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腰痛の原因はO脚にあった? O脚がもたらす体の不調や対策を柔道整復師が解説

 更新日:2023/04/21
腰痛の原因はO脚にあった? O脚がもたらす体の不調や対策を柔道整復師が解説

O脚は「見た目の問題」だけでなく、足の冷えやむくみの原因となることもあります。O脚と下半身の不調の関係性はイメージできますが、O脚で悩まれている方の多くは、腰痛を発症している人も多いようです。一見、“O脚”と“腰痛”は無関係だと思われますが、実は共通点が多いと考えられています。どのような共通点があり、予防や改善は何を行えば効果的なのでしょうか。柔道整復師の小森さんにお話を伺いました。

小森 崚司

監修柔道整復師
小森 崚司(柔道整復師)

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柔道整復師/ボディメイクインストラクター/臨床経験10年以上。施術経験3万人以上。特養老人ホームで寝たきりの方のリハビリ経験から、最期まで歩ける身体を維持するには生活習慣を変える必要があるという考えに至り、社会貢献していくことを決意し起業。日常生活に活かせる身体の使い方や今すぐできる身体のケア方法を発信している。

そもそもO脚とはどのような状態? セルフチェックの方法や原因を紹介

そもそもO脚とはどのような状態? セルフチェックの方法や原因を紹介

編集部編集部

O脚とはどのような状態のことを言うのですか?

小森 崚司さん小森さん

内くるぶしをそろえて立った時に、膝の内側にスキマがある状態を指します。若年であったり進行していなかったりすれば、痛みが出る方は比較的少ないですが、下半身が太って見えたり、スカートやスキニーパンツなどの脚のラインが出るファッションの際に気になってしまったりする方がいらっしゃいます。まずは、ご自身でO脚の特徴に当てはまるかセルフチェックしてみて欲しいと思います。

編集部編集部

具体的なO脚のセルフチェックの方法について教えてください。

小森 崚司さん小森さん

つま先をそろえて立ち、両足の内くるぶしをつけます。この状態で両膝のスキマに指が何本入るのかを確認します。この時、指が2本以上入る場合はO脚の傾向にあります。O脚を放置すると、腰痛や下半身太りの原因になるので、注意が必要です。

編集部編集部

O脚になってしまう原因はどのようなことがあるのでしょうか?

小森 崚司さん小森さん

主な原因としては、①猫背などの姿勢の悪さ、②足を組むなどの偏った座り方、③内股などの誤った歩き方、④産後の骨盤の緩みなどが挙げられます。つまり、筋力不足や日常生活の姿勢がO脚を引き起こす原因となります。生まれつきや、怪我などによる骨の変形が原因でO脚になる方もいますが、多くの原因は生活習慣や出産によるものです。

O脚と腰痛の意外な共通点とは?

O脚と腰痛の意外な共通点とは?

編集部編集部

O脚と腰痛はどのような共通点があるのでしょうか?

小森 崚司さん小森さん

O脚や腰痛をお持ちの方に見られる共通点としては、まず股関節の前方の筋肉(腸腰筋:腰椎・骨盤・大腿骨をお腹側で結んでおり、体幹を支える重要な筋肉)が硬くなっていることが挙げられます。デスクワークなど、長時間同じ姿勢を続けていると、腸腰筋が緊張して硬くなり、腰や股関節への負担が大きくなることになります。また、太ももの外側の筋肉が張っていることも、O脚と腰痛に共通して見られる特徴です。太ももの外側には大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)や腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)がありますが、これらの筋肉・靭帯が硬くなることで、足が外側へと引っ張られてしまいます。その結果、臀部や腰部も緊張し腰痛を引き起こすことも珍しくありません。

編集部編集部

そのほかにも共通点はありますか?

小森 崚司さん小森さん

通常よりも骨盤が後方に傾いていることも共通して見られる特徴です。骨盤が後方に傾くと、股関節が外側へと回旋するため、O脚のリスクが増加します。また、お尻の筋肉(大臀筋)や太もも裏の筋肉(ハムストリングス)、内ももの筋肉(内転筋群)の緊張を誘発し、腰部への負荷が増加することで腰痛の発症に繋がります。

編集部編集部

O脚と腰痛には様々な共通点があるのですね。

小森 崚司さん小森さん

O脚の状態で歩行をすると、横方向への力が分散して、効率の悪い歩行となり、腰痛の原因になっているというデータもあります。「見た目」と「痛み」という違いはありますが、共通の原因が潜んでいることも珍しくはありません。重要なことは、腰痛やO脚になる原因を知り、日々の生活から予防をしていくことです。すぐに意識できること、生活習慣を変えていくことから始めていきましょう。

O脚・腰痛の改善方法と予防法を紹介 日々の生活で心がけるべきこととは

O脚・腰痛の改善方法と予防法を紹介 日々の生活で心がけるべきこととは

編集部編集部

O脚と腰痛を改善する方法を教えてください。

小森 崚司さん小森さん

ピラティスなどの姿勢改善を目的としている運動や骨盤矯正の施術がお勧めです。O脚や腰痛の原因となる筋肉や筋膜の緊張を取り除いても、姿勢や骨盤のバランスが崩れたままだと、すぐに筋肉に負担がかかってしまうためです。一方で、姿勢や骨盤のバランスだけを整えたとしても、筋肉や筋膜の緊張が残っていれば、再び姿勢や骨盤の位置が歪んでしまいます。そのため、筋肉や筋膜を緩めることと、姿勢の改善は同時に行う必要があります。

編集部編集部

O脚・腰痛を予防するにはどうしたらいいですか?

小森 崚司さん小森さん

生活動作を見直すことが重要です。ソファに深く腰掛けて座る、床にアヒル座り、足を組んで座る、小股で歩く、などによりO脚や腰痛のリスクを増加させてしまいます。また、筋肉は使い過ぎだけでなく、使わないことでも硬くなってしまうため、日頃からストレッチや適度な運動を行い、固まってしまった筋肉を伸ばしたり動かしたりしましょう。適度な運動と言っても、1時間スポーツをするという意味ではなく、普段から歩幅を広くして歩く、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使うなど工夫すると良いと思います。また、疲労を溜め込んでしまうと、姿勢が猫背になってしまい、骨盤の後傾を誘発します。そのため、身体を休める時はしっかりと休み、過度な疲れを翌日に残さないよう心がけましょう。

編集部編集部

全てのO脚が治るのですか?

小森 崚司さん小森さん

O脚には、治るタイプのO脚と、治らないタイプのO脚があります。骨の変形がある場合には、生活動作の改善のみではO脚の改善は期待できません。セルフチェックの方法としては、背筋を伸ばして椅子に腰掛け、膝の角度を90度にして足裏全体を床につけます。両膝の内側をつけ、上から脛(すね)を覗きます。その際、脛が前方を向いていれば骨の変形は無くO脚の改善が期待できます。しかし、脛の骨が外側を向いている場合、骨の変形がある可能性が高くなります。骨が変形してしまう前に予防・改善することを強くお勧めします。すでに日常生活に支障が出ている場合には、整形外科を受診するようにしましょう。

編集部まとめ

O脚と腰痛の密接な関係について詳しく解説して頂きました。どちらも同じ筋肉が関与していること、また、生活習慣が原因の一つにあり、生活習慣や姿勢の改善で予防もできるとのことでした。また、治るタイプと治らないタイプのO脚があり、適切な処置を行う必要があることも学びました。まずはセルフチェックで現状を知り、適切な対処でO脚や腰痛の予防をして頂けますと幸いです。

この記事の監修柔道整復師