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「カテキンを摂りすぎる」と現れる症状はご存知ですか?管理栄養士が徹底解説!

 公開日:2025/07/31

カテキンを取りすぎるとどうなる?Medical DOC監修医がカテキンの一日の摂取量・効果・取りすぎると現れる症状・対処法などを解説します。

荒井 佳奈恵

監修管理栄養士
荒井 佳奈恵(管理栄養士)

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委託給食会社勤務、栄養教諭、フィットネスジム栄養指導などを経て、現在は特定保健指導やスポーツ栄養、コラム執筆などに従事。予防栄養に関心が深くその分野を中心に活動範囲を広げている。食アスリート協会認定講師、健康食育シニアインストラクター。

「カテキン」とは?

「カテキン」とは?

カテキンは、緑茶などに含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用や血糖値上昇の抑制、脂肪吸収の抑制など、様々な健康機能性が研究で示唆されています。継続的な摂取により、生活習慣病予防への貢献が期待されています。

カテキンの一日の摂取量

カテキンの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準2025年版には、カテキンの明確な摂取推奨量は定められていません。一部の研究では、認知機能への影響について、緑茶カテキンを1mg/kg体重/日以上摂取することで効果が示唆された例もありますが、個人差が大きく、明確な有効摂取量は確立されていないのが現状です。なお、特定保健用食品においては、「体脂肪の低減」「脂肪やコレステロールの吸収抑制」「食後血糖値の上昇抑制」などの機能性が認められており、茶カテキン540mg/日を目安とした製品もあります。通常の緑茶の飲用による摂取であれば、過剰摂取による健康リスクは低いと考えられています。ただし、粉末緑茶や濃い茶葉の多量摂取、サプリメント利用などでは摂取量が増えやすいため注意が必要です。

カテキンの効果

カテキンの効果

EGCG(エピガロカテキンガレート)は、緑茶に最も豊富に含まれるカテキンの一種です。カテキンはポリフェノールの一種であり、緑茶の苦味や渋味の主な成分です。

抗酸化作用

カテキンには、体のサビつきを防ぐ「抗酸化作用」があります。メタアナリシス(複数の研究をまとめた分析)によると、カテキン、特に緑茶サプリメントを摂ることで、血液中の抗酸化力がアップし、体が酸化するのを防ぐサインである「脂質の酸化が減る」ことが示されています。つまり、カテキンは体の中をきれいにする手助けをしてくれると考えられます。

抗がん作用

カテキンの抗がん作用について、複数の研究をまとめたメタアナリシスでは、特定のがんのリスクを下げる可能性が示されています。例えば、乳がん、大腸がん(直腸がん)、口や喉のがん、胃がんなどにおいて、カテキンの摂取が予防につながる傾向が見られています。カテキンは、がん細胞が増えるのを抑えたり、がんの転移を防いだりする働きも期待されています。

生活習慣病予防

カテキンは、血糖値の上昇をおだやかにする作用や、体脂肪(特に内臓脂肪)を減らす働きがあることが報告されています。また、コレステロール(特に悪玉コレステロール)や中性脂肪の値を改善する効果も示されており、これにより肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病のリスクを減らすことが期待されます。

抗菌・抗ウイルス作用

カテキンは、インフルエンザウイルスや食中毒菌などに対して、菌が体にくっつくのを邪魔したり、菌を直接やっつけたりする働きがあることが研究でわかっています。これにより、感染症を予防する効果が期待されています。特に、緑茶のカテキン(EGCG)は、ウイルスが細胞に入るのを妨げる可能性があるとされています。

認知機能の改善

カテキンは、複数の研究をまとめた分析や研究結果から、「記憶力」や「注意力」などの脳の働きを保つ効果が期待されています。静岡県立大学の研究では、緑茶カテキンを毎日1mg/kg体重以上摂取することで、加齢による認知機能の低下を抑えたり、作業記憶(一時的に情報を覚えておく力)を改善する可能性が示唆されています。これは、カテキンが脳の健康を助け、情報を処理する能力をサポートするためと考えられます。

アレルギー抑制作用

カテキンには、アレルギー反応を抑える効果があることが、公的機関の研究やメタアナリシスで報告されています。特に「べにふうき」という品種の緑茶に多く含まれる「メチル化カテキン」には、花粉症などのアレルギー症状を引き起こす原因物質が体内に付着するのを妨げたり、アレルギー反応を引き起こす細胞からのヒスタミンなどの放出を抑える働きがあるとされています。この作用に着目した商品は、機能性表示食品としても展開されており、「鼻の不快感の軽減」や「花粉による目・鼻の不快感の緩和」などを訴求する製品も市販されています。これにより、目や鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状の緩和が期待されています。

カテキンを取りすぎると現れる症状

カテキンを取りすぎると現れる症状

肝機能障害

欧州食品安全機関(EFSA)は、EGCGを800mg/日以上摂取すると肝臓への影響が懸念されるとしています。これは主に、高濃度のEGCGを含むサプリの摂取に関するものです。症状としては、倦怠感、吐き気、黄疸などがあります。対処法は直ちに摂取中止すること。症状悪化時は消化器内科を受診し、サプリメント摂取者は、体質による発症や基礎疾患の有無を医師に伝えます。

不眠・動悸・吐き気など

一般的にカテキンを多く含む緑茶の過剰摂取によって起こりうる症状としては、緑茶に特に多く含まれるカフェインによる影響が考えられ、不眠・動悸・吐き気・下痢・神経過敏・イライラなどがあります。ただし、通常の飲用量(例えば、1日に数杯の緑茶)であれば、これらの症状が現れる可能性は低いと考えられます。現時点では、カフェインの過剰摂取による具体的な症状や安全な上限摂取量について、公的機関による統一的な見解や明確な研究結果は限られています。気持ち悪いなどの症状がある場合は、消化器内科、総合内科を受診し、普段の食事やサプリ・内服の状況を伝えます。

鉄欠乏性貧血

カテキンの摂り過ぎは非ヘム鉄(植物性食品由来)の吸収を阻害することで、鉄欠乏性貧血の可能性があります。疲労感、息切れ、めまい、動悸、顔色不良などの症状がある場合は、カテキン高含有食品の摂取を控え、鉄分の多い食事を摂り、食事中や食後すぐは緑茶を避けます。鉄の吸収率を高める動物性たんぱく質やビタミンCとの同時摂取が有効です。症状の悪化時には内科を受診し、女性は婦人科も検討する。医師には日常的なカテキン摂取量を伝えます。

カテキンを取りすぎてしまった際の対処法

カテキンを取りすぎてしまった際の対処法

カテキンの過剰摂取に対する公的機関による具体的な研究に基づく対処法は、現在のところ明確に示されていません。ただし、一般的に考えられる対処法としては、以下です。

摂取の中止

まずはカテキンを含む食品やサプリメントの摂取を直ちにやめることが最も重要です。

水分の十分な摂取

体内のカテキン濃度を薄め、排泄を促すために、水や白湯を十分に飲みます。

安静

体調が優れない場合は、無理せず安静にしてください。専門医やかかりつけ医にご相談ください。

医療機関を受診

強い吐き気や嘔吐、激しい腹痛、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、持続的な体調不良など、特に高濃度のカテキンを含むサプリメントを摂取後に異常を感じた場合は、自己判断せずに医師の診察を受けることが大切です。

「カテキンの取りすぎ」についてよくある質問

「カテキンの取りすぎ」についてよくある質問

ここまでカテキンの取りすぎについて紹介しました。ここでは「カテキンの取りすぎ」についてよくある質問に、Medical DOC監修管理栄養士がお答えします。

緑茶を飲み過ぎるとどんな症状が現れますか?

荒井 佳奈恵荒井 佳奈恵

緑茶の飲み過ぎによる主な症状は、含有されるカフェインによるめまい、動悸、不眠、下痢、吐き気などです。また、緑茶抽出物のサプリなど高濃度摂取では、肝機能障害(EFSAが1日800mg以上のEGCGで懸念)や、鉄の吸収阻害による貧血リスクが指摘されています。

編集部まとめ

カテキンは多くの健康効果が期待されますが、高濃度摂取では肝機能障害や貧血のリスクも考えられます。通常の緑茶飲量は安全性が高いものの、鉄欠乏傾向のある人や閉経後女性では注意が必要です。サプリ利用時は摂取量に注意し、異常を感じたら速やかに医療機関へ相談しましょう。

「カテキン」と関連する病気

「カテキン」と関連する病気は6個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科の病気

  • 薬物性肝障害(薬剤性肝障害)
  • 胃腸障害

内科(婦人科)の病気

心療内科・精神科の病気

循環器内科の病気

「カテキン」と関連する症状

「カテキン」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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この記事の監修管理栄養士