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「女性で尿潜血2+になる3つの原因」はご存じですか?考えられる病気も医師が解説!

 公開日:2026/04/13
「女性で尿潜血2+になる3つの原因」はご存じですか?考えられる病気も医師が解説!

健康診断で尿潜血2+が出た女性に多い原因とは?メディカルドック監修医が膀胱炎などの可能性、生理の影響、受診すべき診療科を解説します。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

尿検査の一種、尿潜血検査とは?

健康診断の際に必ず行われるのが尿検査ですが、その中にある項目の一つが尿潜血です。
「尿の見た目は赤くないのに健康診断で尿潜血陽性の結果が出て、要医療あるいは再検査のコメントがついていたけれどどうすればよいのだろう。そもそも大変な病気に罹ってしまったのだろうか」と困惑される方もいらっしゃるかと思います。
これから、女性が健康診断等で尿潜血陽性を指摘された場合の原因と対処・治療法についてご説明させていただきます。

尿潜血検査の仕組みと目的

採取した尿に試験紙と呼ばれる紙を浸し、紙の該当箇所の色の変化で判定します。
尿にヘモグロビンが存在し、紙に存在する試薬と反応した場合が陽性です。肉眼ではわからない微量の血尿(顕微鏡的血尿)も検知することができ、尿潜血+、2 +といった結果となります。ヘモグロビンは赤血球に含まれる鉄分を含むタンパク質です。ヘモグロビンが検出されたということは、赤血球が存在する可能性が高いと言えます。またこの検査は大量のアスコルビン酸(ビタミンC)の存在で偽陰性となるため、検査の前日よりジュースなどは控えるようにしなければなりません。

尿潜血検査結果の「-」や「+」の意味は?

尿潜血検査の結果が「-」の場合は尿中にヘモグロビンは存在しないということで、「+、2 +、3 +、4 +」の場合は存在するということです。正常な場合尿にはヘモグロビンは存在しないので「+、2 +、3 +、4 +」は異常ということになります。

尿潜血検査結果の「2+」の意味は?

尿潜血検査の結果が2+の場合、尿に赤血球が存在する何らかの原因があります。
なるべく早めに泌尿器科等を受診する必要があります。

女性が尿検査で尿潜血2+だった場合の主な原因

女性は尿道・膣・肛門が隣接しているため、尿潜血の主な原因として次に挙げる月経の影響や尿路感染症が多くを占めます。

生理の影響による潜血

月経およびその前後の期間に尿検査を受けた場合、月経血が尿に混入し、尿潜血陽性となります。その期間を避けて再検査を受ける必要があります。

膀胱炎などの尿路感染症による潜血

膣・肛門が隣接していること、尿道の長さが男性に比べて短いことより、女性は膀胱炎などの尿路感染症になりやすいです。細菌の侵入により膀胱内部の粘膜や尿道の粘膜が赤く腫れ炎症を起こし、尿潜血陽性となります。

尿路結石や腎臓の病気による潜血

尿路結石が尿路の粘膜を傷つけることにより、尿潜血陽性となりやすいです。また、腎炎など腎臓の疾患の中で血尿を伴うものもあります。膀胱癌・尿道癌など尿路悪性疾患も尿潜血の原因となります。

尿潜血2+を指摘された場合、何科に受診すればよい?

尿潜血2+を指摘された場合、泌尿器科・腎臓内科・総合病院の内科を受診してください。

尿潜血検査の「尿潜血2+」の結果で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「尿潜血2+」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

急性膀胱炎

急性膀胱炎は、細菌やウイルスなどにより膀胱が炎症を起こす病気です。女性の場合尿道と肛門が近いため、大腸菌が原因となることが多いです。頻尿・排尿時痛・尿意切迫感・尿の混濁・血尿などの症状を伴います。
膀胱炎は排便後のトイレットペーパーの使い方を見直した上で、臀部を清潔に保つことで予防することが可能です。また水分を十分に摂取することで、増殖した菌を尿とともに体の外に出やすくします。長時間トイレを我慢すると尿が膀胱・尿道にうっ滞し、炎症をおこしやすくなります。なるべくトイレはまめに行くようにしましょう。
病院に行くべき目安は、水分を十分に摂取し休息をとっても症状が治まらない場合や血尿がみられた場合です。まずは泌尿器科、泌尿器科がお近くになければ内科を受診してください。抗菌薬の内服などの治療が行われます。

尿路結石症

腎臓・尿管・膀胱・尿道のいずれかにミネラルや有機物を含む結石ができる病気を尿路結石といいます。尿量の減少、尿路の通過障害、尿路感染症、カルシウムやリン酸を排出する作用のある薬剤などが尿路結石の原因となります。また甲状腺や副甲状腺の病気・高尿酸血症・癌などにより内分泌・代謝に異常が生じ、尿中のカルシウムやシュウ酸の排出量が増加しても結石ができやすいです。
尿路結石の症状は、下腹部・臀部・側背部痛、血尿、頻尿残尿感などです。なかでも結石による疼痛には波があり、激痛を伴うこともあります。
尿路結石を疑ったら、泌尿器科を受診してください。血液・尿検査、レントゲン検査、超音波検査、尿路造影、CT検査等が行われます。自然排石が期待できる場合には、飲水・食事指導、運動などの生活指導、内服薬で経過をみます。しかし結石が大きく自然排石が期待できない場合などは、結石を砕いて排出させる治療を行うことも少なくありません。

IgA腎症(慢性糸球体腎炎)

IgA腎症は腎臓の糸球体という部分に免疫グロブリンのIgAという蛋白が沈着する病気です。検尿で血尿・蛋白尿を認め、腎生検で診断が確定します。治療は血尿・蛋白尿の程度により異なりますが、基本的に減塩の食事療法を行います。腎機能が低下した場合は蛋白制限食に変更し、降圧剤などの治療を併用することが多いです。病気の重症度により、副腎皮質ステロイド薬、口蓋扁桃摘出術、免疫抑制薬、抗血小板薬などが用いられることがあります。IgA腎症は治療を行わずに腎不全が進行してしまうと、透析療法あるいは腎移植が必要になってしまうこともあります。早期に診断され、適切な治療を受けることが重要です。

膀胱がん

膀胱がんは膀胱にできる癌の総称で、症状は血尿・頻尿・排尿時痛・残尿感・尿意切迫感などです。尿検査で尿潜血陽性と出た、あるいはこのような症状がでて医療機関を受診するとさらに詳しい尿検査や超音波検査が行われますが、その際に膀胱癌が疑われた場合に膀胱鏡検査が行われます。そこで膀胱の粘膜の組織を採って調べることにより膀胱がんの診断がつきます。
膀胱がんの治療は進行度によりいろいろありますが、膀胱がんを疑う症状がでた、または健康診断で尿潜血を指摘された場合、なるべく早く泌尿器科を受診してください。

ナットクラッカー症候群

ナットクラッカー症候群は左腎静脈が他の太い血管に挟まれ圧迫されることで血流が悪くなり、血尿、左わき腹の痛み、骨盤の違和感などの症状がみられるものです。血尿、腹痛が続く場合は泌尿器科を受診してください。CT、血管造影などの検査でナットクラッカー症候群と診断されると、症状が軽い場合は体重を増やすことや血液を固まりにくくする薬を用いながら様子をみます。それでも症状が改善しなければ手術がおこなわれることもあります。

「尿潜血2+」を指摘されたときの正しい対処法・改善法は?

健康診断で尿潜血を指摘された場合はまず泌尿器科、腎臓内科、内科等の医療機関を受診してください。女性で月経およびその前後に受けた結果の場合は、その期間を避けて再検査を受けるようにしましょう。
十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないよう規則正しい生活を心がけることも大切です。リラックスできる環境を整え、不安がある場合は専門医に相談して指示を仰ぎましょう。

「女性の尿潜血2+の原因」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「女性の尿潜血2+の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

健康診断で女性が尿検査の潜血が2+と出たら、何科に受診すれば良いでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

尿潜血が陽性となった場合、何科を受診すればよいか迷うことも多いと思います。女性で尿潜血陽性となる原因は泌尿器疾患、腎臓疾患、婦人科疾患等様々ですが、まずは泌尿器科あるいは腎臓内科を受診することをおすすめします。

尿検査で尿潜血を指摘されました。血尿が出た自覚がなくても尿潜血になるのでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

尿中に赤血球が混じっているものの肉眼では確認できず、尿検査で初めて検出される状態を顕微鏡的血尿といいます。健康診断などで尿潜血として指摘されることが比較的多いです。

尿潜血検査が陽性で膀胱炎に悩んでいます。どんな治療法がありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

元々頻尿・排尿時痛がありご自身で膀胱炎になりやすいと感じていても、健康診断等で尿潜血陽性となった場合は必ず医療機関を受診してください。膀胱炎以外の原因が隠れている場合もあります。膀胱炎になってしまったら、水分を十分に摂取するようにしてください。増殖した菌を尿とともに体の外に出すことが期待できます。また医療機関では抗菌薬が処方されますが、症状が改善しても出された期間は必ず薬を飲むようにしてください。繰り返す場合には泌尿器科を受診して相談をしましょう。

まとめ「女性の尿潜血2+の原因」はいろいろ!

健康診断で尿潜血2+を指摘されたら、悩む前にまずは泌尿器科や内科を必ず受診してください。ほとんどが心配する必要のない原因によるものですが、まれに専門的な治療が必要な病気が隠れている場合があります。万が一そういった病気であったとしても、早期に適切な治療を受ければ治ることが多いので、怖がらずに受診してください。

「尿潜血」に関連する病気

「尿潜血」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

腎・泌尿器科系

腎・泌尿器に関連する病気

泌尿器科と腎臓内科で迷うところですが、蛋白尿が出ていなければまずは泌尿器科を受診しましょう。

「尿潜血」の関連症状

「尿潜血」に関連する症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

尿潜血に伴うサイン

様々な原因で尿潜血は陽性になります。上記の様な症状を伴う場合には、医療機関を受診しましょう。どこを受診すればよいか迷う場合には、血尿だけであれば泌尿器科を受診してください。

この記事の監修医師