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「腰痛」と「尿管結石」が関係あるってホント?

公開日:2021/08/13  更新日:2021/08/12
腰痛と尿管結石って関係あるの?

その腰痛、もしかしたら腰が悪いのではなく、結石による腎臓付近の痛みなのかもしれません。生活習慣病のように、誰でも発症する可能性のある「尿管結石」を忘れてはいませんか。そこで、「高田Ysクリニック泌尿器科・内科」の保田先生に、結石の自己判断法や対処法について伺ってみました。

保田賢吾

監修医師
保田 賢吾(高田Ysクリニック泌尿器科・内科 院長)

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筑波大学医学群医学類医学科卒業。横浜市立大学関連基幹病院の泌尿器科勤務を経た2020年、神奈川県横浜市に「高田Ysクリニック泌尿器科・内科」開院。安心安全な満足度の高い医療をモットーとしている。日本泌尿器科学会認定専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、難病指定医、身体障害者福祉法第15条指定医。日本泌尿器内視鏡学会、日本生殖医学会、日本アンドロロジー学会、日本臨床泌尿器科医会の各会員。

動くと痛いのか、動かなくても痛いのか

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編集部編集部

尿管結石が原因で腰痛になることはありますか?

保田賢吾保田先生

尿管結石の典型的な症状が腰痛です。結石によって腎臓周辺に痛みが生じ、腰痛となります。他方、結石ができたことで腰周りの関節や筋肉に影響を与えるということは、通常なら考えられません。

編集部編集部

つまり、腰痛が出たら結石を疑えと?

保田賢吾保田先生

まずは整形外科などを受診して、腰の機能に異常がなければ、“その次に疑う”という順番でしょうか。ただし、腰痛に加えて頻尿や尿道の痛みや血尿などがあったら、泌尿器科へ直行してください。尿管結石の疑いが濃厚です。

編集部編集部

整形外科で尿管結石と判明することはないのですか?

保田賢吾保田先生

「結石を疑えるかどうか」によりますね。超音波やX線、CTなどで尿管付近の検査をすれば、結石の有無は判明できます。このステップを踏まずに、痛み止めや湿布などの処方で終わると、根本解決にはなりませんよね。

編集部編集部

明らかに「結石だ」というサインはあるのでしょうか?

保田賢吾保田先生

仮に筋肉や骨が関係している腰痛だとしたら、動きやポーズと連動しているはずです。そうではなく、どの方向へ向いてもどんなポーズをとっても腰痛が治まらないケースは、結石を疑いましょう。また、背中側の肋骨の下、つまり腎臓のある部分をポンポンと叩いてみて痛みが増すようなら、結石かもしれません。痛みが左右片方だけにある場合も、結石ならではのサインです。

泌尿器科でできることと、自分ですべきこと

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編集部編集部

結石って、超音波やX線検査で見つけるのですよね?

保田賢吾保田先生

尿検査や超音波、X線検査もおこないますが、それでもわからない場合はCT検査になります。血液検査は付随的で、感染症や腎盂腎炎などの合併症が疑われたときに用います。

編集部編集部

治療方法としては、結石を直接、取り出すのですか?

保田賢吾保田先生

一般に、「結石が5mm以下であれば、自然に出る」とされています。そのため、十分な飲水を心がけましょう。5mm以上で自然排出が望めないようなら、体の外から衝撃波を当てて砕きます。この場合も、最終的には自然排出に期待しますね。あるいは、尿道から内視鏡を挿入し、レーザーで割って取り出すといった手術をするかです。どちらの治療で進めるのかはケースバイケースですが、患者さんの希望も加味して決定します。

編集部編集部

自然排出の場合、結石が出たかどうかは自己確認になると?

保田賢吾保田先生

はい。ただし、結石は数mm程度と小さいものが多いため、普段通り排尿していては見逃してしまうことも多いようです。茶ごしやガーゼなどで尿をこして結石が捕まえられたら、ぜひ、それを持って受診してください。食事内容の偏りなど、結石の原因が判明できるかもしれません。それにより、再発予防ができます。

編集部編集部

尿管が傷付いたままになることは考えられますか?

保田賢吾保田先生

結石が出るときについた傷のレベルであれば、そこまで気にする必要はないでしょう。自然に治癒すると思われます。

取りだしても再びできる結石の怖さ

取りだしても再びできる結石の怖さ

編集部編集部

結石を予防するには、どうしたらいいのでしょうか?

保田賢吾保田先生

結石は「食生活の結果としてできるもの」と考えましょう。ですから、食生活を改善しない限り、高確率で再発します。とくに気をつける点として、まずは十分な飲水をすることです。通常1日2L程度の飲水が必要と言われています。また、カルシウムを適量に摂取することも大切です。むしろ「結石ができやすい」と思われるかもしれませんが、実際は逆であることが、研究報告からも明らかになっています。

編集部編集部

カルシウムというと、やはり石のイメージが強いです。

保田賢吾保田先生

日本人にできる結石のうち約8割は、「シュウ酸とカルシウムが結びついた石」です。この両者が腸の中で結びついてくれれば、大便と一緒に排出されます。問題なのは、余分なシュウ酸がカルシウムと結びつかないまま、尿の中へ出てしまうことでしょう。こうなると、尿の中で結石ができます。ですから、シュウ酸を余らせない程度のカルシウム摂取が有効なのです。なお、シュウ酸はいろいろな食べ物に含まれています。

編集部編集部

ビールが結石に悪いという話をよく聞きます。

保田賢吾保田先生

「ビールを飲むと尿酸値が上がる」とよく聞くと思いますが、その尿酸結石と関係しています。加えて、飲酒による脱水を引き起こし、シュウ酸とカルシウムが結びつく結石も起こしかねないのでダブルパンチですね。なお、食べ物の中身については、担当の医師と直接、話し合ってみてください。「ビールをやめれば結石にならない」という話でもありません。

編集部編集部

運動はどうですか?

保田賢吾保田先生

たしかに、寝たきりの生活をしている人に結石ができやすいのは事実です。しかし、通常の生活をしている人でしたら、なにか特別に運動をしなければいけないということはないと思います。ちなみに、以前は「縄跳びをするのがいい」という話もありましたが、個人的にはあまり関係ないと考えています。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

保田賢吾保田先生

日本人の男性なら約7人に1人、日本人の女性なら約15人に1人が、一生に一度は結石にかかります。総じて、「生活習慣病」の一種と考えてもいいのではないでしょうか。結石に限らないことですが、健康的な生活を心がけてください。

編集部まとめ

結石が腰を痛めることはなさそうです。しかし、結石による腰付近の痛みは、起こり得ることなのでしょう。もし結石だとしたら、腰の動きやポーズとは関係なしに、痛みを生じさせます。この場合、治療と同時に再発防止のための「食生活の改善」を心がけましょう。キーワードとなる「シュウ酸」はいろいろな食べ物に含まれ、これといった傾向が見当たりません。自分がどのような食生活をしているのか、医師とじっくり話し合ってみましょう。

医院情報

高田Ysクリニック泌尿器科・内科

高田Ysクリニック泌尿器科・内科
所在地 〒223-0065 横浜市港北区高田東4-23-4 高田駅前医療ビル2F
アクセス 横浜市営地下鉄グリーンライン「高田駅」徒歩1分
診療科目 内科、泌尿器科