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「ビタミンAサプリ」の服用が向いている人とは?副作用も管理栄養士が解説!

 公開日:2025/11/17
「ビタミンAサプリ」の服用が向いている人とは?副作用も管理栄養士が解説!

ビタミンAサプリとは?メディカルドック監修医がビタミンAの効果・選び方・服用する際の注意点・服用に向いている人などを解説します。

中岡 紀恵

監修管理栄養士
中岡 紀恵(管理栄養士)

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短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。

「ビタミンA」とは?

「ビタミンA」とは?

レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンに分類されます。また、植物に含まれるβ-カロテンは摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。皮膚や粘膜、目の健康を維持するために必要不可欠なビタミンで、抗酸化力を持つことでも注目されています。

ビタミンAの一日の摂取量

ビタミンAの一日の摂取量

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」による推奨量は以下の通りです。       
成人男性(18~64歳)850~900㎍RAE/日                      
成人女性(18~64歳)650~700㎍RAE/日                      
妊婦(後期)は+80㎍RAE/日 授乳婦は+450g㎍RAE/日の付加量が設定されています。                                           
耐容上限量は肝臓障害を回避する目的で設定されています。成人男女とも2700㎍RAE/日となります。
耐容上限量にはプロビタミンA、カロチノイドを含みません。

ビタミンAサプリはどこで購入できる?

ビタミンAサプリはどこで購入できる?

薬局・ドラッグストアの健康食品コーナーや、通販サイトなどで、購入することができます。ビタミンA単体のサプリは市場での需要が比較的少なかったり、過剰摂取すると副作用(頭痛や吐き気など)が起こる可能性がある脂溶性ビタミンであるため、メーカーが単体での販売を控え、マルチビタミンとしてバランスよく配合する形を優先している場合があります。ビタミンA単体のサプリを見かけない(売っていない)と感じるのはこのような理由があるためです。マルチビタミンやビタミンAを含む複合サプリとしてサプリメントコーナーに置かれています。実際に足を運んでみたドラッグストアにはビタミンA単体のサプリは見当たらず、マルチビタミンとして販売されていました。店舗によって種類も様々なので、店員(薬剤師)さんに相談してみると良いでしょう。

ビタミンAサプリの効果

ビタミンAサプリの効果

目の健康を守る

薄暗い場所でも物が見えやすくなるよう、目の働きをサポートします。ビタミンAは目が光を感じるのに必要な網膜の色素ロドプシンの主成分で、視覚機能に必須の栄養素です。
ネパールでは、ビタミンAサプリを服用して夜盲症が減少したという研究の報告もされています。

肌や粘膜を守る

皮膚やのど、鼻、肺、消化器などの粘膜を正常に保つ働きをするため、細菌やウイルスから身体を守る「バリア」の役割を果たします。

身体の抵抗力を高める

体の免疫(ウイルスや病気に対抗する力)をサポートしてくれるため、風邪などの感染症にかかりにくくなる効果が期待できます。

抗酸化力

ビタミンAの前駆体のβカロテンは、抗酸化力を持ち、有害な活性酸素を除去する働きがあるとされています。

美肌を保つ

ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に関わる栄養素で、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を整える働きがあるとされています。そのため、健やかな肌を保つサポートにつながる可能性があります。ただし、「シワやたるみ防止」など美容目的の効果は、主に外用のレチノール製品で報告されているものであり、サプリなど経口摂取による効果については十分な科学的根拠はまだ限定的です。

ビタミンAサプリの副作用となる症状

ビタミンAサプリの副作用となる症状

脳圧亢進症

激しい頭痛や吐き気や嘔吐などが起こる場合があります。急性ビタミンA中毒(短期間の大量摂取)の症状で、他にもめまい、イライラしやすいなどがみられることもあります。

脱毛・筋肉痛

長期間の過剰摂取で起こる慢性ビタミンA中毒の症状です。他にも、食欲不振、体重減少、疲労感、肝機能障害などが起こる可能性もあります。

先天異常

妊娠初期の過剰摂取は胎児の先天異常リスクを高める可能性があります。
妊娠期にはサプリよりも食事でビタミンAを摂ることが推奨されています。

ビタミンAサプリの選び方

ビタミンAサプリの選び方

ビタミンA含有量の確認

成人男性なら1日850~900㎍RAE、女性は650~700㎍RAEが推奨量とされています。
サプリのパッケージや商品の説明から、1粒にどれだけビタミンAが含まれているのかを確認することが大切です。

目的でタイプを選ぶ

「レチノール」タイプは吸収が良く、美容や美肌重視向き、「β-カロテン」タイプは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため過剰摂取になりにくく、健康維持や視力サポートに適しています。

飲みやすい形状を選ぶ

サプリには錠剤、カプセル、グミ、ゼリーなどいろいろな形状があります。サプリが苦手ならば小さめやグミタイプ、外出が多い場合は水なしでも飲めるタイプなど、ご自身が飲みやすく、続けやすいものがおすすめです。、

ビタミンAサプリの服用に向いている人

ビタミンAサプリの服用に向いている人

目の健康が気になる人

暗いところで物が見えにくい、夜間の視力が気になるといった方に、ビタミンAは欠かせない栄養素です。ビタミンAは網膜の色素ロドプシンの材料となり、暗順応(暗い場所に目が慣れる働き)を助けるため、目の健康維持をサポートするとされています。特に加齢や生活習慣によって目の不調が気になる世代で意識されやすい栄養素です。

ビタミンAの吸収が悪い人

消化吸収に障害のある人、例えば嚢胞性線維症や消化器疾患(膵臓・腸の病気)を持つ場合、ビタミンA欠乏症のリスクが高く、医師の指導のもとでサプリを活用する場合もあります。

美容に関心がある人

肌や粘膜の健康維持など美容に関心がある女性は、意識して摂っている傾向にあります。ただし、妊婦、授乳婦は特に過剰摂取によるリスクが高まりますのでサプリの選択や服用量に注意が必要です。

ビタミンAサプリを服用する際の注意点

ビタミンAサプリを服用する際の注意点

過剰摂取のリスク

ビタミンAは脂溶性で体内に蓄積しやすいため、摂りすぎは肝機能障害、頭痛、吐き気、皮膚の異常などを起こすことがあります。とくに妊婦は胎児へのリスクが高いため、サプリの成分・含有量には十分な注意が必要です。

サプリの重複や食事との併用

マルチビタミンや食事、他のサプリと併用する場合、過剰摂取となる可能性があります。ビタミンAの合計摂取量を計算することをおすすめします。
鶏レバーの焼き鳥1本(約40g)でビタミンAが5600㎍、豚のスモークレバー(30g)には5100㎍、牛のレバーにもビタミンAは豊富に含まれています。レバーを食べる時など、食事との併用にも注意が必要です。

妊娠中や持病がある人

妊娠中の過剰摂取は胎児の奇形リスクを高める可能性があります。持病がある場合はビタミンAの排泄、代謝障害により副作用のリスクが増加することもあるとされています。服薬中は薬剤相互作用もあるため、独断でビタミンAサプリを使用しないで、必ず医師や薬剤師に相談することが重要です。

「ビタミンAサプリ」についてよくある質問

「ビタミンAサプリ」についてよくある質問

ここまでビタミンAサプリについて紹介しました。ここでは「ビタミンAサプリ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ビタミンAサプリは朝と夜どちらの方が効果が期待できますか?

中岡 紀恵中岡 紀恵

服用の時間帯(朝か夜)自体に特別な決まりや効果差はありません。ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、油脂と一緒に摂取することで体内への吸収率が高まります。したがって「食後」(特に昼食や夕食など脂質が含まれる食事後)に摂るのが最適とされています。生活リズムや飲み忘れ防止のため、続けやすいタイミングに摂るのも大切です。

まとめ

ビタミンAサプリには目の働きをサポートしたり、肌の状態を正常に保つ、免疫機能の保持などたくさんの効果が期待できるとされています。適量を服用することで不足分の栄養素を補うことも可能になります。サプリに頼るだけでなく、バランスの良い食事を基本として、ご自身に合った方法で上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

「ビタミンAサプリ」と関連する病気

「ビタミンAサプリ」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

眼科の病気

  • 夜盲症

内科の病気

  • 肝臓障害

小児科の病気

  • 成長障害
  • 泉門膨隆及び頭蓋内亢進症

産婦人科の病気

  • 胎児の奇形

「ビタミンAサプリ」と関連する症状

「ビタミンAサプリ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 皮膚や粘膜の乾燥
  • 免疫力の低下
  • 頭痛
  • 脱毛

この記事の監修管理栄養士