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「皮膚がんとほくろ」の違いはご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

 公開日:2024/04/06
「皮膚がんとほくろ」の違いはご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

皮膚がんとほくろは見た目が似ているため、見分けることが難しいことがあります。しかし、さまざまな違いがあります。
本記事では皮膚がんとほくろの違いについて以下の点を中心にご紹介します。

  • ・皮膚がんとは
  • ・皮膚がんとほくろの違い
  • ・ほくろと間違われやすい皮膚がん

皮膚がんとほくろの違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

皮膚がんとは

皮膚がんは、皮膚細胞のDNAが損傷し、修復が間に合わずに異常な細胞分裂を繰り返すことで発生する病気です。紫外線の影響、ウイルス感染、外傷や放射線治療などの刺激が、損傷する原因となることがあります。初期段階では、ほくろや湿疹、いぼと見分けがつかない小さなできものが現れ、痛みはほとんどないとされています。しかし、放置すると腫瘍は増大し、血管やリンパ管を巻き込み、最終的にはがん細胞が血流やリンパを通じて内臓にまで転移する可能性があります。
皮膚がんはほかの内臓がんと異なり、初期の状態でも肉眼で確認できるため、早期発見の可能性が高いといわれています。皮膚に異変を感じた場合には、皮膚科の診察を受けることが重要です。

皮膚がんとほくろの違い

皮膚がんとほくろは一見似ていますが、いくつか違いがあります。以下で違いについて解説します。

形の違い

ほくろは、左右対称で円形や楕円形をしており、表面の固さも均一です。これに対し、皮膚がん、特にメラノーマの場合、細胞の異常な増殖によって形が非対称になる傾向があります。そのため、左右非対称な形状のものや、不整な境界線を持つ皮膚の変化は、皮膚がんの可能性があります。

境目の違い

ほくろは、周囲の皮膚との間にはっきりとした明瞭な境界線があり、形状がはっきりしているのが特徴です。
一方で、皮膚がん、特にメラノーマの場合、境目があいまいで、ぼんやりしていることがあります。そのため、輪郭が不規則な場合皮膚がんの可能性があります。

色の違い

ほくろは、色が均一なのに対して、メラノーマなどの皮膚がんは、色のむらが特徴的です。色むらとは、異なる色調が混在する状態を指し、深い茶色、黒、青、赤、灰色など複数の色が見られることがあります。複数の色が混在するか、色の均一性がない場合は、皮膚がんの可能性が高まります。

大きさの違い

皮膚がんとほくろでは、大きさも異なります。ほくろは6mm以下の大きさで安定しており、時間の経過と共に大きくなることは少ないとされています。しかし、メラノーマなどの皮膚がんは成長速度が早く、6mm以上に成長します。特に、数年の間に徐々に大きくなっている場合は、皮膚がんである可能性が高いと考えられます。
既存のほくろが急速に大きくなる、または新たに大きな変化が見られる場合は、特に注意が必要です。

隆起の違い

ほくろは、皮膚の表面に隆起していることがありますが、急激な変化をもたらすことは少ないとされています。対照的に、メラノーマなどの皮膚がんは、隆起することがあります。特に、平らだった皮膚の変化が時間の経過とともに隆起し始めた場合、皮膚がんの可能性を示唆しています。

ほくろと間違われやすい皮膚がん

皮膚がんは、初期段階でしばしばほくろと間違われることがあります。特に、メラノーマはほくろに似た外見を持つことが多く、見分けが困難な場合があります。ほくろと間違われやすい皮膚がんについて以下で解説します。

悪性黒色腫(メラノーマ)

メラノーマは、メラニン色素を作るメラノサイト細胞が悪性化することで発症します。症状が進行すると内臓に転移するリスクがあります。初期発見と治療が重要で、早期に摘出手術を行うことで治癒の可能性が高まります。
メラノーマは手足の末端、特に手のひら、足の裏、指先や爪に発生することもあります。全てのほくろががん化するわけではありませんが、異常な大きさや、急に現れたほくろには注意が必要です。また、ほくろが左右非対称の形、ぼやけた境界、色の混在、6mm以上の大きさ、表面の隆起などの特徴を示している場合、メラノーマの疑いがあります。
一見すると普通のシミや色素斑として現れることもあるため、異常を感じたら早めに皮膚科の診察を受けることが重要です。現代の医療技術では、多くの場合、ダーモスコピー検査によってメスを使わずに診断できます。

基底細胞がん

基底細胞がんは、高齢者に多く見られる皮膚悪性腫瘍の一種です。日光暴露や外傷、放射線、砒素などの要因によって、表皮や毛包上皮から発生します。基底細胞がんはゆっくりと成長し、表面が潰瘍化することが特徴です。
この基底細胞がんは、黒色や肌色の結節として現れ、初期段階ではほくろと間違えられやすいですが、時間と共に大きくなり、中央部が崩れて凹んでくる特徴があります。内臓への転移は稀ですが、顔など皮下脂肪の少ない部位に発生すると、深い部分まで進行し、骨を破壊することもあります。
ほくろの中心が崩れたり凹んだりした場合、基底細胞がんの疑いがあるため、皮膚科医による診断が推奨されます。

変化するほくろに注意

ほくろが変化する場合には注意が必要です。特に大人になって出来たほくろに変化がある場合、医師の診断を受けることが重要です。

  • ・形状が左右非対称
  • ・端がギザギザしており、境目が一部鮮明でない
  • ・色にムラがあり、黒褐色基調に青、赤、白などが混じっている
  • ・直径が6mmを超える

さらに、数ヶ月で表面が盛り上がったり、身に覚えのない出血が繰り返し起こったり、ほくろがえぐれたようになったりする変化もメラノーマの可能性があります。昔からあるほくろであっても、大きくなる、盛り上がる、色が変わる、出血する、ジュクジュクする、かさぶたができるなどの変化が見られる場合は注意が必要です。

皮膚がんについてよくある質問

ここまで皮膚がんを紹介しました。ここでは皮膚がんについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

皮膚がんとほくろの見分け方のポイントを教えてください。

高藤 円香医師

皮膚がんとほくろを見分けるために、いくつかの診断方法があります。まず、皮膚がんの確定診断には生検が不可欠です。この過程で、局所麻酔を施し、疑わしい皮膚の一部を切り取り、顕微鏡検査を行います。特に悪性黒色腫の場合、病変全体の切除と病理検査が行われ、診断と治療方針が決定されます。
さらに、ダーモスコピーというライト付き拡大鏡を使った検査が役立ちます。皮膚病変の表面を詳細に観察でき、色調や色素のパターン、分布などを基に、メラノーマとほくろを区別できる可能性が高まります。
しかし、すべての病院がダーモスコピーを装備しているわけではないので、事前に確認してから受診することをおすすめします。

皮膚がんの予防法はありますか?

高藤 円香医師

皮膚がんを予防するには、紫外線対策をすることが重要です。皮膚がんを予防するために以下の点に気を付けましょう。
日焼け止めクリームの使用:日焼け止めはSPF30以上の製品を選び、紫外線A波とB波に対する防御効果が期待できるものがおすすめです。2時間ごと、また泳いだ後や汗をかいた後に再塗布しましょう。
適切な衣類の着用:長袖シャツ、ズボン、つばの広い帽子などを着用して、直接日光にさらされる肌の面積を減らします。
日中の屋外活動の制限:日光が強い午前10時から午後4時の間は屋外活動を控えるか、日陰で過ごすように気を付けてください。
足の裏や靴が当たる部分のチェック:特に足の裏や母趾(親指)のような外部からの機械的な刺激を受けやすい部位には注意し、定期的に黒色の変化をチェックします。
過度の刺激を避ける:ほくろを頻繁にいじる、無理に取ろうとするなど、皮膚への過度の外的刺激は避けましょう。
日光浴や日焼けマシーンの使用を控える:日焼けマシーンの使用、特に若年者による使用は、黒色腫のリスクを高めるとされています。

まとめ

ここまで皮膚がんとほくろの違いについてお伝えしてきました。皮膚がんとほくろの違いについての要点をまとめると以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・皮膚がんは、皮膚細胞のDNAが損傷し、修復が間に合わずに異常な細胞分裂を繰り返すことで発生する病気のこと
  • ・皮膚がんはほくろと異なり、非対称形状、あいまいな境界、色のむら、6mm以上の大きさ、および隆起する傾向がある
  • ・ほくろと間違われやすい皮膚がんには、メラノーマや基底細胞がんなどがある

皮膚がんと関連する病気

皮膚がんと関連する病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

皮膚がんと関連する症状

皮膚がんと関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 左右非対称
  • 境界がぼやけている
  • 大きさが6mm以上
  • 色の混在
  • ほくろが隆起
  • 出血
  • 爪の黒い線
  • 治らない湿疹
  • 治らないあざ
  • ほくろが急激に大きくなる

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師