「納豆の脂質量」はご飯何杯分?食べるメリットと注意すべき薬の相互作用も解説!

納豆の脂質量は?メディカルドック監修医が栄養素・健康効果・食べる時の注意点・保存方法などについて解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
目次 -INDEX-
納豆とは?

納豆とは、蒸した(または煮た)大豆を納豆菌によって発酵させた日本の伝統的な発酵食品で、糸引き納豆とも呼ばれています。糸引き納豆の種類には、ひきわり納豆や五斗納豆などがあります。また、糸引き納豆のほかに、麹菌で発酵させた塩納豆(寺納豆・浜納豆など)もあります。
納豆1パックの脂質量はどのくらい?

日本食品標準成分表によると、一般的な「糸引き納豆」100gあたりの脂質は約10g程度です。納豆1パックは約50gのため含まれる脂質は約5g程度となります。
ひきわり納豆1パックの脂質量はどのくらい?

ひきわり納豆とは、蒸した大豆を皮を取って細かくしたものを納豆菌で発酵させます。日本食品標準成分表ではひきわり納豆1パック(約50g)の脂質の量は約5gで、通常の納豆と比べても、同様の脂質量です。ただし、メーカーが販売している納豆に記載されている栄養表示の脂質量では、多少の違いがあることも見られます。
納豆1パックとごはん1杯の脂質量はどのくらい?

ごはん1杯を150gとしたときの脂質は約0.5g程度になるため、納豆1パックと合わせると、おおよそ5.5g程度の脂質量になります。
1日の摂取量として推奨されているのは、大体1〜2パック程度と言われています。
| 組み合わせ・対象 | 脂質量(目安) |
|---|---|
| 納豆1パック(約50g) | 約5g |
| ひきわり納豆1パック(約50g) | 約5g |
| ごはん1杯(150g) | 約0.5g |
| 納豆1パック + ごはん1杯 | 約5.5g |
納豆に含まれる栄養素

たんぱく質
1パック50gあたり約8.3g含まれています。たんぱく質は体を作るのに必要な栄養素で、筋肉・皮膚・血管・酵素・免疫物質の材料となります。納豆のもとである大豆は、たんぱく質の栄養価を評価するアミノ酸スコアが100であり良質なたんぱく質と評価されているため、納豆も同様に良質なたんぱく質であると言えます。
脂質
1パックあたり約5.0gの脂質が含まれます。特にリノール酸(n-6系)やα-リノレン酸(n-3系)といった多価不飽和脂肪酸が多いといわれています。日本食品標準成分表には参考値としての数値が掲載されており、1パックあたり約3g含まれています。
食物繊維
1パックあたり約3.4gの食物繊維が含まれます。食物繊維は生活習慣病の発症・重症化予防のために1日20g前後(成人)が目標とされています。納豆は、不溶性・水溶性の両方の食物繊維を含み、腸内環境を整える相乗効果が期待できます。納豆1パックにレタス1玉と同様の食物繊維が含まれています。
ビタミンK
1パックあたり約440μgのビタミンKを含みます。ビタミンKにはK1(フィロキノン)とK2(メナキノン類)があり、納豆にはK2が多く含まれています。血液凝固促進や骨形成に関与しています。納豆は食品の中でもトップクラスの含有量を誇ります。
鉄(非ヘム鉄)
1パックあたり約1.7mgの鉄が含まれます。鉄は酸素の運搬や酵素の活性化に関与しています。植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄であり、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収が促進されます。
納豆の健康効果

循環器疾患の死亡リスク低減
発酵性大豆食品の摂取量が多い人は、摂取量が少ない人と比べて、循環器疾患による死亡リスクが低い傾向にあることが、観察研究により報告されています。
納豆に含まれる酵素の一つであるナットウキナーゼは、血液の流れに関与する可能性が示唆されており、血流改善を通じて循環器系の健康維持に寄与することが期待されています。ただし、これらの効果については、今後さらなる研究が必要とされています。
骨粗鬆症の予防
ビタミンK2が骨へのカルシウム沈着を助けます。特に閉経後の女性において、骨折リスクが低かったという研究結果もあり、骨粗鬆症の予防効果が期待できるのではないかと考えられています。
整腸作用と免疫機能に関与
納豆菌は「プロバイオティクス」として働き、腸内フローラを改善します。また、納豆特有の粘り成分「ポリグルタミン酸」も免疫細胞の活性化に寄与していることがわかってきました。
血圧の抑制(高血圧の予防)
納豆に含まれる大豆由来ペプチドの一部には、血圧の調整に関与する酵素(ACE)の働きを穏やかに抑える可能性があることが、研究により報告されています。
また、ナットウキナーゼは血液の流れに関与すると考えられており、血流環境の改善を通じて、血圧の維持に役立つ可能性が示唆されています。ただし、これらの作用については個人差があり、治療を目的としたものではありません。
血糖値の安定化
水溶性食物繊維と納豆特有の粘り成分「ポリグルタミン酸」は、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。
納豆を食べる時の注意点

ワーファリン服用者は注意
納豆に極めて多いビタミンK2が、血液凝固阻止薬(ワーファリン)の作用を阻害し血栓ができやすくなるため、服用者は控える必要があります。
セレンの摂取量について
大豆には微量ミネラルの一つであるセレンが含まれていますが、納豆1パックに含まれる量は少なく、通常の食生活において過剰摂取が問題になることはほとんどありません。
ただし、どの食品も偏って大量に摂取することは望ましくないため、納豆は1日1〜2パックを目安に、ほかの食品と組み合わせてバランスよく取り入れることが大切です。
加熱によるナットウキナーゼの失活
ナットウキナーゼは熱に弱く、50℃以上で活性が低下し、70℃でほぼ完全に失活します。血栓予防効果を期待するなら、炊き立てのご飯に載せる際も温度に注意が必要です。
納豆の栄養素を効率的に摂取する方法

「夜」に食べる
血栓は深夜から早朝にかけて形成されやすいとされており、この時間帯を意識して夕食時に納豆を取り入れることで、ナットウキナーゼの働きが生活リズムに合いやすい可能性があると考えられています。
ただし、ナットウキナーゼの作用持続時間や摂取タイミングによる影響については、十分に確立された結論があるわけではありません。そのため、特定の時間帯にこだわるよりも、継続して無理なく摂取することが大切です。
ネギやキムチとの食べ合わせ
ネギのアリシンがビタミンB1の吸収を促進し、キムチの乳酸菌と納豆菌の「シンバイオティクス」効果で腸内フローラの改善に、より効果があるとされています。
ひきわり納豆を選ぶ
粒の納豆より、ひきわり納豆の方がビタミンK含有量が多いため、ビタミンKをより多く摂取するにはひきわり納豆がおすすめです。また、ビタミンKは脂溶性ビタミンのため、オリーブオイルやごま油を少量かけて食べることで吸収が高まります。
納豆の保存方法や期間

| 保存方法 | 期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵保存(10度以下) | 賞味期限内 | 10度を超えると風味が損なわれる |
| 冷凍保存 | 約1ヶ月 | 食べる半日前に冷蔵庫で自然解凍 |
10度以下の冷蔵保存
10度を超えたり賞味期限を過ぎたりすると、納豆菌による二次発酵が進み、アンモニア臭の発生やアミノ酸の結晶化(白いツブツブ)により風味が損なわれます。そのため、基本的には冷蔵庫で10度以下で保存し、賞味期間内に摂取することをおすすめします。
冷凍保存も可能
納豆を長期保存したい場合は、パックのままジッパー付きの保存袋に空気を抜いて冷凍することで、約1ヶ月は保存が可能です。納豆菌は熱に弱い性質を持つため、解凍する際は電子レンジは使用せず、食べる半日前に冷蔵庫に移し自然解凍すると栄養価も維持されます。
「納豆の脂質」についてよくある質問

ここまで納豆について紹介しました。ここでは「納豆の脂質」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
納豆の脂質にはどんな成分が入っていますか?
都々地尾 ゆき
日本食品標準成分表によると、厳格な数値は明記されていませんが、あらゆる研究結果により、良質な脂質である、多価不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸)や一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)が多く含まれているとされています。
まとめ
納豆はたんぱく質が豊富なだけでなく、不飽和脂肪酸が多く含まれています。また、ナットウキナーゼやポリグルタミン酸による健康効果も期待されているため、毎日1パックの納豆を取り入れることをおすすめします。一方で、ビタミンK2が薬の効果を妨げるため、ワーファリン服用者は注意が必要です。
健康に良いとされている納豆も、食べ過ぎは太る原因にもなりますので、一日1〜2パックを目安に、ほかの食材も取り入れながらバランスの良い食事を心掛けてください。
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参考文献




