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  3. 「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」閃輝暗点・光視症をご存知ですか?

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」閃輝暗点・光視症をご存知ですか?

目の前にキラキラしたものが飛ぶ時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」症状で考えられる病気と対処法

目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状で考えられる病気には、大きく分けて目が原因の場合と脳が原因の場合があります。視力や生命に関わる病気の前駆症状(前兆)として出現することもあり、注意が必要です。それぞれの特徴的な症状と考えられる病気や対処法についてご紹介します。

目の前に銀色のキラキラしたものが飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状を指します。このような場合、光視症か閃輝暗点などが疑われます。

閃輝暗点(せんきあんてん)

20-30分間程度キラキラと光るものが続き、だんだん光る場所が変化して行ったり、視野が一部見づらくなったりするのであれば、閃輝暗点の可能性を考えます。閃輝暗点とは、脳の一時的な血管収縮に伴い光や視野障害が起きる症状です。後述しますが、片頭痛の前兆として、この閃輝暗点が起こることもあります。

光視症

短い間にピカッと光るのであれば、光視症の可能性を考えます。光視症とは、目に光が当たったわけでもないのに光を感じる症状のことです。眼球の中には硝子体というゼリー状の物質が目の内側の網膜という膜に張り付いていますが、加齢などにより硝子体は変性あるいは萎縮して、剥がれることがあります。その時に網膜が刺激され、光ったように見えるのが原因と考えられています。光視症自体は治療が必要ではないことが多いのですが、網膜が剥がれて視力が低下する網膜剥離という重大な病気の前兆である可能性があります。症状が初めて現れた時は眼科を受診した方がいいでしょう。
眼科では瞳孔を開く散瞳検査を行う可能性があります。散瞳検査は検査後瞳孔が戻るまで5〜8時間程度かかり、その間は光が眩しく、ピントがぼやけた状態になります。歩くことはできますが、車やバイクの運転は危険ですので控えましょう。

頭痛と目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

目の前にキラキラしたものが飛び、その後にズキンズキンとした激しい頭痛が生じる症状を指します。このような場合、閃輝暗点が疑われます。

閃輝暗点(せんきあんてん)

閃輝暗点とは、脳の血管が痙攣することで脳の視覚領域の血流が悪化し、ジグザグ模様の光が広がっていくように見える症状を引き起こすものです。この症状の多くは、20-30分間程度で消失します。なお、頭痛を伴わない閃輝暗点もあります。
症状が起きたら、まずは安静にし、頭痛がある場合は鎮痛剤の使用も有効です。また過度なストレスや喫煙、コーヒーやチョコ、ナッツの過剰摂取が原因になることがあるため、これらを控えるよう心がけましょう。
閃輝暗点は、脳血管障害や片頭痛、腫瘍などの影響によって出現する可能性もあるため、早めに眼科や脳神経内科、脳神経外科を受診することをお勧めします。

貧血と目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

貧血になると目の前にキラキラしたものが飛ぶような症状が現れることがあります。鉄分が不足しないように、レバーや赤身肉、血合いの多い魚などを摂取することを心がけましょう。対策をしても頻繁に起こる場合は病気が隠れている可能性もありますので、まずは内科を受診しましょう。

妊娠中に目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状で考えられる原因と治し方

妊娠中は、眼の組織の形状がホルモンの作用により変化することが知られています。そのため、新しい眼鏡やコンタクトを作るのは出産後1-2ヶ月以降に行うことが望ましいと言われます。
また、妊娠高血圧や妊娠中の起立性低血圧では、このような症状を引き起こすことがあります。妊娠高血圧の治療は安静、減塩、カロリー制限などです。妊娠の終了で回復することが多いため、眼科的な治療はほとんど必要ありません。気になる場合は、かかりつけの産婦人科で相談しましょう。

すぐに病院へ行くべき「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

目の前にキラキラしたものが飛んだり、虫やゴミが流れるように見える症状の場合は眼科へ

目の前に蚊やゴミ、墨を流したようなものが飛んで見えたりする症状を飛蚊症と呼びます。高齢者の方や近視の方に多く見られます。目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状に加え、飛蚊症の症状が現れる場合は、網膜剥離の前兆の可能性があります。
網膜は眼の内側に一面に広がっている薄い膜状の組織で、光や色を感じるのに必要な神経細胞が存在します。人の目をカメラに例えると、網膜はフィルムに当たる部分になります。網膜剥離は、網膜が剥がれてしまう病気で、剥がれてしまった部分は栄養供給が途絶えるため視野障害や視力障害が起こります。高血圧や糖尿病、外傷、加齢による変性などが原因となります。
網膜剥離は失明にもつながる重篤な病気ですが、早期に治療すれば視力障害を予防できる可能性も高くなります。目の前にキラキラしたものが飛ぶのに加え飛蚊症の症状が現れたら、必ず早めに眼科を受診しましょう。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

閃輝暗点(せんきあんてん)

閃輝暗点とは、脳の血管が収縮することにより目の前に光が飛ぶ症状です。ジグザグした光が20-30間現れ、視野障害が起きることもあります。両目に同じように症状が現れるのが特徴です。光が見えなくなった後、激しいズキンズキンとした頭痛が発生することもあります。
症状が現れた場合は安静にし、頭痛がひどい場合は鎮痛剤を使用しましょう。初めて閃輝暗点になった場合は、脳の血管障害や腫瘍の可能性もありますので、眼科や脳神経内科、脳神経外科を受診して検査をすることをお勧めします。

光視症(こうししょう)

光視症とは、光っていないのに光を感じる症状です。眼の中の硝子体という組織が変性して網膜を引っ張る刺激が原因で症状が現れます。片方の目のみに現れることが多いのが特徴です。加齢により硝子体は変性するため、一種の老化現象とも言えます。自分でできる効果的な対処法は残念ながらありません。気になる場合や繰り返す場合は眼科を受診しましょう。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」ときの正しい対処法は?

すぐに医療機関を受診するのが難しい場合もあると思いますが、原因がわかっていれば市販薬の使用は有効です。
目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状(閃輝暗点)の後に頭痛がある場合は、目の症状に対してではなく、頭痛に対して痛み止めを使います。
閃輝暗点の頭痛には、非ステロイド系の鎮痛剤アセトアミノフェンを含む新セデス錠やロキソプロフェンを配合するロキソニンSなどがあります。
頭痛が起こってからではなく、キラキラしたものが見えたタイミングで飲むと頭痛が軽減されやすくなります。頭痛薬は常用すると反作用でさらにひどい頭痛が起きることがあります。市販薬を常用するのではなく、医療機関を受診し、医師の管理のもと薬を使用しましょう。主な診療科は眼科、脳神経内科、脳神経外科です。
閃輝暗点は、コーヒー、アルコール、チョコレート、ナッツの過剰摂取が原因となることが知られています。これらを食べ過ぎないよう気をつけましょう。また、喫煙も閃輝暗点の原因と言われていますので、禁煙を心がけましょう。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

視界の端にギザギザの光が見えるのは目の病気ですか?眼科にかかるべきですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ギザギザの光が見える症状は、閃輝暗点の可能性が考えられます。閃輝暗点は脳の血管障害や腫瘍の可能性もあるので、眼科や脳神経内科、脳神経外科を受診した方がいいでしょう。

立ち上がったときに、目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状の原因と対策法を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

立ち上がると、より高い位置になる脳に血液を送るため血圧を上げる必要がありますが、その血圧のコントロールがうまくいかず、一時的に脳への血流が減少してしまい、起立性低血圧を起こしている可能性があります。
症状が起きたときは、その場にしゃがんで安静にしましょう。立ち上がるときはゆっくり立ち上がる、血液循環が良くなるよう普段からウォーキングなどで下半身を鍛えるなどの対策が考えられます。対策をしても頻繁に起こる場合には、内科を受診して相談しましょう。

視界にキラキラした光が見える閃輝暗点はストレスと関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

閃輝暗点はストレスと関係があると言われています。ストレスを感じると脳の血管収縮を引き起こし、一時的に脳が血液不足になり症状が現れます。ストレスを溜めないようにすること、睡眠を十分にとること、カルシウムや亜鉛などの栄養素を積極的に摂取するなどの対策が考えられます。

くしゃみをすると、目の前にキラキラしたものが飛ぶのはなぜでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

くしゃみをすると、眼球が振動し網膜を引っ張ることがあります。その刺激が、目の前にキラキラとした閃光のようなものが見える症状につながると考えられています。

まとめ

目の前にキラキラしたものが飛ぶ症状は加齢による目の組織の変化によるものや、一時的な血液不足など、治療が必要でないこともありますが、中には失明に繋がる網膜剥離や生死に関わる脳梗塞などの恐ろしい病気の前兆であることもあります。初めて症状が現れたとき、また症状が繰り返す場合は医療機関を受診しましょう。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」で考えられる病気と特徴

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」から医師が考えられる病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

眼科の病気

脳神経科の病気

内科の病気

病気が隠れている可能性もあることから、症状があれば一度医療機関を受診する方が良いでしょう。

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」と関連のある症状

「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状


「目の前にキラキラしたものが飛ぶ」他に、これらの症状が見られる際は、「片頭痛」「光視症」「網膜剥離」「貧血」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師