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「もしかしたら頻尿かも…」泌尿器科を受診する目安と医療機関での検査内容を教えて!

公開日:2022/08/02

頻繁に尿意を感じるようになったら、治療が必要なのでしょうか。また、オシッコの回数とは別に、我慢できなくなるまでの時間が短くなってきているとしたら。はたして、「治療を要する頻尿」とは、どのレベルなのでしょうか。「ぐみょうじ泌尿器科」の速水先生に解説していただきました。

速水先生

監修医師
速水 悠太郎(ぐみょうじ泌尿器科 院長)

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関西医科大学医学部卒業。関西医科大学附属枚方病院(現・関西医科大学附属病院)、大阪府済生会野江病院などの勤務を経た2020年、神奈川県横浜市に「ぐみょうじ泌尿器科」開院。幅広い知識と経験から、最適な医療をおこなうよう心掛けている。日本泌尿器科学会認定専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。日本排尿機能学会、日本泌尿器腫瘍学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本腎泌尿器疾患予防医学研究会の各会員。

気になったときが、受診のタイミング

気になったときが、受診のタイミング

編集部編集部

トイレが近くなっているような気がします。いわゆる「頻尿」に定義はあるのでしょうか? また、受診の目安はありますか?

速水先生速水先生

日本泌尿器科学会では、起きている間に「1日8回以上」を頻尿の定義にしています。(※)ただし、7回と8回に有意な差があるとも思えません。ですから、今回の回答を先に述べると、「ご本人が気になるようだったら、回数を問わずいつでも医療機関にご相談ください」ということになるでしょうか。

※日本泌尿器科学会「尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~」
https://www.urol.or.jp/public/symptom/02.html

編集部編集部

「回数」というより、急に尿意を感じてどうしようもなくなることがあります。

速水先生速水先生

それは「尿意切迫」という症状の1つです。トイレを探している余裕がないということであれば、なおのこと回数は問いません。対処法としては、薬で尿意切迫を楽にしていきます。おそらくは「過活動膀胱」といって、膀胱が硬くなってふくらまなくなっているのかもしれません。ですから急に切迫感が襲い、我慢も続かないのだと思います。

編集部編集部

つまり、膀胱という「タンクの問題」ということですか?

速水先生速水先生

タンクの問題のほか、男性の場合は「ホースの問題」も考えられます。前立腺肥大などで尿道が圧迫されて「尿を出しきれていない」のかもしれません。また、膀胱に結石ができると、石の刺激を「尿がたまったサイン」と間違ってしまうこともあるのです。

編集部編集部

最近、感染症予防で家の中にいる時間が長いと、ついついトイレに行きたくなってしまいます。

速水先生速水先生

気持ちからくる頻尿でも、生活しづらいと感じるようであれば、受診してください。調べてみたら、気持ちではなく、別の病気が隠れていたというケースも考えられます。総じて、オシッコに関する困りごとがあるようなら解決を図りましょう。

多岐にわたる頻尿の原因を、どう診断していくか

多彩にある頻尿の原因を、どう診断していくか

編集部編集部

続いて、診断までの流れについてもお願いします。

速水先生速水先生

検査で多用するのはエコー検査です。結石のような「硬い組織」なら写りますし、膀胱全体の形から「尿がたまっているかいないか」も判明します。頻尿の原因で頻度として多いのは、やはり「ためられなくなっている」か「出しきれなくなっているか」です。

編集部編集部

エコー検査で問題がなければ、ほかの原因を探っていくということですか?

速水先生速水先生

そういうことになります。問診や見た目から性感染症が疑われれば、最初から患部の膿(うみ)などを検査することもあります。反対に、いくつもの除外診断を重ねていって、最終的に正解へたどり着くこともあるでしょう。

編集部編集部

夜間の頻尿は、日中の頻尿と区別して捉えるべきでしょうか?

速水先生速水先生

夜間頻尿の方がより多因です。寝る前の飲酒も関係してきますし、夕方から夜にかけてあまり動かないと、重力の影響で足に水分がたまります。この状態で寝ると、水分が足から体に戻ってくることになります。あるいは、睡眠の質も問われますよね。じつは、尿意で起こされているのではなく、先に起きてから「わずかな尿意」を感じているだけかもしれません。

編集部編集部

除外診断を進めていくなかで、怖い病気が判明することもありそうですね。

速水先生速水先生

もちろん、あり得る話です。とくに膀胱がんは、絶対に見逃せない病気の1つです。また、高血圧の患者さんは、寝ている間も日中と同じような尿のつくられ方をします。ほか、心臓疾患にかかると、夜間や朝イチの排尿量が多くなる傾向にあるようです。ですから、「頻尿」という入口は一緒でも、様々な出口が存在します。そのため、最も可能性が高いリスクから調べていきます。

市販薬の是非と医療機関での治療

市販薬の是非と医療機関での治療

編集部編集部

頻尿に関連して、市販薬やグッズを散見します。

速水先生速水先生

市販薬の多くは、漢方薬ですね。当院でも漢方薬を処方することは多いですし、飲んでみて効果があれば否定はしません。しかし、やはり受診して検査だけはしておいて、原因を明らかにしておきたいですよね。

編集部編集部

市販薬と処方薬の大きな違いはなんでしょうか?

速水先生速水先生

成分というよりは、「医師が介在するか否か」だと思います。医師の正確な診断に基づくのが処方薬で、受診いただければ必要によってボツリヌス療法のようなほかの治療手段もご提案できるでしょう。他方、市販の漢方薬は、人によっては体質などの当たり外れがあると思います。

編集部編集部

頻尿は本人以外にも少なからず影響を与えるので、治療した方がよさそうですね。

速水先生速水先生

そうですね。パートナーの夜間のオシッコで目覚めてしまう問題などはあり得る話です。また、将来の認知症を考えたら、介護する側の負担も関係してくるでしょう。そうした心配も含めて、「気になったときが、受診のベストタイミング」です。加えて、じつは前立腺肥大症をかかえていると、高血圧で動脈硬化が起こるのと同様に、膀胱が硬くなってきます。こうした問題もはらんでいるので、解決できるなら早めに解決しておきましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

速水先生速水先生

オシッコの悩みはQOL、つまり「生活の質」に関わってきます。もしかしたら、「命に関わる病気ではないから、治療しなくてもいい」と思われるかも知れませんが、ぜひ、「生活の質」の面でも医療機関をご活用ください。

編集部まとめ

頻尿による受診の目安には、オシッコの回数や量といった定量的なモノサシに限らず、「自分や家族が困っている」などの定性的な要因も含まれるとのことでした。では、困っていなければ治療する必要がないかといえば、そうとも言いきれません。なぜなら、膀胱がんなどの怖い病気の可能性があるからです。そのため、検査だけは一度受けることをおすすめします。

医院情報

ぐみょうじ泌尿器科

ぐみょうじ泌尿器科
所在地 〒232-0067 神奈川県横浜市南区弘明寺町137-6
アクセス 京急線「弘明寺駅」 徒歩5分

診療科目 泌尿器科