「尿意があるのに尿が出ない」症状はありませんか?医師が原因などを解説!
尿意があるのに尿がでない症状を治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)
「尿意があるのに尿が出ない」症状で考えられる病気と対処法
尿意があるのに尿がでないのは、病気のサインです。今回はどのような病気が考えられるのか、何科を受診すればよいのかを解説しましょう。
急な尿意があるのに尿が出ない症状で考えられる原因と対処法
急に尿が出たくなるのに、尿が出ない症状で最も頻度の高い病気は、前立腺肥大症です。前立腺は男性にしかないので、基本的には男性に起こりやすい症状です。
尿が出ない時に無理に自分で出そうとしたり我慢したりすることは、あまりよくありません。まずは、泌尿器科を受診して尿が出ない原因を検索しましょう。尿が全く出ない状態で放置してしまった場合、膀胱が拡張してお腹が張ったり腹痛の原因になったりすることがあります。進行すると、腎機能障害をきたすこともあります。
尿意があるのに尿が出ず痛い症状で考えられる原因と対処法
尿が出ずに痛みがある場合、前立腺肥大で尿が出ずに膀胱が緊満状態にあるか、尿結石などで尿道が閉塞して痛みが出ている可能性があります。痛みがある場合にはすぐに処置が必要になることもあります。すぐに泌尿器科を受診しましょう。
尿意があるのに尿が出ず血尿の症状で考えられる原因と対処法
血尿が出る場合には、尿管結石や前立腺癌、尿道がんなどで尿道から出血する原因があり、さらに尿道が閉塞している可能性があります。がんの可能性があるため、見た目ですでに血尿がある場合にはすぐに泌尿器科を受診して検査をしましょう。
尿意があるのに尿が出ず便秘の症状で考えられる原因と対処法
はっきりしたメカニズムは不明ですが、便秘が原因で尿が出なくなることがあります。多くは高齢者や脳卒中などの脳血管障害と合併します。摘便や浣腸をして便が出れば尿もでることもありますが、一時的に尿道にカテーテルを留置することもあります。処置が必要になるため、基本的には病院受診が必要ですが、脳血管障害などで在宅医療を利用している場合には自宅で処置をすることも可能です。主治医の先生に相談してみましょう。
女性の尿意があるのに尿が出ない症状で考えられる主な原因と対処法
女性は出産や加齢による排尿障害により、特に膀胱に尿を溜めておけない蓄尿障害が出やすいとされています。蓄尿障害が起こると尿漏れや頻尿などが起こります。逆に尿が急に出にくくなることは男性に比べると少ないとされています。ただし、子宮がんの手術の後などでは膀胱の収縮がうまく起こらずに尿が出なくなることがあります。急に尿が出にくくなった場合には、泌尿器科や手術後であれば主治医に相談しましょう。
男性の尿意があるのに尿が出ない症状で考えられる主な原因と対処法
男性の尿が急に出なくなる原因としては前立腺肥大症が考えられます。
尿意があるのに尿が出ない症状とストレスで考えられる主な影響と対処法
急に尿が出なくなることを急性尿閉というもので、多くは男性で前立腺肥大症が原因となります。泌尿器科で診断、治療が必要になります。セルフケアではなく病院を受診しましょう。
すぐに病院へ行くべき「尿意があるのに尿が出ない」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
急におしっこしづらくなる場合は、泌尿器科へ
尿をするには、それまでに膀胱が尿を溜めておき、尿がある程度溜まったら尿意として自覚され、膀胱が収縮して尿道を通ることで尿を出すことができます。これらのいずれの場所で異常があっても尿が出なくなります。どこの異常であってもすぐに診断と治療が必要です。尿の異常は泌尿器科で相談できます。
受診・予防の目安となる「尿意があるのに尿が出ない」ときのセルフチェック法
- ・尿意があるのに尿が出ない以外に尿に血が混ざる場合
- ・尿意があるのに尿が出ない以外に痛みや腹部膨満感などの症状がある場合
- ・尿意があるのに尿が出ない以外に便秘がある場合
「尿意があるのに尿が出ない」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「尿意があるのに尿が出ない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
神経因性膀胱
神経因性膀胱とは排尿に必要な神経の異常により排尿障害を起こすものです。症状としては、尿がでない他、頻尿、尿意切迫、失禁などがあります。原因は、脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病、多系統萎縮症などの特殊な神経疾患、脳腫瘍、認知症、脊髄損傷、脊髄腫瘍、糖尿病や骨盤周囲の手術による神経障害などが挙げられます。基本的にはすでに症状が起こっているものを完全に治すことは難しいことが多く、薬剤で症状を緩和し、尿が出ない場合には尿道カテーテルで膀胱に溜まった尿を出すなどの処置が必要になります。
尿路結石
大きなサイズの結石が尿道につまり、尿が出なくなる原因になることがあります。経過をみても尿が出ない場合には、結石を取り除くための処置や手術、尿を外に出すための処置や手術が必要になることもあります。
前立腺肥大症
急に尿が出なくなる原因として多いのが前立腺肥大症です。前立腺肥大の程度や高齢でより症状が出やすくなります。また無症状の前立腺肥大症では、風邪薬、抗不安薬、抗不整脈薬などを飲み始めたことを契機に尿が出なくなってしまうことがあります。急に尿が出なくなった場合には原因検索と治療が必要になりますので、セルフケアをして放置せず、すぐに泌尿器科を受診しましょう。
「尿意があるのに尿が出ない」ときの正しい対処法は?
まずは全く尿がでないのか、出にくいが少しは出るのかによって少し緊急度が変わります。全く出ない場合や血尿、腹部膨満感、腹痛などの他の症状がある場合にはすぐに病院を受診しましょう。出にくい場合には、痛みがない範囲で下腹部を少し押してみましょう。それで出る場合には膀胱に尿が溜まっているが、膀胱が収縮せずに尿が出ないことが原因として考えられます。この場合にも、基本的には病院受診が必要ですので、予約をして受診しましょう。
原因がはっきりわかっていない状態で、自己判断での治療は望ましくないでしょう。市販薬によっては、薬が原因で尿が出にくくなることもありますので、注意が必要です。
「尿意があるのに尿が出ない」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿意があるのに尿が出ない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
残尿感がある・尿がしっかり出ないのは何科の病院で相談できますか?
マイマイテイリ イマム 医師
泌尿器科で相談することができます。
尿意があるのに尿が出ないことと生理は関係あるのでしょうか。
マイマイテイリ イマム 医師
一般的には生理と尿が出にくいことは関係ありませんが、生理の量が多い、痛みが強いなどがあり、原因が子宮筋腫などの婦人科疾患がある場合、尿閉をきたすことがあります。
高校生で尿意があるのに尿が出ないのですが原因は何でしょうか。
マイマイテイリ イマム 医師
明らかな神経疾患や原因がないのに、ストレスなどで尿道をコントロールする外括約筋の異常により尿が出なくなる病気(Fowler症候群)があります。30歳以下の若い女性に見られるといわれています。
妊娠中に尿意があるのに尿が出ないのですが原因は何でしょうか。
マイマイテイリ イマム 医師
妊娠中は胎児による子宮の容量拡大により、膀胱が圧迫されたり刺激を受けたりするため、排尿障害が出やすい状態になります。特に妊娠後期で胎児が大きくなると、膀胱を圧迫や膀胱の収縮障害による尿閉を起こしてしまうことがあります。
まとめ
尿意を感じるのに尿が出なくなる原因について解説しました。急性の症状の場合には緊急性が高く、多くの場合はすぐに病院を受診し、原因検索と処置を必要とします。記事にあるような病気が考えられる場合には、泌尿器科を受診しましょう。妊娠中やその他の病気で治療中の場合には、まずは主治医に相談してみましょう。
「尿意があるのに尿が出ない」で考えられる病気と特徴
「尿意があるのに尿が出ない」症状で考えられる病気
「尿意があるのに尿が出ない」から医師が考えられる病気は16個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
泌尿器科の病気
- 前立腺肥大症
- 前立腺癌
- 尿道結石
内科の病気
産婦人科の病気
- 妊娠
その他の病気
- Fowler症候群
- 骨盤臓器術後
まずは泌尿器科で相談するのが良いでしょう。
「尿意があるのに尿が出ない」と関連のある症状
「尿意があるのに尿が出ない」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「尿意があるのに尿が出ない」症状以外に、これらの症状を認める際も「前立腺肥大症」「前立腺癌」「尿道結石」「糖尿病」「脳血管障害」「パーキンソン病」「脳腫瘍」「脊髄損傷」「脊髄血管障害」「二分脊椎」などの可能性があります。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。