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「しいたけ」の”栄養を高める保存方法”とは?長期保存法や注意点も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/04/24
「しいたけ」の"栄養を高める保存方法"とは?長期保存法や注意点も管理栄養士が解説!

本記事では、生しいたけの冷蔵・冷凍のコツや、干ししいたけの保存方法、さらにしいたけに含まれる栄養素や健康効果について、メディカルドック監修の管理栄養士が詳しく解説します。

荒井 佳奈恵

監修管理栄養士
荒井 佳奈恵(管理栄養士)

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委託給食会社勤務、栄養教諭、フィットネスジム栄養指導などを経て、現在は特定保健指導やスポーツ栄養、コラム執筆などに従事。予防栄養に関心が深くその分野を中心に活動範囲を広げている。食アスリート協会認定講師、健康食育シニアインストラクター。

しいたけとは?

しいたけとは?

しいたけは日本を代表する食用キノコです。シイやクヌギなどの広葉樹に発生し、鎌倉時代から食されてきた歴史があります。江戸時代には原木栽培の原型が確立され、乾しいたけが広く普及しました。旨み成分のグアニル酸に加え、体内でビタミンDに変わるエルゴステロール、食物繊維のβ-グルカンなど、健康維持に役立つ成分が豊富です。現在は伝統的な原木栽培と、おが屑を用いる菌床栽培が主流です。林野庁のガイドラインによる放射性物質の厳格な管理や、植菌地を原産地とする表示ルールの徹底により、高い安全性が保たれています。非常にデリケートで水分に弱いため、豊かな栄養と旨みを逃さない正しい保存術を知ることが重要です。

しいたけの保存方法や期間

しいたけの保存方法や期間

生のしいたけを長持ちさせる保存方法と期間

生のしいたけは湿気に非常に弱いため、水気を避け、適度な湿度を保ちながら呼吸を妨げないように保存するのが長持ちさせるコツです。冷蔵保存する場合は、まず乾いたキッチンペーパーでしいたけを包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じます。その際、カサを下に、軸を上にして置くのが基本です。胞子の放出を抑え、鮮度を保てます。この方法での冷蔵保存期間は、約1週間が目安となります。洗うと風味を損なうだけでなく、水分によって傷みが早まるため、汚れが気になる場合は乾いた布巾やペーパーで優しく拭き取る程度にとどめるのが鮮度を保つポイントです。

しいたけを冷凍する場合の保存方法と期間

しいたけを冷凍すると細胞が壊れ加熱時に旨み成分が溶け出しやすくなり風味が引き立ちます。保存方法は、まず乾いた布巾やキッチンペーパーで汚れを優しく拭き取ります。水洗いは風味が損なわれる可能性があるため基本的には避け、汚れが気になる場合は軽く拭き取る程度にしましょう。次に、石づきを除いてから、使いやすいようにスライスや角切り、あるいは丸ごとなど好みの形にカットします。これらを冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて平らにして密封し、冷凍庫へ入れます。保存期間の目安は約1ヶ月です。調理時は解凍せず、凍ったまま煮物や炒め物に入れることで、食感と風味を損なわずに美味しく仕上げることができます。

家庭で生しいたけを乾しいたけにできる?

家庭でも生しいたけを使って乾しいたけを作ることができます。天日干しにすることで、体内でビタミンDに変わるエルゴステロールが紫外線に反応し、栄養価が高まるメリットがあります。作り方は、汚れを拭き取ったしいたけの軸を上にしてザルに並べ、日当たりと風通しの良い場所に置くだけと非常に簡単です。スライスなら1日から2日、丸ごとなら3日から4日ほど乾燥させます。ただし、自家製の場合はセミドライの状態になりやすいため、仕上げに電子レンジで加熱し、冷蔵庫保管で早めに使い切ることがオススメです。また、乾燥剤と共に保存袋で密封するのが長持ちさせるコツです。

乾しいたけの保存方法や期間

乾しいたけは湿気を吸うと風味や色が劣化し、カビの原因にもなるため、乾燥状態を維持することが重要です。保存する際は、乾燥剤(シリカゲル等)と共にチャック付きの密封袋や缶に入れ、直射日光の当たらない涼しい常温の場所、もしくは冷蔵庫で保管します。常温での保存期間の目安は約半年から1年ですが、夏場など湿度の高い時期は冷蔵庫での保存がより安心です。長期間使用しない場合は冷凍保存も可能で、密封して冷凍庫に入れれば1年以上保存することができます。戻す際は冷水でじっくり時間をかけることで、旨み成分のグアニル酸を最大限に引き出すことができます。

しいたけに含まれる栄養素

しいたけに含まれる栄養素

数値は、日本食品標準成分表(八訂)2023年増補より。

食物繊維

しいたけには、便通を整えるほか免疫機能への関与が考えられている食物繊維の一種、β-グルカンが豊富に含まれています。可食部100gあたりの食物繊維総量は、生しいたけ(原木栽培)で5.5g、生しいたけ(菌床栽培)で4.6g、乾しいたけでは46.7gにのぼります。不溶性食物繊維が多いため、咀嚼を促し満足感を高める働きも期待できます。

ビタミンD

しいたけには、骨の健康を支えるカルシウムの吸収を助けるビタミンDの素、エルゴステロールが豊富です。可食部100gあたりのビタミンD含有量は、生しいたけ(原木栽培)で0.4μg、生しいたけ(菌床栽培)で0.3μg、乾しいたけでは17.0μgとなっています。エルゴステロールは紫外線に当たるとビタミンD(D2)に変化する性質があるため、調理前に天日に当てることで、より効率的に摂取することが可能です。

ビタミンB群

しいたけには、糖質や脂質の代謝を助けるパントテン酸やナイアシンなどのビタミンB群が含まれています。中でも、可食部100gあたりのパントテン酸は、栽培方法により含有量に差が見られるものの、生しいたけ1mg前後、乾しいたけでは8.77mgです。これらはエネルギー産生を助けるとともに、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする働きが期待できます。

カリウム

しいたけには、体内のナトリウムの排出を促し、塩分の摂り過ぎを調節する働きがあるカリウムが豊富に含まれています。可食部100gあたりの含有量は、生しいたけ(原木栽培)で270mg、生しいたけ(菌床栽培)で290mg、乾しいたけでは2200mgです。カリウムは水に溶け出しやすい性質があるため、乾しいたけの戻し汁も料理に活用することで、流出した成分を効率よく取り入れることが期待できます。

葉酸

しいたけには、赤血球の形成を助け、細胞の新生に欠かせない葉酸が含まれています。可食部100gあたりの含有量は、生しいたけ(原木栽培)で75μg、生しいたけ(菌床栽培)で49μg、乾しいたけでは270μgです。葉酸は特に成長期の体づくりや、健やかな血流の維持をサポートする働きが期待できるため、日々の食事から積極的に取り入れたい成分です。

しいたけの健康効果

しいたけの健康効果

骨の健康維持

しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線に当たるとビタミンD2に変化します。ビタミンDは小腸でのカルシウム吸収を促進し、骨の形成を助ける働きが知られています。

便通の調節と腸内環境への関与

不溶性食物繊維が豊富に含まれており、便の量を増やして腸のぜん動運動を促すことで、便通を整える働きが考えられています。

赤血球形成

しいたけには、ビタミンB群の一種である「葉酸」が含まれています。葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、新しい赤血球を作り出すために欠かせない栄養素です。

しいたけを食べる時の注意点

しいたけを食べる時の注意点

十分な加熱調理

生や加熱不足のしいたけを摂取すると、全身に強いかゆみを伴う線状の湿疹(シイタケ皮膚炎)を発症することがあります。十分な加熱でリスクは低減されますが体質などにより症状が出る場合もあるためバーベキューや厚みのあるしいたけを調理する際は中心までしっかり加熱されていることを確認し体調にも注意しましょう。

プリン体の摂取量

しいたけにはプリン体が含まれています。食品100gあたりのプリン体含有量は、生しいたけで20.8㎎と少ないものの、乾燥させることで成分が濃縮されるため、乾しいたけを多く摂取する場合は量に注意しましょう。

消化への影響

しいたけには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整える一方で、一度に多量を摂取したり、よく噛まずに食べたりすると、胃腸に負担をかけ、消化不良を招く可能性があります。

しいたけの栄養素を効率的に摂取する方法

しいたけの栄養素を効率的に摂取する方法

「日光」の活用

しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線に当たることによりビタミンD2に変化します。調理の30分〜1時間ほど前に、ひだを上にして日光に当てるだけでビタミンD量が増加します。

「冷凍保存」の活用

しいたけは冷凍することで細胞壁が壊れ、調理時に内部の成分が溶け出しやすくなります。(「しいたけを冷凍する場合の保存方法と期間」を参照ください。)

「戻し汁」の活用

カリウムや葉酸、ビタミンB群、そしてレンチナンなどの成分は水に溶け出しやすい性質を持っています。乾しいたけの戻し汁や、煮物の煮汁をそのままスープや出汁として使用します。

「しいたけの保存方法」についてよくある質問

「しいたけの保存方法」についてよくある質問

ここまでしいたけについて紹介しました。ここでは「しいたけの保存方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

しいたけを長持ちさせるにはどのような保存方法が良いでしょうか?

荒井 佳奈恵荒井 佳奈恵

天日干しにすることで保存性が高まり、長期保存がしやすくなります。
しいたけは天日干しにすることで保存性が高まり長期保存がしやすくなります。また調理前にひだを上にして日光に当てるとビタミンDが増えるメリットもあります。調理の30分から1時間ほど前に、ひだを上にして日光に当てるだけでも成分の強化に繋がります。長期保存を目的とする場合は、数日間かけて完全に乾燥させます。水分を飛ばすことで菌の繁殖を抑え、数ヶ月単位での保存が可能になります。また、乾燥の過程で細胞が壊れ、戻す際に旨味成分であるグアニル酸が生成されやすくなるのも利点です。湿気を防ぐため、完成後は密閉容器に乾燥剤とともに入れて保管してください。

生椎茸は冷蔵庫で何日もちますか?また冷凍保存も可能でしょうか?

荒井 佳奈恵荒井 佳奈恵

冷蔵で約1週間、冷凍で約1ヶ月を目安に保存できます。
生椎茸は冷蔵室で保存した場合、1週間程度が目安です。冷凍保存も可能です。石づきを切り落とし、使いやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れれば、1ヶ月ほど保存できます。冷凍することで細胞壁が壊れ、調理時に旨味成分が溶け出しやすくなるメリットも期待できます。使う際は解凍せず、凍ったまま加熱してください。

編集部まとめ

しいたけは、旨味成分のグアニル酸だけでなく、ビタミンDや食物繊維、葉酸といった健康維持をサポートする栄養素が豊富な食材です。その恩恵を最大限に受けるには、正しく保存して鮮度を保つことが欠かせません。冷蔵では湿気を避け「軸を上」にして保存し、長期の場合は冷凍を活用しましょう。冷凍することで旨味が出やすくなるメリットもあります。また、調理前に日光に当てる、戻し汁を料理に使うといった工夫で、栄養をより効率的に摂取できます。ただし、加熱不足による「シイタケ皮膚炎」などの注意点も正しく理解しておくことが大切です。日々の食事に賢くしいたけを取り入れ、身体の内側からの健康づくりに役立ててください。

「しいたけ」と関連する病気

「しいたけ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

皮膚科・呼吸器内科の病気

  • シイタケ皮膚炎
  • 過敏性肺炎

内科・免疫アレルギーの病気

「しいたけ」と関連する症状

「しいたけ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

この記事の監修管理栄養士