を紹介されることもあります。「どこに行けばよいか分からない」ときは、かかりつけ医や近くの内科にまず相談するとよいでしょう。
眼精疲労で気持ちが悪いときに即効性がある対処法を教えてください。
関口 雅則(医師)
パソコンやスマホの画面から目を離し、遠くを見るか目を閉じて数分休ませることが基本です。次に、席を立って首や肩を回し、こわばった筋肉をほぐすと目の奥の重さや吐き気が和らぎやすくなります。蒸しタオルや市販のアイマスクで目の周囲を温めて血流を促すのも有効です。それでも改善せず、頭痛やめまいを強く伴う場合は眼科や内科を受診してください。
疲れていて吐き気とめまいがするときに効く市販薬はありますか?
関口 雅則(医師)
胃のむかつきが主な症状であれば、胃酸を抑える薬や胃の動きを整える胃腸薬、一般的な吐き気止めなどの市販薬を使うこともできます。ただし「疲れ・吐き気・めまい」が重なる場合は、低血圧や脱水、内耳や脳の病気が原因のこともあるため、市販薬だけに頼り続けるのは避けましょう。数日飲んでも良くならない、悪化していく、歩けないほどのめまい・強い頭痛・しびれを伴うときは、早めに医療機関で原因を確認してもらうことが大切です。
まとめ 疲れて吐き気があるときは無理をせず休む
疲れて吐き気があるときに一番大切なのは、「無理を続けず体のサインとして受け止めること」です。仕事や家事、ストレス、寝不足が重なると胃腸や自律神経に負担がかかり、吐き気として限界を知らせることがあります。 安静・睡眠・水分・消化にやさしい食事などのセルフケアで改善する場合もありますが、強い痛みや頭痛、めまい、胸の痛み、黒色便・血便、嘔吐の繰り返しがあれば重大な病気が隠れている可能性があります。そのときは市販薬だけに頼らず、早めに内科や消化器内科、場合によっては救急外来を受診してください。 「疲れているだけ」と放置すると治療のタイミングを逃すこともあるため、つらさが続く、普段と違う症状を感じるときは一人で抱え込まず医師に相談することが大切です。「疲れと吐き気」症状で考えられる病気
「疲れと吐き気」から医師が考えられる病気は24個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。消化器系の病気
- 機能性ディスペプシア
- 胃炎・胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎、食中毒など)
内分泌・代謝の病気
- 糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスなど)
- 甲状腺機能異常
- 副腎不全
耳鼻科・平衡機能の病気
婦人科の病気
- 妊娠(つわり)
- 月経前症候群(PMS)
- 子宮・卵巣の疾患に伴う貧血やホルモン変化
メンタル・自律神経の病気
- 自律神経失調症
- うつ病・適応障害・不安障害
- パニック発作



