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「頭痛外来」ってどんな標榜科? 受診から頭痛の治療方針決定までの流れを医師が解説

公開日:2022/11/23  更新日:2022/11/24
「頭痛外来」ってどんな標榜科? 受診から頭痛の治療方針決定までの流れを医師が解説

頭痛がひどい時は何科に行けばいいのでしょうか。頭が痛いといっても、慢性的な症状やズキズキといったリズムを伴う片頭痛、あるいは気圧変動の予兆といったものまで様々です。そこでMedical DOC編集部は、受診の目安や治療の流れについて、神経内科医の霜田先生(銀座内科・神経内科クリニック)から教えていただきました。

霜田 里絵

監修医師
霜田 里絵(銀座内科・神経内科クリニック)

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順天堂大学医学部卒業、順天堂大学大学院神経学修了。順天堂大学医学部附属浦安病院ほかで臨床経験を積んだ後の2005年、東京都中央区に「銀座内科・神経内科クリニック」開院。神経内科に特化した医療を提供している。日本神経学会認定専門医、日本内科学会認定医、身体障害者福祉法第15条指定医、日本抗加齢医学会認定専門医、アメリカ抗加齢医学会(A4M)認定専門医、パーキンソン病MDS-UPDRS評価認定医、日本医師会認定産業医。日本平衡機能学会会員。

頭痛外来とは何をするところですか? 内科との違いは?

頭痛外来とは何をするところですか? 内科との違いは?

編集部編集部

昨今、「頭痛外来」を掲げる病院などが多くなってきました。

霜田 里絵先生霜田先生

「頭痛外来」は字面のように、「頭痛を専門に診る窓口」です。頭痛は身近な病気で患者さんが多いため、そのニーズに対応してきたのだと思われます。同時に、頭痛には多くの原因があるので、「確実に絞りこむ」ためにも専門性を求められているのでしょう。

編集部編集部

例えば、頭痛と一緒に「肩こりやめまい」を併発していたとしても、頭痛外来に行けばいいのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

頭痛が併発しているのであれば、「頭痛外来」を第一に受診してもいいように思います。問題の「肩こりやめまい」と頭痛が密接に関係しているかもしれませんので、頭痛外来で診てもらってはいかがでしょうか。

編集部編集部

頭痛は「脳の病気」なので、脳神経外科・内科などの医療機関も受診先の選択肢としてあると思います。

霜田 里絵先生霜田先生

頭痛の受診先なら、頭痛外来でも脳神経外科・内科でも構いません。当院のように、神経内科を標榜しているクリニックが頭痛外来を掲げている場合もあるでしょう。仮に、頭痛の原因が高血圧のような内科領域であれば、その時点で内科の受診をすすめることもできます。

編集部編集部

とにかく頭痛外来であれば、頭痛の原因の鑑別が付くということですね?

霜田 里絵先生霜田先生

はい。ぜひ、そのような“窓口の広い”一次診療期間としてご活用ください。クリニックを何件も回らないと「頭痛の原因が特定できない」というようなことは起こらないはずです。ただし、頭痛以外の治療を他院でおこなっていただく場合はあり得ます。

頭痛外来で診てくれる疾患は頭痛・片頭痛以外にもありますか?

頭痛外来で診てくれる疾患は頭痛・片頭痛以外にもありますか?

編集部編集部

頭痛外来は紹介だけじゃなくて、頭痛の治療もしてくれるのですよね?

霜田 里絵先生霜田先生

もちろんです。頭痛だけが起きている慢性の頭痛でも、ズキズキする片頭痛でも、診断や治療が可能です。なお、片頭痛に関しては昨今、劇的とも言える薬が登場しています。片頭痛が起きないよう、予防的に服用するような使い方をします。

編集部編集部

台風の接近や低気圧で「頭が痛い」場合でも、治療対象になるのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

「気象病」あるいは「天気痛」などと呼ばれる頭痛ですね。痛みを緩和する薬などを処方しますし、クリニックによっては漢方薬を活用しているところもあります。気象病や天気痛を薬でコントロールしていくようなイメージですね。

編集部編集部

問題は、吐き気やめまいなどの周辺領域です。

霜田 里絵先生霜田先生

原因が何かにもよりますので、「頭痛外来で完結できる」とは限らないでしょう。ですが、その人の経験則により、「頭痛が治まれば、ほかの症状も引く」のであれば、ほぼ完結できます。一方、頭痛とは別の病気が判明すれば、専門の病院などを紹介することもあります。

編集部編集部

そもそもの頭痛の原因が、「目の使いすぎ」ということも考えられますよね?

霜田 里絵先生霜田先生

そうですね。頭痛が先で不快な症状が現れているのか、ほかのトリガーが先で頭痛が起きているのか、その鑑別も重要でしょう。頭痛外来で調べてみて、仮に目の使いすぎが原因と判明したら、眼科の受診を推奨します。要するに、頭痛の原因は様々で、その診断が頭痛外来で可能だということです。

頭痛外来の受診目安や頭痛症状の治療までの流れ

頭痛外来の受診目安や頭痛症状の治療までの流れ

編集部編集部

ところで、どの程度のレベルになったら頭痛外来へ相談すべきでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

「痛みの程度」と「痛みの頻度」の2軸で考えましょう。まず、痛みの程度については「今まで経験したことのない痛みならすぐに受診」ですね。また、痛みの頻度については「週に2回以上」が目安です。なお、週2回以上の頭痛を感じるようになると市販品に頼りたくなりますが、じつは市販薬の多用が問題となっています。

編集部編集部

頭痛の原因は様々ということですが、どうやって検査・診断をしているのでしょうか?

霜田 里絵先生霜田先生

まずは、問診によって疑わしい原因を推測していきます。場合によってはMRI検査などの画像診断も欠かせないでしょう。また、例えば「A」という薬を一時的に処方して経過観察して、効かなかったら「B」の薬に切り替えるという進め方をすることもあります。薬との相性は人によって異なるので、最善手をご一緒に探していきます。

編集部編集部

だとすると、薬が効かないからといって、むやみに転院を繰り返さない方がよさそうですね。

霜田 里絵先生霜田先生

1カ所で治療を続けるのが理想的です。ですから、頭痛外来の初診は「通いやすい場所」がおすすめです。薬の話のように、医師とコミュニケーションを取りながら解決していきたいですよね。薬の効き具合については、患者さんからも積極的にお話しください。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

霜田 里絵先生霜田先生

患者さんで多いのは、頭痛の市販薬を長期的に服用することで、かえって頭痛が悪化しているケースです。その場合、ぜひ医師の処方する処方薬で解決しましょう。とくに片頭痛については、注射するタイプの新薬の登場によって状況が劇的に進歩しました。「生活がガラっと変わった」と感じる患者さんも少なくないようです。頭痛を“解決できるれっきとした病気”と受け止め、“我慢してなんとかしのぐもの”とは思わないようにしていただきたいです。

編集部まとめ

頭痛外来は「頭痛を専門に診る窓口」ということでした。ほかの症状が出ていたとしても、頭痛がみられたら、受診先は頭痛外来で構いません。その際の受診の目安は、痛みの「程度」と「頻度」によります。また、意外だったのは「市販薬に頼りすぎることによる弊害」でした。市販薬は、受診するまでの“一時的な対処法”と考えておきましょう。

医院情報

銀座内科・神経内科クリニック

銀座内科・神経内科クリニック
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目12-10 龍岡ビル2階
アクセス 東京メトロ「銀座駅」 徒歩4分
診療科目 内科、頭痛外来