気管支喘息の症状や原因、治療方法のご紹介

公開日:2018/06/29  更新日:2021/04/27

気管支喘息(読み方:きかんしぜんそく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
鈴木 隆之 医師(鈴木内科クリニック 院長)

気管支喘息とは

気管支喘息は、炎症が原因で気管支が敏感になることによって、気道が狭くなり呼吸が苦しくなるという病気です。空気の通り道である気管支が塞がれることにより、ヒューヒュー、ゼーゼーなどの喘鳴や咳を繰り返します。
日本では子供の8~14%、大人では9~10%が喘息です。高年齢で発症する場合もあります。

鈴木隆之 医師 鈴木内科クリニック 院長監修ドクターのコメント
気管支喘息は、両親のどちらかが喘息を持っている場合、発症する確率が3~5倍になると言われています。しかし、両親が喘息でなかったとしても発症することのある、誰でもかかる可能性のある疾患です。夜間の症状が多い為、自分ではわかりにくい場合もありますので、症状が現れた場合は、昼間に症状が軽減している場合でも早めに受診するようにしてください。

気管支喘息の症状

発作的に咳や痰が出現して、ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴って続くため、息苦しくなります。
発作は夜間、明け方に多くみられることが特徴です。

鈴木隆之 医師 鈴木内科クリニック 院長ドクターの解説
気管支喘息は、呼吸をし、息を吐いたときに「ヒューヒュー」という音が聞こえるのが特徴です。運動後などに症状が現れる場合もあります。一度症状が出ると、台風の前や季節の変わり目、黄砂、花粉、ウイルス感染などの環境に影響されます。これらの環境の影響を受けて、一時的には症状を認めてもすぐに症状が治まってしまうケース、発作を起こしてから定期的に症状が持続するケースがあり、人によって「症状が一時的な場合」と「症状が持続する場合」に分かれます。咳や「ヒューヒュー」という呼吸の苦しさから夜眠れないほどの症状が現れることもあります。気管支喘息は夜間に症状が現れることが多く、昼間になると症状が軽減していることもありますが、夜間に症状がある場合や増悪因子が関わるものは気管支喘息である可能性があるので早めの受診が大切です。

気管支喘息の原因

原因にはアレルギー反応による炎症の影響がいわれています(明らかなアレルギーのない場合もあります)。
アレルギーを起こす誘引や原因物質は以下が挙げられます。
ダニ、ハウスダスト、犬や猫などのペット、食べ物、職業上触れる化学物質、喫煙、アルコール、ストレス、大気汚染、運動、月経、薬(例:NSAIDsと呼ばれる種類の解熱鎮痛薬(=アスピリン喘息))など。

鈴木隆之 医師 鈴木内科クリニック 院長監修ドクターのコメント
人によって原因となる因子や症状の現れ方は違います。ダニ、ネコ、イヌ、ハムスター、モルモット、かび、花粉などのアレルギーの原因となるもの、インフルエンザなどのウイルス感染、大気汚染による環境の影響、喫煙など、様々な環境因子が発症のきっかけになります。小児期に喘息症状があり、一旦は、治療で治まっても、成人期に再発するケースもあります。

気管支喘息の検査法

問診がとても重要です。喘息に特徴的な症状があるかどうか、またアレルギーや家族歴など喘息を発症する原因があるかどうかを調べます。
呼吸機能検査で、肺活量や、呼吸時の空気の通りやすさを調べます。
また、喀痰検査で、痰の中にある好酸球というアレルギーに関わる細胞を調べます。
呼気一酸化窒素濃度検査で、気道のアレルギー性の炎症を調べることもあります。
血液検査でもアレルギー項目を調べることがあります。

鈴木隆之 医師 鈴木内科クリニック 院長監修ドクターのコメント
気管支喘息の場合、聴診器で呼吸音を聞いた際に「ヒュー」という音が聞こえることが多いのですが、普通の呼吸をしている状態では、「ヒュー」という音が聴診できないケースもあります。その場合には、患者さんに“ろうそくの炎を吹き消すようなイメージ”で「強く息を吐いていただいた状態」で聴診をします。普通の呼吸では聴診できなかった「ヒュー」という音が、息を強く吐くことで初めて聴診できるケースもあります。気管支喘息の診断においては、まず「心臓喘息」と呼ばれる「心不全による喘息と似たような症状を認めるケース」を除外する必要があります。心臓喘息と呼ばれる心不全がないかどうかは、胸部レントゲン写真で確認をします。胸部レントゲンで心不全を除外した後、呼吸機能検査で吐く息の量や呼吸をした際に気道が狭くなるかどうかを調べます。この検査で、一定の時間内に、吐く息の量が少ない場合には、気管支喘息と診断することができます。 また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)とも症状が似ているため、区別が必要です。

気管支喘息の治療方法

気管支喘息の治療には2通りの目的があります。
①喘息発作が起こったときに気道を拡げ、息苦しさなどの症状を抑える治療
②喘息で起きている慢性的な炎症を抑えて発作が起こらないようにする治療

症状が無くなれば一見治ったように思いがちですが、炎症は再燃しかねません。
予防を怠り、発作時の治療薬のみを使い続けると、発作自体も治りにくくなり重症化しやすくなります。
治療薬は吸入薬、内服薬、貼付剤があり、症状に合わせて併用します。
また、アレルギーの原因が分かっている場合はそれらを避けましょう。

鈴木隆之 医師 鈴木内科クリニック 院長監修ドクターのコメント
基本的には通院して治療し、症状をコントロールしていきます。気管支喘息は、症状が良くなったと思っても、自己判断で治療を中止してしまうと、インフルエンザ感染などの増悪因子により、喘息発作で入院となってしまうケースもあるので注意が必要です。環境によって左右されやすく、一時的に発作が起きたり、季節の変わり目などに定期的に症状が現れたりと人によって症状の出方が違います。自己判断をしないで、主治医の先生とよく相談をするようにしてください。完治する治療法は確立していませんが、一定の治療をしていくと日常生活に支障がないレベルまで、症状を抑えることができます。さらにコントロールが良くなれば、徐々に薬の量を減らすことができ、最終的には薬をなくせるケースもあります。主治医の先生と相談しながら、それぞれの患者様の状態に応じて、適切な治療を続けていくことが大事になります。

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