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ほうれん草より「鉄分」が多い「野菜」とは?過剰摂取すると現れる症状も解説!

 公開日:2026/02/19
ほうれん草より「鉄分」が多い「野菜」とは?過剰摂取すると現れる症状も解説!

鉄分が多い野菜とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

越川 愛子

監修管理栄養士
越川 愛子(管理栄養士)

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保育園で食育や給食管理、栄養管理業務に従事しました。管理栄養士の資格取得後は、ドラッグストアを運営する会社でお客様への栄養相談や特定保健指導に携わりました。現在は保育園で子どもたちに食の楽しさや大切さを伝えられるよう、心を込めて給食づくりを行っています。

「鉄分」とは?

「鉄分」とは?

人体の構成に必須の微量ミネラルの一種で、ヘモグロビンや各種酵素を構成します。欠乏は貧血や運動機能、認知機能の低下を招きます。体内鉄の総量は成人で3〜4gであり、その約70%は赤血球中のヘモグロビン鉄です。体内の鉄は、ヘモグロビンのように生理的な役割を持つ機能鉄と、鉄を貯蔵または運搬する役割を持つ貯蔵鉄に分類されます。代表的な貯蔵鉄であるフェリチンの血清中濃度は、鉄の栄養状態を反映する良い指標です。

鉄分の一日の摂取量

鉄分の一日の摂取量

対象(18〜64歳) 推奨量・付加量(1日あたり)
成人男性 7.0〜7.5mg
成人女性(月経なし) 6.0mg
成人女性(月経あり) 10.0〜10.5mg
妊婦(初期) +2.5mg(付加量)
妊婦(中期・後期) +8.5mg(付加量)
授乳婦 +2.0mg(付加量)

一日に必要な鉄分の摂取量は、年齢や性別によって異なります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
(推奨量)ほとんどの人が不足しないと推定される量
成人男性(18~64歳):7.0〜7.5mg/日
成人女性(18~64歳):月経なし6.0mg/日、月経あり10.0〜10.5mg/日
妊婦(付加量):初期+2.5mg/日、中期・後期+8.5mg/日
授乳婦(付加量):+2.0mg/日

令和6年国民健康・栄養調査によると、20代女性の鉄の一日平均摂取量は6.3mgと月経ありの推奨量を大きく下回っています。

鉄分の効果

鉄分の効果

酸素の運搬

鉄は赤血球中のヘモグロビンの材料となり、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ重要な働きをしています。不足すると細胞への酸素供給量が減少し、ミトコンドリアでのATP(生命活動に必要なエネルギー源)生産が滞り、エネルギー代謝が低下します。

免疫機能の維持

鉄は免疫細胞の活性化や増殖を促します。機能維持に不可欠で、病原体と戦う能力を高めます。不足すると免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

脳機能のサポート

鉄は脳に酸素を運ぶほか、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成に欠かせません。不足すると、記憶力や集中力の低下、気分の落ち込み、意欲の低下などにつながります。特に子供の脳の発達に重要で、不足により学習能力や情緒面に悪影響を与える可能性があります。

鉄分が多い野菜

鉄分が多い野菜

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
切干だいこん(乾) 3.1mg
だいこんの葉(生) 3.1mg
小松菜(生) 2.8mg
えだまめ(生) 2.7mg
えだまめ(冷凍) 2.5mg
(参考)ほうれんそう(生) 2.0mg

色の濃い緑黄色野菜や、乾燥させた野菜に多く含まれています。食品100g中に含まれる鉄分を紹介します。

切干大根

切干だいこん(乾)には、食品100gあたり3.1mgの鉄分が含まれています。乾燥させることで栄養素が凝縮されているため、少量でも効率よく鉄分を補えるのが特徴です。さっと下ゆでしてサラダや和え物にしたり、味噌汁の具にしたりと、煮物以外の料理にも幅広く活用できます。また、だいこんの葉(生)にも食品100gあたり3.1mgの鉄分が含まれています。だいこんの葉は、ふりかけや味噌汁、炒め物、煮浸しなどにすると食べやすく、栄養を無駄なく摂取できます。捨てずに上手に活用するのがおすすめです。

小松菜

小松菜/生には2.8mg含まれています。鉄分を多く含む野菜といえば、ほうれんそうを思い浮かべる方も多いかもしれません。ほうれんそう/生には、2.0mg含まれています。ほうれんそうに含まれるシュウ酸は、鉄と結合しやすく吸収を妨げます。下茹でしたり、水にさらすことでシュウ酸を減らし、効率よく摂取することができます。

えだまめ

えだまめ/生には2.7mg含まれています。えだまめ/冷凍にも2.5mg含まれており、加熱や冷凍をしても含有量に大きな変化はありません。ただし、市販の冷凍枝豆は塩分が添加されている場合が多いです。気になる方は、流水で塩抜きしたり、食塩不使用を選びましょう。

鉄分が不足すると現れる症状

鉄分が不足すると現れる症状

食事からの摂取が不足したり、出血などで需要が供給を上回るなどして鉄分が不足すると、まず肝臓や骨髄などに蓄えられている貯蔵鉄が使われ、貯蔵鉄の指標であるフェリチン値が徐々に低下します。この時点では自覚症状はないことが多いです。貯蔵鉄が枯渇すると赤血球の生成に必要な鉄も不足しはじめ、赤血球がうまく作れなくなります。さらに鉄不足が続くと、ヘモグロビンの合成が妨げられヘモグロビン値が低下、酸素を運ぶ能力が低下したり、皮膚や爪などに含まれる非貯蔵性組織鉄も減少し、全身に様々な症状が現れます。

疲労感、倦怠感

鉄が不足するとヘモグロビンをうまく合成できなくなり、赤血球中のヘモグロビンが減ったり、赤血球自体が小さくなる鉄欠乏性貧血が起こります。筋肉や臓器が酸素不足になり、疲れやすい、だるいなどの症状のほかに、立ちくらみやめまいといった症状が現れることもあります。

動悸、息切れ

体内の鉄が不足すると、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンを十分に作ることができなくなります。全身が貧血状態となり、少し動いただけでも息切れの症状が現れることがあります。また体内の酸素不足を補うために、心臓が通常より多くの血液を送り出そうとすることで動悸が起こります。重大な病気が隠れている場合もあります。症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

爪が割れやすくなる・変形する

爪への酸素や栄養不足により、爪が白っぽくなったり、薄く脆く割れやすくなります。爪の先が薄く剥がれる二枚爪の症状が現れることもあります。爪の中央がへこみ、そり返る「スプーンネイル」は貧血が進行した状態で現れることがあり、注意が必要です。爪の症状以外に、倦怠感や息切れなどの貧血症状が伴う場合は、病院を受診しましょう。

鉄分が不足しやすい人の特徴

鉄分が不足しやすい人の特徴

月経のある女性

月経に伴う鉄の損失は、鉄欠乏貧血の発生と強く関連します。子宮筋腫による出血や月経過多など出血量の増加があると、より不足しやすくなります。
また食事制限によるダイエットや、偏った食事などは鉄分の摂取量が少なくなりやすいです。
女性は男性よりも体に貯蔵できる鉄の量が少ないと言われており、意識的な鉄分摂取が重要です。

妊娠・授乳中の女性

妊娠中は体内の血液量が増加し、血液が薄まることで鉄が不足しやすくなります。赤ちゃんと胎盤の成長で需要が高まることも原因のひとつです。不足すると、早産や低体重児のリスクが高まる可能性があります。また母乳は血液から作られており、授乳によって母体の鉄分が赤ちゃんへ供給されることで鉄分不足が起こりやすくなります。

激しい運動をする人

激しい運動をすると汗と一緒に鉄が流れ出たり、胃や腸管が傷ついて出血することがあります。長距離走やジャンプを繰り返すなど足底への衝撃が繰り返されることでも、赤血球が破壊され、鉄が失われます。また、筋肉量が増えることで鉄を含むたんぱく質(ヘモグロビンやミオグロビン)を作るための鉄の消費量が増加します。このように様々な原因により鉄不足に陥りやすく、疲れやすい、集中力の低下などの症状により運動パフォーマンスの低下につながる恐れがあります。

鉄分を過剰摂取すると現れる症状

鉄分を過剰摂取すると現れる症状

鉄は必要以上に吸収されない仕組みになっているため、通常の食事では摂りすぎの心配はほとんどありません。ただし、サプリメントなどで長期に過剰摂取した場合には次のような症状が現れることがあります。

胃の不快感

胃のむかつきや吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの消化器症状が現れる可能性があります。

生活習慣病の発生リスク

鉄摂取量と生活習慣病リスクに関する研究において、特にヘム鉄については過剰摂取がメタボリックシンドロームや心血管系疾患のリスクを上昇させるという報告や、総鉄摂取量と、非ヘム鉄摂取量は2型糖尿病発症に関連しないが、ヘム鉄の摂取量の増加が2型糖尿病の発症リスクを高めるという信頼性の高い研究結果があります。

肝機能障害

過剰摂取により体内に蓄積した鉄は、酸化促進剤として組織や器官を損傷し、肝臓、心臓、膵臓など様々な臓器障害を引き起こします。ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)といいます。特に慢性肝臓疾患の悪化に及ぼす影響は大きく、また肝臓がんなどの発生リスクを高めます。
鉄欠乏でない人が食事からの摂取に加えて、サプリメント等から鉄を付加的に継続摂取することは避けたほうがよいでしょう。

鉄分の効率的な摂取方法

鉄分の効率的な摂取方法

食品中の鉄は、肉や魚の動物性食品に含まれているヘム鉄と、野菜や海藻などの植物性食品や卵、乳製品に含まれている非ヘム鉄に分類されます。非ヘム鉄は吸収率が低いですが、同時に食べる食品によって吸収率を高めることができます。

ビタミンCと一緒に摂取する

非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上がります。ビタミンCは果物や野菜に多く含まれていますが、熱に弱いため、加熱時間を短くしたり、生のまま食べられる果物をデザートにプラスするのもおすすめです。またじゃがいもやさつまいもなどの芋類に含まれるビタミンCは、比較的熱に強いといわれています。組み合わせを工夫し、効率よく摂取しましょう。

動物性たんぱく質と一緒に摂取する

肉・魚・卵などの動物性たんぱく質は、吸収率の低い非ヘム鉄の吸収を助けます。例えば肉や卵と野菜炒めにしたり、お刺身におひたしを組み合わせたり、納豆や冷奴をプラスするのもよいでしょう。もっと手軽に牛乳や豆乳、ヨーグルトをプラスしても、吸収率アップにつながります。
また赤身の肉や魚は動物性たんぱく質と、鉄分を同時に摂取できるためおすすめです。

胃酸の分泌を促す

胃酸は鉄分、特に非ヘム鉄を吸収しやすい形に変える働きがあります。リラックスした状態でよく噛んで食事をとることで、胃酸の分泌が促され、鉄の吸収率向上につながります。
ただし、空腹時に鉄を摂取すると、胃の不快感や吐き気などの症状が出やすい場合があります。胃腸が弱い方は、無理に空腹時を狙わず、食事と一緒に摂取するようにしましょう。また、酢や梅干し、レモンなどの酸味のある食品を料理に取り入れることで、胃酸の分泌を助け、鉄分を効率よく摂取しやすくなります。

「鉄分が多い野菜」についてよくある質問

「鉄分が多い野菜」についてよくある質問

ここまで鉄分を紹介しました。ここでは「鉄分が多い野菜」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

鉄分を効率よく摂取できる食材や野菜は何でしょうか?

越川 愛子越川 愛子

食品中の鉄はたんぱく質に結合しているヘム鉄と、結合していない非ヘム鉄に分類されます。ヘム鉄の吸収率は20〜30%と高く、レバーや赤身の肉、赤身の魚(いわし、まぐろ、かつおなど)、貝類(あさり、しじみなど)に多く含まれています。
非ヘム鉄は、野菜(小松菜、ブロッコリーなど)、海藻(ひじき、のりなど)、卵、乳製品などに含まれています。吸収率は約5%と低いですが、共存する食品成分の影響を受け、ビタミンCや動物性たんぱく質を同時に摂取することで上がります。特定の食品に偏らず、ヘム鉄と、非ヘム鉄をバランスよく摂ることが大切です。いろいろな食品から摂取することを意識してみましょう。
また効率よく摂取するには、吸収を妨げる食品を避けることも重要です。コーヒーなどに含まれるカフェイン、穀物に含まれるフィチン酸、ほうれんそうなど野菜に含まれるシュウ酸、お茶やワインに含まれるタンニンは同時に摂取することで鉄の吸収率が下がります。コーヒーや緑茶などの飲み物は、食事中や食直後の摂取は控え時間を空けたり、カフェインやタンニンを含まない麦茶にしたりするとよいでしょう。シュウ酸は水に溶けやすいため、ゆでたり、水にさらすことで影響を軽減できます。

まとめ

鉄は人体の構成に欠かすことのできない栄養素です。体内で合成できないため食物から摂取する必要がありますが、吸収率が低く不足しやすい特徴があります。しかし摂取のタイミングや、組み合わせを工夫することで吸収率を上げたり、不足を補うことが可能です。毎日の食事に色々な食品から意識的に摂り入れることで、鉄分以外の栄養素もバランスよく摂ることができます。なおサプリメントは不足を補うものとし、使用の際は用法用量を守り過剰摂取には注意しましょう。

「鉄分」と関連する病気

「鉄分」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

「鉄分」と関連する症状

「鉄分」と関連している、似ている症状は16個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

鉄分に関連する症状

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