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「喉がイガイガする」ときの原因と対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

喉がイガイガする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

久高 将太 医師

監修医師
久高 将太 医師

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琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

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「喉がイガイガする」症状で考えられる病気と対処法

喉がイガイガしたり、違和感がでたりすることってありますよね。今回は喉のイガイガを起こす病気と、症状が出てきた時の対処法について解説していきましょう。

喉がイガイガするが、痛くない症状で考えられる原因と治し方

喉が痛いわけではないけれど、イガイガする、違和感を感じることがあると思います。喉は粘膜に覆われていて通常は唾液などで保護されて湿っています。ところが空気の乾燥や花粉などの刺激により、粘膜が乾燥したり刺激を受けたりすることで、イガイガする感じが起こります。
喉に全く異常がないのにも関わらず、喉のイガイガ、何かある感じ、痒い感じなどの違和感がでるものを総称して咽喉頭異常感症といいます。

咽喉頭異常感症・症候性咽喉頭異常感症・ドライマウス

咽喉頭異常感症には、明らかな原因のない真性咽喉頭異常感症と、何らかの原因がある症候性咽喉頭異常感症とがあります。
症候性咽喉頭異常感症の原因の一つとして唾液分泌の低下があります。唾液腺からの唾液の分泌は加齢により徐々に低下しますが、ドライマウスといって、口の乾燥だけではなく虫歯や食事のとりにくさなどのその他の症状が出ることがあります。

口が乾燥する時の対処法

この場合は、自宅でできるセルフケアとしては、まずはうがいをして粘膜を湿らせ、花粉などの異物を除去しましょう。加湿器などで喉の湿度を保ち、花粉が入らないようにマスクでブロックするのも有効です。一方で、シェーグレン症候群という自己免疫疾患で唾液腺の分泌が低下し口や喉の乾燥が強くなることがあります。この場合は自力で治すことは難しいため、リウマチ・膠原病内科で治療する必要があります。セルフケアをおこなっても症状が改善しない場合には病院を受診して相談しましょう。

喉がイガイガして痛い症状で考えられる原因と治し方

喉の痛みとイガイガがある場合には、咽頭炎扁桃腺炎が考えられます。喉の粘膜が炎症を起こすために痛みと違和感の症状がでます。扁桃腺は喉の側面についていますが、こちらが腫れると喉の痛みがでます。
咽頭炎、扁桃腺炎の原因の多くは風邪を起こすウイルスや細菌です。強い炎症が起こると、痛みのため飲み込みづらさも出てきます。
症状が軽い場合には安静にして辛いものなどの刺激物の摂取は避けてうがいをしましょう。つばが飲み込めないなどの症状がある場合や細菌が関与している場合には、病院受診の上、点滴や抗菌薬の投与が必要な場合があります。症状が強い場合には、病院受診をしましょう。

喉がイガイガして、微熱がある症状で考えられる原因と治し方

咽頭炎、扁桃腺炎で発熱がある場合、ウイルス性でも熱がでますが、細菌が関与している場合があります。発熱、倦怠感、強い痛み、つばも飲み込めない場合には、喉に強い炎症が起こっているため、病院受診が必要です。
扁桃腺炎をこじらせると、扁桃の周りに膿がたまって扁桃周囲膿瘍になってしまうこともあります。喉のつよい痛み、つばが飲み込めない、口の開きが悪くなる、耳が痛いなどの喉以外の症状がでてきます。膿が溜まっている部分を切開して膿を出し、抗菌薬が必要になることがあります。発熱を伴い症状が強い場合には、病院を受診しましょう。

マスクをすると喉がイガイガする症状で考えられる原因と治し方

マスクが原因で喉のイガイガがでることは基本的にはありません。マスクを装着することで喉の乾燥を防ぎ、外からの刺激を避けることができます。

すぐに病院へ行くべき「喉がイガイガする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

喉の強い痛み、つばが飲み込めない、声が出せない場合は、耳鼻咽喉科へ

喉の強い痛み、つばが飲み込めない、声が出せない場合には、強い炎症が起こっている可能性が高いです。扁桃周囲膿瘍は、喉の細菌感染が悪化して口蓋扁桃の炎症がひどくなった状態です。膿瘍が溜まっているため、治療には抗生剤の投与だけではなく切開などの処置が必要なことがあります。強い症状が見られる場合には、早めに耳鼻科を受診してください。

「喉がイガイガする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「喉がイガイガする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

咽喉頭異常感症

咽喉頭異常感症とは喉の「つかえる」「何かできている」「かゆい」「くすぐったい」「ムズムズする」などのさまざまな喉の感覚異常があるが、実際には喉などを診察や検査をしても明らかな病変が認められないものです。
原因は多岐にわたりますが、局所的原因、全身的原因、精神的原因の3つに大別され、局所的な炎症が最も多い原因と考えられています。

局所的原因

  • ・喉の構造・形態の異常(頚椎異常、過長茎状突起、舌根扁桃肥大)
  • ・甲状腺疾患
  • ・腫瘤(咽頭・喉頭悪性腫瘍、咽頭・喉頭両性腫瘍)
  • ・気道過敏症(下気道、喉頭アレルギー、鼻アレルギー)
  • ・炎症(逆流性食道炎、慢性気管支炎、慢性喉頭炎、慢性咽頭炎、慢性扁桃炎、慢性副鼻腔炎、急性上気道炎後)

全身的原因

  • 鉄欠乏性貧血
  • ・内分泌異常
  • ・嚥下力低下
  • ・自立神経異常
  • ・精神的原因

    • ・がん不安
    • ・心身症
    • ・神経症
    • ・精神病

    この中でも最も見逃せないのが、悪性腫瘍です。うがいや加湿などのセルフケアでも症状が改善なく、悪化傾向の場合には早めに病院を受診しましょう。

    ハウスダスト

    ハウスダストが喉の粘膜にくっつくと炎症を起こし、違和感の原因になります。うがいやハウスダストを減らすように掃除、寝具選びや処理、湿度の管理、整理整頓などを工夫しましょう。それでも症状の改善が乏しい場合、耳鼻科にご相談しましょう。
    緊急性が高いことは少ないですが、喉のイガイガ以外にも目の痒みや咳、皮膚の蕁麻疹などの症状がある場合には、強いアレルギー症状を起こしている可能性があるので早めに受診しましょう。

    「喉がイガイガする」ときの正しい対処法は?

    喉がイガイガする時に市販のうがい薬や痛み止めを飲んでいただいても基本的には問題ありません。
    どの市販薬、漢方薬を用いるかは、もちろん症状(イガイガ、痒み、飲み込みにくさなど)がどれにあたるのかによって変わってきます。一例を挙げましょう。強い咽喉頭異常症で週1回異常食事中にも喉のつまりで吐いていた方が、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)で症状が改善したという報告があります。漢方は1つの症状というより、漢方医学的に体がどのようなバランスにあるのかを判断し、処方されるものです。市販のものでも劇的に効果があることもありますが、やはり漢方外来などで処方してもらうのが安心でしょう。
    喉のスプレーの主な成分はヨード(ヨウ素)・ポピドンヨードです。ヨード・ポピドンヨード(ヨードの化合物)は粘膜を消毒する効果があります。ヨードアレルギーや妊娠中・授乳中、甲状腺疾患などがなければ使っていただいても問題ありません。製品の注意事項をよく読んで用量用法には注意しましょう。
    うがいは薬を使わなくても水で代用可能です。回数の上限はありませんので、うがいで喉の違和感が取れるのであれば何度でもやって問題ありません。
    喉への刺激性を考えると、冷たすぎる水や熱すぎるお湯は控えましょう。粘膜を保護するには常温で刺激の少ない水や薬剤でのうがいがおすすめです。

    「喉がイガイガする」ときのタバコ、アルコール、日常生活の注意点

    タバコ、アルコールは喉への刺激となり症状を悪化させる可能性があります。症状がある際には控えましょう。辛いものや冷たい・熱すぎるものも刺激になりますので、控えましょう。
    声を出す際に症状がなければ問題はありませんが、声がかすれる、声をだすと違和感がでる場合には喉を酷使しないようにしましょう。またいわゆる咽頭・扁桃よりも声をだす声帯は奥にあります。声がかすれるなどの声帯の異常がある場合には、早めに耳鼻科に相談しましょう。声帯を観察するには、ファイバーなどの特殊な検査が必要です。
    花粉やハウスダストが原因の場合には、部屋や寝具の掃除・処置をすることで症状が改善することもあります。花粉が原因の場合には、季節により症状が悪化、改善を繰り返してしまいます。花粉が原因とわかっている場合には、花粉症に準じて抗アレルギー薬を使っていただくと症状が良くなるかもしれません。また冬場や季節の変わり目など乾燥する季節になると症状が出てくる場合には、加湿器などで部屋の湿度を適度な湿度に保ちましょう。明確な科学的根拠があるわけではありませんが、一般的には40%以下だと乾燥による咽頭や気管支の粘膜の刺激が増え、逆に60%以上ではダニが増殖しやすいためハウスダストなどの悪化につながるといわれています。
    市販の薬で症状が改善しない場合、そもそもつばを飲み込めないくらい強い症状があるなどの場合には自己判断での投薬は危険です。強い症状の場合には病院受診しましょう。

    「喉がイガイガする」ときに医師が薦める食べ物・飲み物は?

    喉のイガイガがある時に科学的にエビデンスのある食べ物や飲み物というのはありません。
    避けるべきものとしては、香辛料などの刺激物は粘膜の炎症を悪化させる可能性があることと、熱すぎたり冷たすぎたりする食べ物、飲み物、アルコール、喫煙は避けた方が良いとされています。
    痛みが強い場合には、刺激が少なく喉越しのよいもの(うどん、とろみのあるもの、ゼリーなど)が良いかもしれませんね。
    のど飴は唾液分泌を促しますので、舐めて症状が改善するのであれば問題ありません。メントールなどのすっきりするものも場合によっては刺激になるので、症状に合わせてお使いいただくと良いでしょう。

    「喉がイガイガする」についてよくある質問

    ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「喉がイガイガする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

    喉がイガイガして違和感があるのは何科の病院に行くべきですか?

    久高 将太医師久高 将太医師

    喉の症状がある場合には耳鼻咽喉科が専門になります。

    喉が痛くてイガイガした状態が続くのは風邪の治りかけでしょうか?

    久高 将太医師久高 将太医師

    風邪の治りかけでイガイガが出ることもあります。風邪の治りかけですと、通常は数日から1週間程度で改善します。悪化傾向である場合や症状がいつまでも続く場合には、一度受診しましょう。

    朝起きると喉がイガイガするのはどんな原因が考えられますか?

    久高 将太医師久高 将太医師

    寝ている時に口呼吸になっていると口腔内が乾燥し、イガイガすることがあります。口呼吸の原因として鼻炎などによる鼻閉(鼻づまり)などの病気が隠れていることもあります。寝る時にマスクをする、加湿器を使用するなどのホームケアで改善しない場合には、一度ご相談しましょう。

    花粉症は鼻炎のほかにも喉のイガイガを引き起こすのでしょうか?

    久高 将太医師久高 将太医師

    花粉で喉の粘膜が刺激を受けてイガイガし、痒いような症状がでることがあります。花粉症による喉の症状の場合、花粉症の治療がよく効くことがあります。花粉の季節にのみ症状がある場合や辛い症状がある場合には、一度受診してご相談してみましょう。

    まとめ

    喉のイガイガは乾燥や花粉などの刺激が原因になることもあれば、がんが隠れているような場合もあります。まずは記事にあるようなホームケアを試していただき、症状が改善しない場合や強い症状がある場合には、自己判断せずに病院を受診しましょう。

    「喉がイガイガする」で考えられる病気と特徴

    「喉がイガイガする」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
    各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

    内科の病気

    喉の症状は耳鼻科が専門ですが、内科でも診察可能です。

    「喉がイガイガする」と関連のある症状

    「喉がイガイガする」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
    各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

    「喉がイガイガする」他に、これらの症状がある際は、「咽頭炎」「扁桃周囲膿瘍」「咽喉頭異常感症」「シェーグレン症候群」「花粉症」などの疾患の可能性が考えられます。症状がなかなか治らない場合は早めの医療機関への受診を検討しましょう。