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「貧血に良い食べ物」はご存知ですか?コンビニで売っている貧血に良い食べ物も解説!

 公開日:2025/05/21
「貧血に良い食べ物」はご存知ですか?コンビニで売っている貧血に良い食べ物も解説!

貧血に良い食べ物とは?Medical DOC監修医が貧血の原因・予防する栄養素・予防・改善する可能性の高い食べ物・控えた方がいい食べ物・食生活で気を付けるポイントなどを解説します。

堀越 千聡

監修管理栄養士
堀越 千聡(管理栄養士)

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病院で委託栄養士として調理業務を担当。その後管理栄養士の資格を取得後身体障害者支援施設で、多職種と連携しながら食事介助やミールラウンドを通じて、利用者の食事状況を観察し、直接的にフィードバッグを得ることで、利用者一人ひとりに合わせた食事を提供し、より適切な栄養管理を行っています。

「貧血」とは?

「貧血」とは?

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなった状態です。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ重要なはたらきをしているため、その量が少なくなると運べる酸素の量も少なくなって全身が酸欠状態となり、めまいや立ちくらみ、頭痛などの様々な症状が現れるようになります。
特に女性は月経で血液を失うため貧血になりやすいです。一般に血液の濃さは血中のヘモグロビン濃度で表されますが、男性では13.0g/dl、女性では12.0g/dl以下になると貧血と診断されます。

貧血の原因

貧血の原因

貧血の原因の約60~80%はヘモグロビンの材料となる鉄分が不足することで起きる鉄欠乏性貧血が占めています。このほかビタミンB12や葉酸の不足で赤血球が減少して起こる巨赤芽球性貧血、さまざまな原因で赤血球が寿命よりも早く壊れやすい溶血性貧血、血液を作る役割を持つ骨髄の働きが低下することによって起きる再生不良性貧血、赤血球の産生を高めるエリスロポエチンという造血因子が腎臓が悪くなることでエリスロポエチンの産生が低下して起きる腎性貧血などが挙げられます。

鉄欠乏性貧血

・鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの主成分である鉄分が不足することで起こり、日本で一番多い貧血です。鉄分が不足する原因としては、鉄の摂取量不足・必要量増加・吸収困難・喪失増加が挙げられ、それぞれの詳細は以下の通りです。
・鉄の摂取量不足:欠食や偏食などの食生活の乱れから鉄の摂取量が不足している場合など
・鉄の必要量増加:月経のある女性、妊娠・授乳中の女性など 
・鉄の吸収困難 :胃腸機能が弱っている場合など
・鉄の喪失増加 :過多月経のある女性、胃潰瘍、痔など慢性出血のある場合など

巨赤芽球性貧血

・巨赤芽球性貧血は、栄養不足によって赤血球を正常に作ることができずに、通常サイズが大きく不完全な赤血球が作られてしまいます。栄養不足は、ビタミンB12・葉酸などの摂取不足や胃粘膜萎縮による消化不良で吸収不足を起こすことで生じます。菜食主義や食物アレルギーなどで動物性食品を控えている人は、ビタミンB12が不足しがちです。また、抗がん剤や免疫抑制剤など、一部の薬物は葉酸の代謝に影響を与えることがあります。

溶血性貧血

・溶血性貧血は、赤血球が壊されて溶け出してしまう貧血です。
赤血球が壊される原因は、免疫異常・細菌感染・抗酸化物質の欠乏・活性酸素の増加等によって赤血球が傷ついたり、過度な衝撃のかかるスポーツで足裏の血管が衝撃を受けることが挙げられます。

貧血を予防する栄養素

貧血を予防する栄養素

貧血の主な原因として不足しがちになる栄養素です。食品に含まれる鉄分には、吸収されやすいヘム鉄と呼ばれるものと、吸収されにくい非ヘム鉄と呼ばれるものがあります。ヘム鉄は レバー、赤身の肉、青背魚 に多く含まれ、体に吸収されやすい(吸収率10~20%)鉄分です。
一方、非ヘム鉄は貝類、卵、大豆製品、海藻類、緑黄色野菜、豆類 などの植物性食品に多く含まれますが、吸収率は1~7%と低めです。
ただし、ビタミンCを多く含む野菜や果物(ブロッコリー、ピーマンなど) や、クエン酸、動物性たんぱく質と一緒に摂取すると、非ヘム鉄の吸収率を向上させることができます。

<ヘム鉄を多く含む食品〉レバー、牛もも肉、豚ヒレ肉、まぐろ、かつお

<非ヘム鉄を多く含む食品>
あさり、しじみ、牡蠣、卵、納豆、厚揚げ、ひじき、小松菜、ほうれん草、枝豆

たんぱく質

赤血球やヘモグロビンの材料となる栄養素です。良質なたんぱく質は良質な赤血球やヘモグロビンを作り出してくれます。毎食、必ず取り入れたい食品の一つです。
1日の目安量(1日1600Kcalの場合)=卵1個+魚1切れ+肉70g程度+豆腐1丁です。

〈たんぱく質を多く含む食品〉
牛肉、豚肉、鶏肉、ハム、魚、小魚、貝、卵、納豆、豆腐、牛乳、ヨーグルト、チーズ

ビタミンC

ビタミンCは非ヘム鉄を吸収しやすい形に変える助けになります。日々の食事に野菜、果物の摂取を取り入れましょう。

〈ビタミンCを多く含む食品〉
パプリカ、ピーマン、ブロッコリー、菜の花、ゴーヤ、さやえんどう、キャベツ、じゃがいも、ほうれん草、レモン、キウイフルーツ、いちご、みかん、パイナップル

ビタミンB12、葉酸

ビタミンB12と葉酸は、赤血球の生成に欠かせない栄養素 です。葉酸はビタミンB群の一種で、DNAの合成や細胞分裂に関与し、特に赤血球の形成を助ける 重要な役割を担います。
これらの栄養素は主に小腸で吸収されますが、胃の働きも重要な要素となります。特にビタミンB12は、胃で分泌される内因子と結合しなければ吸収されにくい特徴があります。そのため、胃がんなどで胃を切除した場合、内因子が不足し、ビタミンB12の吸収が大幅に低下 してしまいます。これにより、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)を引き起こすリスク が高まります。

〈ビタミンB12、葉酸を多く含む食品〉
レバー、かき、枝豆、モロヘイヤ、アスパラガス、ブロッコリー、パセリ、いちご

貧血を予防・改善する可能性の高い食べ物

貧血を予防・改善する可能性の高い食べ物

牛肉、レバー、魚介類

・レバーは鉄分豊富な食品として知られています。それ以外にも牛肉の赤身肉、イワシやカツオ、アサリなどの動物性食品は、体内に取り込まれやすい「ヘム鉄」が豊富です。ただし、鉄を摂取しても全てが取り込まれるわけでは、ありません。ヘム鉄の場合は15~25%が取り込まれます。動物性タンパク質には、植物性食品由来の鉄分を体内に取り込みやすくする働きもあります。
豚レバーには100gあたり13.0mg、鶏レバーには9.0mgの鉄分が含まれており、小魚の代表格であるカタクチイワシには100gあたり18.0mgもの鉄分を含んでおり、動物性食品の中でもトップクラスの含有量を誇ります。
これらの食材をバランスよく取り入れることで、効果的に鉄分を補給することができます。

ほうれん草・小松菜

鉄分が豊富な野菜には小松菜やほうれん草に多く含まれ、その他の緑黄色野菜にも鉄が含まれますが、植物性食品に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」です。非ヘム鉄は、上記で紹介した動物性食品に含まれているヘム鉄に比べると、体内に取り込まれる割合が、2~5%と低いので、注意が必要です。体内への吸収率は、食べ合わせを意識するだけでその割合を高めることができます。植物性食品で鉄分をとりたい場合は、摂る場合にはビタミンCが豊富な食品も取り入れることをおすすめします。

豆乳、納豆などの大豆製品

豆乳、納豆、枝豆、厚揚げなど大豆製品にも鉄分が豊富に含まれるので積極的に食べるようにしましょう。ただし、上記の野菜類と同様に「非ヘム鉄」が含まれる植物性食品なので、ビタミンCと一緒に食べるよう心がけましょう。

柑橘系などの果物

・植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は体内に取り込まれる割合が低いため、一緒にビタミンCを豊富に含む食品を食べることで吸収の割合を高めることができます。オレンジやグレープフルーツの他にもキウイなども、ビタミンCを豊富に含みます。毎日は難しくても食後のデザートに、ビタミンCが豊富な果物を食べることもおすすめです。

海藻類や乾物類

・植物性食品の中では、海藻類や乾物類に鉄分が豊富に含まれています。
特に岩のりは100gあたり48.0mgと、非常に高い数値です。
乾燥きくらげも35.0mgと高い含有量を誇り、純ココアも14.0mgと優れた鉄分供給源となります。
これらの食材を上手に活用することで、動物性食品だけでなく植物性食品からも効率的に鉄分を摂取することができます。

貧血に良い即効性のある食べ物

貧血に良い即効性のある食べ物

レバー

レバーに含まれる鉄分はヘム鉄という吸収率の高いもので、その吸収率は野菜、穀類、海藻類など非ヘム鉄の吸収率が5%程度であるのに対し、レバーのヘム鉄の吸収率はおよそ20%です。レバーには鉄分のほか、葉酸やビタミンB12も豊富に含まれています。

<日本食品成分表2020年版(八訂)よりレバー100gあたりに含まれる栄養素>
・豚レバー(生)鉄:13.0mg、葉酸:810µg、ビタミンB12:25.0μg
・鶏レバー(生)鉄:9.0mg、葉酸:1300μg、ビタミンB12:44.0μg
・牛レバー(生)鉄:4.0mg、葉酸:1000μg、ビタミンB12:53.0μg

牛肉

レバーは苦手だけど、鉄やビタミンB12を効率よく補いたいという方は、赤身の多い牛肉がおすすめです。
日本食品成分表2020年版(八訂)によると、牛肉(輸入牛/もも)100gあたりには鉄が2.6mg、ビタミンB12が1.6μg含まれています。
赤身の多い牛肉はたんぱく質含有量も高いので、トレーニング中の方やダイエット中の方、成長期の子どもにもおすすめです。

あさりの缶詰

鉄やビタミンB12が豊富なあさりは、貧血の方に、おすすめの食べ物です。またあさりは良質なたんぱく質でもあり、ビタミンCも多い食べ物です。
日本食品成分表2020年版(八訂)によると、あさり缶詰(水煮)100gには鉄30.0mg、ビタミンB12は64.0μgが含まれています。
あさりの缶詰は砂抜きなどの下ごしらえも必要ないので、毎日の食事で手軽に取り入れてみたいという方にも向いています。

コンビニで売っている貧血に良い即効性のある食べ物

コンビニで売っている貧血に良い即効性のある食べ物

レバニラ炒め

・レバーには、体に吸収されやすいヘム鉄が豊富に含まれており、赤血球の生成を助ける葉酸やビタミンB12も多く含まれています。さらに、一緒に使われるニラには、鉄の吸収を助けるビタミンCが含まれているため、相乗効果が期待できます。コンビニでお弁当やお惣菜を購入する際に鉄分豊富なレバニラ炒めを一品追加すると良いでしょう。

あさりの味噌汁

・あさりは、鉄の吸収の良いヘム鉄やビタミンB12が豊富に含まれており、血液を作るのに役立ちます。また、味噌にも造血作用のあるビタミンB12が含まれているので、あと一品足したい時におすすめの商品です。

鉄分入りの食品

・コンビニでは、 鉄分が強化された飲料やゼリー飲料が手軽に摂取でき、即効性が期待できます。 鉄分入りヨーグルトは、ビタミンCを含むものを選ぶと鉄の吸収が高まります。おやつ感覚で食べられる 鉄分入りウエハースやグミも便利です。また、プロセスチーズや鉄分が強化されたチーズ も手軽に補給できる選択肢の一つ。さらに、 鉄分豊富な野菜ジュースを活用すれば、手軽に鉄分とビタミンを補えます。

貧血予防のために控えた方がいい食べ物

貧血予防のために控えた方がいい食べ物

タンニン

・控えるべき理由:コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるタンニンは、非ヘム鉄と結合しやすく、鉄の吸収を妨げる可能性があります。そのため、鉄分を多く含む食事と同時に摂取するのは避けた方がよいでしょう。特に食事中や食後すぐ(30分以内)に摂ると、非ヘム鉄の吸収が阻害される可能性が高くなります。貧血が気になる方は、食前後30分~1時間程度あけて飲むのが望ましいとされています。また、赤ワインに含まれるポリフェノールも鉄の吸収を抑える可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
・具体的な食品名:コーヒー、紅茶、煎茶、玉露、緑茶、赤ワイン、ウーロン茶

カルシウムの過剰摂取

・控えるべき理由:カルシウムは骨や歯の健康維持に欠かせない栄養素ですが、大量に摂取すると鉄の吸収を妨げる可能性があります。特に、サプリメントやカルシウム強化食品を過剰に摂取すると、非ヘム鉄の吸収を阻害することが指摘されています。
ただし、通常の食事から摂る程度のカルシウムでは、鉄の吸収への影響はほとんどないと考えられています。例えば、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を、鉄分が豊富な赤身肉や豆類と同時に大量に摂ると、鉄の吸収効率が若干低下する可能性 がありますが、バランスよく摂取する限り、大きな問題にはならない でしょう。

加工食品やインスタント食品

・控えるべき理由:現代の日本社会では、忙しさからインスタント食品やファストフードに頼ることが多くなりがちです。これらには保存料やリン酸塩などの添加物が含まれる場合があり、ミネラル類の吸収を妨げる可能性も一部で指摘されています。また、栄養バランスが偏りがちな食事は鉄や葉酸の不足を招きやすく、貧血を加速させるリスクが高まります。
              
・具体的な食品名:ハムやソーセージ、練り物製品、カップ麺、清涼飲料水、スナック菓子

フィチン酸

・控えるべき理由:フィチン酸は、穀類や豆類の外皮(ぬか部分)に含まれる有機酸で、鉄や亜鉛、カルシウムなどのミネラル吸収を阻害する可能性があります。
特に非ヘム鉄の吸収を妨げるため、鉄分補給を意識する際は注意が必要です。
フィチン酸は金属イオンと結合しやすい性質をもち、消化管内で鉄イオンと複合体を形成することで、鉄の吸収を低下させる可能性があります。
そのため、玄米を主食としている人が鉄分補給のために豆類を大量に摂取すると、フィチン酸の影響を受けやすくなる可能性があります。
ただし、玄米や全粒粉には食物繊維やビタミンB群などの栄養的なメリットも多く、過度に避ける必要はありません。
また、フィチン酸の影響を緩和する方法として以下の方法が挙げられます。
発酵食品と組み合わせる(納豆、ぬか漬け、味噌、ヨーグルトなど)
発芽処理や加熱調理をする(発芽玄米を利用する、豆類をしっかり加熱する)
ヘム鉄を含む食品(肉・魚)と一緒に摂取する(ヘム鉄はフィチン酸の影響を受けにくい)

・具体的な食品名:玄米、とうもろこし、米ぬか、小麦、ゴマ、インゲン豆

アルコール飲料

・控えるべき理由:長期間にわたる過剰なアルコール摂取は、肝臓をはじめとする各臓器への負担を増やすだけでなく、消化器官の働きを低下させ、葉酸や鉄分の吸収が悪くなる可能性があります。
特に慢性的な飲酒は胃粘膜を傷つけ、胃酸の分泌を低下させるため、鉄やビタミンB12の吸収に悪影響を及ぼすことがあります。
また、アルコールはビタミンB群(特にビタミンB1や葉酸)や亜鉛の排泄を促し、貧血のリスクを高める可能性があります。
貧血が疑われる場合や治療中の方は、アルコールの摂取を控えめにすることが推奨されます。特に鉄剤を服用している場合、アルコールは胃腸への負担を増やし、鉄剤の吸収を低下させる可能性があるため、飲酒は控えるか、医師に相談することが望ましいでしょう。

貧血予防のために食生活で気を付けるポイント

貧血予防のために食生活で気を付けるポイント

鉄の吸収を高める食べ方を意識する

鉄には、吸収率の高い「ヘム鉄」と、吸収率の低い「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄はレバーや赤身の肉、魚介類に多く含まれ、非ヘム鉄は野菜や豆類、穀類に多く含まれています。特に非ヘム鉄は吸収されにくいため、食べ合わせを工夫することが大切です。
ビタミンCと一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収が促進されます。例えば、小松菜とピーマンを組み合わせたり、ひじきとブロッコリーを一緒に食べたりするとよいでしょう。また、酢や柑橘類、梅干し、香辛料を取り入れると、胃酸の分泌が促され、鉄の吸収が助けられます。
さらに、血液の生成やヘモグロビンの合成に関わる栄養素を意識して摂取することも重要です。ビタミンB12はレバーや魚介類に多く含まれ、葉酸は緑黄色野菜や豆類に豊富です。ビタミンB6はイワシやカレイ、卵黄などに含まれ、銅は貝類やレバー、ごまなどに含まれています。これらの栄養素は鉄の吸収を直接促すわけではありませんが、血液を作る過程で重要な役割を果たしています。

良質なたんぱく質を摂る

たんぱく質は、ヘモグロビンの材料となる栄養素であり、赤血球の生成にも関与しています。肉類や魚介類、卵、乳製品には良質なたんぱく質が含まれており、効率よく鉄を摂取できます。特に赤身の肉や青魚にはヘム鉄も含まれているため、貧血対策に適しています。
大豆や大豆製品にも良質なたんぱく質が含まれていますが、鉄は非ヘム鉄のため吸収率が低めです。そのため、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取するなどの工夫が必要です。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく摂ることが望ましいでしょう。

鉄の吸収を妨げる食品や飲み物に注意しましょう

コーヒーや緑茶にはタンニンが含まれており、非ヘム鉄の吸収を阻害する可能性があります。食事中や食後すぐの摂取は避け、30分から1時間程度時間を空けることをおすすめします。飲み物を選ぶ際は、麦茶やルイボスティーなどを活用するとよいでしょう。
カルシウムも鉄の吸収を妨げる可能性があります。特にサプリメントやカルシウム強化食品を過剰に摂取すると、鉄の吸収が低下する可能性があるため、鉄分が豊富な食事とは時間をずらして摂取するとよいでしょう。
加工食品やインスタント食品には保存料やリン酸塩が多く含まれており、鉄の吸収を妨げる可能性があります。日常的に摂取する場合は、栄養バランスを考慮しながら適度に取り入れることが大切です。

よく噛んで食べ、バランスの良い食事を意識しましょう

よく噛んで食べることで胃酸の分泌が促され、鉄の吸収が向上します。一口につき30回程度噛むことを意識するとよいでしょう。また、ダイエットや偏った食事による栄養不足は貧血を悪化させる要因となるため、主食、主菜、副菜を組み合わせたバランスの良い食事を心がけることが大切です。

「貧血の食べ物」についてよくある質問

「貧血の食べ物」についてよくある質問

ここまで貧血の食べ物などを紹介しました。ここでは「貧血の食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

貧血に一番効果的な食べ物について教えてください。

堀越 千聡堀越 千聡

貧血にいいといわれる食べ物はさまざまですが、医薬品のようには考えないでください。フラフラが気になる方は、毎日の食事で鉄や葉酸、ビタミンB12やたんぱく質などの栄養をしっかり補うように心がけておきましょう。外出先では炭水化物に偏った食事になりやすいので、主菜や副菜、汁物や果物を組み合わせて、貧血にいい食べ物を意識して取り入れてみてください。

チョコレートは貧血に効果的なのでしょうか?

堀越 千聡堀越 千聡

チョコレートには、鉄をはじめとする貧血の改善に役立つとされる栄養素(鉄・銅・亜鉛・ビタミンE・ビタミンB6・葉酸・たんぱく質など)が含まれています。そのことから、貧血の改善に繋がる可能性はあるが、貧血の時に食べると良いといわれる他の食べ物に比べて、チョコレートの方が即効性が期待できるとは考えにくいです。また、チョコレートは、貧血の改善に役立つ栄養素を含むと同時に、鉄の吸収を阻害するポリフェノールの一種であるタンニンも含むので注意が必要です。

編集部まとめ

貧血を予防するためには、血液をつくるのに必要な栄養素を十分に摂取する必要があります。血液をつくるのに必要な栄養素は、主に「鉄」や「たんぱく質」です。鉄の吸収を良くする「ビタミンC」などの栄養素も積極的な摂取を心がけましょう。
また、血液をつくるための栄養素が足りていても、全体のエネルギーが不足しているとエネルギーが代謝異常を起こし、正常に血が産生されません。十分なエネルギーを摂取できるよう、毎日欠かさず食べることが必要となります。
食による貧血予防は、長期間にわたって行う必要があります。一時的な取り組みと考えるのではなく、適切な食生活を定着させていきましょう。

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