「はちみつ」を食べると「血糖値」がどうなるかご存じですか?医師が注意点も解説!

はちみつを食べると血糖値はどうなる?メディカルドック監修医がはちみつの成分や血糖値への影響・相性の良い食品などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
はちみつを食べると血糖値はどうなる?
はちみつを食べると血糖値は上がります。糖質を含むためです。しかし、ブドウ糖に比べるとGI値が低いことや果糖を含むため、急激には上昇しないといわれています。
また、一部の研究では空腹時血糖の低下や食後のインスリン分泌を高めるという報告もあります。ここでは、はちみつの血糖コントロールの影響についてまとめていきましょう。
はちみつの成分は?
はちみつの成分は原料となる花の種類によって異なりますが、主に果糖やブドウ糖、アミノ酸、ミネラルなどさまざまな栄養素を含みます。
砂糖の成分はほぼ100%がショ糖です。はちみつの成分は主に果糖が35〜40%とブドウ糖が30〜35%です。糖分は砂糖と比べると、はちみつの方が甘みが強いため、使用量を抑えられるという利点もあります。
はちみつを食べると血糖値はどうなる?
はちみつは糖質を含むため、食べると血糖値は上がります。しかし、血糖値上昇がショ糖より緩やかです。このため砂糖の代わりにはちみつを使用することが血糖値コントロールを改善させる可能性はあります。
一部の研究では、はちみつの摂取で、空腹時血糖を改善させたり、わずかにHbA1cを改善させたとの報告もありますが、人に対しての臨床試験では結果が一致しておらず、不確実です。このため、砂糖の代用として考えるべきで、無理に多く摂取することが勧められるものではありません。はちみつに含まれる栄養素は糖質以外にもアミノ酸やミネラルなどさまざまです。これらの栄養素をバランスよく摂取するためにはちみつを取り入れることは良いでしょう。
はちみつで血糖値スパイクは起こる?
はちみつはブドウ糖と比べるとGI値が低い食べ物です。摂取後の血糖値の上昇はブドウ糖と比べると上がりにくいです。また、はちみつを長期摂取することによって、食後2時間後の血糖値を下げる効果があるという報告があります。
血糖値スパイクを起こさないためには、はちみつの効果だけに頼らず、糖質は適量の摂取にして、野菜から、ゆっくりよく噛んで食べて食後の高血糖を予防することをおすすめします。
糖尿病の人ははちみつを食べてもいいのか?
糖尿病になると、食事制限が必要になり、食べてはいけないものがあると思われがちです。糖尿病があるからといって、食べてはいけないものはありません。ただ、はちみつを食べる量や食べるタイミングによっては高血糖を招き、血糖値のコントロールが悪化する原因になる場合があります。
糖尿病の人ははちみつを食べてよい?
糖尿病の人でも、はちみつを食べてはいけないわけではありません。はちみつのGI値は「中」に分類されるため、はちみつ摂取後の血糖値の上昇は急激ではないと考えられます。
摂取量については、世界保健機構(WHO)の推奨に基づき、料理や加工品に含まれる糖とはちみつを合わせて、1日の総エネルギーの5〜10%(2000kcalの場合、約25〜50g)の範囲での摂取がおすすめです。
血糖値測定前にはちみつを食べても大丈夫?
はちみつの摂取は急激ではないとしても、血糖値を上昇させます。血糖値測定前にはちみつを食べると、測定値に影響を与える可能性があります。正確な数値を把握するためにも、血糖測定前のはちみつ摂取は控えましょう。
はちみつを避けた方が良いケースは?
重度の高血糖がある場合は、血糖コントロールがさらに悪化するおそれがあります。高血糖が原因の体重減少など、重度の血糖コントロール不良の場合は、はちみつをあえてとることは避けたほうがよいでしょう。また、はちみつのアレルギーがある場合は、健康への悪影響を及ぼす可能性があるため摂取しないようにしてください。
血糖値が上がりにくいはちみつの食べ方・タイミング
血糖値が上がりにくいはちみつの食べ方やタイミングがあります。高血糖や肥満を招きにくいタイミングで、多量に摂取しないようにしましょう。
血糖値が気になる人ははちみつをいつ食べるべき?
はちみつを食べても血糖値を上げにくいタイミングは、食事の最後や食直後がおすすめです。野菜やたんぱく質などから食べて最後に主食を食べる「ベジファースト」などの工夫をしたうえで、最後に少量のはちみつを摂取すると、血糖値の急上昇を抑えやすくなります。
空腹時・就寝前のはちみつは避けた方が良い?
はちみつだけを摂取する場合、空腹時や就寝前に多量にはちみつを摂取すると高血糖や肥満を招く可能性があります。また、食間での多量摂取も血糖値を高い状態で維持してしまうことにつながるため、おすすめしません。
栄養面ではちみつと相性の良い食べ物・飲み物は?
栄養面で、はちみつと相性の良い食べ物や飲み物はいくつかあると考えられます。一緒に食べることで、血糖値やインスリン分泌が改善する可能性が期待できます。
はちみつとヨーグルト
はちみつとヨーグルトには腸内環境を整える作用があるといわれています。同時に摂取すると、善玉菌の生存を促進する効果が期待できるためです。腸内環境の改善はインスリンの感受性の向上や血糖値の低下が期待できます。ただし、どちらもカロリーはあるため、食べ過ぎによるカロリーオーバーには注意しましょう。
はちみつと食物繊維を含む食品
食物繊維は、インスリン抵抗性の改善や食後高血糖の抑制に役立ちます。調理時に使う砂糖を、血糖上昇がより緩やかなはちみつに替えることは、食物繊維の豊富な食事と合わせることでより高い血糖コントロール効果が期待できます。
はちみつ梅干
梅エキスにはインスリン感受性を改善する効果、ポリフェノールのオレアノール酸には糖質の吸収を遅らせる効果があるという報告があります。ただし、梅干しは塩分が多いため、高血圧予防の観点からも少量の摂取にとどめましょう。
はちみつとコーヒーの相性は?
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、食後の高血糖を抑制する効果があると報告されています。コーヒーに砂糖を入れる習慣があれば、はちみつに替えるのがおすすめです。ただし、カフェインの過剰摂取にならないよう、多飲を避けるかカフェインレスを選ぶ工夫をしましょう。
血糖値が気になる人ははちみつとオリゴ糖どちらが良い?
血糖値が気になる人は、はちみつよりオリゴ糖の摂取をおすすめします。オリゴ糖は消化・吸収されづらいため、血糖値を上げにくい特徴があるためです。
はちみつは砂糖よりは消化がゆっくりですが、ブドウ糖やショ糖を含み、エネルギー源としての側面が強い食品です。
「血糖値」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「血糖値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
糖尿病
インスリンの作用不足で高血糖が続く病気です。重症化すると喉の渇きや体重減少、倦怠感が現れます。放置すると血管が傷つき、心臓や腎臓に合併症を起こすため、食事・運動・薬物療法による管理が必要です。
血糖値スパイク
食後に急激な高血糖が起こる現象です。食後の強い眠気や倦怠感がサインとなります。糖尿病予備軍や痩せている人にも起こり、動脈硬化を進行させるリスク因子となります。
動脈硬化
血管が硬く狭くなった状態です。糖尿病などの生活習慣病が主な原因となり、進行すると心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。禁煙や肥満の改善、血糖コントロールが予防のカギとなります。
「はちみつと血糖値」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「はちみつと血糖値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
はちみつを食べると血糖値はどうなりますか
伊藤 陽子(医師)
はちみつを食べると血糖値は上がります。ただし、はちみつに含まれるアミノ酸やミネラルなどの栄養素が、血糖コントロールに良い影響を与える可能性も期待されています。
はちみつは低GI食品ですか?高GI食品ですか?
伊藤 陽子(医師)
種類によります。アカシアはちみつはGI値53で低GI食品に分類されます。クローバーやマヌカハニーなどはGI値54〜59程度で中GI食品に分類されます。
糖尿病予備軍の人は1日どれくらいなら蜂蜜を摂取して大丈夫ですか?
伊藤 陽子(医師)
WHOの推奨に基づき、料理や加工品に含まれる糖と合わせて、1日25〜50gの範囲での摂取をおすすめします。多量摂取や肥満は糖尿病発症のリスクになるため注意しましょう。
まとめ 「はちみつの血糖値への影響」は食べる量やタイミングで異なります!
はちみつを食べると血糖値は上がります。しかし、糖尿病や予備軍だからといって、絶対に食べてはいけないわけではありません。食べる量やタイミングを工夫することで、血糖値への影響を抑えることが可能です。糖尿病の食事療法の基本である「バランスのよい食べ方」の一環として、上手に取り入れていきましょう。
「血糖値」で考えられる病気と特徴
「血糖値」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌系
血糖値の異常は、高血糖だけでなく低血糖の状態も含まれます。これらは重大な合併症や肝疾患などのサインである可能性があるため、健康診断などで異常を指摘されたら、はやめに医療機関を受診しましょう。




