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「かつお」がまぐろより約3倍多い「栄養素」は何かご存じですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2026/05/11
「かつお」がまぐろより約3倍多い「栄養素」は何かご存じですか?管理栄養士が解説!

かつおの栄養は?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・健康効果・保存方法について解説します。

田中 純子

監修管理栄養士
田中 純子(管理栄養士)

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保育園、小学校、特別養護老人ホーム、障害者支援施設で調理・献立作成の経験を経て、現在は総合病院に勤務。NST業務、栄養指導(外来・入院)、治験等に携わっている。

かつおとは?

かつおとは?

かつおは、腹側に濃い青いしまが入っているのが特徴の魚です。日本では一年を通して漁獲されますが、旬は春と秋の2回あります。3〜5月頃の「初かつお」は脂肪が少なく赤身が多いため、たたきにして食べるとみずみずしくさっぱりとした味わいが楽しめます。8〜10月頃の「戻りかつお」は脂がのっており、刺身にするとかつおの旨みをしっかり感じることができます。主な産地は静岡県焼津市、宮城県塩釜市、東京都八丈島などです。かつおは、うま味成分が多く、かつおのたたきやかつお節、缶詰など加工品として利用される割合が高い魚です。

かつおの一日の摂取量

かつおの一日の摂取量

かつおの一人前の目安は、調理法によって異なります。刺身の場合は一人前3切れで約60gが一般的な目安です。春に獲れる「初かつお」では65kcal、秋に獲れる「戻りかつお」では90kcalとなります。また、たたきの場合は一人前5切れで約80gが一般的な目安です。初かつおは86kcal、戻りかつおは120kcalとなり、季節によってエネルギー量と脂質量などに差が見られます。

かつおに含まれる栄養素

かつおに含まれる栄養素

かつお1人分の摂取量を80gとして栄養価を算出しています。

たんぱく質

春獲りのかつおには20.6g、秋獲りのかつおには20gのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、血液など体を構成する主要な栄養素で、20種類のアミノ酸から構成されています。食品に含まれるたんぱく質の利用効率は量だけでなくアミノ酸のバランスによって決まり、その指標としてアミノ酸スコアが用いられます。かつおのアミノ酸スコアは100で、必須アミノ酸がバランスよく含まれる良質なたんぱく質源といえます。

脂質

春獲りのかつおには0.4g、秋獲りのかつおには5.0gの脂質が含まれています。かつおの脂質には、不飽和脂肪酸の一種であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれ、脳の働きや血流の健康に関係するとされています。秋獲りのかつおは春獲りより脂がのっており、脂質が多くなります。脂質の摂取量を控えたい方には、春獲りのかつおが適しています。

春獲り・秋獲りのかつおともに1.5mgの鉄が含まれています。鉄は全身に酸素を運ぶ重要なミネラルです。特に、鉄が不足すると貧血の一因となるため、日常の食事で意識して摂りたい栄養素のひとつです。かつおなどの肉や魚介類に含まれる鉄(ヘム鉄)は吸収率が高く、効率よく摂取できるのが特徴です。

ビタミンB12

春獲りのかつおには6.7μg、秋獲りのかつおには6.9μgのビタミンB12が含まれています。成人の1日当たりの目安量(4.0μg)を満たす量です。ビタミンB12は赤血球の生成に関わる栄養素で、鉄(ヘム鉄)とともに貧血の予防に関係するとされています。

ビタミンD

春獲りのかつおには3.2μg、秋獲りのかつおには7.2μgのビタミンDが含まれています。秋獲りのかつおは春獲りよりも脂質が多く、ビタミンDの含有量も高くなります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨や歯の形成を支える栄養素です。骨の健康維持に関係するとされており、血中カルシウム濃度の調節や筋肉・神経の働きを保つうえでも重要です。

カツオのたたきに含まれる栄養は?

カツオのたたきに含まれる栄養は?

かつおの刺身とかつおのたたきは、どちらも同じ生のかつおを使用するため、栄養成分に大きな違いはありません。かつおのたたきは高知県の郷土料理で、表面を香ばしく炙ることで風味が増しますが、わずかに水分が減少します。加熱時間が短いため、栄養の損失が少ない調理方法です。初かつおのたたき1人前(5切れ・80g)のエネルギーは86kcal、たんぱく質は20.6gです。低エネルギーでたんぱく質が多く、日常の食事に取り入れやすい料理といえます。

かつおの出汁に含まれる栄養は?

かつおの出汁に含まれる栄養は?

かつおの出汁は、沸騰したお湯にかつお節15〜30gを加えたら火を止め、1〜2分ほど置いてからこすのが基本です。長時間煮出すと雑味が出やすいため、短時間で抽出する方法が適しています。摂取量の明確な基準はありませんが、食塩相当量や濃度に応じて調整します。かつお節の食塩相当量は1gあたり0.003gと少なく、健康に影響するほどの塩分は含まれていません。一般的には、味噌汁1杯分(150〜200ml)を2杯程度が目安です。かつお節の主なうま味成分はイノシン酸で、料理にコクや風味を与える働きがあります。特に昆布に含まれるグルタミン酸と組み合わせることで、うま味が相乗的に強まるのが特徴です。さらに、昆布に含まれるグルタミン酸と組み合わせることで、うま味がより豊かになります。手軽に取り入れたい場合は、味噌汁1杯あたりにかつお節の粉と昆布の粉をそれぞれ小さじ1/3ずつ加える方法もあります。

かつおの健康効果

かつおの健康効果

動脈硬化・脂質代謝のサポート

かつおにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が含まれています。これらは脂質代謝に関わる栄養素で、日常の食生活で摂取することで中性脂肪や血圧の調整、動脈硬化の予防に役立つとされています。また、かつおと大根を組み合わせることで、消化を助ける働きが期待でき、健康を意識した食事に適した組み合わせです。

貧血のサポート

かつおには鉄が多く含まれています。日本人の食事摂取基準2025年版によると18〜49歳の1日の推奨量は男性7.5mg 女性(月経あり)10.5mgです。かつお80gを食べると、1日に必要な鉄の約15〜20%を摂取できます。鉄を含む食品の中でも、かつおは日常の食事に取り入れやすい食材です。また、レモン汁などビタミンCを含む食材を一緒に摂ることで、鉄の吸収が促進するとされています。

エネルギー代謝をサポート

かつおには、血液を作るビタミンB12や皮膚・粘膜の健康維持に関わるナイアシンが含まれています。これらを含むビタミンB群は、体内でエネルギーを作り出す「エネルギー代謝」に欠かせない栄養素です。摂取バランスが崩れると、十分なエネルギーを生み出せず、疲労を感じやすくなることがあります。ビタミンB群は水溶性であるため、一度に多く摂取しても、使われなかった分は尿中に排泄されます。そのため、毎日の食事から継続的に摂取することが大切です。

高血圧やむくみを防ぐ食習慣

かつおには魚介類の中でも比較的多くのカリウムが含まれています。カリウムは体内のナトリウムを排出する働きがあり、食生活の中で摂取することで、高血圧やむくみを防ぐ食習慣づくりに役立つ栄養素です。カリウムは水に溶けやすいため、生のまま食べることで効率よく摂取できます。また、タレや薬味(生姜・にんにくなど)を組み合わせることで、かつお特有の臭みがやわらぎ、風味が引き立ちます。薬味を上手に活用することで、醤油の使用量を減らし、塩分の摂り過ぎを控える工夫にもつながります。

かつおを食べる時の注意点

かつおを食べる時の注意点

選ぶポイント

かつおを一尾で購入する場合は、身がしっかり締まり、背の色や模様が鮮明なものを選びましょう。切り身の場合は、血合いの部分がはっきりしているものがおすすめです。鮮度が落ちると、かつおの色素に含まれる鉄が酸化し、赤色がくすんできます。黒っぽく変色しているものは避けましょう。また、たたきを選ぶ際は、身の色が鮮やかでツヤのあるものを選ぶと良いです。鮮度の高いかつおは臭みが少なく、うま味成分のイノシン酸が豊富で、風味も良くなります。

食中毒

かつおは刺身やたたきなど生で食べることが多く、アニサキス(寄生虫の一種)による食中毒のリスクがある魚の一つです。アニサキスは魚の死亡後、時間の経過とともに内臓から筋肉へ移動することがあるため、できるだけ新鮮なうちに内臓を除去したものを選ぶことが重要です。安全に食べるためには、24時間以上の冷凍や60℃以上で1分以上の加熱などの方法が有効とされています。激しい腹痛や嘔吐などの症状が現れた場合は、速やかに消化器科または内科を受診してください。

プリン体

かつおに含まれるプリン体は、80gあたり168mgです。1日のプリン体摂取目安量は400mgとされており、プリン体は体内で尿酸に変化する物質です。日頃から尿酸値が高めの方は、1回の摂取量を80g程度に抑えることが望ましいです。また、プリン体の少ない卵や乳製品などの動物性食品と組み合わせることで、バランスの良い食事になります。おすすめの一品として、かつおのヨーグルトソースサラダがあります。マヨネーズ大さじ2に無糖ヨーグルト大さじ2、塩・にんにく各少々を混ぜたソースをかつおにかけると、うま味と酸味が調和したマイルドな味わいになります。

かつおの保存方法や期間

かつおの保存方法や期間

冷蔵保存

かつおの冷蔵保存は1日程度が目安です。長くなると臭みが増し、鮮度が落ちます。1日でも臭みが気になる場合は、かつおを醤油とみりんで下味をつけて冷蔵保存すると風味が保たれ、より美味しく味わうことができます。

冷凍保存

かつおの冷凍保存は1カ月程度が目安です。冷凍する際は、水洗いして水気をしっかり拭き取り、保存袋などに入れて密閉し、空気を遮断してください。解凍は冷蔵庫での自然解凍または流水解凍が適しています。なお、家庭で冷凍したかつおは品質や衛生面の観点から加熱調理して食べるのが安心です。一方で、刺身用として適切に急速冷凍・管理された製品は、解凍後に生食できる場合もあります。

「かつおの栄養」についてよくある質問

「かつおの栄養」についてよくある質問

ここまでかつおについて紹介しました。ここでは「かつおの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

かつおとまぐろにはどのような栄養成分や効能がありますか?

田中 純子田中 純子

どちらも高たんぱくですが、かつおは脂質が少なくヘルシーで、鉄の含有量も多いのが特徴です。
かつおとまぐろはどちらも赤身の魚で刺身で食べることが多く、似ている印象を持つ方も多いと思います。どちらも広範囲を回遊する「高度回遊性魚類」に分類され、たんぱく質を多く含みます。脂質はくろまぐろの方が約5倍多く、エネルギー量もやや高めです。かつおは脂質が少なく、比較的ヘルシーな魚とされています。鉄はかつおの方が約3倍多く含まれており、日常の食生活で鉄を意識したい方に適しています。どちらも体づくりや健康維持に役立つ食品であり、目的に応じて選ぶとよいでしょう。

生のかつおと出汁で、栄養面にどのような違いがありますか?

田中 純子田中 純子

生のかつおは良質なたんぱく質やDHA・EPAを効率よく摂れ、出汁はうま味成分が主で低カロリーです。
かつおは高たんぱくで、体に必要な9種類の必須アミノ酸を豊富に含む食品です。刺身やたたきとして摂取することで、良質なたんぱく質を効率よく取り入れることができます。また、脂質にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。一方、かつお出汁は加熱によりたんぱく質の一部が溶け出し、イノシン酸などのうま味成分が主に残ります。脂質はほとんど含まれず、100gあたり2kcalと低エネルギーです。栄養を重視する場合は、かつおの生(刺身・たたき)を月に数回取り入れると良いでしょう。出汁は低塩分・低カロリーで、うま味を活かして塩分を控えた調理に役立つ食品です。

編集部まとめ

かつおは低エネルギーでたんぱく質が多く、ビタミンB群(ビタミンB12など)やビタミンD、鉄(ヘム鉄)、脂質(DHA・EPA)などを含む栄養価の高い魚です。魚介類には食物繊維が含まれていないため、かつおのたたきやカルパッチョのように野菜と組み合わせて食べることで、食物繊維やビタミン類を一緒に摂取できます。また、生のかつおは旬の時期にしか味わえませんが、かつおのツナ缶は季節を問わず手軽に利用できます。缶詰は保存性が高く、調理の手間も少ないため、日々の食生活に取り入れやすい食品です。かつおは脂質が少なくエネルギーも控えめなため、食事量を調整したい方や減量中の方にも取り入れやすい食材です。生のかつおと加工品を上手に使い分けることがポイントです。

「かつお」と関連する病気

「かつお」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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「かつお」と関連する症状

「かつお」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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