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ひじきなどに含まれる「マグネシウムの一日の摂取量」は?不足すると現れる症状も解説!

 公開日:2025/11/10
ひじきなどに含まれる「マグネシウムの一日の摂取量」は?不足すると現れる症状も解説!

マグネシウムの一日の摂取量とは?メディカルドック監修医がマグネシウムの一日の摂取量・男女別の摂取量・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効率的な摂取方法などを解説します。

佐藤 直美

監修管理栄養士
佐藤 直美(管理栄養士)

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病院・老健・老人ホーム・障害者施設などで給食管理・調理・栄養管理・衛生管理などに携わってきました。
2015年管理栄養士免許取得。

「マグネシウム」とは?

「マグネシウム」とは?

マグネシウムは、人体に多く含まれるミネラルのひとつです。成人の場合、約25gのマグネシウムが体内に存在し、そのうちの50〜60%が骨に含まれています。 マグネシウムは、骨の形成、筋肉や神経の機能、エネルギー代謝など、体内で300種類以上の酵素を助ける必須ミネラルです。不足すると、骨の形成障害、筋肉のけいれん、不整脈、神経過敏などが起こる可能性があります。穀物、豆類、ナッツ類、海藻類などに含まれ、加工されていない食品をバランスよく摂取することが推奨されます。 健康な人の場合、余分なマグネシウムは腎臓で排出されますが、腎臓に疾患があると血液中のマグネシウム濃度が高くなることがあります。通常の食事では摂りすぎることはありませんが、それ以外にサプリメントや薬でマグネシウムを摂りすぎると下痢を引き起こすことがあります。

マグネシウムの一日の摂取量

マグネシウムの一日の摂取量

成人におけるマグネシウムの1日の食事摂取推奨量は、以下のとおりです。 18~29歳:男性340㎎・女性280㎎ 30~49歳:男性380㎎・女性290㎎ 50~64歳:男性370㎎・女性290㎎ 65~74歳:男性350㎎・女性280㎎ 75歳以上:男性330㎎・女性270㎎ 妊娠中の場合は、上記の量に加えて40㎎摂取することが推奨されています。 サプリメントや医薬品など、食事以外でマグネシウムを摂取する場合、1日の摂取量の上限である耐容上限量は成人で350㎎です。通常の食事からマグネシウムを摂取する場合は上限量はありませんが、食事以外でマグネシウムを補う場合は、摂取量に注意が必要です。

マグネシウムの効果

マグネシウムの効果

骨と歯の形成・維持

体内のマグネシウムの約50〜60%は骨に存在し、丈夫な骨や歯を作るのに不可欠です。 カルシウムとバランスを取ることで、骨の健康維持に貢献します。

筋肉の働きをサポート

筋肉が収縮する際に働くカルシウムと相互に作用し、筋肉の弛緩(リラックス)をスムーズにします。不足すると筋肉が弛緩しにくくなり、こむら返りや筋肉のけいれんが起こりやすくなります。

血圧調整と心臓の健康維持

血管壁の細胞内マグネシウムが増えると血管が拡張し、血流がスムーズになるため血圧が下がります。また、血管を健康に保ち、血栓を作りにくくする作用もあります。 心臓の機能を正常に保つほかに、心筋梗塞のリスク軽減にも役立つとされています。

酵素の活性化と代謝の促進

300種類以上もの酵素の働きを助け、物質の合成や分解など、体内の様々な代謝活動を円滑にします。特に、体のエネルギー源となるATPを作り出す酵素を活性化させます。

細胞内外のミネラルバランスを調整する

マグネシウムはカリウムとともに細胞内に多く含まれるミネラルで、細胞内外のミネラルバランスを整える作用があります。マグネシウムが不足すると細胞の機能が低下し、臓器の機能障害を引き起こす場合があります。

マグネシウムを過剰摂取すると現れる症状

マグネシウムを過剰摂取すると現れる症状

下痢・腹部症状

サプリメントやにがりなどによる過剰摂取で最初に起こりやすい症状です。 すぐにできる処置として、マグネシウムの摂取を中止し、水分補給や、スポーツドリンクなどで電解質を補給することが重要です。 症状が重い場合や腎機能が低下している場合は、直ちに消化器内科や内分泌内科を受診しましょう。

吐き気・悪心

高マグネシウム血症の初期症状として現れます。 すぐにできる処置として、マグネシウムの摂取を中止し、脱水症状を防ぐために、水分をしっかり摂りましょう。また、体を休ませて安静にして、症状の緩和を待ちます。軽度な場合は、食事を工夫してみましょう。脂質の多い食事を避けたり、食事の量を少量に分けて摂り、ゆっくりとよく噛んで食べることが大切です。 吐き気が強い、めまいや眠気、不整脈などの症状が続く場合は、高マグネシウム血症の可能性があるため、ただちに消化器内科や内分泌内科を受診しましょう。

低血圧・徐脈

血圧の低下や、心拍数の低下(徐脈)がみられることがあります。 マグネシウム過剰摂取で低血圧などの症状がある場合は、直ちに消化器内科や内分泌内科を受診することをおすすめします。 腎機能低下がある方や、便秘などでマグネシウムを含む医薬品を服用している場合は、過剰摂取に注意が必要です。

マグネシウムが不足すると現れる症状

マグネシウムが不足すると現れる症状

こむら返り

マグネシウムは筋肉が収縮した後に縮む(弛緩する)のを助ける働きがあります。不足すると筋肉がリラックスしにくくなり、つりやすくなります。 すぐにできる処置としては、痛むふくらはぎの筋肉をゆっくり伸ばしたり、マッサージすると良いでしょう。また、水分や電解質をこまめに補給しましょう。 症状が悪化した場合、内科を受診しましょう。また、マグネシウムがこむら返りの一因となる一方で、脊柱管狭窄症など骨格筋や神経系の病気が隠れている場合もあるので、しびれや歩行困難などの症状がある場合は整形外科の受診も検討しましょう。

精神的な症状

マグネシウムは神経の興奮を抑える働きがあり、また、心の安定に関わる神経伝達物質「セロトニン」の分泌を助けるため、不足すると不安感やイライラ、気分の落ち込みに繋がりやすくなります。 すぐにできる処置として、まずマグネシウムを豊富に含む食品(青菜、海藻、大豆製品、ナッツ、種子類、未精製穀物など)を意識的に摂取することです。 それでも改善が見られない場合や症状が重い場合は、心療内科や精神科などの医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

片頭痛

マグネシウム不足は、脳の血流低下や神経の異常を引き起こし、特に片頭痛の原因となる可能性があります。 すぐにできる処置として、マグネシウムを多く含む食品を摂取するとよいでしょう。普段の食事に玄米を取り入れたり、おやつにナッツを加えたりするだけでも効果が期待できます。 症状が悪化した場合や、マグネシウムサプリメントの使用を検討する場合は、必ず事前に医師に相談しましょう。マグネシウム摂取で頭痛が改善するかどうかは、個人差があるため、すべての方に有効とは限りません。

マグネシウムの多い食品

マグネシウムの多い食品

海藻類

あおさ(素干し)や乾燥わかめ、ひじきなどはマグネシウムが特に豊富です。 マグネシウムは水溶性で調理中に煮汁へ溶け出しやすいため、味噌汁やスープなど、汁ごと摂取できる料理に活用すると効率的に摂取できます。乾燥海藻は水で戻してから和え物やサラダに使ったり、ご飯や麺類にトッピングして加えるのも手軽でおすすめです。

ナッツ類

アーモンド、かぼちゃの種、カシューナッツなどにマグネシウムが多く含まれています。 そのままの形で食事に取り入れるのがおすすめです。間食として手軽に摂取できますが、1日30gを目安に食べ過ぎに注意しましょう。

大豆製品

納豆や豆腐、きなこ、枝豆などにマグネシウムが多く含まれます。 魚介類などのたんぱく質や、きのこ類などのビタミンDを組み合わせるのが効果的です。

玄米などの未精製穀物

精製度の高い白米よりも、玄米や全粒粉パンなどのほうがマグネシウムが豊富です。 他のマグネシウムが豊富な食材(豆腐、納豆、海藻類など)と組み合わせた食事を意識することや、調理で損失が出ないようにそのまま食べたり、食材をよく噛んで食べることも有効です。

緑の濃い野菜

ほうれん草や小松菜、ブロッコリーなどは、葉緑素にマグネシウムが含まれているため、よい供給源です。 これらの食材を日々の食事に積極的に取り入れ、煮る、蒸す、茹でるなどの調理法で調理し、ビタミンDと同時に摂取することや、酢の物にしたり、クエン酸を摂取することも推奨されます。

マグネシウムの効率的な摂取方法

マグネシウムの効率的な摂取方法

マグネシウムと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

マグネシウムの吸収を高めたり効果をサポートしたりするためには、ビタミンD、カルシウム、ビタミンB群、そしてクエン酸を含む食品を一緒に摂取するのがおすすめです。 具体的には、魚類、きのこ類(ビタミンD)、乳製品や小魚(カルシウム)、雑穀や豆類(ビタミンB群)、柑橘類(クエン酸)などを意識的に食事に取り入れると良いでしょう。 ビタミンDが豊富な干物に、マグネシウムを多く含む食品(例:豆腐、納豆、海藻類、ナッツ類など)を組み合わせると、吸収を高める効果が期待できます。また、豆腐や乳製品と組み合わせることで、マグネシウムとカルシウムの吸収バランスを整えることができます。ビタミンB群は、マグネシウムが糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助ける上で重要なので、マグネシウムを含む雑穀ごはんに魚料理や野菜を合わせると効果的です。カルシウムを多く含む豆腐料理に柑橘類を添えることで、カルシウムとマグネシウムの吸収を助けます。

マグネシウムと一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品

マグネシウムの効果を下げる可能性のある栄養素や食品は、アルコールです。アルコールは、マグネシウムの尿中排泄を増やすため、多量に摂取するとマグネシウムの不足につながります。

マグネシウムの効果を高める摂取タイミング

マグネシウムの効果を高める摂取タイミングは、夕食後〜就寝前(就寝の30分〜1時間前)に摂取すると、リラックス効果で入眠をスムーズにして、睡眠の質を高める効果が期待できます。また、運動などのトレーニングの2時間前に摂取すると、筋肉痛の抑制や回復、パフォーマンスの向上が期待できます。 マグネシウムは空腹時に摂取すると胃腸に負担がかかり、下痢などの副作用が出やすいため、1日の摂取量は食後に分けて摂るのがおすすめです。 サプリメントの場合も基本的には食後に摂る方が安全で吸収も安定しやすいとされています。特に便秘薬として利用する場合は、就寝前の服用が効果的です。サプリメントや便秘薬を服用する際は、多めの水で飲むと良いでしょう。 ただし、糖尿病、心臓病、腎臓病の方は、マグネシウムのサプリメントを始める前に必ず医師に相談してください。

「マグネシウムの摂取量」についてよくある質問

「マグネシウムの摂取量」についてよくある質問

ここまでマグネシウムの摂取量を紹介しました。ここでは「マグネシウムの摂取量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

納豆1パックにマグネシウムは含まれていますか?

佐藤 直美佐藤 直美 医師

納豆1パック(約50g)あたりのマグネシウム量は約50㎎です。

マグネシウムは毎日摂取した方がいいのでしょうか?

佐藤 直美佐藤 直美 医師

マグネシウムは日々の食事で継続的に摂取することが推奨されます。マグネシウム不足は現代人には多く、イライラや不安、睡眠の質の低下に繋がる可能性があり、骨の形成や神経、心臓の働きにも深く関わっています。そのため、日々の食事で意識して摂取することが、健康維持のために大切です。

まとめ

マグネシウムは、カルシウムやリンと共に骨や歯の健康維持に役立つほか、体内の様々な酵素の働きを助ける重要なミネラルです。現代人に不足しがちなミネラルの一つとも言われるため、日々の食事で、マグネシウムを多く含む食品をバランス良く摂ることが大切です。 マグネシウムは空腹時に摂取すると胃腸に負担がかかり、下痢などの副作用が出やすいため、日中の体のコンディションを整えたい場合は1日の摂取量を食後に分けて摂るのがおすすめです。 サプリメントを服用する場合は必ず用法・用量を守り、持病がある方や薬を服用中の方は、医師に相談してから摂取しましょう。

「マグネシウム」と関連する病気

「マグネシウム」と関連する病気は10個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系疾患の病気

婦人科の病気

「マグネシウム」と関連する症状

「マグネシウム」と関連している、似ている症状は18個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 片頭痛
  • 筋肉の痙攣
  • こむら返り
  • 疲労感
  • 不安感
  • イライラ
  • 気分の落ち込み
  • 不眠
  • 下痢
  • 徐脈
  • しびれ
  • 人格変化
  • メタボリックシンドローム
  • 不整脈

この記事の監修管理栄養士