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痰が喉に張り付くで考えられる病気・原因は?医師が徹底解説!

痰が喉に張り付いて息苦しく感じることがありますよね。症状が長く続くほど、何が原因なのか心配になってしまいます。ここでは、Medical DOC監修医が主に考えられる痰が絡む原因や対処方法などを解説します。

「痰が喉に張り付く」ときに考えられる病気と対処法

痰が喉に張り付くときは、気道に何らかの炎症があって痰が増えていることが原因になっていることがほとんどです。
風邪を引いた場合などに多いものですが、常に何となく痰が絡んで咳が出るという人もいます。症状の原因や対処法について説明していきますね。

透明で粘り気のある痰が止まらない場合の原因と治し方

透明あるいは白色で粘り気のある痰が止まらない、喉で絡むような症状のことを指します。
このような症状は、喫煙者の場合には、喫煙による肺や気道の障害やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が疑われます。一方、非喫煙者の場合には、ウイルス感染やアレルギー性気管支炎などが疑われます。
粘り気のある痰に対しては加湿が有効であり、加湿器を使用する、マスクを着用することで症状がやや軽くなる場合があります。また飴玉をなめる、口をゆすぐなど口腔内を湿らすことも症状を軽減させることがあります。喫煙者では、喫煙している限りは症状が徐々に悪くなってくるため、禁煙をしましょう。ウイルス感染などは2週間以内に症状が消失することがほとんどであるため、3週間以上、咳や痰が続く場合には医療機関を受診してください。

黄色や黄土色の痰が絡んで息苦しい場合の原因と治し方

黄色や黄土色の痰があって絡んでしまう、大量の痰が出てくる状態のことを指します。
このような症状の場合には、気道に細菌が感染した可能性が疑われます。細菌感染があれば必ず抗菌薬が必要というわけではないため、まずは、市販の風邪薬などで症状を抑えつつ、安静に過ごすことが良いでしょう。
激しい咳や息苦しさを伴う場合には、肺炎になっている可能性があるため、内科・呼吸器内科を受診してください。細菌感染では抗生剤が有効であるため、症状が2週間以上つづくなど長引く場合にも、内科・呼吸器内科への受診が好ましいです。
また、副鼻腔炎では痰がでるわけではありませんが、膿が喉に垂れ込むことで膿性痰と勘違いされることがあります。軽い咳嗽や膿性の排液が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するのが良いでしょう。

喉の痛みを伴う場合の痰の原因と治し方

痰が多く喉の痛みを感じることがあります。
このような症状の場合には、気管支炎などで頻回に咳をすることで喉が痛くなっている可能性があります。対応としては、市販の風邪薬などで咳を抑えつつ、のどを加湿することで改善が期待できます。しかし、のどの痛みが強く、唾液や痰を飲み込むのもつらい場合には、急性喉頭蓋炎の可能性があります。喉頭蓋が腫れることで空気の通り道がふさがり窒息するリスクがある病気であり、強い喉の痛みに加えて息苦しさが出てきた場合には、すぐに耳鼻咽喉科への受診が必要です。

咳を伴う場合の痰の原因と治し方

痰が絡むんでよくせき込むんでしまう、のどが痛くなるほど激しい咳が出るような状態のことを指します。
咳が激しい疾患としてはマイコプラズマ肺炎が代表的ですが、百日咳やクループ症候群などの注意が必要な疾患もあります。また、気管支喘息などで、もともと気道の過敏性が高い場合には普通の風邪でも咳がひどく出てしまうことがあります。
すぐできる処置としては、市販の鎮咳薬の服用や加湿、飴玉などをなめて唾液を増やしたりすることで、少し和らぐ場合があります。しかし、咳がひどく息苦しさを伴う場合には、気道が狭くなっている可能性もあるため、すぐに呼吸器内科へ受診してください。

すぐに病院へ行くべき「痰が喉に張り付く」症状

ここまでは痰が喉に張り付く症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

喉の痛みが強く、飲み込むことができない場合は、耳鼻咽喉科へ

喉の痛みが強く、唾液も飲み込むことができない、息苦しいなどの場合には、急性喉頭蓋炎の疑いがあります。
急性喉頭蓋炎は、気道と食道を分ける蓋の役割をしている喉頭蓋が腫れてしまう病気です。腫れがひどいと窒息するリスクがあるため、すぐに耳鼻咽喉科の受診が必要です。夜間休日には、救急病院に連絡して受診するのが良いでしょう。

そもそもなぜ痰は出るのでしょうか

痰は、細菌やウイルスなどの異物が気道や肺の中に入ってこないようにするための、体の防御機構です。そのため、気道に異物があると体が認識すると痰が増えます。
風邪をひいても風邪が治れば痰が少なくなるように、気道への刺激がなくなれば基本的に痰は減ります。慢性閉塞性肺疾患や気管支拡張症のように、慢性的な感染がある場合には、気道に刺激があり続けるため、慢性的に痰がでることもあります。

生活の中で出来る!痰が出ないようにする予防・解消方法

痰の予防で最も重要なことは、禁煙です。タバコは気道への刺激性が強く、長期に喫煙することで気道に慢性的な炎症が起きて痰が止まらなくなります。非喫煙者の場合には、歯磨きをしっかりするなどで口の中を綺麗にしたり、乾燥を避けることで痰が増えたり、喉が痛くなったりすることを予防できます。

「痰が喉に張り付く」ときに飲んでも良い市販薬や漢方は?

強い喉の痛みや息苦しさなどを伴わない場合には、まずは市販薬で様子を見ていただいても問題ありません。
痰が気になる場合には、気道粘液修復作用のあるL-カルボシステインが成分に入っている医薬品や麦門冬湯などがあります。
去痰薬には咳止めや解熱鎮痛薬は含まれてないことが多いため、咳や熱がある場合にはPL顆粒などをはじめとした複合感冒薬も有効と思われます。

「痰が喉に張り付く」症状で考えられる病気と特徴

考えられる病気は13個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからご覧ください。

関連する病気

上気道の炎症が原因の疾患

痰の量としては少ない傾向があります。

  • 扁桃炎
  • 咽頭炎
  • 喉頭蓋炎
  • 咽後膿瘍
  • 急性上気道炎

下気道の炎症が原因の疾患

痰が多く、咳も続くことが多い傾向があります。

  • 肺炎
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 急性気管支炎
  • 気管支拡張症
  • 肺結核
  • 気管支喘息

気道以外が原因となる疾患

後鼻漏や喉の違和感を痰と勘違いしていることもあります。

  • 慢性副鼻腔炎
  • 食道癌

まとめ

痰が絡むこと自体は、重篤な症状につながることは多くありません。ただし、慢性的に痰がでており生活に大きく影響を与える疾患や、痰以外のさまざまな症状を伴っており早めの原因検索も必要な疾患があります。
慢性的な痰の症状は、喫煙者に特に多いため、禁煙が最も必要な治療です。もし、禁煙を目指す場合には、禁煙を応援するような治療を行う禁煙外来に相談する方法もあります。症状が続いてお困りの際には、一度近くの耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診するのもよいでしょう。

この記事の監修医師

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