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足や顔のむくみが気になる…原因や食事、生活習慣で解消するポイントは? 【管理栄養士が解説】

 更新日:2023/11/30
足や顔のむくみが気になる…原因や食事、生活習慣で解消するポイントは? 【管理栄養士が解説】

朝起きたら顔がパンパンに腫れている」「午後になると足が象のように太くなる」などのお悩みを抱えている方は多いと思います。これらはむくみによるもので、放っておくと見た目や体重にも影響するので何とかしたいですよね。そこで、今回はむくみの原因となる食事・生活習慣や対策方法について、管理栄養士の上坂マチコさんに詳しく教えていただきました。

上坂 マチコ

監修管理栄養士
上坂 マチコ(管理栄養士)

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管理栄養士/料理家/健康系ライター/チョコレートエキスパート。雑誌編集、料理教室講師を経て高齢者施設で栄養科長として長年勤務。その後フリーランスの管理栄養士となり、メディア出演、講演会、コラム執筆、レシピ提供など幅広く活動中。「栄養学」「食品学」など4つの学校で非常勤講師も務める。サロンではダイエットを中心にオンラインカウンセリングを行う。

足のむくみが気になる…むくみの原因となるNGな食事は?

足のむくみが気になる…むくみの原因となるNGな食事は?

編集部編集部

最近、足のむくみが気になっています。むくみの原因になる食べ物はなんでしょうか?

上坂 マチコさん上坂さん

浮腫みの原因は、塩分の濃い食べ物やアルコールなどが代表です。 また、立ち仕事やデスクワークなど長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなり、むくみやすくなります。

編集部編集部

なぜ塩分を多くとるとむくむのでしょうか?

上坂 マチコさん上坂さん

食塩は塩素とナトリウムが結びついた「塩化ナトリウム」を指し、体の中ではナトリウムの濃度を一定に保つ働きがあります。塩分をとり過ぎるとナトリウム濃度が上がり、これを薄めようと細胞と細胞の間に水分が溜め込まれていきます。この状態がむくみで、一時的に体重も増加します。

編集部編集部

アルコールもむくみやすくなるのですか?

上坂 マチコさん上坂さん

アルコールには利尿作用があるので、お酒を飲むことで体の水分が失われ、血液の濃度が上昇します。その結果、血管内に水分を取り込んで血液の濃度を低くしようと働き、取り込んだ水分がむくみの原因になると言われています。加えて、お酒を飲む時は、塩分の高い食事やおつまみを一緒にとることが多いので、むくみに拍車をかけます。

編集部編集部

デスクワークでもむくむのですか?

上坂 マチコさん上坂さん

座り仕事や立ち仕事のように同じ姿勢でいると血流が悪くなり、足の血液が滞ってしまい、むくみの原因になります。

編集部編集部

食べ物が原因なのか、デスクワークが原因なのか見分けるコツはありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

朝起きて目や顔がむくんでいる場合は、前日に摂取した塩分やアルコールが原因のことが多いです。一方、午後以降に足にむくみがある場合は、長時間同じ姿勢でいることや、窮屈な靴や下着を身につけることが原因と考えられます。また、むくみには大きな病気が隠れていることがあるので、数日間続く場合は病院に行くことをおすすめします。

むくみ解消におすすめの食事ポイントは?

むくみ解消におすすめの食事ポイントは?

編集部編集部

むくみを解消をするためにはどんな食事がおすすめですか?

上坂 マチコさん上坂さん

「カリウム」が多い食材を食べるようにしましょう。ナトリウムは細胞外の水分に多く含まれますが、カリウムは細胞内の水分に多く含まれています。私たちの体は、この細胞の内側と外側のカリウム・ナトリウムの濃度を常に一定となるよう調節されています。むくみが気になる場合は、カリウムを摂ることでナトリウムの排泄を促し、むくみの解消につながります。一方で、カリウムが不足してしまうとむくみや高血圧の原因になってしまいます。

編集部編集部

ではカリウムが多い食品を教えて下さい。

上坂 マチコさん上坂さん

カリウムは、大豆や海藻類、アボカド、イモ類、野菜や果物に多く含まれています。カリウムは水に溶けやすく、加熱によって損失しやすいミネラルなので、できるだけ生で摂取してください。外食などで塩分が高い食べ物を摂取した時は、生野菜のサラダやカットフルーツなどを積極的に食べるのがよいですね。

編集部編集部

ほかにむくみ予防ができる食べ物はありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

食酢や柑橘類に多い「クエン酸」、キュウリやスイカなどウリ科の食品に多い「シトルリン」は、体内の水分代謝を促して血行も促進するので、むくみ予防・改善に働きます。ちなみに、これらは疲労回復にも働く成分です。

食事以外でできるむくみ解消に最適な生活習慣とは?

食事以外でできるむくみ解消に最適な生活習慣とは?

編集部編集部

生活習慣でむくみをとる方法はありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

むくみは同じ姿勢でいると筋肉の動きが鈍くなり、血流が悪くなることでも起こります。運動不足は筋力が低下するため、むくみやすい体になります。運動で血流を良くし、筋力をアップさせておくことはむくみ予防につながります。

編集部編集部

お風呂はどうですか?

上坂 マチコさん上坂さん

湯船につかることで、血液やリンパの流れが良くなります。例えば、「エプソムソルト」は硫酸マグネシウムのことですが、湯船に入れることで体を温めて血流を良くし、むくみ予防に役立ちます。マグネシウムは筋肉の働きに関与するミネラルで、経皮吸収にも繋がります。ついでに入浴時や入浴後に自分でマッサージをするのもいいですね。

編集部編集部

ストレスとむくみには関係がありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

ストレスがたまると暴飲暴食につながります。なるべくストレスを溜めないようにするのもむくみ予防と言えます。例えば、運動はストレスの発散にもなるので、自分が無理なくできる運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

編集部編集部

最後に読者へのメッセージをお願いします。

上坂 マチコさん上坂さん

塩分の高い食べ物やアルコールは、むくみの原因ばかりではなく血管や心臓、肝臓、腎臓、胃など全身に大きな負担をかけてしまいます。普段から薄味に慣れておいて、アルコールを適量で抑えつつ野菜をしっかり摂ることは病気予防の基本です。食事と運動、入浴と休息などを見直すきっかけになってもらえたら嬉しいです。

編集部まとめ

今回は、管理栄養士の上坂先生にむくみの原因となる食事内容や、むくみ対策方法について教えていただきました。塩分やお酒の飲みすぎ、運動不足はむくみばかりではなく、病気のリスクを高めることもあります。またむくみは病気が原因の可能性もあるので、長期間続く場合は医師に相談するようにしましょう。

この記事の監修管理栄養士