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「喉が鳴る」のは「呑気症」や「気管支喘息」が原因?医師が徹底解説!

「喉が鳴る」のは「呑気症」や「気管支喘息」が原因?医師が徹底解説!

喉が鳴る症状で、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「喉が鳴る」症状で考えられる病気と対処法

「喉が鳴る」という症状でお悩みではありませんか?
特に心配しなくても良い場合もありますが、意外な病気のサインであるケースもあります。
また、ゴロゴロ、ヒューヒュー、など音の鳴り方によっても判断が変わってきます。
本記事では、どのような場合に病院を受診すべきかを、代表的な症状とともに解説していきます。

喉が鳴る症状で考えられる原因と治し方

喉が鳴る症状でよく見られるのが、食後や炭酸飲料を飲んだ時に、飲食と一緒に飲み込んだ空気が喉を通過する音です。
これだけであればそこまで気にしなくても良いのですが、飲食時だけではなく、日常を過ごす中で唾を飲み込む時などに無意識に大量の空気を飲み込んでいる場合は「呑気症(どんきしょう)」が疑われます。
吞気症は空気嚥下症とも言われ、大量の空気を飲み込むことで、胃や食道、腸に空気が溜まり、喉が鳴る、お腹が張る、ゲップやおならが出やすくなるといった症状を引き起こします。
吞気症の原因としては、ストレス、食いしばりや嚙み合わせが悪い、早食いなどが挙げられます。

喉が鳴る症状は、背筋を伸ばして顎を引くようにするなど、姿勢を気にすることで軽減できる場合があります。
他、ストレスを減らす、食事の際はゆっくり食べる、といった対処で飲み込む空気の量を抑えることができます。
日頃から喉が鳴る、腹部の膨満感やゲップなどでお困りの場合は、それがストレスになってさらに症状が悪化することも考えられます。
早めに医療機関を受診することをお勧めします。まずは内科もしくは、消化器内科を受診し、異常がなければ他の原因を探ってみましょう。

喉がヒューヒュー鳴る症状で考えられる原因と対処法

喉がヒューヒュー鳴る症状で考えられる原因としては、喘鳴(ぜんめい)が考えられます。
喘鳴とは、狭くなった気管・気管支を呼吸の際に空気が通ることで、例えば息を吸うと笛のように音が出るような状態を指します。

主に気管支喘息で見られる症状です。
普段からどのような時に発作が出るかを把握しておき、体調管理に努めることが重要です。
喘鳴がある場合、必ず呼吸器内科を受診し、発作を防ぐための治療を受けるとともに、発作が起きた際の治療薬を処方してもらうことが重要になります。

喉が鳴って痰が出る症状で考えられる原因と対処法

喉がゴロゴロ鳴って痰が出る場合、多くは咳を伴います。
喉や気管支が刺激を受けると、反射的に咳をして異物を排出しようとします。この時に気道粘膜が作る分泌物である痰が異物を体外へ出そうと働くために出てきます。
風邪をきっかけに鼻の奥にある副鼻腔が炎症を起こす副鼻腔炎で痰が出ているケースもあります。
不快で苦しい咳、痰が長引くと生活の質が下がってしまいますので、耳鼻咽喉科や呼吸器内科で早めに見てもらうようにしてください。

ゲップじゃないけど喉が鳴る症状で考えられる原因と対処法

ゲップじゃないけど喉が鳴る、という症状が出る場合は逆流性食道炎の可能性があります。
胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで、胸やけや喉の不快感のほか、喉が鳴ることもあります。
対処としては、市販のH2ブロッカー胃腸薬の服用で胃酸の分泌を抑えるほか、寝ている時の逆流を防ぐために少し枕を高くして寝る、といった方法が考えられます。
ただし、逆流性食道炎は放置すると食道がんの原因にもなりますので、疑わしい症状が出た際は消化器内科での検査をおすすめします。

すぐに病院へ行くべき「喉が鳴る」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

血痰や体重減少を伴う場合は、呼吸器内科・呼吸器外科へ

咳や痰、喉が鳴る原因には、肺細胞にできた悪性腫瘍、いわゆる肺がんが気管支や肺を圧迫して起こる場合があります。
気管支炎などと似た症状のために気付くのが遅れ、進行した状態で発見されることも少なくありません。
痰に血が混じる、このところ体重が減ってきた、最近どうも息が切れるのが早い…といった自覚がある場合は、すぐに呼吸器内科もしくは呼吸器外科で検査を受けるようにしてください。

受診・予防の目安となる「喉が鳴る」ときのセルフチェック法

  • 喉が鳴る以外に飲み込みづらさがある場合
  • 喉が鳴る以外に声がかすれる症状がある場合
  • 喉が鳴る以外にかゆみなどの違和感がある場合
  • 喉が鳴る以外に痰に血が混じる場合

「喉が鳴る」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「喉が鳴る」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

呑気症

呑気症はまたの名を空気嚥下症とも言い、日常的に多くの空気を飲み込むことで、胃や腸にガスが溜まり、お腹の張りや痛みを招きます。
原因の多くはストレスや緊張で、他、歯の噛み締めや早食いなどの習慣から来る場合もあります。
そのため主な対処法としては、ストレスの軽減や早食いなどの習慣を改めるところから始めていきます。

吞気症はその原因によって対応する科が変わってきます。
まずはお腹の張りや喉が鳴ることから内科や耳鼻咽喉科を受診し、ガスの溜まり以外に異常が見られない場合、ストレスには心療内科、噛み締めには歯科を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。

気管支喘息

気管支喘息は、アレルギーなどが原因となって気道に慢性的な炎症が起き、それによって咳や痰、喘息発作といった症状が起こる病気です。
少しの刺激で発作が起きるため、風邪やインフルエンザなどの感染症、喫煙、ハウスダストなどの悪化要因に注意することが必要となります。
治療には炎症を抑えるために毎日服用する長期管理薬と、発作が起きた時に服用する発作治療薬を使用していきます。熱がないのにヒューヒューと音がする咳をしている時は、気管支喘息の疑いがあります。
呼吸器内科、またはアレルギー科を受診してください。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略称で、これまでは慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称であり、有害物質の吸入や大気汚染によって肺に炎症が起き、呼吸がしにくくなる病気です。
日本においては原因の90%が喫煙由来と言われています。
長期にわたる喫煙によって有害な物質が肺を刺激し続け、気管支に炎症をもたらし、咳や痰が多くなります。
また、有害物質が肺胞にまで及んで炎症を起こすと、肺胞の壁が破壊され、肺に弾力がなくなり、空気をうまく吐き出すことができなくなります。
病状が進むと慢性的な咳や痰、息切れが起こり、生活に支障をきたすばかりでなく、肺がんやその他様々な病気のリスクが高まります。
治療には症状に応じて、薬物療法や運動療法などを組み合わせていきます。
破壊された肺を元に戻すことはできませんが、早期に発見して治療を行えば、それ以上の進行を抑制することが可能です。
息切れや咳、痰が続くようでしたら、早めに呼吸器内科を受診してください。

「喉が鳴る」ときの正しい対処法は?

これまでいくつかの「喉が鳴る」症状とその対処法をお伝えしてきましたが、上記に当てはまらない例としては、喉がゴリゴリ鳴る、あくびをした際に喉が鳴るという事例があります。
水を飲んだ時などに喉がゴリゴリと鳴る場合ですが、その多くは甲状軟骨や舌骨が嚥下で動く際に出る音です。
他に気になる症状が無ければ様子を見ても良いかと思いますが、心配であれば耳鼻咽喉科で相談してください。
あくびをした際に喉が鳴るケースでは、口を大きく開けることで喉が開き、空気が入り込むことで音が生じます。
対処法としては、口をあまり大きく開けずにあくびをするようにしてみてください。
それでも治まらない、喉に違和感を伴う、といった自覚がある場合はこちらも耳鼻咽喉科で相談してください。

「喉が鳴る」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「喉が鳴る」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

喉が鳴って気になるときは何科の病院で相談できますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

どのように喉が鳴るか、またその他にどんな症状があるかによって受診すべき科が変わってきますが、ご自身で判断が付かない場合はまず耳鼻咽喉科、または呼吸器内科で相談してみてください。

喉からゴロゴロ音が鳴るのですが吞気症(空気嚥下症)なのでしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

喉からゴロゴロ音が鳴るのは呑気症によく見られる症状ですが、それ以外にも痰絡みや喉の異物などに由来する場合もありますので、一概に吞気症と言い切れるものでもありません。

唾を飲み込むとのどから音が鳴るのは何が原因でしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

唾液の嚥下により喉から音が生じる場合、呑気症が疑われます。それ以外では喉粘膜の乾燥、ホコリや花粉などによる喉への刺激、喉の酷使などでも見られます。

横になるとのどからゼーゼー音がします。病気の可能性はありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

横になると喉からゼーゼー音がするのは喘鳴という症状です。喘鳴の原因としては、気管支喘息、気管支炎、気管支拡張症、肺がんなどが挙げられます。早めに呼吸器内科や耳鼻咽喉科で相談してください。

喉が鳴りやすい人はいびきなどで睡眠の質にも影響を及ぼしますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

喉が鳴りやすい人は、いびきやカタスレニア(睡眠関連うなり声)などの睡眠障害を起こしている可能性があります。睡眠障害は心血管疾患や脳卒中などのリスクも高めますので、家族などからいびきやカタスレニアを指摘されるようでしたら、耳鼻咽喉科や呼吸器内科で相談してください。

まとめ 喉が鳴るときは呑気症の可能性あり

喉が鳴るときは呑気症が疑われることが多いですが、喉から生じる音の種類や痰などの他の症状の有無によって複数の病気の可能性が考えられます。
中にはがんといった生命にかかわる重大な病気の兆候でもあるため、喉の鳴りが続くようでしたら一度医療機関を受診するようにしてください。

「喉が鳴る」症状で考えられる病気

「喉が鳴る」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

  • 吞気症

耳鼻咽喉系の病気

呼吸器系の病気

循環器系の病気

喉が鳴る症状はとても気になる症状かと思います。なかなか自分だけでは解決できない原因が隠れていることがあります。

「喉が鳴る」に似ている症状・関連する症状

「喉が鳴る」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「喉が鳴る」症状の他にこれらの症状がある場合でも「吞気症」「急性咽頭炎」「反回神経麻痺」「気管支喘息」「肺がん」「気管支拡張症」「塵肺」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」「うっ血性心不全」などの疾患の可能性が考えられます。飲み込みづらさや声のかすれ、血痰を伴うような場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師