「卵の脂質」で太る?太らない?食べる時の注意点も管理栄養士が解説!

卵の脂質量はどのくらい?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
落合 晴美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
卵とは?

卵とは、動物が次の世代を残すために産む「生殖細胞」のことです。殻で守られているため傷みにくく、手軽に栄養を摂れる食品として、昔から人々の食卓に親しまれてきました。私たちが普段食べているのは、主にニワトリの卵(鶏卵)を指します。
卵1個の脂質は?

脂質とは?
脂質とは、体にとって重要なエネルギー源で、たんぱく質・炭水化物と並ぶ三大栄養素のひとつです。また、エネルギーになるだけでなく、細胞膜やホルモンの材料にもなり、体の機能を支える大切な役割を担っています。
脂質の一日の摂取量とは?
脂質はエネルギー産生栄養素の一つであるため、たんぱく質や炭水化物とのバランスを考慮し、総エネルギーに占める割合で示されています。
脂質の一日の摂取量は、1歳以上では、総エネルギー摂取量の20〜30%を目標量として設定されています。
卵1個の脂質量は?
鶏卵に含まれる脂質量は、卵1個(Mサイズ:約50g)あたり約5g前後です。
そのほとんどは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。
卵の脂質は、エネルギー源となる脂肪酸のほか、コレステロールやリン脂質などからなり、体の細胞やホルモンの材料としても使われる大切な成分です。
生卵・ゆで卵・焼き卵で脂質量は変わる?
卵そのものの脂質量はほとんど変わりません。
脂質は主に卵黄に含まれており、加熱しても量はほぼ変わりません。
ただし、焼き卵は、焼く時に油を使用するため、その分の脂質が増えるといえます。
卵の脂質で太る?太らない?

脂質は体に必要な栄養素であり、卵そのものが太る直接の原因になるとは言いにくい食品です。ただし、マヨネーズを多く使った卵サラダや、バターを多く使った調理、揚げ物との組み合わせなど、食事全体で脂質が重なるとエネルギー過多になりやすく、結果として太る原因につながる可能性はあります。
脂質の不足・過剰摂取による症状

脂質が不足すると現れる症状
脂質が不足すると、エネルギー不足につながるほか、肌の乾燥などがみられることがあります。また、脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあるため、不足が続くと栄養バランスに影響することがあります。さらに、極端な不足ではホルモンの材料が不足し、体調に影響が出る可能性もあります。
脂質を過剰摂取すると現れる症状
脂質を摂りすぎると、エネルギー過多になりやすく、体重増加や胃もたれの原因になることがあります。また、脂質の多い食事が続くことで血液中の脂質バランスが乱れ、脂質異常症や肥満につながることがあります。これらは動脈硬化や血糖コントロールに影響し、将来的な生活習慣病のリスクを高める要因になると考えられています。
脂質を効率的に摂取する方法
卵の脂質は、ゆでる・蒸すなどの調理法を選ぶことで、余分な脂質を増やさずに効率よく摂ることができます。さらに、脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあるため、にんじんやほうれん草など脂溶性ビタミンを多く含む野菜と一緒にとることで、栄養素をより効率よく活用することができます。
卵に含まれる栄養素

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に基づく基準値では、特殊な栄養強化飼料を与えていない通常の鶏卵の成分値が収載されています。一方で近年では、飼料や飼育環境の工夫により、ビタミンや脂肪酸など特定の栄養素を強化した付加価値の高い卵も多く流通していますので、目的に応じて選ぶのもおすすめです。
たんぱく質
たんぱく質は、体をつくる重要な栄養素で、筋肉や臓器、皮膚、髪などの材料となります。たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成され、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事から摂る必要があります。食品に含まれるたんぱく質が、必須アミノ酸をどれだけバランスよく含むかを示す指標が「アミノ酸スコア」です。スコアが100に近いほど良質なたんぱく質とされます。
鶏卵はアミノ酸スコアが100で、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質源です。
脂質
脂質は、体にとって重要なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料として、体の機能維持に欠かせない栄養素です。
鶏卵の脂質はコレステロールが注目されがちですが、リン脂質の一種であるレシチンや、リノール酸・オレイン酸などの不飽和脂肪酸も含まれています。そのため、卵は特定の脂質を補うだけでなく、日々の食事の中でさまざまな脂質をバランスよく摂ることができる食品です。なお、脂質のほとんどは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、体内での化学反応を助け、体の機能維持に役立つ栄養素です。水に溶けにくく油脂に溶けやすい性質があり、体内に蓄積されやすい特徴があります。
鶏卵には、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンが含まれます。脂溶性ビタミンは加熱による損失が少なく、油と一緒に摂ることで吸収が高まります。
例えば、目玉焼きやオムレツ、またはアボカドやナッツなどの良質な脂質と組み合わせることで、効率よく取り入れることができ、抗酸化作用や骨の健康維持に役立つと考えられます。また、これらの多くは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、体内での化学反応を助け、体の機能を維持するのに役立ちます。水に溶けやすく油には溶けにくいため、体内に留まりにくく排泄されやすいのが特徴で、毎日の食事から継続的に摂ることが大切です。
鶏卵にはビタミンCはほとんど含まれませんが、ビタミンB群を中心とした水溶性ビタミンが含まれています。ビタミンB群は熱や水に弱いため、生や半熟で食べると効率よく摂ることができます。また、卵白に含まれるアビジンという成分が、ビオチン(ビタミンB7)の吸収を妨げることがありますが、ゆで卵や半熟卵にするとその影響を減らせます。
このように、目的に応じて調理法を選ぶことで、卵の栄養を無駄なく摂ることができます。
ミネラル
ミネラルは、体の構成成分になるほか、体の調子を整えるために欠かせない栄養素です。体内で合成できないため、食事からバランスよく摂ることが重要です。
鶏卵には、リン、鉄、亜鉛のほか、カリウムやマグネシウムなどさまざまなミネラルが含まれています。これらは骨や歯の形成、赤血球の生成、神経や筋肉の働きなど、体のさまざまな機能を支える重要な栄養素です。卵は毎日の食事に取り入れやすく、無理なく補える食品のひとつです。
卵の健康効果

筋肉や体力の維持をサポート
卵は良質なたんぱく質を含み、筋肉や体づくりに欠かせない栄養素を手軽に補える食品です。朝食に取り入れることで、活動に必要なたんぱく質を補いやすく、一日のコンディションづくりに役立つと考えられます。
皮膚や髪の健康、体調をサポート
卵はたんぱく質やビタミンB群、ミネラルなどを含み、皮膚や髪の材料となる栄養素を補うことができます。これらは体の調子を整える働きにも関わっており、日々のコンディションづくりに役立つと考えられます。
免疫機能の維持をサポート
卵には、ビタミンAやビタミンD、亜鉛など、免疫機能の維持に関わる栄養素が含まれています。これらは体を守る働きに関わる栄養素であり、日々の食事に取り入れることで体調管理に役立つと考えられます。
脳や神経の働きをサポート
卵には、脳や神経の働きに関わるコリンが含まれています。コリンは神経伝達物質の材料となる栄養素で、日々の食事から取り入れることで、脳の健康維持に役立つと考えられています。
目の健康をサポート
卵にはビタミンAに加え、ルテインやゼアキサンチンといった成分が含まれています。これらは光によるダメージから目を守る働きがあるとされ、目の健康維持に関わる成分として知られています。
卵を食べる時の注意点

食べ合わせに注意(脂質の摂り過ぎ)
卵の脂質には、コレステロールだけでなく飽和脂肪酸も含まれるため、食べ合わせには注意が必要です。特にベーコンやソーセージ、バターを多く使った料理と一緒に食べると、飽和脂肪酸の摂取量が増え、悪玉(LDL)コレステロールが上がりやすくなり、動脈硬化の進行につながることがあります。一方で、野菜や果物、海藻などと組み合わせることで、卵に不足しがちなビタミンCや食物繊維を補うことができ、無理なく栄養バランスを整えやすくなります。
食べすぎに注意(コレステロールについて)
卵は栄養価の高い食品で、最近の研究では、食事から摂るコレステロールが虚血性心疾患などに直接影響することは少ないと報告されています。健康な方であれば、1日1〜2個を目安に取り入れても問題ないと考えられます。ただし、個数に関係なく、一度に多く食べるなどの食べ過ぎには注意が必要で、脂質を含めた食事全体のバランスを意識することが大切です。体内ではコレステロール量が調整されるといわれていますが、体質や体調によって血中値に影響する場合もあるため、健康診断などでご自身の状態を確認しておくと安心です。特に脂質異常症(高LDLコレステロール血症など)や糖尿病のある方は、コレステロールの影響の受け方に個人差があるため、医師や専門家に相談しながら取り入れることが大切です。
衛生面に注意(食中毒予防)
卵は、まれにサルモネラ食中毒の原因となることがあります。
対策としては、新鮮なものを使用し、冷蔵保存を徹底することが大切です。
ひび割れた卵は細菌が入りやすくなるため生食は避け、早めに十分加熱して食べましょう。特に高齢者や妊婦、乳幼児、体調がすぐれないときは、生や半熟ではなく、しっかり火を通して食べると安心です。加熱することで消化もしやすくなります。
卵の保存方法や期間

卵の保存方法
購入後はパックのまま、必ず冷蔵庫(10℃以下)で保存してください。
ドアポケットは避け、温度変化や衝撃の少ない庫内の奥で保管するのがおすすめです。
尖った方を下にすると内部の気室が安定し、鮮度を保ちやすくなります。
卵は、料理に使う直前に必要な分だけ割って使いましょう。割ったまま放置すると細菌が増殖しやすくなるため注意が必要です。
卵の保存期間
冷蔵(10℃以下)保存を前提とした場合、生食は表示された賞味期限内が目安です。期限を過ぎた場合は、十分に加熱すればさらに1週間程度を目安に食べることができますが、保存状態を確認し、割った際のにおいや状態に異常がないかを確かめてから使用することが大切です。ひび割れた卵は生食を避け、早めに加熱して食べましょう。
ゆで卵や温泉卵は、冷蔵庫で保存し2〜3日以内に食べ切るのが目安です。殻をむいたものはその日のうちに食べることをおすすめします。
「卵の脂質量」についてよくある質問

ここまで卵について紹介しました。ここでは「卵の脂質量」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
卵1個に含まれる脂質はどのくらいですか?
落合 晴美
鶏卵に含まれる脂質量は、卵1個(Mサイズ:約50g)あたり約5g前後です。
そのほとんどは卵黄に含まれ、卵白にはほとんど含まれません。卵の脂質は、エネルギー源となる脂肪酸のほか、コレステロールやリン脂質などからなり、体の細胞やホルモンの材料としても使われる大切な成分です。
脂質異常症などの場合、卵は1日何個まで食べて大丈夫ですか?
落合 晴美
卵を1日何個まで食べられるかという明確な指標はありません。脂質異常症は、飽和脂肪酸の摂りすぎや肥満・運動不足などの影響も大きいため、1日1個程度を目安に、食事全体のバランスを見ながら取り入れるのがおすすめです。
卵1個(Mサイズ:約50g)には約190mgのコレステロールが含まれます。完全に控える必要はありませんが、診断を受けている方は医師や栄養指導に従うことが大切です。
脂質異常症の重症化予防を目的とする場合は、コレステロールの摂取量を200mg/日未満に留めることが望ましいとされています。
まとめ
卵は、脂質に加え、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルも含む栄養価の高い食品です。朝食やランチ、おやつなど、毎日の食事に手軽に取り入れやすいのも魅力です。一方で、調理法や食べ合わせによっては脂質が多くなりやすいため、食べ方を工夫しながら、日々の食事に上手に取り入れていきましょう。
「卵」と関連する病気
「卵」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「卵」と関連する症状
「卵」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。


