「眼底検査でわかること」とは?検査の注意点も医師が解説!

眼底検査でわかることとは?Medical DOC監修医が注意点や発見できる病気などを解説します。

監修医師:
栗原 大智(医師)
目次 -INDEX-
眼底検査とは?
皆さんは眼底検査という検査を眼科で受けたことがありますか?眼底検査はどのような検査なのか、眼底検査でわかることなどについて解説します。この記事を読めば、眼底検査を受けたことない方はもちろん、受けた方も眼底検査について詳しくなることができます。
眼底検査とは目の何を調べる検査?検査方法は?
眼底検査では、網膜や視神経、網膜にある血管の状態などを調べます。この検査によって、目の病気だけでなく、全身の健康状態も一部わかることがあります。検査方法は、眼科医が細隙灯顕微鏡を使って目の中を直接観察する方法や、目薬で瞳孔を広げてから専用のカメラで眼底を撮影する方法があります。どちらの方法も痛みはなく、基本的には短時間で終了します。
眼底検査は眼科で受けることができる?
眼底検査は眼科で受けることができます。一般的には、視力低下や目のかすみ、飛蚊症などの症状がある場合や、糖尿病など全身疾患がある場合に行われます。眼底写真は健康診断を行う施設でも撮ることができ、定期的な健康診断の一環で実施されることがあります。
眼底検査の注意点とは?
眼底検査を受ける際には、事前に瞳孔を広げる目薬を使うことが多いです。この目薬は散瞳薬と言いますが、一時的に視界がぼやけたり、まぶしく感じたりすることがあります。そのため、検査後は車の運転を控えるなどの注意が必要です。また、散瞳して眼底検査を行った場合は、大事な行事やイベントなどの予定を入れないように伝えています。
眼底検査で発見できる病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「眼底検査」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
緑内障
緑内障は、視神経の障害により視野が徐々に狭くなる病気です。初期段階では自覚症状が少ないため、眼底検査での早期発見が重要です。治療法には点眼薬や手術などがあり、進行を遅らせることが主な治療目的です。視野の欠損を感じる場合はもちろん、40歳以上は定期的に眼科を受診すると安心です。
加齢黄斑変性症
加齢黄斑変性症は、網膜の中心部分である黄斑近くに出血や浮腫ができて視力が低下する病気です。加齢や喫煙が主な原因ですが、早期の発見と治療が有効です。治療は抗VEGF薬の注射や特殊なレーザーなどがあります。また、ルテインやゼアキサンチンなどサプリメントが有効とされています。視力低下や歪んで見える場合は、眼科での診察を受けましょう。
網膜剥離
網膜剥離は、網膜が剥がれてしまう病気で、放置すると失明のリスクがあります。症状としては、視界にゴミや虫が飛ぶ飛蚊症を感じたり、視野の一部が欠けたりすることがあります。網膜剥離の治療は、レーザー治療や硝子体手術などがあります。上で挙げた症状を感じた場合は、緊急で眼科を受診しましょう。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で網膜の血管に異常が生じる病気です。初期段階では症状がないこともありますが、進行すると視力低下や失明のリスクがあります。定期的な眼底検査と血糖値のコントロールが重要です。治療は、レーザー治療や抗VEGF薬の注射が行われます。糖尿病患者は定期的に眼科を受診しましょう。
動脈硬化・閉塞性動脈硬化症
動脈硬化や閉塞性動脈硬化症は、血管が狭くなったり詰まったりすることで、眼底の血流が悪くなる病気です。これにより見えづらさや視野欠損などを生じることがあります。治療は、高血圧に対して、薬物療法や生活習慣の改善があります。高血圧や高コレステロール血症がある場合は、定期的に眼底検査を受けることが推奨されます。
白内障
白内障は、水晶体が濁ることで視力が低下する病気です。初期には、眩しさやかすみが現れることがありますが、進行すると視力が著しく低下します。治療法は、進行した場合に手術を行うことが一般的で、濁った水晶体を人工レンズに置き換えて視力を回復させます。年齢とともにリスクが高まるため、50歳以上の方は定期的に眼科で検査を受けましょう。
「眼底検査でわかること」についてよくある質問
ここまで内視鏡検査(眼底検査)でわかることについて紹介しました。ここでは「眼底検査でわかること」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
眼底検査で見つかる病気は何ですか?
栗原 大智 医師
眼底検査で見つかる病気は、緑内障や黄斑変性、網膜剥離、糖尿病網膜症、動脈硬化など多岐にわたります。また、白内障の程度が強い場合は、眼底を観察できないことが多いので、見え方で推測できる場合があります。これらの病気は早期発見が重要であり、症状が進行する前に適切な治療を行うことが可能なことも多いです。
眼底検査はどのような人が受診する必要がありますか?
栗原 大智 医師
眼底検査はさまざまな病気の早期発見に有用ですが、特に糖尿病がある方、あるいは40歳以上で緑内障のリスクが高い方は定期的に検査を受けると安心です。
眼底検査は何歳から何年に一度受けるべきですか?
栗原 大智 医師
眼底検査を受ける頻度については、一般的には40歳以上の人や糖尿病患者は年に最低1回の検査が推奨されますが、病気の進行具合や個人差があるため、医師の指示に従いましょう。
眼底検査で緑内障の検査をする場合のリスクはありますか?
栗原 大智 医師
一部の緑内障には散瞳薬を使えません。しかし、検査を行えるかどうかは診察で確認しますので、眼底検査自体にはリスクはありません。
眼底検査の結果の見方を教えてください。
栗原 大智 医師
眼底検査の結果には、視神経乳頭陥凹拡大や緑内障疑いなどさまざまな結果が記載されます。しかし、どれもそれだけで確定診断になることはほとんどありません。そのため、追加検査が必要かどうかも確認し、必要であれば眼科を受診して精査を行いましょう。
まとめ 眼底検査で緑内障を予防
眼底検査は、目の健康を保つために非常に重要な検査です。視力低下や目のかすみがある方はもちろん、糖尿病がある方、緑内障のリスクが高い方は定期的に眼科で検査を受けることが推奨されます。特に、失明原因の1位を占める緑内障は、早期発見と治療が重要です。眼底検査を定期的に行い、自分の目の健康を守りましょう。
「眼底検査」の異常で考えられる病気
「眼底検査」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
眼底検査ではさまざまな病気の疑いの診断ができます。確定診断にはさらなる検査が必要ですので、疑いが出れば眼科で精密検査を受けるようにしましょう。