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「大腸がん予防に効果の高い食事」はご存知ですか?術後に控えた方がいい食事も解説!

 公開日:2024/11/08
「大腸がん予防に効果の高い食事」はご存知ですか?術後に控えた方がいい食事も解説!

大腸がん手術後の食事メニューとは?Medical DOC監修医が大腸がん手術後の注意点・食事メニュー・控えた方がいい食事・予防法などを解説します。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

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「大腸がん」とは?

大腸がんは2019年のがん統計で罹患数が1位で、男女別にみても男性と女性でそれぞれ2位と多く、特に最近の罹患数の増加が著しい疾患です。大腸がんの治療は内視鏡的、外科的手術療法が基本です。今回は大腸がんを予防する食事や手術後の食事について解説します。

大腸がん手術後の注意点

大腸がんの手術後の食事制限は基本的には必要ありません。食事により、十分な栄養を摂ることが術後の体力回復には不可欠である一方で、手術後の腸の機能が回復するまで、しばらく時間がかかります。そのため、食事には普段よりもより気をつけることが重要です。

消化のいいものを選ぶ

手術直後は、消化に負担のかかる油っこいものや食物繊維の多いものの過剰摂取は避けるのがおすすめです。お粥や柔らかく煮込んだ野菜など、消化の良いものを中心に摂りましょう。

よく噛んで食べる

消化のいいものを摂取することも大事ですが、それをよく噛んで食べることで消化を助けられます。よく噛むことで、満腹感を感じやすくなったり、お腹の動きが活発になったりする効果も期待できます。

少量をこまめに摂る

大腸がんの手術後は、胃腸の動きが完全に回復していない場合があります。その場合は、一度にたくさんの食事を摂ると消化不良を起こす可能性があります。心がけることは少量の食事をこまめに摂取することがおすすめです。分食や間食をうまく活用して、栄養を摂取しましょう。

水分をこまめに摂る

手術後は消化管の動きが悪くなる可能性があり、便秘が起こりやすい状態です。便秘を防ぐため、こまめに水分を摂るようにしましょう。

大腸がん手術後(1~2週間)の食事メニュー

手術直後は通常よりも胃腸の動きが悪く、下痢や便秘を起こしやすい状態が想定されます。まずは消化のいいものをゆっくり、少しずつ食べることが基本です。

お粥

全粥食は病院でも出されるメニューです。おかゆだからといってすぐ飲み込むのではなく、しっかり噛んでから飲み込むようにしましょう。もちろん、米飯の摂取は禁止ではありませんが、おかゆよりもしっかり噛むことを意識しましょう。

ソフト食(豆腐、うどんなど)

豆腐やうどんなど、ソフト食は手術後の食事としておすすめです。冷たいものよりは温かいものがおなかにやさしいでしょう。

蒸し魚

魚も柔らかく蒸してあるものがおすすめです。

野菜スープ

消化されにくい食物繊維が豊富な野菜は、スープや柔らかく煮たものにするなど、工夫したレシピを心がけましょう。

大腸がん手術後(1~2週間)は控えた方がよい食事メニュー

手術直後は、通常より腸の動きが悪い可能性があります。そのため、消化が悪い食物は避けることがおすすめです。もちろん、人それぞれ病状が異なるため、すべての人に当てはまるわけではありません。ご自身の状況に合わせて食事には注意を払いましょう。食事についてわからないことがあれば、主治医にご相談ください。

食物繊維が多いもの

前述の通り、食物繊維は消化されないので、生の状態や硬い状態で摂取するのはおすすめできません。具体的には、生野菜や根菜類、きのこ類、海藻類などです。前述のようにスープにしたり、煮たりして柔らかいものを摂取するようにしましょう。

脂肪分の多いもの

脂肪分の多い食品は消化に時間がかかるため、手術直後は避けるのが無難です。消化不良の場合は下痢などの原因になる場合があります。具体的なメニューとして、揚げ物や天ぷら、脂身の多い肉、バターや生クリームをたっぷり使った洋菓子などは控えましょう。回復状況に合わせて、少しずつ摂取するようにしましょう。

香辛料やアルコールなどの刺激物

腸のむくみや炎症の原因になる場合があるので、香辛料やアルコール、カフェインなどの刺激物を含む食事は控えましょう。

大腸がん手術後(1ヶ月)の食事メニュー

手術後1ヶ月では、徐々に通常の食事への移行期です。自宅での食事が中心になりますが、消化機能が完全に回復していない場合があり、暴飲暴食は禁物です。さらに、以下の点に注意しながら食事を選びましょう。

ご飯、パン、麺類

消化の良いものを選び、よく噛んで食べましょう。

肉、魚、卵、大豆製品

脂身の少ないものを選び、揚げ物や炒め物は控えめにしましょう。

野菜、果物

前述のように生野菜や果物は消化されにくいので、できれば加熱したり、細かく刻んだりして食べるのがおすすめです。

乳製品・発酵食品

乳製品や発酵食品は善玉菌である乳酸菌が多く含まれます。ヨーグルトやチーズ、納豆、味噌などの発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。

大腸がん手術後(1ヶ月)は控えた方がよい食事メニュー

手術後1ヶ月では、徐々に通常の食事への移行期で、基本的に禁止するような食べ物はありません。ただし、以下のような食品は調理法を工夫したり、食べるのを控えたり、注意が必要です。

食物繊維が多いもの

ごぼう、れんこん、きのこ類などは、まだ消化に負担がかかる場合があるので、できるだけ細かく刻んだり、柔らかく煮たりして調理方法を工夫しましょう。

脂肪分の多いもの

揚げ物、炒め物、脂身の多い肉などは、消化に時間がかかるので控えめにしましょう。手術後の体への影響もありますが、新たな大腸がんの予防の観点でも脂質を控えることは重要です。

香辛料やアルコールなどの刺激物

刺激物の摂取は控えめにしましょう。

大腸がん手術後(1ヶ月以降)の食事メニュー

手術後1ヶ月以降は、基本的に通常の食事に戻して問題ありません。ただし、以下の点に注意しながら、バランスの良い食事を心がけましょう。

様々な食品をバランスよく

・食べてもよい食事メニュー
主食、主菜、副菜をバランスよく揃え、様々な食品から栄養を摂るようにしましょう。

食物繊維

野菜、果物、海藻、きのこ類など食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えましょう。

乳製品・発酵食品

前述のようにヨーグルトなど乳製品、納豆や味噌などの発酵食品は、腸内環境を整える善玉菌を増やす効果があるので、積極的に摂取しましょう。

大腸がん手術後(1ヶ月以降)控えた方がよい食事メニュー

手術後1ヶ月以降は、基本的に通常の食事に戻して問題ありません。ただし、大腸がんの予防の観点からも以下の点に注意しながら食事を選びましょう。

加工肉や赤みの肉

加工肉や赤身肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高める可能性があるので、控えめにしましょう。

脂肪の多い食品

揚げ物や炒め物、脂身の多い肉などは、控えめにすることで大腸がんのリスクを低下させる効果が期待できます。

過剰なアルコール

アルコールの過剰摂取は、大腸がんのリスクが上がりますので、飲む場合は適量にとどめましょう。

大腸がん予防に効果の高い食事メニュー・食品

食物繊維が豊富な食品

現在のところ、食物繊維を多く摂ったとしても、それだけで大腸がんの強い予防効果は確実ではありません。ただし、一部の研究では極端に食物繊維の摂取量が少ない人では大腸がんリスクが高くなる可能性が示唆されています。食物繊維の摂取は大腸がん予防の観点でも重要です。とくに、水溶性食物繊維は腸内細菌のえさになり、短鎖脂肪酸という肥満抑制効果のある物質に変換されるため、大腸がんの予防にも間接的に作用する可能性があります。水溶性食物繊維が豊富な野菜は大根、ごぼう、にんじんなどで、果物ではキウイやパパイヤなど。海藻類にも多く含まれます。

発酵食品

発酵食品は、腸内環境を整える善玉菌を増やす効果があります。前述の通り、善玉菌は水溶性食物繊維をえさにして増えて、腸内に短鎖脂肪酸を作ります。つまり、善玉菌が短鎖脂肪酸を介して、腸内での発がん性物質の産生を抑え、免疫力を高める可能性があります。善玉菌を多く含む食品はヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの漬物などです。

魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、抗炎症作用があり、大腸がんのリスクを低減する可能性があるとされています。具体的には鮭、鯖、いわし、さんまなどです。

「大腸がんの食事」についてよくある質問

ここまで大腸がんの食事などを紹介しました。ここでは「大腸がんの食事」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸がんを発症したら、特に控えた方がいい食品について教えてください。

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

大腸がんを発症した場合、再度大腸がんにならないための食事面の見直しが必要です。控えた方がいい食品として、加工肉や赤身肉、脂肪が多い食事、アルコール飲料などが挙げられます。これらの食品は、大腸がんのリスクを高める可能性があるため、摂取量を減らすか、避けるようにしましょう。

納豆は大腸がんの予防に効果的なのでしょうか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

納豆は大腸がんの予防に効果がある可能性があります。納豆には、食物繊維が豊富な大豆が使われ、発酵食品として腸内環境を改善させる効果が期待できます。また、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをする成分で、大腸がんの原因になる大腸腺腫のリスクを低減する効果があるという研究結果も報告されています。納豆は日本の伝統的な健康食品で、大腸がん予防の観点からもおすすめできる食品です。

編集部まとめ

大腸がん手術後の食事は、回復状況に合わせて段階的に進めていくことが重要です。手術直後は消化の良いものを中心に、徐々に通常の食事に戻していきましょう。また、大腸がん予防のためには、バランスの良い食事と適度な運動、禁煙、節酒を心がけ、食物繊維や発酵食品、魚などを積極的に摂取するようにしましょう。

「大腸がん」と関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

血液科の病気

これらの病気の中には、大腸がんのリスクを高めるものもあります。定期的な検査や適切な治療を受けることが重要です。

「大腸がん」と関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状は、大腸がん以外にも様々な原因で起こり得ます。気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師